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著者
本因坊秀哉 著
出版者
誠文堂
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1933
著者
田中 和宏 内海 常明 石井 哲夫 有井 克己 荒井 圭介 鴨野 博道 澤田 一勝 田辺 誠
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101788-48101788, 2013

【はじめに、目的】 柔道は2012年4月より全国中学教育で必須化が開始されたが,その種目特性上,傷害は多く発生する.受傷頻度が複数回にわたると競技生活に問題を生じることも予測される.パフォーマンスを高め,傷害を予防していくためには,受傷部位や傷害発生状況,発生時期等を把握することが必要である.そこで兵庫県高等学校体育連盟柔道部では,県下柔道部のある全高等学校を対象にアクシデントリポートの提出を求めた.この結果を解析することで,傷害発生の要因を明らかにすることを試みた.【方法】 兵庫県下の柔道部のある高等学校全87校に,2011年4月から2012年3月までの1年間に発生したアクシデントの全例提出を求め,提出のあった119例を対象とした.アンケート調査の内,発症月,学年,性別,経験年数,発生状況,傷病部位,傷病名について検討した.【倫理的配慮、説明と同意】 対象となる柔道部のある高等学校に説明と同意を得た上で調査を実施した.【結果】 傷病名別では,骨折が最も多く23件(19.7%),次いで捻挫の22件(18.8%),打撲の16件(13.68%),靭帯損傷は13件(11.1%)であった.傷病部位別では,肘関節,手指・足趾が多く17件(14.5%),次いで膝関節,足関節の14件(12.0%),頭の10件(8.54%)であった.学年別に比較すると,肩関節,膝関節,手指・足趾においては,1年生に比べ2,3年生の割合が多くみられた.傷病発生月別では,4月が最も多く31件(26.5%),次いで5月の19件(16.24%),8月の15件(12.82%),9月の10件(8.55%)であった.傷病発生月を学年別にみると,1年生において,4月は10件(32.3%),5月は9件(47.37%),8月は11件(78.57%),9月は5件(50%)となっており,2年生は,4月は9件(29.03%),5月は5件(26.32%),8月は3件(21.43%),9月は5件(50%),3年生は,4月は12件(38.71%),5月は5件(35.71%),8月・9月は0件であった.発生状況別では,練習中が59件(50.43%)と半数以上を占め,試合中が23件(19.66%),授業中が11件(9.4%)であった.【考察】 宮崎らによれば,中学校,高等学校柔道部員では肩,膝,肘,手・手指,足・足趾部の外傷が多く,傷病名では骨折,捻挫が多いと報告している.今回の調査においても,傷病名別では骨折,捻挫が多く,傷病部位別では,肘関節,手指・足趾,膝関節,足関節が大部分を占めており,これまでの報告と同様の結果であった.これは技術面の問題に加え,骨関節は成長軟骨を含み脆弱であり,筋は発育途中である点など成長期である点が多く影響していると考える.傷害発生月別では,これまでは4月,5月に初心者の受傷が増えると多くの指導者は考えてきた.しかし,4,5月は2,3年生が全体の約7割を占めており,1年生の割合は多くない.それと比べ,8,9月は1年生が半数以上占めている.この理由として,高等学校の行事に関連があると考える.2,3年生は,4,5月は部活の中で中心的な立場で,高等学校総合体育大会等に向けて,平常より長時間の密度の高い練習を行う.このため,肉体的,精神的疲労が受傷に影響すると考える.また,8,9月に1年生が多い理由として,夏休みの合宿期となり,基礎練習から本格的な練習に進むことが影響していると考える.上記のことからスポーツサポートしていく上で,経験の浅い1年生だけでなく,2,3年生にも秋,冬期から計画的に傷害予防を促していくことが重要であると考える.【理学療法学研究としての意義】 身体的に成長期で,技術も未熟な時期の傷害特性を知ることは,コンディショニングを通じての傷害予防に有益である.
著者
黒木 喜美子 喜多 俊介 前仲 勝実
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.80-95, 2016 (Released:2016-09-17)
参考文献数
19
被引用文献数
1

HLAは非常に遺伝子多型性が高く,多数の遺伝子ファミリーを形成することによって多重性も獲得し,自己・非自己認識を担っている糖タンパク質である。通常,幅広い抗原由来のペプチドをT細胞へ提示するが,さらに,様々な免疫制御受容体との相互作用を介して免疫応答を多面的に調節し,個体の恒常性を維持していることが明らかになってきた。このようなHLAが持つ多面的機能の理解には,X線結晶構造解析による立体構造の決定や物理化学的な相互作用解析が大きな貢献を果たしてきた。本稿では,HLAの分子構造から特にHLAクラスIと受容体群との分子認識機構に着目し,どのようにHLAが免疫反応を制御しているかを概説するとともに,疾患との関連を考察する。
著者
村上 千鶴子 ムラカミ チズコ Chizuko Murakami
雑誌
総合福祉
巻号頁・発行日
no.3, pp.107-115, 2006-03

補完・代替医療としてのホメオパシーについて概観し、その日本的展開の可能性について論じる。はじめに、ホメオパシーとはどういうものかについて論じ、次に、evidence based medicineとしてのホメオパシーの位置付け、narrative based medicineとしてのホメオパシーの位置付けと特徴について論じた上で、ホメオパシーの日本的展開の可能性を、以下の項目に分けて論じた。1.漢方薬との共通点と相違点 2.漢方薬のレメディ化について 3.レメディの日本製原材料について 4.複雑なレメディ像とその例 5.風土と医療。その後、2例の事例提示を簡単に行った。結果として、全人的アプローチを要し、対人知覚に優れた国民性をもつ、植生の豊かな日本におけるホメオパシーが、臨床的可能性を大いにもつことが示唆された。また、我々の心身のメカニズムを知る上で、用量依存とは異なった次元の身体機能の説明概念である[波動医学]の洗練が期待され、それによってホメオパシーの治療効果の論理的説明が可能になることが示唆された。
著者
服部 亜由未
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.182, 2009

<B>はじめに</B><BR> 近世後期から近代における北海道の基幹産業は漁業であり,その中心をなしたのがニシン漁であった.ニシンの粕は北前船により,西日本を中心とした日本各地に運ばれ,魚肥として綿や菜種などの商品作物へ利用された.太平洋戦争中,及び戦後における食料難の時代には,重要な食料として求められるなど,ニシンの漁獲量が皆無になる1960年ごろまで,需要は高かった.さらに,技術の発展や漁場の拡大により,大量の労働力が求められた.近世にはアイヌ民族を使役し,アイヌ民族が減少すると,本州からの出稼ぎ者を雇うことで成り立っていた.ニシン漁を介して多くの人々が移動し,その影響力は大きかった.<BR> しかし,1960年には北海道日本海側でのニシン漁は幕を閉じ,ニシンは「幻の魚」と称されるようになった.そして,ニシン漁の担い手たちは今,姿を消しつつある.現在,ニシン漁経験者各人の中に記憶として眠っている体験をまとめることで,史料分析からは描き出せない具体的内容を付加できる最後の段階にきているといえる.<BR> 一方,北海道の日本海沿岸地域では,ニシン漁に関係する建造物の保存運動や,「ニシン」をキーワードに観光化策への連結も主張されるようになってきている.<BR> 本報告では,ニシン漁が行なわれていた時代のニシン漁と漁民とのかかわり,特にニシンの不漁から消滅にかけた漁場経営者や出稼ぎ者の対応について検討する.また,近年のニシン漁に基づく活動を紹介し,ニシン漁を考える意義について述べたい.<BR><B>ニシン漁と漁民</B><BR> 3月下旬から5月下旬の2ヵ月という短い期間に,獲れば獲るほどお金になったニシン漁には,多くの労働力が必要とされた.特に,江戸時代に行なわれていた場所請負制度が廃止されると,漁場が増加した.漁場経営者は漁業権を獲得すれば,自由に漁場を開くことができ,漁場周辺の人だけでは足らず,多くの出稼ぎ者が雇われた.<BR> ニシンは豊漁不漁を繰り返し,その漁獲地は北へ移っていった.漁の傾向が予測できない状態で,漁場経営者は多額の出資をして準備を行ない,出稼ぎ者は出稼ぎ地域を決定しなければならなかった.漁獲量が変動する中で,ニシン漁場経営者たちは,漁を行なう網数に適した出稼ぎ者を雇い,漁獲量が多い場合には,臨時の日雇い労働者を雇う形態をとっていた.また,衰退期には,ニシン漁以外の収入源や共同での漁場経営への移行,生ニシンの加工業への転換が見られた.一方,出稼ぎ者は初年度には身内とともに出稼ぎに行くが,その後は各自の判断により地域や漁場を決めた.そして,不漁期を経験した人々への聞き取り調査からは,2年続いて不漁であれば,3年目には他の漁業や他業種の出稼ぎに転換する傾向が見受けられた.報告では,史料や聞き取り調査から判明した実態を紹介・検討する.<BR><B>ニシン漁に基づく町おこし</B><BR> 北海道日本海側の市町村には,ニシンが獲れなくなった現在においても,ニシン漁にまつわる歴史や文化が存在し,ニシン漁によってその市町村が形成されたことを感じさせる.各自治体史編纂の地域史においては,この点が強調されてはいるが,自村のみの事例紹介でとどまっている.そのような中,後志沿岸地域9市町村では,「ニシン」という共通の資源を基軸にした「後志鰊街道」構築の試みがなされている.報告者はこのような興味深い取組みを後志地域だけでなく,北海道日本海側全域,東北を中心とした出稼ぎ者の出身地域,さらには北前船の寄港地を含んだ地域にまで拡大できないものかと考えている.こうしたニシンによる地域交流圏を仮称「ニシンネットワーク」として調査研究を進め,各自治体の町おこしに協力していきたい.<BR> ここではその第1報として,出稼ぎ者の出身地域である青森県野辺地町の沖揚げ音頭保存会の活動を紹介する.当会は,利尻島への出稼ぎ者を記した「鰊漁夫入稼者名簿(利尻町所蔵)」がきっかけとなり,2008年に結成された会であり,祭りや小学校での実演,指導を行なっている.2009年9月に利尻町の沖揚げ音頭保存会との交流会を行なった.<BR><B>ニシン漁再考</B><BR> 昨今,放流事業の成果もあってか,再びニシンが獲れるようになり,話題となっている.ただし,現在漁獲される石狩湾系ニシンは,かつての北海道サハリン系ニシンとは種類が異なっており,かつてほどの漁獲量にはならないと予想される.しかし,利益至上主義による乱獲をしてはならないことを過去の経験から学ぶ必要がある.<BR> また,北海道日本海側の地域形成の議論には,出稼ぎ者出身地域とのつながりからのアプローチ「ニシンネットワーク」論が有効であると考える.そのために,北海道と出稼ぎ者出身地域との両地域を対象とし,史料の発掘や経験者への聞き取りを積み重ねていきたい.<BR>
著者
香取 郁夫 田丸 真弓 横井 智之
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.77-84, 2010-05-25 (Released:2010-06-08)
参考文献数
29
被引用文献数
1 4

Osmia orientalis has potential as a crop pollinator and this study examined its curious nesting habits. They were successfully induced to nest in empty snail shells placed in a field (19.8% nesting rate). The nesting rate was higher for larger shells of Euhadra amaliae than for smaller shells of Satsuma japonica. The rate was also higher for intact than damaged shells, but was not affected by the freshness of the shells. As a nesting environment, the insects preferred grass fields rather than denuded areas, spaces adjacent to buildings, or a forest edge. The overall sex ratio of O. orientalis within the shell nests was male biased (59.2% males). The sex distribution within the shell nests was as follows: when O. orientalis nested in S. japonica shells, all cells contained males; when they nested in E. amaliae shells, the innermost and second innermost cells were highly male biased, while the ratio of females increased gradually toward the outermost cells and was highest in the second outermost cells, while the male ratio recovered in the outermost cells. Finally, we discuss the possibility of using and the methods of managing O. orientalis as a crop pollinator.
著者
西浦 博
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2017-04-01

まず1年度目からの継続課題として、南北差を含むフライウェイでのリザーバの特定に取り組んだ。これまでに理論疫学的手法によってリザーバの定義を可能にしてきた。ただし、これまでは動物種別のみを見たものであり、例えば、インフルエンザであればマガモがmaintenance hostであることを実証する程度しかできていない。そこで、渡り鳥のアジアフライウェイに対応した観察データの系統的レビューに基づくデータ収集を実施し、また、数理モデル構築において必要とされるパラメータ(例.気温に応じた水環境でのインフルエンザウイルスの失活度に関する生存曲線)について定量化を行った。その結果、北極のマガモのほうが熱帯地域よりもインフルエンザウイルスの維持には大きな役割を果たすという空間上の異質性を特定することができた。引き続き、伝播能力が変化する宿主間の(進化)連携パスウェイの定義と分析手法の開発に取り組んだ。上記のような疫学的なリザーバの特定は系統樹を利用したウイルス学的・進化生物学的なリザーバの議論とかみ合ってこなかった。感染頻度と系統遺伝学的情報の両方が与えられた場合のリザーバの特定に関する研究の理論的実装に取り組み、疫学情報あるいは遺伝学情報の一方のみに頼った場合のリザーバ特定の精度・信頼性等について統計学的推定を通じて評価を行った。同時に、進化生物学的に意味のある組み換えについてその情報を加味した(リザーバとは異なる)宿主のグループ化に取り組んだ。H5N1型インフルエンザの分析に取り組み、現在原著論文執筆中である。
著者
西村 正男
出版者
中文研究会
雑誌
未名 (ISSN:09146334)
巻号頁・発行日
no.29, pp.59-82, 2011-03
著者
阿部 好恵
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.87-98, 2011-03-31 (Released:2017-06-16)
参考文献数
29
被引用文献数
1

社団法人やどかりの里では,年1回やどかり研究所報告・交流集会が開催される.この集会の過去5年間の記録における研究報告は,量的研究に比べ質的研究が多い.また活動に参加する当事者の「語り」を対象とした質的研究に着目すると,その多くにエスノメソドロジーの特徴が見られた.このことは,約35年前の「相互研修会」の記録の中で既に示されていた自明性の重要性の指摘にも通じるものであり,当事者の「語り」の質的研究が今後も継続することの重要性が示唆された。
著者
鬼頭 誠 奥野 聡子
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.349-352, 1999-12-28 (Released:2009-12-17)
参考文献数
10
被引用文献数
4 2