著者
田川 憲二郎
出版者
神田外語大学
雑誌
Scientific approaches to language (ISSN:13473026)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.269-288, 2008-03

英語を苦手とする日本人大学生の多くが、主語と定形一般動詞の間に本来不要な定形be動詞を挿入するという過ちを犯す。本稿では、筆者の推測の域を出ないが、その原因として彼らが中学校教科書を通じて初めて英語に接する際、定形be動詞を日本語の「は」や「が」に相当する助詞であると誤認している可能性があると考え、現行の中学校英語教科書の定形be動詞と一般動詞の導入の仕方を概観し、その解消へ向けての方策を検討する。小学校高学年からの英語の導入を3年後(2011年度)に控え、初学時の導入方法と英語力、英語の誤用との関係についての注意深い研究がなされるべきと考える。本稿は、そうした試みのケース・スタディである。
著者
長谷川 伸三
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (ISSN:18807887)
巻号頁・発行日
no.43, pp.51-70, 2006-03

京都豊年踊りとは、天保10年(1839)3、4月京都市中におこった熱狂的な踊り現象をさす。本稿では、この豊年踊りの絵画資料を概括し、その伝播過程や絵画の共通性や特異性を検討する。まず木版刷りの史料を検討した。京都で発行された一枚刷り「豊熟都大踊」「みやこおどり 鈴なるこの神徳」(大阪府立中之島図書館)や木版本『町々吉兆都繁栄』(早稲田大学附属図書館)は、この踊りの情報を各地へ伝える役割をはたした。たとえば後者は、『天保雑記』(国立公文書館内閣文庫)や『藤岡屋日記』(東京都公文書館)にそのまま書写されている。次に図巻・屏風の資料を検討した。図巻としては、「蝶々踊図巻」(大阪歴史博物館)と「天保十年豊年踊図巻」(チェスター・ビーティ・ライブラリー、アイルランド共和国ダブリン市)が双璧をなす。また「天保踊図屏風」(京都市歴史資料館)について、写真をかかげ、関連史料と合わせて紹介した。最後に冊子のさし絵を検討した。なかでも「天保視聴記事」(愛知県西尾市立図書館岩瀬文庫)のさし絵は図巻に匹敵し、『天保踊之記』(愛知県大洲市立図書館矢野玄道文庫)は、踊りに使われた衣装や提灯・手燭を図入りで説明している。これらの資料は、文字資料(文書・記録)とあわせて、豊年踊りの実状を詳細に明らかにするであろう。
著者
水野 博介
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.167-174, 2014

1 問題意識2 『ガールズ&パンツァー(略称:ガルパン)』聖地巡礼①「聖地」をめぐる概要②まち歩き③「大洗町商工会」へのインタビュー3 『耳をすませば(略称:耳すま)』①「聖地」をめぐる概要②まち歩き③「せいせき観光まちづくり協議会」へのインタビュー4 結語:
著者
奥田 和子 林 香枝
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.24-30, 1997-02-20

市販の4種類の菜箸-長さの長短,箸頭の紐の有無,箸先の滑り止め加工の有無,金属製と木製-を用いて実際に調理を行いながら,両箸の機能性を10ないし11項目について評点比較した結果,次のことが判明した。1) 長(33cm)短(30cm)の箸の比較を,茹で卵,茹でそうめん,卵焼き,たまねぎ妙め,フライドポテトの調理で行った。前3者では,長い箸の評点は短い箸の評点3に比べて有意に低く,短い箸の方が使い易かった。一方,たまねぎ妙めの調理では「妙めやすさ」「油の手に飛び具合」「手の熱くなり具合」の3項目で長い箸の評点はそれぞれ3.24,3.74,3.94であり長い箸は有意に使い易かったが,その他の項目では,短い箸の方が有意に使い易かった。フライドポテトを揚げる調理では「揚げ易さ」「油の手に飛び具合」「手の熱くなり具合」の3項目で長い箸の評点はそれぞれ3.59,3.76,3191で長い箸は有意に使い易かったが,その他の項目では短い箸の方が有意に使い易かった。2)紐の有無による差を茹でそうめんの調理で比較した結果,紐の付いた箸の評点は2.33から2.76で,紐のない箸の評点3に比べて有意に使いにくかった。3)滑り止めの有無による差を茹でそうめんの調理で比較した結果,箸の持ち易さでは両者に差がなかったが,その他の項目では滑り止めの付いた箸の評点は3.24から4.19で,滑り止めのない箸の評点3に比べて有意に使い易かった。4)金属製と竹製をフライドポテトを揚げる調理で比較した結果,「油の手に飛び具合」と「手の熱くなり具合」では金属製の箸は3.31,3.22で竹製の3より良好であったが,その他の項目では,金属製の箸の評点は1.66から2.40で竹製の箸の評点3に比べて有意に使いにくかった。5)妙める,揚げるといった調理操作中には長い箸33cmの方が望ましいが,それ以外の調理では短い箸30cmで紐がなく,滑り止めの加工を施した箸の方が使いやすいことが判明した。
著者
今村 一子
出版者
信州大学
雑誌
信州大学留学生センター紀要 (ISSN:13467433)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.45-59, 2002-03

「は」と「が」の使い分けは言語学的にも日本語教育においても難しい分野である。現在この両者の使い分けの原理としていくつかが挙げられているがそれらは取り立て助詞としての「は」の用法から必然的に生み出されたものである。この用法からの「は」の性格に格助詞である「が」がほぼ対立的な特徴を持って対峙しこれらの原理を構成している。この時「が」は単なる格助詞としての役割を越えた特殊なニュアンスや用法を持つようになる。主題文が文型として確立している日本語では、その教育現場において「は」の主題を提示する用法を分かりやすい文型の登場に合わせて積極的に教えてゆく必要があると同時に「が」の文は基本的に情報の原理を使うことでより広く使い分けの問題に対応できるのではないか。
著者
戸田 由美
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.153-164, 2006-02-28

漱石作品の面白さはその「意外性」にある。この稿では特に、前期作品の共通の問題点である「主人公」不在についての考察を通して「意外性のもつ意味」、「見立てのイメージ」について論じてみようと思う。またそこから進展した「は」と「が」の問題を解明することによって作品世界に横たわるメタ・メッセージを提示したい。
著者
水上 雅晴
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究科紀要 (ISSN:13460277)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.右65-右118, 2008-06-20
著者
三角 幸夫
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.279-283, 2004-04-30
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
能勢 隆 山岸 順一 小林 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.572, pp.61-66, 2006-01-20
参考文献数
8

本論文では, 隠れマルコフモデル(HMM)に基づく音声合成システムにおいて, 複数の発話様式または感情表現の表出や強調の度合を制御することを目的に, 重回帰モデルを用いた音声のスタイル制御法を提案する. 従来の重回帰HMMを用いた手法では, 音声の重要な特徴の一つである音韻継続長を担う明示的なパラメータが存在しないため, 各発話様式・感情表現を個別にモデル化した場合に比べ, 再現性が低下するという問題があった. そこで提案法では, HMMに状態継続長分布を組み込んだ隠れマルコフモデル(HSMM)を用いることで音韻継続長を明示的な制御の対象としている. 主観評価試験により, 提案法は各発話様式・感情表現の再現性だけでなく, これらの表出・強調度合の制御においても, 従来の重回帰HMMを用いた手法より優れていることを示す. また, 発話様式・感情表現の制御法の一つである補間手法との比較や, 重回帰HSMMで用いるスタイル空間の違いが合成音声に与える影響についても検討を行っている.
著者
藤原 千尋
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.13-18, 2000-12-05
被引用文献数
2

岩手県遠野市では毎年クマ被害が発生し,被害地住民にとって深刻な問題となっている。被害地住民の被害に対する認識や農業経営形態などにより被害問題の形態が変わることから,被害問題は加害動物と共に被害地住民の認識・行動が形作っていると言える。そこで本論では被害地住民の側からクマ被害の実態把握を行うことを目的とし,AとB,2つの集落に対して聞き取り調査を行った。その結果,B集落で遠野市による電気牧柵の補助制度が導入されない理由として,成功例を身近に見ておらず失敗例が共通認識化されていることが考えられた。従って,今後の対策としては,電柵導入が効果的と思われるが導入されていない集落に対して,モデル事業を行うこが挙げられる。また人身事故が過去に生じたB集落では,クマに対する認識が強く否定的になり,クマを残す合意形成が難しくなっていることが明らかになった。このことから,クマを対象とした場合,一見「クマと共存している」と思われる集落も,一回の人身事故でクマ否定派に変化することが考えられ,人身事故対策が非常に重要であると言える。
著者
岡本 哲和
出版者
關西大學法學會
雑誌
関西大学法学論集 (ISSN:0437648X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.866-886, 2016-11

【論説】Articles
著者
Matsuo Kazuyuki
出版者
上智大学
雑誌
アメリカ・カナダ研究 (ISSN:09148035)
巻号頁・発行日
no.14, pp.19-42, 1996

20世紀初頭に、アメリカの「影響力」は中国大陸に広がりつつあったが、それはかならずしもキリスト教の宣教師たちや軍人たちだけがになっていた役目ではなかった。ウッドロー・ウィルソン大統領(任期1913-21)のもとで、合衆国政府の機関として「合衆国広報委員会」なる組織が作られ、この委員会が「アメリカ」を中国や世界のさまざまな国に売り込むという努力をしていたのである。このようなことが行なわれたのは、第一次世界大戦をきっかけとしてプロパガンダという概念が登場し、ドイツを中心とする勢力と、イギリスを中心とする勢力が、広報・宣伝合戦を展開したからである。世界的規模で行なわれた宣伝合戦に立ち遅れていた当時のアメリカは、急濾編成された広報委員会をつかって「ドイツに対抗する勢力として、アメリカとイギリスが、抑圧された国の解放を目指している」とした。ところがこのような広報活動の故に、民衆の心の中には独特なアメリカのイメージが固まっていった。それはアメリカの当局者が直接意図したものというよりも、宣伝活動が言外に暗示していたアメリカ像であった。宣伝資料として、当時の大統領ウッドロー・ウィルソンの格調の高い演説が利用されたこともあり、「アメリカ」は現実の問題に対処する国というよりは、きわめて理想主義の色濃い、原理原則に固執する「正義の味方」となっていった。民衆の心の中に植え付けられた「自由と正義の国アメリカ」のイメージは、その後独自の成長を遂げて一人歩きを始め、中国では、アメリカの理想主義に影響を受けた民衆が、「抑圧」に対して立ち上がるという動きをすることになった。