著者
青山 友里 椎塚 久雄
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第52回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.57, 2009 (Released:2010-01-22)

近年,ロボットセラピーがアニマルセラピー(動物介在療法)に代替する療法として注目されている.本研究では,恐竜型のペットロボットPLEOとのふれあいによるストレス緩和に関して実験調査を行った結果について示す.

2 0 0 0 OA 画本宝能縷

著者
勝川春章,北尾重政<北尾重政(1世 1739生)>//画
出版者
前川六左衛門
巻号頁・発行日
1786

勝川春章及び北尾重政画の養蚕図集。1巻。天明6年(1786)正月、江戸前川六左衛門刊。特大本1冊。天明6年春、東台岳北鄒田夫の序を添え、本絵本の制作意図が、養蚕に携わる農村の婦人たちの「千辛万苦」を知らせることにあるとする。特大本の奉書摺り。絵本としては珍しく匡郭がない。絵は、蚕を養い、生糸を繰り取り、ちりめんなどの反物に仕上げるまでを描いたもの。すべて半丁図、計12図から成る。くすんだ緑や朱等を用いた地味な色遣いである。各図の上部に雲形の余白を設け、見出し「かゐこやしなひ草第一(~十二)」及び説明を加える。また、絵師署名「勝川春章画」「北尾重政画」も各図に見える。両者6図ずつ担当。一枚摺り錦絵の組物として鑑賞することも可能な作りである。(鈴木淳)
著者
重森 雅嘉 佐藤 文紀 増田 貴之
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.48-48, 2011

一般的に多くの人に当てはまる事柄であっても、心理検査や占いの結果として提示すると、自分に特別な内容として受け取られやすい(バーナム効果)。この効果を注意や警告を強化するものとして用いることができれば、安全や教育においての有効な活用が期待できる。本研究では日常的な展望記憶課題(一連の実験セッションの最後にID札を返却する課題)を用い、展望記憶エラーに対する警告をおみくじのように被験者が選択することにより、同様の内容を実験者から与えられるよりも警告の効果が高まることを明らかにした。
著者
阿形 清和 野地 澄晴 梅園 良彦 横山 仁 遠藤 哲也 柴田 典人
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

新学術領域研究『再生原理』では、日本の看板研究の一つであった<再生研究>の成果をもとに、3次元構造をもった指や器官の再生を目指す-新しい再生医療をめざす研究領域を作るために本領域を立ち上げた。そして、再生原理を明らかにすることで、再生できない動物に3次元構造をもった指や器官の再生を引き起こすことを目指した研究を展開した。その結果、プラナリアやイモリで再生原理を明らかにしたことで、尾部からは頭部を再生できないプラナリアを遺伝子操作によって再生できるように成功し(Umesono et al., Nature, 2013)、また関節を再生できないと考えられていたカエルに関節を再生させることに成功した(Tsutsumi et al., Regeneration, 2015, 2016)。これらの画期的な研究成果をより広く世界中の研究者、一般の方々、再生医療関係者に広めていくのに、それらの成果を海外ジャーナルに出版するとともに、国内新聞やEurekAlertなどの国際科学Webサイトを使って広報した。英語での論文出版と、海外向けの広報活動などについてはElizabeth Nakajimaさんを雇用できたことでスムーズに展開することができた。この1年でカエルの関節再生を含め重要な論文を8報、英文誌に出版することができた。また、高校生向けとしては、京都市立西京高校、愛知県立一宮高校、明和高校、宝塚北高校、広島ノートルダム清心女子高校などに出張講義あるいは大学での実習を行った。一般向けとしては、東京で公開講演会を行うとともに、ABC放送、BSフジの『ガリレオX』などで本研究の成果は紹介された。このように、5年間にわたる本研究成果を、国内外に積極的に広報することに成功した。そして、最後に5年間にそれらの成果を冊子体としてまとめて報告書とした。
著者
樋口 進
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.57-71,100, 1989

Joachim Hirsch hat in letzten Jahren einen neuartigen marxistishen Ansatz zur Analyse kapitalistischer Gesellschaft entwickelt. Die zwei wichtigsten theoretischen Quellen für diesen neuen Ansatz sind die westdeutsch Staatsableitungsdebatte und die französische Regulationsschule. Beide versuchten seit den siebziger Jahren, eine reduktionistische, Ökonomistische Analyse der kapitalistischen Geselschaft zu überwinden: die erste durch die Analyse des Staates, die zweite durch eine nicht-ökonomistische Analyse der Ökonomie.<br> Für beide Theorien gilt, dass die kapitalistische Geselschaft wegen der Klassenintegration den Staat oder die Regurationsweise als eine besondere, vom unmittelbaren Produktionsprozess des kapitals formel getrennte Instanz herausbilden muss, und dass deshalb eine Analyse der dynamischen Regulation statt der invarianten Reproduktion erforderlich ist.<br> Ich konzentiere mich auf sowohl die Gemeinsamkeit auch die Verschiedenheit zwischen Regulationstheorie und Staatsableitungsshule (insbesondere Hirsch).
著者
野平 慎二
出版者
富山大学教育学部
雑誌
富山大学教育学部紀要 (ISSN:1344641X)
巻号頁・発行日
no.58, pp.27-37, 2004-02

J. Habermas and M. Foucault sind in der Analyse des Kant-Textes 'Beantwortung der Frage : Was ist Aufklarung, (1784) trotz gleicher textlichen Voraussetzungen zu unterschiedlichen Resultat bezuglich Kant's Aufklarungsverstandnis gekommen. Beide identifizieren zwar Aufklarung mit Mundigkeit. Wahrend aber Habermas Mundigkeit als Fahigkeit der Kommunikation mit dem Anderen versteht, sieht Foucault Mundigkeit in der Sorge, um sich selbst. Dieser Aufsatz zeigt, dass beide-trotz ausserlicher Unterschiede-kommunikative Beziehungen als latente Voraussetzung zur Aufklarung benotigen und diese Beziehungen zugleich Basis der Bildung und der Emanzipation des Subjekts darstellen.
著者
宮原 浩二郎
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.46-59,114, 1989

一九七〇年代に注目を浴びた「社会学の社会学」は、社会的世界に関する知の獲得における社会学の役割について深刻な懐疑をもたらすとともに、「イデオロギー」や「知識人」の概念の根本的な見直しを促した。本稿は、「社会学の社会学」を代表した論者であるA・W・グールドナーの知識社会学と知識人論を手がかりとして、ハーバーマスとフーコーに代表されるような「イデオロギー」と「知識人」をめぐる議論の今日的状況に接近してみたい。グールドナーによる社会理論のリフレクシヴィティー (自己回帰性) の研究は、マンハイム流の「存在被拘束性」の理論の徹底化という経路を通って、社会理論におけるイデオロギー性の遍在と知識人の階級性を主題化した。それは、「イデオロギー」概念を、コミュニケーション合理性を鍵概念として再構築する試み (ハーバーマス) と、「真理」概念の実定化を通じて脱構築する試み (フーコー) という、二つの対照的な方向の分水嶺に位置する立場をよく示している。グールドナーの「リフレクシヴ・プロジェクト」を「補助線」として導入することで、「イデオロギー」と「知識人」をめぐる現段階での様々な議論の問題点が浮き彫りになると思われる。
著者
丹治 敬之 横田 朋子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.526-541, 2017 (Released:2018-02-21)
参考文献数
25
被引用文献数
4 8

作文を書くことに困難を示す発達障害の子どもは少なからず存在する。近年,作文の自己調整方略学習(SRSD)モデルを用いた教授法が注目されている。本研究は,特別支援学級に在籍する小学3,4年生の自閉症スペクトラム障害(ASD)児童6名を対象に,SRSDモデルを用いた小集団介入の効果を検証した。1群事前事後テストデザインを用いて,物語作文の要素数,物語作文内容の質的評価の変化を介入前後で比較した。その結果,物語作文の要素数では5名,物語作文内容の質的評価では4名において,高い介入効果量が確認された。介入効果の背景には,作文のプランニング方略やセルフモニタリング方略の学習があり,方略使用の有効性の認知も影響することが示唆された。また,従来のSRSDモデルにはない接続詞の学習,対象児の好みを反映させた教材,方略模倣のためのビデオ教材,シールによる自己評価,仲間同士の学び合いも,介入効果を支えていたと考えられた。一方で,わずかな介入効果に留まった児童もおり,個に応じた教材や学習環境の工夫は更なる改善が必要であった。本研究の結果から,対象児の作文方略知識の学習状況や,障害特性に合わせた作文のSRSDモデルの展開について考察した。
著者
荒木 孝治
出版者
大阪府立看護大学看護学部
雑誌
大阪府立看護大学看護学部紀要 (ISSN:13492578)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.17-22, 2005-03

The psychiatric concept of residual state is understood to mean that, the influence of schizophrenia getting less, the schizophrenics become stable with a decline of the level of personality remaining to some degree. In this paper, through the case of a long-stay chronic schizophrenic with severe "loosening of association" (talking incoherently) and neologism (making words that only the person himself understands), who was a schizophrenic of slight residual state and was expected to participate in social relationships, I tried to understand how to use his residual symptoms of thought disturbance. I analyzed the conversations I had with him, and I read that the patient's "loosening of association" was a defensive style of conversation for the sake of his speaking to the other person, and the neologisms were such key words as had been molded through his life story, and they turned out to be a tool to express his state of mind. I understood that, in these two symptoms, there was much meaning to the patient. Through this case study, if we supplement the above medical definition of slight residual state with some explanation from the welfare point of view, we will be able to add the following: slight residual state means that long-stay chronic schizophrenics make their life style exercising their own function at the present time.
著者
佐藤 法仁
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.61-67, 1999-09-13 (Released:2017-04-27)
参考文献数
16

日本において、研究施設を直接規制する法律は存在せず、建築基準法等の一定の基準を満たしていれば、建設が可能なのが実状である。法的に問題がないにせよ、周辺住民の不安は小さなものではなく、建設反対や研究中止を求める運動が各地で起きている。本稿では、事例を検討し、現在の研究者側主導の研究施設と周辺環境の関係を再考し提言を行う。提言の中心は、研究者と施設側の「説明(explanation)」と住民の「同意(consent)」であり、研究者と施設は住民の生活領域における安全(安全権)を保障する義務を負う必要があるということと、今後、研究者、施設側は、WHOの定めるLaboratory Biosafety Manual 1993等の国際基準を厳守して研究を進めていく必要があり、また、住民と共に、国に法整備を求めていくことが必要である。その事は結果的に、住民の反対運動による研究中止という事態を回避させ、順調な研究活動、そして周辺住民の生活の安全を保全すると考える。
著者
佐野 肇
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.201-209, 2017-08-30 (Released:2017-12-19)
参考文献数
29
被引用文献数
2

要旨: 補聴器を個々の難聴者に適合するように設定していく方法について概説した。 大きく比較選択法と規定選択法という二つの手順が存在するが通常の臨床では両者が併用されている。 規定選択法はハーフゲインルールに始まりその後補聴器性能の進歩に伴って数多くの方法が発表されてきたが, 現在では NAL-NL 法と DSL 法が広く用いられている。 両方法の補聴効果を比較した研究の結果では語音明瞭度の成績では差はみられていないが DSL 処方の方が利得は大きい。 これらの規定選択法で示されるターゲットは基本的には最終的な設定への指標と考えるべきで新規の装用者ではそれより小さな利得から徐々に上げていく方法が提案されている。 欧米で開発されたこれらの処方ターゲットが英語とは音響的特徴が異なる日本語においても妥当であるかどうかについては今後検討する必要があると思われる。