著者
多木 浩二
出版者
青土社
雑誌
現代思想
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.p94-101, 1986-05
著者
杉下 由行 前田 秀雄 森 亨
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.1045-1049, 2005 (Released:2014-08-06)
参考文献数
7

目的 日本では,管針を用いた経皮接種により BCG 接種が行われている。本調査の目的は BCG 接種による針痕数が接種医によって異なるか否かを検証することである。対象と方法 東京都葛飾区の 3 歳児健診に来所した218人に調査を行った。対象者全員が葛飾区の保健所で生後 4 か月時に管針法による BCG 接種を受けている。管針法では最大18個の針痕を確認する事ができる。BCG 接種による針痕数の調査を行い,接種医別にその個数をまとめた。結果 平均針痕数は9.23個(SD6.11)であった。同じ管針法で行われた特別区22区の平均針痕数(12.18±5.64)より有意に低く(P<0.01),22区の中で 3 番目に低い結果であった。平成12年結核緊急実態調査での全国の針痕数の調査結果と比較しても,葛飾区の平均針痕数は有意に低かった(P<0.05)。葛飾区では 7 人の接種医の間で平均針痕数は明らかな違いを認めた。良好な接種医上位 2 人の平均針痕数はそれぞれ15.26個(SD3.62)と14.59個(SD3.58)で 7 人の接種医の平均針痕数より有意に高く(P<0.01),良好でない接種医 1 名の平均針痕数は,3.34個(SD4.46)で 7 人の接種医の平均針痕数より有意に低かった(P<0.01)。結論 接種医により平均針痕数は有意な違いを認めた。針痕の個数が少ないのは特定の接種医の技術に問題があるためで,接種技術水準向上のためには,これらの接種医に対する技術訓練が必要であると考えられた。
著者
大平 悠季 桑野 将司 福山 敬
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.319-325, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
10

我が国の地方都市では,人口減少やモータリゼーションに伴う郊外化の進行によって,中心市街地の空き店舗が増加し,商店街が空洞化している.本研究は,中心市街地の魅力を向上させるための施策を検討する第一段階として,鳥取市をケーススタディとし,空間構造の観点からみて利便性の高い場所の土地利用状況の有効性を診断することを目的とする.分析に際して,中心市街地を訪問する人々の行動を直接観察するのではなく,ネットワーク理論や地理空間情報システム(GIS)を援用し,中心市街地の骨格を形成する街路や都市施設の空間構造の特性を表す客観的な指標に基づいた分析を通じて,潜在的ににぎわいが形成されやすい場所を明らかにし,中心市街地整備方策に対する示唆を導き出す点に新規性がある.分析結果より,対象地域では,歩行者・自転車による利用が多い施設の周辺では,施設のにぎわいが波及することによって空き店舗が少ない状況を維持できているのに対し,自動車利用が中心の施設である施設の周辺ではそのような波及効果が得られていないことがわかった.
著者
肥田 乃梨子 石川 信一 ヒダ ノリコ イシカワ シンイチ Hida Noriko Ishikawa Shin-ichi
出版者
心理臨床科学編集委員会
雑誌
心理臨床科学 = Doshisha Clinical Psychology : therapy and research (ISSN:21864934)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.3-17, 2018-12-15

研究論文精神疾患に対する否定的な態度は,援助を必要とする者の専門家への受診を妨げる重大な問題であると指摘されている。しかしながら,そのような態度を測定できる青年版の尺度は存在しないというのが本邦の現況である。そこで本研究は,パブリックスティグマの一側面に位置づけられる社会的距離の概念に基づいた,青年版社会的距離の近さ尺度(Social Distance of Adolescents Scale : SDAS)の作成および信頼性と妥当性の検討を目的として行われた。中根他(2010)の成人を対象とする社会的距離尺度を参考に,教育現場での活用を考慮した上で,青年期の生徒が理解できる表現に改めた6項目が作成された。研究1では中学生を対象に調査を行い,信頼性と妥当性を検討したところ,十分な信頼性と妥当性が確認された。続いて研究2において,高校生を対象にSDASを測定し尺度の因子構造を再度探索的に検討したところ,中学生と同様の結果が得られた。SDASは不安症の子どもに対する態度を示すパブリックスティグマを測る尺度として有用であることが示唆され,SDASの汎用可能性について議論された。
著者
宮澤 楓 島田 将喜
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.153-162, 2017
被引用文献数
1

ヤンバルクイナによる台石を使用したカタツムリの殻の割り方と殻の割れ方の対応関係を,行動の直接観察と殻の割れ方の分類によって明らかにした.沖縄県国頭村にて,センサーカメラをもちいた行動観察と,カタツムリの殻の採取を行った.動画内で識別された4個体すべてから地上に露出した石に,カタツムリの殻口を嘴で咥え保定し繰り返し叩きつけて殻の反対側を破壊し中身を食べるというパタンが観察された.台石使用行動はヤンバルクイナにとって一般的で定型化した採餌行動と考えられる.採取されたカタツムリの殻の割れ方は4つのタイプに分類されたが,うち大多数を占めるType 1と,Type 2はヤンバルクイナによる食痕の可能性が高いことが示唆された.クイナ科の系統でこの台石使用行動が直接的証拠により確認されたのは,ヤンバルクイナが最初である.台石使用行動は,丸飲みは不可能だが常時利用可能性の高い大型のカタツムリを採食可能にするという機能をもつ.

2 0 0 0 OA 秋田のむかし

著者
石川理紀之助 編
出版者
石川理紀之助
巻号頁・発行日
vol.巻1 房住山昔物語,梵字宇山興立記, 1901
著者
高橋 利枝
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会誌 (ISSN:18842135)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.7-17, 2019 (Released:2019-06-10)

本論文の目的は,人工知能(AI)やロボットがもたらす社会的インパクトを理論的かつ経験的に捉えることである.まず理論枠組みとして,これまで理論と経験的調査研究との往還運動を通して発展させてきた「コミュニケーションの複雑性モデル」について紹介をする.次に,AIやロボットに関する日本と西欧の差異についてアプローチしていく.両者の差異に関しては,これまで思想や宗教的な観点から主に多く説明されてきた.そのため本稿では,ケンブリッジ大学との共同研究「グローバル・AIナラティブ」プロジェクトから,1920年代以降のAIナラティブについて社会経済的な力学から考察を試みたいと思う.さらに人とAI/ロボットとのエンゲージメントに関する実態について,現在行なっている2つの調査研究—若者とAI調査,高齢者のロボット・エンゲージメントから考察する.最後に今後のAI/ロボット開発において必要な「ヒューマン・ファースト・イノベーション」について提案したいと思う.
著者
神前 裕 時 暁聴 松井 大 新保 彰大 藤巻 峻
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.60-77, 2015-09-30 (Released:2015-12-26)
参考文献数
115

Throughout the history of research on animal learning, it has been widely acknowledged that the temporal relationship between events exerts a critical influence on the acquisition of a conditioned response. Until more recently, however, no explicit and systematic studies had investigated how animals learn the temporal relationship itself. In this article, we first review some basic functions of temporal information in classical conditioning. We then focus on one influential learning theory, temporal coding hypothesis, which posits that animals can automatically encode temporal relationships between events and express learned behaviour through integration of multiple temporal relationships acquired across contexts. After reviewing basic results supporting the temporal coding hypothesis, we present an alternative explanation of some temporal coding-like phenomena on the basis of AESOP model combined with the potentially different contributions of motivational and sensory US representations in higher-order conditioning. In a second article (Fujimaki, Shimbo, Matsui, Shi, & Kosaki, 2015), we will discuss interval timing in operant conditioning and neural substrates of timing behaviour.
著者
百川 敬仁
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.64-71, 1987

「文学における虚構」という問題を考えるためには、虚構という歴史的概念から吟味してかからねばならない。いま、人間の社会的共同性こそ根源的な虚構であるという観点を採るなら、日本では近世に至って虚構が虚構として露出するという事態がおとずれた。しかし近代天皇制という巨大な虚構の成立がこの危機を隠蔽し、今日に及んでいる。このことを問題としないかぎり、文学的虚構についてもはや語れない段階に私達は来ているのではないだろうか。
著者
勝原 晴希
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.47-57, 1991

本稿は、一七〜二十世紀の言説空間を基本的に同質のものとみなす論証の一端として、自己自身との一致のために絶えず自己を超脱する運動と定義されたロマンティシズムを視点に採用し、白秋・朔太郎などの言説を鏡として、一八・一九世紀の歌論を扱った。真淵は仮構された原型を古代に見出し、宣長はこの原型を現在に据える道を開いたのであり、蘆庵・景樹・言道は超脱の運動を現在における時間的・空間的な差異に求めたのである。
著者
大坂 祐二
出版者
名寄市立大学保健福祉学部社会福祉学科
雑誌
名寄市立大学社会福祉学科研究紀要 (ISSN:21869669)
巻号頁・発行日
no.10, pp.29-40, 2020-03-31

【要約】 高等学校における職業に関する教科「福祉」では児童家庭福祉分野を含む「福祉の各分野について体系的・系統的に」(学習指導要領、2018年告示)学ぶ一方、福祉系高校の課程を修め受験資格が与えられる介護福祉士の養成課程や国家試験には、同分野はほぼ含まれない。国家試験対策なども考慮すると、福祉系高校では児童家庭福祉分野の扱いは相対的には低くならざるをえないだろう。しかし、教科「福祉」はその創設時、専門的な職業人の養成としてだけではなく、国民的教養としての福祉教育を進路指導、職業指導につなげてゆくものとしても構想された。その趣旨を継承しようとするとき、児童家庭福祉分野は高校生にとって、福祉を身近なものとして考える契機になりうるのではないか。そのためには、指導上の工夫や家庭科などとの連携も必要になるだろう。
著者
桜井 俊男
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.850-854, 1982-10-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2