著者
内ヶ崎 西作 側嶋 絵里菜
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.192-194, 2015-08-01 (Released:2016-01-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1
著者
鈴木 一敏
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究では、現在の貿易自由化交渉の基本的特徴を提えたマルテエージェント・シミュレーションのモデルを作成し、各国の戦略やその進化的安定性、系に対する外的要因(例えば交渉参加国や争点の増加、産業構造の変化など)が与える影響を、動態的に分析する。これによって、システム内で国家がとる戦略と貿易ネットワークのあり方との関係、無差別最恵国待遇を尊重する戦略やFTAを多用する戦略などの広がり方、通商交渉を巡る環境(参加国や争点の数、個々の国家の産業構造の変化)の変化が秩序に与える影響、などを検証するものである。本年度は、まず、既存の交渉理論、貿易自由化交渉の研究、相互依存論等における議論に基づいて、多争点の二国間交渉、多国間交渉のルールを、シミュレーション・モデルのルールにできるところまで明確化すべく、検討を行った。そして、この検討に基づき、個々の国家が自らの利益に基づいて譲歩の交換を行う基本モデルのコーディングを開始した。モデルは、多数の国家が多数の品目について関税譲許を交換するシミュレーションモデルとなっている。個々の国家は、各品目について、選好する関税率、政治的重要度等の変数を持っており、政治的な利益(選好する関税率と実際の関税率との差分縮小幅を、政治的重要度によって重み付けして算出される)を目指して、他国とアトランダムに交渉を行う。その際、国家は、無差別最恵国待遇、特定国最恵国待遇、自由貿易協定といった戦略を用いる。データの収集と編集に関しては、世界各国のGDP、成長率、分野別平均関税率、地域貿易協定の締結数の変化などについて、第二次大戦後の時系列データを可能な限り収集し整理した。このデータは、来年度以降、シミュレーションの初期値として用いたり、シミュレーション結果と比較検証するために用いる予定である。
著者
片山 正夫 多紀 保彦
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.361-367, 1984-02-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
18

高知県と宮崎県の沿岸・河口周辺に出現するアカメ科魚類アカメには, 従来一般にLatesc alcarifer (Bloch) の学名が与えられてきたが, 種の査定には疑問がもたれていた (Katayama et al., 1977).そこで本研究では日本, フィリヒ。ン, タイ, オーストラリア産のLates属魚類を比較したところ, 日本以外の地域からの標本はすべて形態的に同一でL.calcariferと同定されるが, 日本産のアカメは, L.calcariferのtype localityが日本ということになっている (Bloch, 1790) にもかかわらず, 未記載の別種であることが判明し, これをL.japonicus sp.nov.として記載した.Bloch (1790) のtype localityの表示は, おそらくjavanaiseをJaponaiseと混同したことからきた誤りと思われる (Cuvier in Cuvier and Valenciennes, 1828) 。アカメLates/aponicusは, 体高体長比, 背鰭第3棘と轡鰭第2棘の相対長, 胸鰭条数, 鱗数, 鯉紀数の諸形質で, L.calcariferと区別される.本種はこれまで高知・宮崎両県下からのみ記録されている.
著者
田中 拓道
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.1012, pp.81-102, 2008-08
著者
平野 寿将 竹内 貴聖
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.16-28, 2020 (Released:2020-03-05)
参考文献数
14

本稿の目的は多くの国で採用されているリニエンシー制度がどの程度カルテルを防ぐ効果があるかを解明することである.そのために同質財ベルトラン競争でカルテルを分析したHinloopen and Soetevent (2005)に倣い,カルテルを行ったことを報告すると課徴金が減免される場合と褒賞金を与える場合とを比較した経済実験をz-Treeを用いて行った.その結果,平均入札価格,カルテルの形成率,再形成率という3つの指標を比較すると,褒賞金を与えるほうがよりカルテルを抑止できるということが判明した.

2 0 0 0 OA 日本史蹟大系

著者
熊田葦城 著
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1935
巻号頁・発行日
1950
著者
奥脇 透
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.359-362, 1998

[Purpose] We evaluated the shoulder alignment by measuring the sloping angles of shoulders. Materials and Methods: Photos were taken of 362 male sloping anglesof their shoulders were measured on the photos. The angle was measured by two lines; one line was drawn from the neck to the acromion. The other line was drawn between bilateral acromions. All the athletes were evaluated their shoulder type by three methods. First, they gave their impressions of their own shoulders. Secondly, they were evaluated by seven trainers. Thirdly, Iseki's method of measuring sloping shoulders was used to evaluate the position of the acromion in relation to the upper edge of the sternum. The athletes were also questioned about their shoulder injury history and the sports they played.<BR>[Results] The average sloping angle was 24.2 &plusmn;3.6&deg; on the right side,25.1 &plusmn;3.7&deg; on the left side. There was no lateralization. According to the trainers evaluation 42 cases (12%) displayed sloping sh oulders, the so called nadegata type; 98 cases(27%) had square shoulders, ikarigata; and the remaining 222(61%) were classified as namigata. The sloping angle was 28.2&plusmn;2.6&deg; in nadegata,25.0&plusmn;2.7&deg; in namigata and 20.9&plusmn;3.1&deg; in ikarigata. The angles of the three groups were all significantly different. The angles of the gymnasts were the greatest and the angles of the swimmers and the volleyball and soccer players were the smallest. There was no difference between the angles of athletes with shoulder injuries and those with no injuries.<BR>[Conclusion]The measurement of the sloping angle of shoulders is useful for the evaluation of shoulder alignment.
著者
木戸 忠人 井樋 栄二 今野 則和 佐野 晃久 浦山 雅和
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.169-172, 1998

The purpose of this study was to determine the in vivo function of the biceps as an active depressor of the humeral head. Thirty-eight shoulders were examined: 19 shoulders with rotator cuff tears (RCT, avg age 59 yrs) and 19 shoulders with normal MRI findings of the rotator cuff (Control, avg age 55yrs). A special arm brace which was fixed to the upper arm was used to keep the biceps in active contraction (biceps loading) during arm elevation. The subjects were asked to grasp a rubber band attached to the distal end of the brace, pull it proximally, and keep the elbow flexed against the resistant force producted by the band. The x-ray were obtained with the arm elevated at 0,45,90 degrees in the scapular plane with and without pulling the band. The center of the humeral head was determined using NTH image and compared between the groups with and without biceps loading. Without biceps loading, the positions of the humeral head at 0,45 degrees were significantly higher in RCT than those in Control (p=0.0101, p=0.0020, respectively). After loading the biceps, the humeral head was depressed significantly at each degree in RCT (P=0.0082, p=0.0259, p=0.0059, respectively). As a result of biceps loading, there were no more significant differences in the positions of the humeral head between RCT and Control (p=0.3285). The positions of the humeral head in RCT with biceps loading were similar to the positions in Control without biceps loading. This is the first study to show the in vivo function of the biceps as an active depressor. From these results, we conclude that the biceps is an active depressor of the humeral head in cuff-defficient shoulders.
著者
溝口 薫 KAORU MIZOGUCHI
雑誌
女性学評論 = Women's Studies Forum
巻号頁・発行日
no.34, pp.21-41, 2020-03-20

"A Family Supper" は、日本の70年代を背景にある家族の関係の危機を描くカズオ・イシグロの最初期の短編小説である。本論は、作品のテーマや形態的特徴を詳細に検討し、この作家の家族関係の危機の要因に関する洞察と、読者をさらに丁寧な読みに誘うその仕掛けについて明らかにする。その結果、この作品には、多様な文化の時代においてつながりの倫理探求に挑戦し続ける作家の優れた語りのセンシビリティが窺われることを論じる。
著者
長谷川 聡 市橋 則明 松村 葵 宮坂 淳介 伊藤 太祐 吉岡 佑二 新井 隆三 柿木 良介
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.86-87, 2014-04-20 (Released:2017-06-28)

本研究では健常者と肩関節拘縮症例における上肢拳上時の肩甲帯の運動パターンとリハビリテーションによる変化を検証した。健常肩においては,多少のばらつきはみられるものの,肩甲骨の運動パターン,肩甲骨周囲筋の筋活動パターンは一定の傾向が得られた。上肢拳上30°〜120°の区間では,肩甲骨の上方回旋運動はほぼ直線的な角度増大を示すことがわかった。そのスムーズな角度変化を導くためには,僧帽筋上部,僧帽筋下部,前鋸筋の筋活動量のバランスが必要で,上肢拳上初期から約110°付近までは3筋がパラレルに活動量を増加させ,拳上終盤においては僧帽筋上部の活動量増加が止まり,僧帽筋下部と前鋸筋の活動量を増加させる必要があることが明らかとなった。肩関節拘縮症例では,上肢拳上による肩甲骨の運動パターンは多様であり,一定の傾向はみられなかったため,代表的な症例の経過を示した。
著者
森山 成彬
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1290-1295, 1988-12-15

I.はじめに 言語新作néologismeとは,新しい言葉あるいは,既存のとは異なる新しい表現の謂である71)。Lantéri-Laura, G. ら51)によれぱ,néologismeという語の初出は1735年で,哲学書のなかで使われ,科学・技術用語の創出,および死語や外国語からの借用による新語をさしていた。しかし,その実体は言語体系そのものの独創から,言葉の意味の微妙なズレまで多様であり,それが次頁表のように,多種の類語を派生させる理由にもなっている。 こうした言語新作を精神分裂病者が生み出してきた事実は,多くの精神医学者の注目をひき,その研究史は少なくとも19世紀中葉まで遡ることができる。彼らはそこに病者の体験が凝集されていると信じ,様々の症例を集め検討した。
著者
森山 成彬
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.114-122, 1989-02-15

Ⅳ.Bobon以降現在まで ドイツのSnellを言語新作研究の始祖とすれば,ベルギーのBobon, J. はその中興の祖といえる。彼はまず1943年の論文9)で,それまでの諸研究を総括したあと,言語新作を欠陥症状troubles déficitairesの優位なものと,反応的な障害troubles réactionnelsの優位なものに分けた。前者は言語中枢の器質的病変も示唆され,同時に機能的な障害としても,入眠時や心的興奮時の自動的な言語活動,曖昧な表現,記憶の保持と喚起の障害,情動障害などを示すものである。後者の反応的な障害の言語新作は,①消し難い強烈な妄想体験,②新しい概念を表出しようとする努力,③非病理的な言葉の改作,④言葉の魔術性への信仰,⑤想像の世界へ埋没する代償的活動,⑥遊戯的な活動,などの側面をもつ。 Bobonが1947年に報告した症例10)は,無音の"e"を発音したり,r・t・er・ment・ancreなを語尾に加える。この患者に薬物を注射し半睡状態にすると,逆に言語新作の度合が減少することから,Bobonはこれらの遊戯的な言語新作が意志的なものであるとした。別な症例11)は「アクロバット的」な言語新作をし,日本語の話し言葉を〈evanes〉と称して,〈Jenefolenbette Serrntlesito〉を日本語だと主張する。この患者は5カ月で症状改善し言語新作をやめた。56歳の緊張病の男性例12)は,年月を経るに従ってparalogie→schizophasie→言語新作へと進展する。その言語新作は方言を組み合わせたもので,Bobonは戯れの機制を指摘した。Bobonはさらに1952年には自説を集大成して,言語新作の全体像を整理する13)。