著者
瀬戸 美江 蒲原 しほみ 藤本 健四郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.2-7, 2003-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
27

鶏レバー,牛レバー,豚レバーの3種類を用い,調理温度によってにおいを軽減できるかということを目的に,アンケート調査,ニオイセンサー,官能評価,化学的成分の測定を行った.アンケート調査の結=果,「生臭さ」や「味」が嫌いな理由の上位にあることが分かった.ニオイセンサーでは,レバーにより加熱温度によるにおいの強さが異なったので,官能評価を行ったところ,180℃の高温短時間加熱により生臭さが抑えられ,味も好まれた.また,高温加熱によりサラダ油の浸透が進み,高度不飽和脂肪酸の酸化も抑えることができた.鉄含有量が高いヘム鉄のレバーを高温短時間加熱することにより鉄分の損失は抑えられ,味もにおいも好ましくなることで,貧血の鉄補給源など栄養的効果を期待される食品として,レバーの利用範囲を広くすることができるのではないかと考える.

17 0 0 0 OA 奇態流行史

著者
廃姓外骨 編
出版者
堀岡良吉
巻号頁・発行日
1923
著者
小木曽 洋一
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.221-226, 1994-09-20 (Released:2010-08-27)
参考文献数
27
被引用文献数
1
著者
小林 耕太 古山 貴文 飛龍 志津子
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究の目的は近赤外レーザー人工内耳を開発することである。同人工内耳は従来型の電極を刺激プローブとして使用するものと異なり、低侵襲で聴覚を回復することを目指している。神経細胞膜中のイオンチャネルの多くは熱に対する感受性を持つ。近赤外レーザー光を神経細胞に照射することで、チャネルを加熱し(最大5℃)、活動電位を誘発することができる。生体外より聴覚末梢(蝸牛神経)をレーザーで刺激することにより、低浸襲・非接触で神経活動を誘発し、聴力を再建することが可能になると私達は考えている。当該年度は(1)スナネズミを被験体として、レーザー刺激部位の同定およびレーザー刺激による音圧、周波数の再建の可能性を検討した。具体的には、レーザーにより刺激する部位を変化させることで異なる周波数の聴こえを再建可能であるか検証するため、レーザー刺激用光ファイバーが蝸牛のどの部位を刺激しているかについてX線マイクロCTを用いて定量化を行った。またレーザーの刺激パラメータ、繰りかえし周期および出力を変化させることで、音の周波数および音圧を変化させたのと同様な神経応答(脳幹および皮質応答)がえられることがわかった。(2)ニホンザルを被験体として、音響生理実験を開始し、聴性脳幹反応および皮質由来の神経活動(Auditory evoked potential)の記録をおこなった。単純な音(クリック音)および音声(coo call)に対する脳幹および皮質応答の記録に成功した。さらに(3)ヒトを被験体として、これまでに作成したレーザーにより再建される音の「聴こえ」をシミュレートした音声が、老人性難聴に有用であるかを実験的に検証した。老人性難聴において顕著に不足する高周波のフォルマント情報をレーザーにより補強することで高周波に知覚手がかりをもつ子音の聞き取りが有意に上昇する結果が得られた。
著者
西岡 敦子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.332-338, 2013-04-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
20

現代では,「化粧は女性がするもの」とされている.しかし,自分を美しく見せたい,他人に良く思われたいという気持ちで化粧をする女性がいるのであれば,同じ気持ちで男性が化粧をしても良いのではないか.男性の化粧行動に対して,周囲の違和感がない環境になれば,生きやすいと感じる男性も出てくるのではないか. そこで,日本の男性の化粧行動の経緯を概観し,今後の男性の化粧行動について個人の意識,意見も踏まえて考察した. 男性は化粧をするものではないという意識が広がり始めたのは明治時代である.その後,男性用化粧品,男性用エステ,男性向け美容雑誌,化粧をした男性有名人の影響,眉を整えたスポーツ選手の活躍で,男性の化粧に対する周囲の意識は徐々に変化していった.化粧をしたい,また,普段からしているという男性や,男性にも化粧をして欲しいという女性も存在していることもわかった.今後,男性の化粧行動も受け入れられていく可能性は大いにあるだろう.しかし,男性の化粧行動が受け入れられたとしても,現在,成人女性に対して存在する,化粧をして当たり前であり,すべきであるという社会風潮が男性にも広まってはならないと考える.
著者
中川 左理
出版者
一般社団法人 日本在宅薬学会
雑誌
在宅薬学 (ISSN:2188658X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-39, 2019 (Released:2019-05-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
環太平洋から「日本研究」を考える
巻号頁・発行日
2021-03-31

2019年12月21日-22日に国際日本文化研究センターで開催された「国際日本研究」コンソーシアム主催の「環太平洋学術交流会議」での発表と議論を軸に構成したもの
著者
伊東 一郎
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.767-796, 1982-03-30
著者
稲垣 希望 池島 徳大 田窪 博樹
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.73-81, 2017-03-31

本研究では、東(1997)が考案した問題の外在化技法としての虫退治技法の考え方を取り入れた心理教育プログラムを開発し、B小学校第6学年C学級に全7回導入し、その効果等について検討を試みた。プログラムの効果測定には、栗原・井上(2010)の「学校環境適応感尺度(ASSESS)」、庄司(1993)の「児童のself-control尺度」を用いた。その結果、「生活満足感」「友人サポート」両因子に統計的に有意な差が見られた。また、統計的に有意な差は見られなかったものの、児童らのセルフ・コントロールが若干向上した。これらの結果に加え、児童らが取り組んだワークシートや振り返りなどから、本プログラムの実施により、児童らは「問題を外在化する」スキルを身に付け、お互いに困っていることを「虫」として開示し、さらに、日常生活において学んだスキルを般化できるようになった。
出版者
内務省地理局
巻号頁・発行日
vol.巻之190 比企郡之5,巻之191 比企郡之6,巻之192 比企郡之7,巻之193 比企郡之8,巻之194 比企郡之9,巻之19, 1884
著者
佐々木 周作 石原 卓典 木戸 大道 北川 透 依田 高典
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.12, no.Special_issue, pp.S14-S17, 2019 (Released:2020-03-17)
参考文献数
8

本研究では,日本全国に居住する20–69歳の男女個人8,520名を対象にオンライン実験を行い,その中で2つの寄付先活動(植林活動・被災者支援活動)を設定して,マッチング寄付・社会比較・両者の組合せの介入がそれぞれの活動に対する寄付額選択にどのような影響を及ぼすかを明らかにした.分析から,以下の結果が得られた.まず,平均介入効果は寄付先活動によって大きく異なることが分かった.具体的には,マッチング寄付単体の介入は植林活動では平均的に寄付額を上昇させる正の効果を持つが,被災者支援活動では同様の効果を持たなかった.さらに,機械学習の手法を使用して回答者ごとの介入効果を推定して,介入効果の分布の特徴と寄付先活動による分布の違いを明らかにするとともに,同一個人内で寄付先活動毎の介入効果を比較することにより,寄付先活動の違いによらず同様の介入効果を持つケースと,寄付先活動の違いによって異なる介入効果を持つケースの両方が存在することを明らかにした.
著者
松田 裕之
出版者
甲子園大学
雑誌
甲子園大学紀要 (ISSN:18815731)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.123-155, 2007-03-31
被引用文献数
1

南北戦争を戦史のなかに定置すれば、近代的な総力戦の先駆と捉えうるが、じつはこの側面を象徴する出来事として、当時の先端テクノロジーたる電信の本格的な軍事使用をクローズアップできる。国家の再統一を大義に掲げる北部連邦=USAにとって、広範に展開した大規摸な軍隊と、それに対応する長い兵站補給線を維持すべく、効率的な通信体制の整備は必要不可欠となる。行政府と各方面軍、軍同士、軍司令部と麾下の諸部隊、部隊同士のあいだに情報を短時間で廻らせたのが、戦場に派遣された連邦陸軍電信隊(USMTCs)。飛び交う銃弾と炸裂する砲弾のなかで、隊員たちは電線を架設・保守・修復し、モールス電信機を操作して暗号通信文を迅速に送受する。争乱によって授けられたその寿命わずかに5年、アメリカ史の分水嶺に流星の如き光芒を映じて消えたUSMTCs-裏方ともいうべき存在をあえて歴史の表舞台に立たせるのは、情報通信テクノロジーが戦争という禁断領域に使用された「事始め」をあきらかにするためだけではない。USMTCsという存在自体が後世に対して発する問いかけにもよる。すなわち、「一朝有事に際して、誰のために誰の血が流れるのか?」という……。
著者
牟田 和恵 丸山 里美 岡野 八代
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

本年度は、第三者からの精子提供によって女性カップルのもとに生まれた子について、インタビュー調査の設計を行うとともに、7ケースの事例調査を実施した。またフランスにおいては、関連法についても調査した。事例調査は、3ケースは日本、3ケースはフランス、1ケースはニュージーランド(調査自体はイギリスで実施)のものである。フランスは2013年に同性婚が法制化され、同性カップルの養子縁組も可能になったが、同性カップルの生殖補助医療の利用は認められておらず、現政権のもとで議論がなされている最中である。ニュージーランドは、調査対象者が子をもうけた時点では同性婚は法制化されていなかったが(2013年に法制化)、生殖補助医療の利用は可能であった。各国の法制度のあり方と、それと関連はするが相対的に独立した当該家族に対する社会の許容度は、情報開示と子のアイデンティティのあり方に強く影響するが、それだけではなく、子の発達段階、家族の居住形態、精子提供者をどのように得たかなどによってもかなり異なっていることが明らかになった。同性婚はもとより、同性カップルの生殖補助医療が認められておらず、当該家族に対する社会の許容度もきわめて低い日本では、同性カップルが子をもうけるということ自体が、金銭的にも社会資源の面でも特権的な階層にしか可能ではない。それにもかかわらず子をもうけたカップルが直面した・している困難と、その際に取った戦略、そして同様の問題が他国においてどのように生じているかに関する事例を収集することによって、当該家族のもとで育つ子の法的権利・福祉のあり方を検討していくための基礎的な整理を行った。
著者
谷口,一郎
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, 1982-10-01

子宮体癌は近年増加傾向にある.その早期診断には,子宮腔内より直接細胞を採取する細胞診が重要である.我々は当科外来患者138名(33〜77歳)にブラシ法の一変法であるEndocyte法と,増渕式吸引法を同時に施行し,比較検討した.また他施設での既知体癌患者8名に対して,Endocyteを使用し次の如き結論を得た.1)Endocyte法は吸引法より多量の内膜細胞が採取可能であった.2)挿入は吸引法に比較してやや困難な場合もあるが,従来のブラシ法に比較すると,はるかに容易であった.3)細胞採取時の出血量は大差なかった.4)子宮腔内に出血している場合やpyometraの場合は,Endocyte法の方が細胞を採取しやすかった.5)子宮頚部の細胞のcontaminationがEndocyteの方が少なかった.6)細胞採取時の疼痛の程度は,Endocyteの方がやや強かったが,鎮痛剤を必要とした症例はなかった.7)子宮体癌患者13例にEndocyteを施行したが,全例共細胞診陽性であった.以上の結果より,Endocyte法は,子宮内膜細胞診を施行する場合吸引法と同様に有用であり,またIUDの挿入器具と構造的に類似するため,一般婦人科医にも扱いやすいと思われる.