著者
北本 朝展 カラーヌワット タリン Alex Lamb Mikel Bober-Irizar
雑誌
じんもんこん2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.223-230, 2019-12-07

機械学習(ディープラーニング)を活用したくずし字OCRの研究が盛り上がりを見せている。こうした研究をさらに後押しするために、我々は世界最大の機械学習コンペプラットフォームであるKaggle上で、2019年7月から10月にかけて「くずし字認識」コンペを開催した。本論文はこのコンペの準備・経過・成果の各段階について、実際に行ったこととそこから得られた教訓をまとめるとともに、人文情報学の分野で機械学習コンペを活用することの価値を検討する。
著者
原田 正純
出版者
アークメディア
雑誌
臨床精神医学 (ISSN:0300032X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.1629-1637, 2009-11
被引用文献数
1
著者
永山 友子
出版者
神奈川大学
雑誌
神奈川大学言語研究 (ISSN:09153136)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.175-192, 2005

本稿は,将来の観客に対して行われる,外国語映画を観るという行為のコンテキスト化を,当該映画の公開前後に掲載された新聞広告を通して分析する。考察の対象として,分かりやすさが求められるものの,タイトルがカタカナ語になっているディズニー^<TM>・アニメーション映画の広告を取り上げた。5ヶ月にわたる継時的な分析を行った結果,これまでにディズニー^<TM>とピクサー^<TM>が共同制作してきた映画への言及,他のマス・メディアにおける映画評の引用,相次いで発表される映画賞の話題や,両社のブランド効果を通して張り巡らされた間テキスト性がコンテキスト化の主な要因になっていたことが検証された。
著者
〓 春明 越田 淳一 森山 典子 王 暁丹 有働 武三 井上 興一 染谷 孝
出版者
一般社団法人 日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.865-874, 2005-12-05 (Released:2017-06-28)
参考文献数
34
被引用文献数
3

九州各地の堆肥化施設23カ所から,牛糞,鶏糞,生ゴミおよび下水汚泥を原料とした堆肥計29点を採取し,糞便汚染指標菌(大腸菌群,大腸菌およびサルモネラ菌)について培養検査した。1)これら堆肥試料のCECは31.4〜79.0cmol_ckg^<-1>の範囲(平均55.4cmol_ckg^<-1>)で,炭素率(C/N比)は7.6〜25.4の範囲(平均15.3)にあり,他の性状と合わせ,多くが完熟堆肥であると判断された。2)デスオキシコーレイト寒天培地により大腸菌群が29点中11点(38%)から検出され10^2〜10^6cfug^<-1> dry matterの菌数レベルであった。大腸菌群陽性堆肥試料4点のうち3点からの分離株は,大腸菌群に属するE. coli, E. vulneris, Pantoea sp., Buttiauxella agrestisと同定された。しかし,Serratia marcescensのみが分離された試料が1点,本菌とE. coliが分離された試料が1点あった。大腸菌群には属さない腸内細菌科の細菌であるS. marcescensは赤色色素を生産するため,分離培地上で大腸菌群の赤いコロニーと誤認されたものと推察された。一方,得られたE. coli5株は,病原大腸菌免疫血清試験ですべて陰性であった。3)堆肥試料12点についてクロモカルト・コリフォーム培地による大腸菌の直接培養検査およびMLCB寒天培地によるサルモネラ菌の検出を試みた結果,大腸菌はいずれの試料からも検出されず,サルモネラ菌は2点(17%)から検出され,その菌数は10^3cfug^<-1> dry matterのレベルにあった。4)堆肥原料(牛糞,鶏糞,生ゴミ等)8点のうち大腸菌群およびサルモネラ菌がいずれも6点(75%)から,大腸菌が5点(63%)から検出され,菌数はいずれも10^2〜10^8cfug^<-1> dry matterであった。5)堆肥製造施設6カ所における堆肥化過程での糞便汚染指標菌の消長を7例について追跡した結果,糞便汚染指標菌が減少して製品中で消失する場合,いったん消失するが製品で再度検出される場合,全く消失しない場合,原料から製品まで検出されない場合の4通りが観察された。発酵温度が高くてもサルモネラ菌などが生残する場合があり,その原因について,再増殖や交叉汚染の可能性を考察した。6)上記の諸結果に基づき,堆肥の製造過程における温度管理や交叉汚染防止などの適切な衛生管理の重要性を指摘した。
著者
久保 大輔
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.3_297-3_314, 2020 (Released:2020-07-24)
参考文献数
19

There is a hypothesis that the English Premier League clubs, whose broadcast rights are over 50% of their total revenue, fail to place importance on individual customers. At the same time, there is another hypothesis that Japanese League clubs, whose broadcast rights are limited - i.e. about 21 billion yen a year is divided among 55 clubs - should consider that individual customers are important with regard to their managerial judgement. This study analyzes football clubs' Mission Statements regarding who is targeted in order to create values or solve the problems they may have on a daily basis. Charters of 20 clubs of Premier League and Creeds of 55 clubs of Japanese League were investigated by utilizing a KH Coder, which is suitable for data analysis of words of Japanese and English. This contributed to the discovery of the fact that it is the Premier League, rather than the Japanese League, that uses a lot of words such as “supporter,” which refer to individual customers. Despite the fact that in the Premier League at least 10 billion yen per club is guaranteed from broadcast rights and revenue from individual customers is under 20% of total revenue, they share their will to promise supporters to provide values that meet their potential needs through mission statements such as Charters. This might be why very high average attendances are realized and an attractive market has been established. On the other hand, the Japanese League - about which it has been pointed out that “there is no awareness of customer's definition in Japanese professional sports management (Machida, 2016)”- should review and rebuild its mission statement by using appropriate words, such as those used by the Premier League. It is argued that this is one of the important factors which will influence the future development of Japanese football.
著者
石神 真悠子 江川 愛都沙 江口 怜 田中 智輝 鈴木 康弘 李 舜志
出版者
東京大学大学院教育学研究科付属学校教育高度化センター
雑誌
東京大学大学院教育学研究科付属学校教育高度化センター 研究紀要
巻号頁・発行日
no.2, pp.25-63, 2017-03-31

2015 年度若手研究者育成プロジェクト採択者ワーキングペーパー(2016年度に高度化センターHP に公開のものを再掲)キーワード:the social, Education, Social Security, Hannah Arendt
著者
日高 俊一郎
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.73-78, 2005-11-26 (Released:2017-11-17)
参考文献数
12

質問紙調査を行った結果, 虫嫌いの子どもの親は虫嫌いである割合が高く, 虫好きの子どもの親は虫好きである割合が高いことがわかった。また, 虫好きと虫嫌いでイメージする虫の種類に違いがあることがわかった。さらに, 男女を問わず, 小さい時は虫が好きであり, ある年齢を境に虫嫌いになる傾向があり, その年齢が男女で異なることがわかった。この結果をもとに, 虫嫌いになる過程を仮説として設定することができた。
出版者
海軍省教育局
巻号頁・発行日
vol.第一卷, 1940
著者
土屋 和人
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン = Nikkei personal computing (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.782, pp.99-104, 2017-11-27

今回は、Excelのワークシートとは別に専用の画面を表示し、出題されたクイズに解答していくゲームを作っていこう。この専用画面は、VBAの「ユーザーフォーム」を利用して作成する。クイズの出題と解答の入力は専用画面で行うが、出題する問題はあらかじめワークシートに入力しておく。このシート名は「クイズ設定」とし、クイズのタイトルの入力欄も用意する。出題は全10問で、問題と同じ行にあらかじめ正解も入力し…
著者
佐藤 佑 SATO Yu
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.39-57, 2014

国語科のいわゆる「学校文法」は、日本語研究の分野ではことごとく否定され、大学の教師教育においてすら批判的に扱われることが多い。その結果、国語教師は教えるべき文法のあり方を十分に知らされないまま教壇に立つことになっている。本稿はこうした現状に一石を投じるべく、学校文法の枠組みの中でも特に難解な「連文節」の理論を整理し直すことで、国語教育に携わる人々の一助となることを期するものである。これに加え、学校文法の枠組みから外れる連文節以上・文未満の単位を処理するためのツールとして、橋本進吉が最晩年に整備しようとしていた「文節の群化」のシステム(橋本1944)を再評価し、その重層的で複雑な文構造の捉え方を教育現場に持ち込むための方法論を検討する。具体的には、述語・述部を核とした学校文法の「文の成分」観を肯定的に捉えつつ、その理解を助けるものとして橋本(1944)の理論を応用し、個々の文節間の関係を順序立てて確認する方法、またそれに基づいて、教育現場では構文を階層的・段階的に図解しながら教える手法を提案する。
著者
木下 裕介 増田 拓真 中村 秀規 青木 一益
出版者
富山大学経済学部
雑誌
富山大学紀要.富大経済論集 (ISSN:02863642)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.127-152, 2018-07

近年,持続可能な社会や都市への移行に向けて,日本の地方自治体(以下,自治体)においては,社会・経済の低炭素化や加速化する少子化・高齢化を含む,各種課題への対応が求められている。これは中長期にわたる包括・包摂的視座の下,既存施策・政策の再編を必須とする構造的変革(structural transformation) の可否を問うものであり,自治体にとっては,地域やコミュニティにおける集合的意思決定を如何にして行い課題解決をはかるのかという,ガバナンスにかかわる問題も含んでいる(Bulkeley et al. 2011; Hodson and Marvin 2010)。これらの点に関連する直近の政策動向としては,SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の達成をはかるため,2017年12月に国が打ち出した「地方公共団体における持続可能な開発目標(SDGs) の達成に向けた取組の推進」を挙げることができる。この施策は,「まち・ひと・しごと創生総合戦略2017改訂版」(2017(平成29)年12 月22 日・閣議決定)および「SDGsアクションプラン2018」(2017(平成29)年12月26日・持続可能な開発目標(SDGs) 推進本部決定)における,「『日本のSDGsモデル』の方向性」において取り決められたものである。このことは,SDGsの達成が,日本の都市・まちづくりを通じた地域・コミュニティの再興(すなわち,地方創生)に資するとの命題が,政府の政策体系に位置づけられたことを意味する。また,ここでの命題を具体化する事業として,国(内閣府地方創生推進事務局)は,2018年2月,自治体によるSDGsの達成に向けた取り組みを公募し,優れた取り組みを提案した最大30程度の都市を「SGDs未来都市」として選定の上,SDGs推進関係省庁タスクフォースによる支援提供を行うとした。上記政策展開において特筆すべきは,SDGsの達成に向けて,自治体が取り組むべき課題・対応策等をめぐり当事者・ステークホルダーが意思決定を行う際の手法として,「バックキャスティング(backcasting)」が明示的に採用された点である。将来シナリオの策定におけるバックキャスティングとは,予測を表すフォアキャスティング(forecasting) と対をなす用語として理解され,通常,あるべき将来を始点としてそこから現在を振り返る方法と定義される(Robinson 1990)。また,一般にバックキャスティングシナリオは,比較的遠い未来(例えば,2050年)のあるべき姿(ビジョン)を設定した後,その達成のために何をすればよいか(パス)を未来から現在まで時間的逆方向に考えるというプロセスで生成するものを指す(Kishita et al. 2016)。バックキャスティングを用いた将来シナリオの作成は,社会・経済を規定する制度・構造にまで踏み込んだ,イノベーションを伴う抜本的変革が求められる課題遂行において有効とされる。サステナビリティ・サイエンス(Sustainability Science)の分野では,2000年代以降,気候変動,エネルギー,SDGsといった政策課題への対応において,バックキャスティングを用いた将来シナリオがさかんに作成されるようになってきた(Kishita et al. 2016)。持続可能な社会への移行を企図したシナリオ作成に孕む困難な問題として,各自治体が目指すべき都市や地域に関する理想の将来像(ビジョン)が必ずしもステークホルダー間で共有されていない点が挙げられる。この問題の解決に向けたより民主的な政策立案の手法として,サステナビリティ・サイエンスの分野では参加型アプローチ(participatory approach) が注目を集めている(Lang et al. 2012; Kasemir et al. 2003)。その具体的な事例は欧州でさかんに見られるが,日本でもここ最近は行政や専門家が参画した市民ワークショップの開催という形態を中心として,さかんに実践されている(Kishita et al.2016; McLellan et al. 2016; 木下・渡辺 2015)。しかしながら,自治体や都市・地域の将来ビジョンを作成するための理論や方法論は,いまだ確立されていないのが現状である。また,ビジョン作成をどのように政策立案プロセスあるいは合意形成プロセスに反映させるべきかといったガバナンス問題に関する調査研究も,依然として萌芽段階である。そこで,本稿では,上記の研究課題の解決に向けたアプローチのひとつとして,市民ワークショップ(以下,WS)を用いたバックキャスティングシナリオ作成手法を提案する。本稿で提案する手法では,ロジックツリーと呼ばれるツールを用いて市民WSでの議論を因果関係に沿って構造化した上で,ビジョンに関する重要なキーワード(キーファクター)の抽出に基づいて複数のビジョンを作成する。さらに,シナリオの作成過程でWS参加者が議論した内容の論理構造を分析するため,持続可能社会シミュレータ(以下,3S シミュレータ)という計算機システムを用いる(Umeda et al. 2009)。このシステムは,持続可能社会シナリオの理解・作成・分析を統合的に支援することを目的として筆者らが開発してきたシステムであり,ビジョンとパスから構成されるシナリオの論理構造を可視化することができる(Umeda et al. 2009)。本研究では,以上の手法を,2064年の富山市における持続可能社会のシナリオを描くことを目的とした市民参加型WSに適用した。そこでは,年齢・性別・職業が多様になるように,10~70代の男女,合計16名を集めたWSを,全3回にわたって富山市で開催した。WSでは,参加市民を同様の人員構成となるよう2つのグループ(各8名)に分け,中立的ファシリテーションの下で対話・討議し,そこで示された様々なアイディアを記した文章と録音による発話データに基づいて,バックキャスティングシナリオを作成した。本稿の主たる目的は,市民WSを用いて得られた2本のシナリオのコンテンツおよびシナリオ作成のプロセスを通して,ビジョンの実現のために満足すべき目標と,とりうる政策オプションやその他の手段との関係性を分析することにある。さらに,本稿では,筆者らが提案したシナリオ作成プロセスが,ステークホルダー間の合意形成や自治体における政策立案に対してどのように資するのかという,ガバナンス問題についても考察を行う。
著者
井上 創造 藤井 達朗 小材 健 池田 大輔
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.17-22, 2008-10

学術情報リポジトリの未登録コンテンツも含めたアクセス履歴を研究者に提示することで,研究者のリポジトリへの登録の動機づけを目指すシステムを実装した例を紹介する.未登録コンテンツは九州大学研究者情報から得ることができる.研究者情報の文献を閲覧者がたどってリポジトリにアクセスした履歴を,SNS(SocialNetworking Service)の研究者用マイページに表示することで,研究者はリポジトリに未登録の自分のコンテンツにどのくらいのアクセスがあったかを知ることができるようになり,その研究者がコンテンツをリポジトリに登録する動機づけになるばかりでなく,アクセスの多い論文から優先的にリポジトリに登録することにつながるため,真に利用価値の高いコンテンツの蓄積が可能となる.