著者
角谷 彩子
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学紀要 = Journal of Bunka Gakuen University (ISSN:21873372)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.9-16, 2016-01

衣服において、スクリーンプリント技法はよく用いられるプリント技法の一つである。「スクリーンプリント」とは、インク(色料)を紗(スクリーン)の張った枠上に置き、スキージーという刷り道具でインクをスクリーンの表面に押し当てて一定方向へと動かすこと(Squeezing)でプリントする、孔版画の一種である。孔版とは、版となる膜(この場合はスクリーン)の表面にインクが通過する穴(孔)と通過出来ないよう塞いだ部分があり、この版上の穴だけを通過したインクが下の対象物に印刷される仕組みのことをいう。同様の仕組みのものとしては、ステンシルや紗張りをした型紙などが挙げられる。スクリーンプリントのインクは、液体(微粉体)の顔料(色素)と溶剤(塗膜形成要素)を混合したものが一般的である。顔料は化学的に合成されたものと、鉱物・動植物を加工した天然のものと2 種類あるが、スクリーンプリントでは前者の化学顔料のみ使用されている。本研究は「粗粉体」であり、天然顔料と化学顔料の両方ある「岩絵具」に着目し、スクリーンプリントで使用可能か、またどのような使用条件・方法があるか、プリントした布地で衣服制作が出来るかを検証した。
著者
加藤 享 古川 善夫 村田 芳久
出版者
JAPAN SOCIETY OF GYMNASTICS for All
雑誌
体操研究 (ISSN:18835872)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.27-37, 2014

24名の大学生(18±0.5歳)を対象に4種類の体ほぐしの運動を実践した。実践後に、それぞれの大学生に気づいたこと、調整したこと、交流したことについてコメントカードに記述することを求めた。「 2人でリズムに乗って 」仲間やリズムに動きを合わせることや体が温まったことについて16名が気づき、仲間や音楽に動きを合わせることについて13名が調整した。また、仲間と動きを合わせることと互いに教え合うことを交流として12名が記述していた。なお、仲間と動きを合わせることは交流や調整と捉えられていた。 「 3~6人の運動」運動の工夫や友達との信頼関係について10名が気づき、運動の工夫と体の姿勢について15名が調整した。コミュニケーションをとることや運動を行う人数が増えると楽しいことについては12名が交流として記述していた。 運動の工夫は気づきや調整と捉えられていた。「あんたがたどこさ」歌いながら運動することの楽しさについて10名の学生が気づいた。ボールや歌に動きを合わせる調整を14名が行った。全員で歌うことや仲間の歌を聴くことを12名が交流と記述していた。歌のリズムに合わせて動くことは気づきや調整と捉えられていた。「 組み体操 」相手の動きが自分に影響することについて5名が気づき、仲間とバランスをとることを4名が調整した。コミュニケーションについて12名が交流として記述していた。
著者
阿部 和正 北川 純 中久木 一乘
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.343-350, 2014-07-30

タバコの煙はさまざまな疾患のリスクファクターである.歯科保健指導の担い手である歯科医師のタバコ問題への理解は,社会的に重要であることから,禁煙の啓発活動には歯科医師の考え方の把握が不可欠である.そこで,日本歯科医師会ならびに47都道府県歯科医師会を対象にタバコ問題に対する考え方の現状について,アンケート調査を行った.対象は各都道府県の歯科医師会とし,調査は2012年10月に実施した.集計の結果,各都道府県歯科医師会館で開催される学会,セミナー・研修会および展示会会場での完全禁煙率は約90%と予想より高かった.しかし,それぞれのロビーでは約70%と低く,各懇親会会場ではさらに低い48%であった.会員喫煙率の調査率は実施予定も含めて12%ときわめて低く,禁煙への関心は低いものと考えられた.受動喫煙防止に関する「健康増進法」の認知度は94%と高かったが,「世界保健機関(以下WHOと略す)たばこ規制枠組条約(略称:FCTC)」は56%と認知度が低かった.同様に行った2003年および2004年の調査と比較したところ,9年間で歯科医師会敷地内および建物内の完全禁煙率は顕著に上昇していた.これらの結果から,各歯科医師会の禁煙に対する意識は大幅に進展しているものの,いまだに喫煙可能な場所が存在することや歯科医師会会員の喫煙率を把握していないことなど,改善すべき点が残されていると考えられる.
著者
渡邉 頼陽
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.545-568, 2015-12-30

本論は、著名な社会学者であるピーター・L・バーガーが最も早い時期に説いた神学を取り上げ論じるものである。バーガーは多くの著作を世に問い、様々なテーマを論じてきた研究者であるが、その中で神学は些末なテーマではない。そして、その神学は最初から社会学者としての見解を取り入れ構想されているので、バーガー神学の理解はその宗教社会学理論を考えるためにも、より広くその宗教論を考えるためにも重要である。本論はバーガーの初期神学を、そこで語られる「宗教」「世俗(化)」「キリスト教」といった概念に注目して論じてゆくものである。なお、本論はその初期の神学を思想史的に検討することでバーガーの宗教論の深い理解に貢献することを目的としており、その神学的な妥当性を問うものでは無い。本論が注目するのは、バーガー初期神学において、その社会学者としての考察と、キリスト者としての信仰がどのように関係していたかという点なのである。
著者
阿部 文一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.88-91, 2007
参考文献数
6

液体と気体,液体と液体(例えば有機溶媒と水),固体と液体などの境界には,必ず界面が存在する。界面の科学は古くから知られているが,今だに解明されていない点も多い。本企画では,界面化学の基礎から最新情報までを4回の連載にて解説する。ここでは,界面張力の発生のメカニズムとエネルギーの状態について概観し,特に気体-液体界面の張力についてと,測定方法の代表的なWilhelmy法について原理を述べる。また,ぬれについても基礎的なことを述べる。
著者
中野 恵子
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.401, pp.62-64, 2008-08

前回紹介した「飲食店の喫煙環境に関する調査」結果では、7割の店が「全面喫煙可」だった。今回は、そうした店の実情と悩みを紹介。そして、「喫煙環境の重要度」についての、お客の意識と店側の認識のギャップを探った。 今回の調査では、全面喫煙可の店(以下、喫煙店)の現状と悩みを探った。
著者
中嶋 朝子 中島 清子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.172-177, 1962

室内温湿度24.3~29.3℃、湿度57~80%において成人女子2名を被検者とし、四種の試験用マットレスを使用した場合即ちソフランマットレス・ハマフォームマットレス・わら布団・わら布団ともめん綿入り敷布団を重ねた場合について、その透湿性を知る為就床時の寝床内温湿度(上腹部・下肢側部)、マットレス内外面温湿度(上腹側部)などを測定した。温度測定は銅-コンスタンタン熱電対を用いて電位差計法により、湿度測定はミニマ鋭感湿度計を用いて行ない、両被検者とも各マットレス2回ずつ計16回測定した。その測定結果より次のことがわかった.<BR>(1) 寝床内温湿度・マットレス内外面温湿度の変化<BR>寝床内は就床により温度は上昇し湿度は低くなるが、温感が暑・蒸暑になると湿度は急に増加する。180分までの各マットレス内面及び外面の湿度増加を掛にタオル布団を用いた場合についてみると、ソフラン-内面6~2%・外面6.5%、ハマフォーム-内面3~21%・外面8~13%、わら-内面1.6~13.5%・外面0.8~2.5%、わら及びもめん-もめん内面3~23%・外面8~17%、わら内面9~15%・外面0.9~1.4%である。ソフラン・ハマフォーム・もめんの内外面湿度は増加しているが、わら外面は就床前と殆ど変化がない。<BR>(2) マットレスの透湿性<BR>就床前と180分後におけるマットレス内外面の温湿度から水蒸気張力を求め、その就床前よりの増加量を算出し、これらの内面増加量に対する外面の増加量をみると、ソフラン-0.43~0.53.ハマフォーム-0.30~0.62、わら-0.17~0.32わら及びもめん、-もめん綿0.67~1.00、わら-0.15~0.24で使用3時間における透湿度はソフランマットレス・ハマフォームマットレスは大体同じ程度であり、わら布団は透湿が最小であった。
著者
小野 勉 宮崎 茂次 金川 明弘
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.218-226, 2005-08-15

人が移動するとき、人全体の移動の効率をあげるには、どのような対策を施せばよいかを考察する。まず、人と物の移動を、それぞれ体系的に整理し、その後、人が移動するときの移動補助手段を有効活用するための課題を述べる。移動補助手段の利用効率を上げるには、その需要をなるべく小さい誤差で予測し、それに合わせた効率的な供給が実現できればよい。本論文では、人流の移動補助手段の需要予測を説明する数理モデルを提案し、その精度について検証する。また、その数理モデルによる需要予測の説明変数には、日付、曜日、時刻のような時間的な要因、天候、風速、風向、気温、また湿度のような気象要因、住宅地や工業地や商業地や夜の飲食街のような地域要因、交通事故、交通規制、イベント(各種の祭、店舗の開閉店、入試、卒業式、入学式、学会など)のような突(単)発要因などが考えられる。数理モデルを作成するにあたり、これらの要因の有効性を実在するO市のタクシーの輸送履歴について検証することにする。
著者
平林 靖彦
出版者
農林水産技術情報協会
雑誌
農林水産技術研究ジャーナル (ISSN:03879240)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.37-41, 2001-11-01

1985年末にオゾン層の破壊を示すオゾンホールの存在が発表され、地上に到達する有害紫外線量が増加すると警告されて世界に衝撃をあたえた。それ以来、フロンガスの製造と使用禁止によるオゾンホールの拡大防止策が進められ、紫外線防御技術も注目されるようになった。自動車の窓もUⅤカットガラスが標準仕様の時世である。紫外線吸収フィルムは時代の申し子ともいえる。以下は、自然界に存在するリグニンの紫外線吸収機能に着目して紫外線吸収性を有するリグノセルロースフィルムの開発を行った経験を述べる。