著者
古澤 和行
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.126-126, 2011

サービス・イノベーションにとって重要なのは、サービスの提供者と受け手との間に生じる経験に対する意味をどのように変化させるのかという点である。本報告ではサービスにおけるアーティファクトについて考察し、アーティファクトがこれらの意味の生成と変化に対してどのような意義を持つのかを検討し、サービス・イノベーションに取り組む際のインプリケーションを提示する。
著者
森富賢一郎 田辺誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.71-73, 2011-03-02

本研究では、携帯電話のGPS機能を用い、WEB上で利用者から最寄のバス停留所を検索し、案内するシステムを開発した。このシステムは、利用者が送信した住所や、携帯電話のGPS機能を用いて取得した位置情報と、データベースに登録されたバス停留所の緯度・経度の情報を基に、両者間の距離を計算し、利用者の近傍に位置するバス停留所の一覧と地図を表示するものである。このシステムではGoogleの提供するGoogle Static Maps APIを用い地図の表示を、Google Geocoding APIを用い住所から緯度・経度への変換を行う。このシステムの有用性を宇部市交通局のバスデータを用いて検証した。
著者
住田 勝 寺田 守 田中 智生 砂川 誠司 中西 淳 坂東 智子
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.39-46, 2016

In this study, we explored the complementarity of ignorance in the study of learning as a social act and as subject matter in Japanese language education. We explored the influences of "another reader" that reads the text and "another text" that the class has been read, and the resultant ways of reading. We adopted a "Vygotsky Space" as a lens of learning and explained the relation of "another reader" and "another text" through an analysis of learners' protocols in a study of "Takasebune" at an experimental Japanese class. It was found that learners needed peers to appropriate new cognitive tools, and when a learner transformed the cognitive tools into a new usage, they needed peers to talk about the new interpretation. In the "Takasebune" class, where learners compared two scenes chosen arbitrarily, we identified possibilities of new tool use and creating new interpretations. In addition, we identified the significant meanings of the teacher's behavior that influenced learners' study and that encouraged their "Appropriation".
著者
永見 倫子
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.16-21, 2019 (Released:2019-12-25)
参考文献数
9

3 歳以下の乳幼児を育児中の女性115 名に対しアンケート調査を行い,産後,特に 産褥期以降の乳幼児の育児にあたる時期の不調・疼痛の実態把握を目的に調査を行った. 産後の疼痛は腰部71.3%で最も多かった.また頸部38.3%,肩56.5%,手首31.3%など では妊娠中と比較し有意に増加していた(P < 0.01).最も疼痛の強い時期は子の定頚前 33.0%が最多で,疼痛の出る動作は抱っこや授乳など育児関連の動作が選択された.産後 の身体のケアについての指導は産科で行われることが多く,理学療法士の介入は0%だっ た.一方,正しい身体の使い方や疼痛予防のための運動指導などの希望は多かった. 産褥期のみならず育児期にかけて多くの女性が疼痛に悩まされていること,介入や対策 は不十分であることが明らかとなった.疼痛は特に乳児を支える時期や動作で多く,育児 の負荷が原因である可能性が高い.疼痛予防のための運動指導や育児の動作指導など,理 学療法士介入の必要性が示唆された.
著者
星野 康弘 小野 稔
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.161-163, 2017-12-15 (Released:2018-03-15)
参考文献数
14
著者
浦川 聖太郎
出版者
特定非営利活動法人日本スペースガード協会(スペースガード研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、口径8.2mのすばる望遠鏡に導入された新広視野カメラHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)を用いて、地球接近小惑星・ハンガリア領域小惑星・メインベルト小惑星のサイズ分布を求め、小惑星が受けた軌道進化や衝突機構を観測的に明らかにすることを目的としている。また、E-beltモデルに対する観測的な制約を与え、後期重爆撃期における小惑星サイズ分布の解明に迫る。平成29年度までにデータ解析環境の整備、HSC-pipelineを用いた画像解析を行なった。また、取得画像から小惑星を自動的に検出し位置測定と測光を行うするプログラムの開発を行なった。HSCは104枚のCCDチップからなるため、扱うデータ容量が膨大となり、プログラム実行にも時間がかかる問題がある。これを解決するために、プログラムの一部をCythonで記載することで効率化を行なった。一方で、ノイズを誤検出することや写りの淡い小惑星を自動検出できない問題点があった。平成30年度は、これらの問題を解決するために検出方法を一から見直し、取得画像数枚からマスク画像を作り、そのマスク画像を用いて恒星を取り除く処理の検討を行なった。この画像処理には、本研究課題と並行して行なっている木曽観測所Tomo-e Gozenカメラを用いた地球接近天体検出で得た知見が役になった。さらに、自動検出で見逃したものの人間の目には認識できるような非常に淡い小惑星を確認するためにGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を独自に開発することに取り組んだ。
著者
池田 昌広
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
no.47, pp.73-86, 2014-03

大宝令の注釈書である「古記」の佚文都合3条に『漢書』顔師古注の引用を見出せる。「古記」が引用している種々の漢籍は,ほとんど原本系『玉篇』や類書など第2次編纂物からの孫引きだが,くだんの師古注文はそうではなく,『漢書』顔師古本から直接引用されたものと考えられる。また,その引用にあたって吉備真備の教導のあった蓋然性がたかい。この考察結果は,つぎの2つの問題の究明に資する。1つは「古記」の撰者問題。「古記」の撰者については,大和長岡説と秦大麻呂説とが並立しているけれど,真備の教導をうけうる人物であることから長岡説が有利になった。長岡と真備とは,769年に長岡が死去するまで,半世紀にわたり親しい友人関係にあった。最新の『漢書』学を学習し帰朝した真備から知的供与をうけやすい立場に,長岡はいた。もう1つは『日本書紀』の書名問題。「古記」は「日本書紀」の称謂の史料初出である。わたしは,この喚名の由来を真備から「古記」撰者への「正史」観念の伝学にもとめる私案を述べたことがある。真備から「古記」撰者への知的供与が一定の実証性をもっていえることは,私案の蓋然性をたかめる。くだんの知的供与が,ただ師古注にかぎられたとは考えにくく,そのうちに「正史」観念のふくまれていた可能性が十分みとめられるからである。
著者
渡邊 立子 甲斐 健師 服部 佑哉
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.525-530, 2017-11-15 (Released:2017-11-15)
参考文献数
9

放射線による生物影響のメカニズムの解明には,モデルやシミュレーションを用いた研究は重要な役割を持つ。特に,メカニズムに関する仮定や生体の異なるレベルで得られた実験データの間の関係を評価するためにはシミュレーションは有効な手段である。本稿では,DNAと細胞への放射線影響のシミュレーションによる研究の概要について述べる。この中で,DNA損傷生成に関わる物理化学過程の詳細を推定する理論的アプローチと,DNA損傷と細胞応答のダイナミクスを推定する数理モデルも紹介する。
著者
藤谷 健
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.47-60, 2020-01-31 (Released:2020-06-17)
参考文献数
1

Recent years have seen the emergence and continued evolution of anunprecedented landscape of digital media products and platforms, mobiledevices, and distribution and consumption patterns. Triggered and acceleratedby digital innovation, these changes have given rise to new challenges for legacy media organizations, such as newspaper publishers. A transformation of thenewsroom has been underway in major publishers around the world. The AsahiShimbun, the second largest national daily in Japan, is no exception. This paperis in the process of transforming itself into an integrated news organization( i.e.,one that publishes in both digital and print formats). Reporters and editors areexpected to adapt their mindset and workflow and adopt new skills and roles inline with audience-first journalism. Given this, we have set three goals: ⑴ toserve targeted audiences with targeted content; ⑵ to publish on the platformsused by the target audience; and ⑶ to produce and publish continuously tomeet audience needs. This requires a deeper, broader understanding of the targetaudience, so the paper has developed Hotaru, a new editorial analytics dashboardfor the newsroom in 2016. An abbreviation of “in-HOuse Tool for Analyzingand Reporting Users’ Activities,” Hotaru provides reporters and editorswith access to a rich source of real-time data, thereby helping them to developa better understanding of the impact of stories and the importance of audienceengagement. This new habit of looking at data is clearly helping to encourageeditorial experiments in the newsroom. For instance, if journalists want toreach out to mothers for stories on parenting, they can strategically use LINE,a messaging app that is popular among mothers. In this case, such stories areshared and spread effectively through the mothers’ networks. In another successfulcase, a reporter can, based on single coverage, file two types of storiesto meet the needs of two different target audience groups.
著者
恵下 斂 川北 一彦
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.9-11, 1993-03-01 (Released:2017-02-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

高校物理あるいは大学の基礎課程の教材として活用することを目的として,気柱を伝わる音速の温度変化を測定するシステムを組み立てた。温度を変えながら,気柱の共鳴を利用して音速を測り,大気中を伝わる音速の理論式と比較した。その結果,温度範囲をあまり広くとらないかぎり,気柱を伝わる音速は理論式と比べてわずかに小さく,温度が高くなるにしたがってその差が大きくなることがわかった。