著者
森 美奈子 上村 浩 竹林 正樹
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.146-153, 2022-05-31 (Released:2022-06-10)
参考文献数
25

目的:ナッジが設計された社員食堂での健康メニュー選択促進の実践と利用者の状況等の報告を目的とした.活動内容:特定非営利活動法人TABLE FOR TWO Internationalと契約した社員食堂では,ナッジのEASTフレームワークに則って健康メニュー選択を促進している.Easyナッジとして,手に取りやすい場所に健康メニューを配置し,健康メニューを選ぶと20円が自動的に寄付できる仕組みとした.Attractiveナッジとして,手書きポップで健康メニューを強調し,支援を受けた子どもの笑顔の写真を掲示した.Socialナッジとして,開発途上国の学校給食への寄付数を,Timelyナッジとして,今すぐに援助を要する子どもがいることを掲示した.活動評価:参加群(当該社員食堂利用者)100名に質問紙調査を,未参加群(当該社員食堂を利用したことのない労働者)70名にウェブ調査を実施した.参加群(解析対象者47名)は,未参加群(同70名)より社会貢献活動と健康メニューの両方に興味がある者が多く,ボランティア活動の参加経験率も高かった(いずれもP<0.001).参加群の利用期間は平均29.3か月,今後も継続利用したい者が71.0%だった.これらのナッジは,既存のナッジの弱点である「短期的効果」を克服できる可能性が示唆された.今後の課題:本実践では各群で調査法が異なったこと等の限界があるため,今後は同一企業の社員を対象に条件を揃えて検証する必要がある.
著者
斎藤 成也 藤尾 慎一郎 木部 暢子 篠田 謙一 遠藤 光暁 鈴木 仁 長田 直樹
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2018-06-29

リースしているサーバー(すさのを)および国立遺伝学研究所のスーパーコンピュータを用いて、現代人ゲノムの解析環境をととのえた。2018年度に購入したサーバー2台(うみさちとやまさち)を用いて、古代人や公開されている現代人ゲノムや動植物ゲノムデータの格納をおこない、それらデータの解析環境を整えた。季刊誌Yaponesianの2020年はる号、なつ号、あき号、2021年ふゆ号を編集刊行した。新学術領域研究ヤポネシアゲノムのウェブサイトを運営した。特に今年度は英語版を充実させた。2020年6月27-28日に、立川市の国立国語研究所にて総括班会議と全体会議をハイブリッド方式で開催した。2021年2月15-17日に、国立遺伝学研究所と共催で「ゲノム概念誕生百周年記念シンポジウム」をオンラインで開催した。2021年3月2-3日に、 「第2回くにうみミーティング」(若手研究者育成の一環)を開催し、公開講演会もオンラインで実施した。2021年3月19-21日に、佐倉市の国立歴史民俗博物館にて全体会議と総括班会議をハイブリッド方式で開催した。
著者
近江 則子 田名場 美雪 田名場 忍
出版者
弘前大学保健管理センター
雑誌
弘前大学保健管理概要 (ISSN:02865890)
巻号頁・発行日
no.25, pp.12-19, 2004

「どのような他者」の「どのような対応」が被受容感・被拒絶感に結びつくのかを,自由記述データの内容分析により探索的に検討した。調査対象者は大学生206名(男性63名,女性143名)である。結果,父親・母親・親友からは被受容感を得ることが多く,被拒絶感を得ることは少なかった。対応については,被受容感は「一方的にサポートを得る」「一方的にサポートを与える」「双方向的なサポート感覚を得る」の3つに,被拒絶感は「マイナスが付加される」「プラスが付加されない」「双方向的な感覚が得られない」の3つに分類することが出来た。
著者
久保田 暁
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.129-134, 2020 (Released:2020-08-31)
参考文献数
21

Polymyositis (PM) has been a common clinical diagnosis for inflammatory myopathies without dermatitis, since Bohan and Peter established diagnostic criteria classifying polymyositis and dermatomyositis by the presence of dermatitis. In Japan, the diagnostic criteria of polymyositis and dermatomyositis for medical subsidies are also based on the presence of dermatitis, and there are a number of patients with “polymyositis”. However, clinical, pathological, and serological studies have revealed that the inflammatory myopathies without dermatitis are a heterogenous group, including sporadic inclusion body myositis (sIBM), immune–mediated necrotizing myopathy (IMNM), collagen disease related myositis, and PM. For adequate clinical decisions as well as high–quality studies, PM should be diagnosed based on strict diagnostic criteria including pathological examination, such as the European Neuromuscular Centre (ENMC) criteria. Among 972 cases that had been diagnosed as inflammatory myopathies in our laboratory between 2000 and 2019, about 2/3 cases (550/925) lacked dermatitis, and could be diagnosed as “polymyositis” by Bohan and Peter criteria. However, based on the ENMC criteria, only 1.7% (17/972) cases were classified as PM. Even after the diagnosis of PM was made by pathological examination, some patients may be reclassified as other diseases, especially as sIBM. The improvement of pathological examination further reduced the number of misdiagnosed “PM”. In addition, infiltration of CD8 positive cells surrounding non–necrotic fibers, a hallmark of PM and sIBM, is also observed in other myopathies. Some researchers doubt the existence of PM. Thus, PM is a shrinking entity.

2 0 0 0 OA 瞽使者

著者
[ジュール・ヴェルーヌ 著]
出版者
国民書院
巻号頁・発行日
vol.後編, 1904
著者
小倉 和幸 新井 彰 定金 晃三 松本 桂
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第3部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.75-89, 2014-09

我々は大阪教育大学天文台51cm反射望遠鏡(以下51cm望遠鏡)における分光観測システムを構築した。これまで51cm望遠鏡を利用した撮像・測光観測によって様々な成果を挙げてきた。51cm望遠鏡での撮像・測光観測に加え分光観測が可能になればさらに学生の研究テーマが広がるとともに,設置から20年が経過する51cm望遠鏡の利用価値を大幅に高めることにつながる。そこで我々は小型望遠鏡での使用を想定して開発されたLHIRES IIIを用いて分光観測システムの構築に向けて機材の調節と試験観測を行った。その結果,明るい天体についてのスペクトルを得ることができた。本稿ではオリオン座δ星といっかくじゅう座V959 (2012年いっかくじゅう座新星)のスペクトルを用いて分光観測システムの性能を概算した。その結果,連星系のスペクトル変化や,明るい新星のスペクトルを観測可能であることが示せた。いくつかの課題点は残るが51cm望遠鏡による分光観測の基礎が構築できた。We developed a spectroscopic observation system of the 51cm telescope as an additional means of astronomical observation at Osaka Kyoiku University. While the 51cm telescope has been used for photometric observations and yield many scientific results, we can naturally expect that spectroscopic observation should bring more valuable information on astrophysics for us. We use LHIRES III sectrograph to construct the system of spectroscopy, and obtained optical spectra of some bright astronomical objects. We evaluated the performance of the system, especially by using the spectra of δ Ori and V959 Mon (Nova Mon 2012). Those tests indicated that we were able to obtain essecial informations required for astrophysical researchs of binary systems and classical novae, and the system is a promising tool for spectroscopic investigations of relatively bright objects by the 51cm telescope.

2 0 0 0 カメラ年鑑

著者
日本写真機工業会 編
出版者
日刊工業新聞社
巻号頁・発行日
vol.1956・7年版, 1956
著者
市川 寛也
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.57-64, 2018 (Released:2019-03-31)
参考文献数
36

近年の「妖怪ウォッチ」ブームに象徴されるように,今や妖怪は視覚文化として広く認知されている。一方で,民間伝承として語られてきた妖怪の多くは視覚で捉えることのできない無形の文化である。本稿では,民俗文化と大衆文化の間で揺れ動きながら形成されてきた現代の妖怪イメージを研究対象とする。その際,過去に蓄積されてきた知識や情報を参照しながら各種の表現媒体に変換されていく過程に着目し,そこに妖怪文化の持つ本質的な創造性を見出した。「妖怪をつくる」というテーマには,既存のキャラクターをモチーフとして用いるだけではなく,妖怪がつくられる仕組みを創作活動に組み込むというアプローチを想定することもできる。その実践事例として,筆者が取り組んできた「妖怪採集」というワークショップを踏まえ,現代の妖怪文化を通じた地域学習の可能性について一つの方法論を提示した。

2 0 0 0 OA 甲斐国志

著者
松平定能 編
出版者
温故堂
巻号頁・発行日
vol.第38巻 古跡部第1,第39巻 古跡部第2,第40巻 古跡部第3, 1884
著者
三浦 伸夫
出版者
化学史学会
雑誌
化学史研究 (ISSN:03869512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.193-204, 1997-11-25
著者
河野 高志
出版者
福岡県立大学人間社会学部
雑誌
福岡県立大学人間社会学部紀要 (ISSN:13490230)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-17, 2013-07-31

日本のケアマネジメントは従来、制度・政策に組み込まれ、法律の施行と改正によって発展し、また展開されてきた。しかし一方では、利用者の生活を支援するうえで十分なケアマネジメント実践が行われていないという問題が指摘されてきた。その背景にはケアマネジメントとソーシャルワークの乖離という状況がある。この状況は、利用者の生活に寄りそったケアマネジメントの実践方法の未発展や、そこにかかわるソーシャルワーカーの不足という事態を引き起こしてきたのである。 そこで本稿では、こうした問題を解決する糸口を見出すため、ソーシャルワークとケアマネジメントの先進国であるアメリカとイギリスとの比較から、日本のケアマネジメントの問題を明らかにし、それをソーシャルワークとの関係から考察した。そして、その考察をふまえてソーシャルワーカーを活用したケアマネジメント展開の試案を提示し、実現への課題を整理した。
著者
佐藤 寛 高橋 史 松尾 雅 境泉 洋 嶋田 洋徳 陳峻 〓 貝谷 久宣 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.15-30, 2006-03-31 (Released:2019-04-06)

本研究では、問題解決能力を測定する尺度であるSocial Problem-Solving Inventory-Revised(SPSI-R)日本語版を作成し、信頼性と妥当性の検討を行った。一般対象者(大学生863名、平均年齢20.6±2.8歳:成人210名、平均年齢43.4±14.1歳)のデータについて確認的因子分析を行った結果、SPSI-R日本語版は原版と同様に「ポジティブな問題志向」「ネガティブな問題志向」「合理的問題解決」「衝動的/不注意型問題解決」「回避型問題解決」の5因子構造であることが示された。また、SPSI-R日本語版には十分な内的整合性と併存的妥当性、および中程度の再検査安定性が認められた。さらに、臨床対象者(46名、平均年齢35.1±9.4歳)は一般対象者に比べてポジティブな問題志向が低く、ネガティブな問題志向が高く、全般的な問題解決能力が低い傾向にあることが示唆された。

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1904年03月19日, 1904-03-19