出版者
日経BP社
雑誌
日経バイオビジネス (ISSN:13464426)
巻号頁・発行日
no.20, pp.46-48, 2003-01

政府は11月26日、バイオテクノロジー戦略会議(座長・岸本忠三大阪大学学長)の第4回目会合を首相官邸で開き、「バイオテクノロジー戦略大綱」の大筋を決定した。12月6日の第5回目会合で小泉純一郎首相に提出される。 大綱は、バイオを21世紀の日本の基幹産業として位置付け、その育成のために予算配分や規制緩和、人材育成制度などを総合的に改革することを明記したもの。
著者
下尾 聰夫 早津 俊秀 成澤 雅紀 武田 道夫 市川 宏 瀬口 忠男 岡村 清人
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1180, pp.1379-1383, 1993-12-01
被引用文献数
10 10

The pyrolysis of the low oxygen (1.7% O) SiC fiber prepared by the electron-irradiation curing method has been investigated. The pyrolytic rate was measured with a thermobalance in Ar at temperatures from 1673 to 1973K. The pyrolyzed fiber was examined by X-ray diffraction, SEM observation, specific resistance measurement and tensile test. Lowering of oxygen content in the fiber was found to be effective for the suppression of pyrolysis. The pyrolyzed fiber was composed of β-SiC and amorphous carbon. The growth and coarsening of SiC crystals were observed on the skin of the fiber, while the core was smooth and remained in the microcrystalline state. The tensile strength of the fiber, which was heated at 1973K for 3.6ks, retained 34% of that of the original fiber. The strength was correlated closely with the size of the β-SiC crystal in the fiber.
著者
永野 和男 天花寺 博司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.1-11, 1986-12-20

学習反応データの処理については,これまで統計的手法が主であったが,学習診断においては,教師の扱っている情報のほうが,実際にコンピュータにデータ化し入力できる情報より質・量ともに上回っているため,教師が主観的に判断した値や,判断過程そのものをパラメータとして扱えるようにする必要がある.本研究では,学習項目の関連情報と学習反応データをあらかじめ蓄積しておいた場合に,これに基づいて,教師の学習診断をシミュレートするシステムを開発した.このシステムは,1)会話形式で定義した項目関連構造から自動的に診断ルールを生成し,これを用いて診断を実行する,2)学習反応データに対応する下位目標の達成度を求める場合には,必ず教師の主観的判断を問い合わせる,3)判断ルールを蓄積しておき,以後の診断に再利用できる,4)教師でも利用できるように,なめらかな日本語会話で動作する,の特長をもつ.このシステムが実用にたえるものであるかを評価するために,実際の中学校数学の授業で収集した34時間分の学習データを用いて,1クラス全員について,診断を試みた.その結果,ほとんど教師の予測と一致した診断結果が得られた.このシステムは,教師の入力した診断ルールにより,診断過程をシミュレートしていることになるが,エキスパートシステムのようにベテラン教師の診断をまねるのではなく,教師自身に診断過程を明示し,意識化させる訓練システムとしての機能ももつことがわかった.
著者
佐々 真一
出版者
物性研究・電子版 編集委員会
雑誌
物性研究・電子版
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-24, 2015-02

自然現象の背後にある単純な法則を見出し体系化するのが物理学である。現在、その体系は相当整備されているように見える。例えば、舞い落ちる銀杏の葉っぱを見てみよう。複雑によろめいているが、流体力学の方程式と境界条件で記述されるのは多分間違いない。あるいは、原子分子の世界でシュレーデンガー方程式の記述、いやいや、クォークの世界でゲージ場による記述…などもきっと正しい。現象の背後にある法則を求める場合、どこまで後ろにまわるのも自由であり、自分が好きなところで法則を書けばよい。こうしてできあがってきた基本法則群を眺めると、フロンティアは常にあるものの、物理学の牙城は万全なように見える。ところで、ある現象に対して、どの基本法則に拠っていいとしても、それらは同じ現象を記述しているはずである。その事実は説明できるのだろうか? そもそも、基本法則と基本法則を結びつける法則はどうなっているのか? 明日の研究にすぐに役立つわけではないが、普段考えないようなことをゆっくり学ぶ機会にしたい。
著者
山本 亮 大谷 弘行 松尾 直樹 新城 拓也 宇野 さつき 廣瀬 光 松原 龍弘 瀧川 千鶴子 前野 宏 佐々木 一義 茅根 義和 池永 昌之 森田 達也
出版者
Japanese Society for Palliative Medicine
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.192-201, 2012
被引用文献数
3

<b>【目的】</b>小冊子『看取りのパンフレット』を用いた終末期患者を看取る家族への説明の有用性を評価することを目的とした. <b>【方法】</b>緩和ケア病棟5施設, 在宅ホスピス4施設, 緩和ケアチーム1施設で, 終末期患者の家族との面談時に小冊子を用いた説明を行い, 死亡後6カ月以上が経過した遺族に対して郵送法による質問紙調査を行った. <b>【結果】</b>325名に調査票を発送し, 260名(回収率85%)から回答を得た. 81%が小冊子が「とても役に立った」「役に立った」と回答した. 家族の体験として, 「変化の目安になる」(84%), 「症状や変化がなぜ起きているのか分かる」(76%)などが挙げられた. 運用の工夫が自由記述から抽出された. <b>【結論】</b>『看取りのパンフレット』は, 配布する時期を患者・家族ごとに検討し, 渡すだけではなく十分にコミュニケーションをとることに注意して運用することで多くの家族にとって有用であることが示唆された.
著者
簑下 成子
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.381-387, 2012-05-01

JCO臨界事故後の調査,住民ケアの経験,文献研究により,今後の被曝後のケアに役立つ知見をまとめた.被曝事故後の反応としては,自然災害時と同様の反応と異なる反応が起こる場合がある.さらに,大規模人為災害の特徴に加えて,見えない災害(invisible)の特徴を兼ね備え,そのうえに放射線事故の特徴が加わる.見えない災害では,不安は,空間的・時間的・心理的に広がる特徴が顕著であり,情報への不信感がその不安をいっそう上昇させる.放射線事故後の特徴は,広範囲,長期性,ホルモンや遺伝子への影響不安,胎児や子どもが放射能に弱い,技術者の見解不一致,放射線測定の困難,風評被害,情報の錯綜,対処行動へのフィードバック認知の暴走が挙げられた.放射線災害後のケアは,情報発信者,住民の集団的ケア,個人的ケアに分けられた.働き盛りの男性もリーダーと共通するリスクファクターであると考えられ,被災者の高齢化がハイリスクとして問題視された.
著者
金丸 純二 木本 一成 中尾 佳行 畑 浩人
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.37, pp.417-422, 2008

本年度は昨年度までの質問票調査の結果をさらに詳細に把握して, 生徒指導モデルの形成に充分な事実データを収集するために附属中学校卒業生に対する面接調査を試みている。平等な取扱いの志向などいくつかの特徴を発見しつつあるものの, まだ聴取データが量的・質的に集積していないため, 今回の報告では質問票の記述回答部分を紹介する。総じて, 附属学園内にも一定の逸脱行動(容貌の乱れ, いじめ)は見受けられるが, 他校の方が規模も大きいので荒れの程度は大きかったようである。しかし, 1990年代後半の時期には附属学園でも荒れの程度が高まっており(学内喫煙, 破壊行動), 授業にもよくない影響が及んでいたようである。それが周囲の少年一般と同等なレベルであったのか, つまり当時流行していた非行化に包含されるものであったかのかどうかはさらに検証の必要があろう。生活指導態勢の変化については, 一貫して厳格な教員が少数存在するものの, 教員組織全体としては転属もあるためか, 1990年代前半に変化(教員との見解不一致)があったような印象が残る。また, 団結や仲良しの指摘は小規模学校固有の特徴であろうが, 必ずしも一枚岩ではなかったようである。
著者
金 仙姫 Sun Hee KIM 東北大学大学院
出版者
東北大学文学部日本語学科
雑誌
東北大学文学部日本語学科論集 = Journal of the Department of Japanese, Tohoku University (ISSN:09174036)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.41-53, 1992-09-30

辞書類などでは「についての」と「に関する」が同じ用法を持つものとして扱われており、一方「に対する」は「についての」や「に関する」とは別の用法を持つものとして扱われている。それに対して本稿では、この三つの表現の語彙的意味の違いを主に文献の実際的な用例を中心に検討してみた。その結果は次の通りである。(1)「についての」や「に関する」は内容 (情報) を表す用法を持っている。しかし「についての」は知的行為を表す語と共起しやすいが、「に関する」はタイトルの提示を要求する傾向が強い語と共起しやすい。(2)「に対する」は態度を表す語と共起しやすい。心的態度 (評価・認識など) を表す語の場合は「についての」は「に対する」と共に共起しやすいが、「に関する」は共起しにくい。
著者
山村 順次 小堀 貴亮
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-8, 2000

The purpose of this study is to make clear the development and characteristics of spas for day-trippers around Tokyo. Many factors such as the introduction of technology to dig hot spring deeply, the development of highway system, changes of leisure activities to near recreation area, health care intention by an aging society and the hot spring development as a regional promotion by the local government explain the expansion of the spas for day-trippers. As a result, many same types hot spring facilities came out. Therefore, it is important to build unique and different spas for day-trippers by making better use of the natural and social environments and the characteristics of hot spring resources.
著者
山田 京子
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
no.6, pp.25-29, 2014-03-20

戦後の日本語教育では,学習者の漢字の習得に対する困難を指摘する声が多数あがってきた。当初,漢字圏の学習者の漢字学習には大きな問題が存在しないと言われ続けてきた。しかし,母語による干渉が,日本語の漢字の習得に影響を与えていることも明らかになってきている。本稿では,1960年代から現在までの漢字教育について各時代の主な研究の中から,漢字圏学習者を対象とした漢字教育についてまとめることとする。
著者
三井 康通 金子 聖史
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.821, pp.110-113, 2012-11-08

ある日突然、システム構築のために海外拠点への赴任を命ぜられたら、あなたはどうするだろうか。渡航まで残された時間は2週間。そんなときこそ、焦らずに本連載を読んでほしい。海外での初仕事でトラブルを招かないよう、先達の失敗パターンを紹介しよう。