2 0 0 0 OA 近松全集

著者
近松門左衛門 著
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
vol.第7巻, 1926
著者
工藤,与志文
出版者
日本教育心理学協会
雑誌
教育心理学研究
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, 1997-03-30

College students numbering 206 were examined on their beliefs of the movement of sunflowers, and 112 students who had the false belief participated also in the experiment. The subjects were asked to read the science text which explained the facts that contradicted their beliefs in the following three conditions : (a) the photosynthetic rule was instructed, and the contradictory facts were referred to as examples of the rule ; (b) the photosynthetic rule was instructed, but the facts were referred independently from the rule ; and (c) only the facts were presented. The subjects were then put to some reading comprehension tests. The frequencies in the occurrence of belief-dependent misreading (BDM) on the tests were analysed. The following results were obtained : (1) There were less BDMs in the condition of the rule and example than in the other two conditions ; (2) there were no less BDMs in the condition of the rule and facts than in the condition of the facts only. There findings suggested that the instruction in the relation of the rule and example was useful in order to avoid BDM.
著者
吉川 忠夫
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 = THE SHIRIN or the JOURNAL OF HISTORY (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.225-258, 1970-03-01

『論語』に模した文中子王通の『中説』にたいしては、その真偽をめぐって、従来さまざまの論評が加えられてきた。筆者は、王通の弟王績の『東皐子集』を手がかりとして、王通像の虚実をあきらかにし、また『中説』の真偽をさだめることにつとめた。『中説』が疑惑視される一つの、しかももっとも大きな理由は、唐初の名臣の多くが、王通の門人として『中説』に登場することである。しかし、陳叔達、温彦博、杜淹、魏徴たちは、門人とはよべないまでも、文中子学団と関係をもったと推定される。『中説』には、後人による仮託の部分のあることを否定しえないにせよ、このように『中説』にあらわされた王通像は、まったく放恣な作為の産物であるのではなく、少なからぬ真実がそこに反映されている、と考える。About "Chung-shuo" 中説 by Wên-chung-tzu Wang-t'ung 文中子王通 imitated after "Lun-yü" 論語, there have been various comments around its credibility. This article, using as a clue "Tung-kao-tzu-chi" 東皐子集, the work by Wang-chi 王績, explains the credibility of Wang-t'ung's figure, and tries to decide upon the authenticity of "Chung-shuo ". One and the biggest reason for the doubtfulness of "Chung-shuo" is that many illustrious retainers at the beginning of T'ang 唐 appeared as followers of Wang-t'ung in "Chung-shuo". Though we cannot call them followers, such as Ch'ên-shu-ta 陳叔達, Wên-yen-po 温彦博, Tu-yen 杜淹 and Wei-chêng 魏徴, they presumably had some relation with the Wên-chung-tzu 文中子 clique. Though we cannot deny some pretext by the posterity should be found in "Chung-shuo". We may think that the image of Wang-t'ung in "Chung-shuo" should not be a quite unprinicipled and artificial product but a reflection without a little truth.
出版者

『日本書紀』の巻一、二のみの写本。巻一、二は神代巻で、中世には神道書として尊ばれた。本文に墨の訓点、読み仮名、朱の読点等があり、欄外、行間にも書入れが多い。これらは講釈の体裁を存するが、二筆から成るようである。第1冊第1丁表に「持主秀存」、第1冊巻一尾題下、第2冊第1丁、巻二巻首・末丁表に「秀存」の墨書がある。秀存については未詳。比叡山の再興に努めた同名の僧(1598年没)がいるが、同一人物かどうか明らかでない。
著者
スムットニー 祐美
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ (ISSN:24343110)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.35-67, 2021-03-31

本論文は、16 世紀末に来日したイエズス会東インド管区巡察師アレッサンドロ・ヴァリニャーノが作成した茶の湯関連規則が、千利休によって形成されたわび茶の影響を受けていた可能性について、ローマイエズス会文書館所蔵の史料を用いて検証するものである。 ヴァリニャーノは日本視察を通して意図の異なる2 つの茶の湯関連規則を作成し、修道院内に茶の湯による接客態勢を整えた。その規則とは、1579 年から1582 年までの第1 次視察中、豊後(大分)において作成された『日本の習俗と気質に関する注意と助言』(Advertimentos e avisos acerca dos costumes e catangues de Jappão 以下、『日本イエズス会士礼法指針』と称す)と、第2次日本視察を終え、1592 年に滞在先のマカオにおいて作成した「日本管区規則」である。本稿では主に、後者に収録されている「茶の湯者規則」(Regras para o Chanoyuxa)と「客のもてなし方規則」(Regras do que tem comta de agasalhar os hospedes)を扱い、そこに示されている茶の湯規則と利休の茶の湯の心得との共通点を明らかにする。 本稿では『日本イエズス会士礼法指針』から、ヴァリニャーノの指示によって修道院で行われた茶の湯の準備態勢について検証したのち、「茶の湯者規則」「客のもてなし方規則」との相違点を浮き彫りにする。さらに、後者に示されている精神性と、『南方録』の「覚書」にみる利休の茶の湯の心得との共通性を検証する。以上の研究で導き出された結果から、「茶の湯者規則」と「客のもてなし方規則」には、わび茶の影響が及んでいたことが明らかとなった。
著者
前田 太郎
出版者
The Acarological Society of Japan
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.9-17, 2015
被引用文献数
9

アカリンダニ<i>Acarapis woodi</i>はミツバチ成虫の気管内に寄生して体液を吸汁する.アカリンダニの寄生はミツバチコロニーに深刻なダメージを与え,セイヨウミツバチ<i>Apis mellifera</i>におけるアカリンダニの分布はヨーロッパから南北アメリカを中心に全世界に広がっている.日本におけるセイヨウミツバチへの寄生報告は2010年に初めて行われ,同年ニホンミツバチ<i>A. cerana japonica</i>においてもアカリンダニの寄生が確認された.その後,農林水産省のアカリンダニに関する記録によると,2012年までわずか4件の記録がニホンミツバチであるだけで,セイヨウミツバチにおける寄生記録はない.しかし,実際のアカリンダニ被害件数はこの記録よりもはるかに多いと考えられた.そこで,全国のニホンミツバチ350コロニーと,セイヨウミツバチ50コロニーについてアカリンダニ寄生の現状を調査した.アカリンダニ寄生の診断は,顕微鏡下でミツバチを解剖して行った.その結果,ニホンミツバチでは東日本を中心にアカリンダニの寄生が確認された.一方,セイヨウミツバチではアカリンダニの寄生は発見されなかった.セイヨウミツバチへのアカリンダニ寄生率が,ニホンミツバチに比べてはるかに低い原因について現在調査中である.
著者
矢嶋 里絵
出版者
東京都立大学人文学部
雑誌
人文学報. 社会福祉学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
no.13, pp.41-71, 1997-03-25

わが国における障害者福祉法の起点である「身体障害者福祉法」の制定過程を、基礎的な史料に基づいて検証する。とくに本稿では、日米の障害者福祉に対する考え方の違い、法案作成をめぐる交渉経過、障害者による法制定要求の展開等に着目して、法成立に至る道筋を明らかにしたい。
著者
松浦 亮太
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.91-109, 2016-03-30

運動を連続的に行うとそのパフォーマンスは低下していき,最終的に運動自体を続けることが出来なくなることは,あらゆる人々によって経験される事実である。筋疲労という用語が用いられた場合,その用語はこれらの運動パフォーマンスの低下や疲労困憊を意味するものであると混同されがちである。筋疲労の結果として運動パフォーマンスの低下や疲労困憊が起こるという理解は正しいが,筋疲労の発生および亢進は運動パフォーマンスの低下および疲労困憊と同一のものではない。伝統的な筋疲労研究において筋疲労の定義は確立されてきたが,近年の研究では,その定義に必ずしも当てはまらない状況において運動パフォーマンスの低下および疲労困憊が起きることが報告されている。これは,これまでの筋疲労の定義では説明できない筋疲労というものが存在する可能性を示している。そこで本稿では,初めに伝統的な筋疲労の定義を提示し,その後にその定義には当てはまらない筋疲労について,著者が主体的に関わった研究成果を中心に考察を進める。最終的に,伝統的な筋疲労の定義を修正した新たな定義を提案する。
著者
王 瑋 坂田 桐子 清水 裕士
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.103-112, 2016 (Released:2019-08-05)

We tested the relationship between transformational leadership and stress responses by using a twodimensional stressor framework. Results of a cross-sectional questionnaire (N = 318) showed that transformational leadership had a direct negative effect on stress responses. Meanwhile, transformational leadership had a positive relationship with challenge stressors, and a negative relationship with hindrance stressors. The positive relationship with challenge stressors had a positive effect on promoting work satisfaction, and gave meaning to the work of followers, however it also had a positive relationship with stress responses, which is a point that is usually ignored.
著者
田端 健人 真竹 健人
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.255-276, 2012

本稿では、ある公立小学校3年生の学級が、前年度の「荒れた状態」から回復していくプロセスを、観察とインタヴューの文字記録によって提示する。まず、この学級が2年生の時の教室の様子と、問題行動の中心となっていた子ども「S君」の様子を描出する。次に、クラス替えを経て3年生になった時、この学級を担任した教師「A先生」の、担任を引き受けるにあたっての覚悟や教育観を、インタヴューをもとに紹介する。そして、3年生になり新しい学級がスタートした時のエピソードを、主に3つ(記録1・インタヴュー6・記録5)提示する。これらのエピソードは、学級みんなの前で、A先生がS君に、叱責と称賛という仕方で強く働きかけた場面であり、S君と学級みんなに変容をもたらしたと考えられる場面である。A先生のこうした働きかけによって、この学級はわずか1カ月ほどで、「荒れた」状態を克服していく。A先生の語りと働きかけは、一般的に流布する教育言説によっても理解可能であるが、それをはみだす独自の実践感覚と言葉遣いを含んでいた。そこで、A先生の語りと実践感覚を、一般的な教育言説を超えて、一層深く理解するために、マルティン・ブーバーの「人間関係の存在論」を参照する。特にクライエント中心療法のカウンセラー、カール・ロジャーズに対するブーバーの批判に着目し、ブーバーの「受容」論を明確化する。そして、これを資料解釈の導きとし、A 先生の語りと働きかけを、心理学的次元ではなく、存在論的次元において理解することを試みる。
著者
高橋 勅徳
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.201-215, 2020

<p>The purpose of this paper is to clarify impossibly of marriage by the use of the marriage activity party. Precedent study criticize using of the marriage activity party. Because participant of the marriage activity parties postpones decision for ideal marriage. However Precedent study do not explain why the participant postpone decision for marriage enough. Thereupon, this paper presented new analytical framework based on valuation studies, and have described practices at marriage activity party. From this description, this paper explain impossibly of marriage by the use of the marriage activity party was caused by working valorizing and paralyzing values at marriage market.</p>
著者
和田 章
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.347-352, 2013 (Released:2019-10-31)

東日本大震災は,この被災地に建築・インフラ・まち・都市を構築してきた土木分野・建築分野だけでなく,人々の生活を豊かにしようと努力してきた各種の工学分野の研究者や技術者に大きな衝撃を与えた。自然の猛威は非常に大きく抜けがないから,完璧とはいえない人間の作るものはこれに耐えられず破壊されることがある。これに対処するためには,学問分野を超えた総合的な議論と実行が必要であり,最大級の自然の猛威とこれを受ける人工構造物のあらゆる挙動を俎上に載せて真剣に議論する必要がある。
著者
乾 彰夫
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.335-345, 2016

<p>本論は,若者の移行研究の立場からの,発達心理学研究への若干の問題提起と問いを意図している。欧米でも日本でも,若者の大人への移行の期間は近年,安定した就労,離家,結婚など主要な指標に照らして長期化した。こうした変化に応ずる形で,欧米においては,例えばアーネットの主張するemerging adulthoodのように,この延長された期間をとらえるための新たな理論が提起され,またそれらの是非をめぐる激しい論争が展開されている。とくに重要な争点は,emerging adulthoodが先進国における新たな普遍的発達段階といえるか否かということである。アーネットはその普遍性を主張するが,他の研究者からは,これはもっぱら大学進学が可能なミドルクラスの若者にのみあてはまるもので,低階層の若者たちの経験が無視されているとの批判を受けている。日本の発達心理学には青年期を対象とした研究は少なからずあるとはいえ,移行の長期化に注目した研究は未だそれほど多くない。さらに,青年期研究のほとんどが高等教育機関に在籍する学生やその卒業生を対象としていることも,重大な問題であるように思われる。大学等に進学しないような若者たちは日本の発達心理学には存在しないのだろうか。</p>