著者
角田 裕之 孫 媛 西澤 正己 天野 晃
出版者
鶴見大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究課題の核心は、新たな学術情報のルートを流通するプレプリントを活用して研究した著者、所属機関、国およびプレプリントの特性の解明、その流通量、速度と加速度、新旧学術情報流通の比較を通してウェブ可視化情報のアクセス優位性の検証および若手研究者の育成を通して学術情報の循環を加速させることにある。
著者
斉藤 延人 金 太一 中冨 浩文
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.29-36, 2016 (Released:2017-01-25)
参考文献数
26

脳幹へはさまざまな手術法が工夫されており, 本稿はその総説である. 手術適応として, 海綿状血管奇形, グリオーマ, 血管芽腫などが対象疾患となる. 原則として脳幹への進入は, 病変が脳幹表面に最も近い部位で切開を加えるが, そのために 「two-point method」 などの方法が提唱されている. また, 病変の存在下での脳幹内の核や神経路を把握する必要があり, 術前画像のシミュレーションで病変により圧排された解剖構造を把握することも有用である.  手術による障害を最小限に抑えるためには, motor evoked potential (MEP), auditory brainstem response (ABR) やsomatosensory evoked potential (SEP), 心電図 (EEG), 顔面神経の電気刺激などの術中モニタリングが有用である.  代表的な中脳背側からのアプローチとして, occipital transtentorial approach (OTA) がある. 背側と比較して中脳腹側へのアプローチは難しいが, orbitozygomatic approachとtrans-lamina terminalis approachなどが使用される. 橋から延髄の背面へのアプローチには, 第四脳室経由のアプローチがあるが, 第四脳室を広く開放する方法として, trans-cerebellomedullary fissure (CMF) approachが有用で, これにはlateral approachとmedial approachがある. 橋・延髄レベルの前側方からのアプローチとしてsubtemporal approach, anterior petrosal approach, far lateral (transcondylar) approachがあり, 錐体路を避けることが重要である.
著者
阿部 佑一 坂井 優美 鬼立 めぐみ 原 正 久保田 隆廣
出版者
一般社団法人 日本薬局学会
雑誌
薬局薬学 (ISSN:18843077)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.85-91, 2019 (Released:2019-05-17)
参考文献数
10

要旨:皮膚疾患に多用されるステロイド外用剤は,著しい治療効果をもたらす重要な成分である.外用剤の混合による配合変化に関する情報は必須であるが,十分な検討は行われていない.本研究では,実臨床でもステロイド外用剤と混合されることのあるザーネ® 軟膏との配合変化について検討した.油脂性基剤であるステロイド軟膏はザーネ® 軟膏と混合すると高温になるほど基剤が不安定になり,ステロイドの種類によっては含量が著しく低下した.ザーネ® 軟膏とo/w 型ステロイドクリームの混合では基剤は安定していた.ステロイド含量は高温条件下で低下したが,ステロイド軟膏との配合変化より緩やかであった.そのためザーネ® 軟膏との混合はステロイドクリームのほうが好ましいと考えられる.しかし,ステロイドの種類や製品によっては配合変化する組み合わせがあるため,患者の症状や薬剤の保存状態,コンプライアンスに合わせた薬剤選択が重要である.
著者
笠原 由紀 深澤 洋滋 田原 壮平 栗林 恒一 東家 一雄
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.2-12, 2009 (Released:2009-08-11)
参考文献数
27

【目的】免疫研究委員会の活動として、 臨床に携わる鍼灸師が持つ 「鍼灸と免疫」 に対する意識の現状分析を行い、 そこから示唆される今後の課題を提言することを目的とした。 【方法】東洋療法学校協会に加盟する専門学校43校、 および国内で鍼灸師の養成課程をもつ大学6校において勤務する鍼灸師を対象に無記名アンケートによる意識調査を行い、 単純集計により解析した。 【結果】調査対象校49校に総計960件のアンケートを送付し、 32校から263件の有効票を回収した。 鍼灸治療を受けている患者は一般に感染に対する抵抗力が高まっていると考える回答は56.4%、 また、 鍼灸は免疫力を高める予防医学の一つと考える回答は83.3%であり、 鍼灸は免疫に対して効果的と考える回答が多数を占めていた。 しかしながら、 実際の臨床現場において患者の免疫力を客観的に評価しているという回答は11.0%に留まり、 大多数が患者からの主観的な申告で判定しているという結果であった。 【結論】肯定的な回答が多かった鍼灸の免疫力向上作用について科学的検証を行うためにも、 鍼灸師が臨床現場で実施可能な非侵襲性かつ客観的な免疫力の評価方法を模索し導入していくことが重要と思われた。
著者
小野 芳朗 西寺 秀 中嶋 節子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.676, pp.1513-1520, 2012-06-30 (Released:2012-07-27)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Biwako canal in Kyoto City was constructed in the period from 1885 to 1890 in order to supply water for irrigation systems and develop the utilization of water power, transportation by ship and so on. There were 2 routes on the canal, the one was the route in Ohtoh area beside eastern district of Kamo river for the transportation and later also for hydroelectric power, the other was the route of north-east area of Kyoto for the irrigation. The expropriation performance of the canal was discussed in this paper depended on the maps drawn in the construction and the cadastre on expropriation. The new city planning in the Ohtoh area, especially road networks along the canal was designed, and the canal route was determined to decrease flow rate and to choose the low cost expropriation.
著者
半田 彩実 川鍋 ひとみ 井部 明広
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-6, 2020-02-25 (Released:2020-04-24)
参考文献数
15

ぬか漬には,不揮発性アミン類であるヒスタミン(Him)およびチラミン(Tym)を含有するものがあり,これらは発酵過程中に微生物が関与し生成されたと推察される.そこで,HimおよびTymを含む市販のキュウリのぬか漬からHimおよびTym産生菌の探索を試みたところ,それぞれ産生菌を単離し,Him産生菌はRaoultella ornithinolytica,Tym産生菌はLactobacillus curvatusと同定した.これらの産生菌をぬか漬の原材料である米ぬかを含む培地中でそれぞれ培養したところ,それぞれの培地中からHimおよびTymの産生が認められた.しかし,各産生菌がぬか漬中に存在しても,必ずしもHimおよびTymが産生されるわけではなく,ぬか漬製造において,その産生量は前駆アミノ酸の量や共存する他の細菌によって影響を受けることが示唆された.
出版者
日経BP ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.458, pp.88-91, 2020-05

ろくすけ:ギャンブル、か。日本ではいまだにそう見ている人が多く、株式投資は敬遠されているんだよね。正しい知識と方法で取り組めば、誰にでも大きな資産をつくれる可能性があるのに、本当に残念なことだよ。ゴロー:ギャンブルではないんですか。
著者
余 錦 佐藤 純 舟久保 恵美 小畑 光央 水村 和枝
出版者
日本生理学会
雑誌
日本生理学会大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.S245, 2004

To examine the effects of change in meteorological factors on autonomic parameters in conscious animals, male Sprague-Dawley rats (n = 11) were exposed to lowering barometric pressure (LP) in a climate-controlled room. Systemic blood pressure (BP) was telemetrically recorded using a radio-transmitter equipped with a BP transducer. Heart rate (HR) was calculated from BP data and pulse interval variability was analyzed by power spectrograms obtained by the fast-Fourier transform algorithm. The low-frequency (LF: 0.02-0.6 Hz) power, high-frequency (HF: 0.8-3.0 Hz) power and LF/HF ratio, an index of relative sympathetic activity, were calculated. The rats were exposed to LP by decreasing the barometric pressure of the room by 27 hPa lower than the atmospheric pressure. This was done over 8 min. The pressure was maintained at this level for 29 min, and then returned to the baseline pressure over 8 min. The BP markedly increased after reaching the pre-set low pressure and reached the peak value at the middle of LP-exposure period. The HR and LF/HF ratio clearly rose in the early part of the LP-exposure period and then gradually decreased to the level before exposure. The LF/HF ratio also transiently increased at the recompression period. These results show that lowering barometric pressure within the range of natural environmental fluctuation induces autonomic responses in conscious rats. The increase in the LF/HF ratio during LP exposure indicates that low pressure environment induces sympathetic > parasympathetic activation. <b>[Jpn J Physiol 54 Suppl:S245 (2004)]</b>
著者
青木 和人 Miya M 三皷 由希子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.187-190, 2019-03-15 (Released:2019-06-01)
参考文献数
9

本研究では、インターネット百科事典Wikipediaと同じく、現在、最も知られているオープンデータプラットフォームであるWikimedia Commonsに着目した。そして、兵庫県伊丹市に残る酒造り唄を伊丹市立図書館ことば蔵における市民参加型活動にて、Wikimedia Commonsにオープンデータデジタルアーカイブする試みについて、その意義と課題について考察した。その結果、Wikimedia Commonsをデジタルアーカイブプラットフォームとすることで、費用をかけない永続的なデジタルアーカイブをオープンデータとして実現した。そして、地域の歴史的音源の市民参加型のデジタルアーカイブ手法を提示した。さらに、歴史的音源のオープンデータデジタルアーカイブに際しては、歌唱者、演者も含めた著作権者全員の許諾とその手法の確立が必要であることが明らかとなった。
著者
蘆田伊人 編
出版者
雄山閣
巻号頁・発行日
vol.第5巻 風土記稿1, 1933
著者
市村 光之
出版者
京都大学高等教育教授システム開発センター
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
no.25, pp.63-66, 2019-12

横浜国立大学では、学生の主体的な学びを醸成するツールとしてe ポートフォリオシステムを再構築することで、学修成果を可視化し、かつ学生に横浜国立大学では、学生の主体的な学びを醸成するツールとしてe ポートフォリオシステムを再構築することで、学修成果を可視化し、かつ学生に関するIR 情報を集積する仕組みを実現した。これにより、教職員が教育課題について議論する材料を共有できるようになった。学生に主体的な学びを促すには、専攻する学業と進路との関連を意識させること等がカギであることが確認できた。一連の可視化やIR を実質化するには、ポートフォリオの活用法等の理解を促進し学生を動機付けすることで、入力情報の信頼性向上を図ることが今後の課題であることがわかった。関するIR 情報を集積する仕組みを実現した。これにより、教職員が教育課題について議論する材料を共有できるようになった。学生に主体的な学びを促すには、専攻する学業と進路との関連を意識させること等がカギであることが確認できた。一連の可視化やIR を実質化するには、ポートフォリオの活用法等の理解を促進し学生を動機付けすることで、入力情報の信頼性向上を図ることが今後の課題であることがわかった。
著者
谷 貞宏
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.363-367, 2006-08-01 (Released:2010-03-18)
参考文献数
11
被引用文献数
2
著者
小林 剛一 平形 ひとみ 井上 まさよ 横山 貞子 石田 美紀 望月 栄美 高坂 寛之 関口 文子 中村 幸男
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.31-41, 2018-02-01 (Released:2018-04-05)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

【背景・目的】 わが国は,超高齢社会に伴う「多死社会」を迎える.増加する死亡者を全て病院で看取る事は不可能であり,最期を迎える場の選択肢として,特別養護老人ホーム(以後特養)などの高齢者施設への期待が高まっている.特養1は,常時介護を必要とし,在宅生活が困難になった高齢者が入居する老人福祉施設である.本研究の目的は,終末期医療における看取り,死亡場所としての特養の意義を明らかにすることである. 【対象と方法】 平成19年4月~平成29年1月までの施設看取り63名を対象として,診療録,看護記録,死亡診断書等より,平均寿命,死因等について分析した. 【結 果】 退所者167名中,看取り死亡者は63名(38%)であった.平均年齢は,90.07歳(男性87.4歳,女性90.7歳)で,死因は老衰が31名(49%)と最も多かった.認知症は,アルツハイマー型認知症,脳血管性認知症等,軽度~中程度を含めてほぼ全例(98%)に認められた.在所期間は,58日から18年5か月(平均4年9か月)であった. 【結 語】 我々の特養での看取り例は,日本人の平均寿命を越えた老衰死が多かった.超高齢社会を迎え,要介護高齢者の施設として,一層のニーズが見込まれる特養は,終末期の看取り場所としての役割を担う施設としても,重要な位置を占めるものになると考えられた.