著者
花野 泰子
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.119-140, 2015-09

There has been little research on the people engaged in mass media program production in Japan in spite of frequent calls for it. This paper reports on an interview-based survey of TV program production professionals. The results show that TV stations are androcentric, with only about 20% of the employees being women. In contrast, the percentage of women employees engaged in TV program production in subcontracting companies is close to 50%. Women reported that they got a sense of satisfaction from making TV programs and were trying to establish their careers in spite of difficult employment conditions and a difficult working environment. In today's Japan, where Successful Women is being promoted, it appears that women's place in the most influential medium of TV production is not very secure and urgent changes are needed.日本のマス・コミュニケーション研究における送り手研究は未だ少なく,番組制作という専門職に従事する人々の実態調査は,その必要性を叫ばれていながら未だ詳細な調査研究は行われてこなかった。本論で明らかになったのは、女性比率2割前後で推移しているテレビ局の男性中心主義が、比率的には女性が半数に迫る下請けの番組制作会社を支配しているという実態である。女性番組制作者たちの生の声には、番組制作の「やりがい」を支えに、厳しい雇用条件と労働環境を乗り越えながらキャリア形成しようとする姿が表れていた。「女性活躍」を掲げる現在の日本において、最も影響力の強いメディアであるテレビのコンテンツそのものを作る人々の多様性が、あまりに確保されていないことが明らかとなり、早急な変革が必要であることも確認された。
著者
福島E. 文彦 北村 則行 広瀬 茂男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2000, 2000

本研究では「ハイパー・テザー」という新しい汎用的な連結手段を用いた「テザー遠隔駆動作業機」を提案している。本稿では, 芝刈り, ガーデニング, 農業作業, 地雷や各種埋設物の探索などへ応用できる作業機の機械設計や実験を紹介し, テザー遠隔駆動作業機の有効性を示す。
著者
林 賢紀 瀬尾 崇一郎 阪口 哲男
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.11-28, 2016

Web技術によるデータ公開の方法としてLinked Open Data(LOD)が注目されている.しかし,既存のWeb上の情報資源の多くは人が読む利用形態に適したデータ構造のままであるなど,構造化が不十分であることが指摘されている.本研究においては,異なる性質の要素を持つ複合的な情報資源に対し,相互運用性を持ちかつ情報損失を起さずにLODを適用する方法について検討を行った.この結果,対象となる情報資源に記載されている情報を元にして,文書の構造や使用されている語彙などを分析することにより,LODへの再構成を効率的に行うことが可能であることを明らかにした.また,関連付けが可能な他の情報資源を用いて不足している情報を補うことを前提とした構造化により,人が読む利用形態に適したデータ構造に基づいていても適切なLOD の適用を可能とし利活用しやすくするための一手法を示した.
著者
西尾 善太 伊藤 美環子 田引 正 中司 啓二 長澤 幸一 山内 宏昭 広田 知良
出版者
北海道農業研究センター
雑誌
北海道農業研究センター研究資料 (ISSN:13478125)
巻号頁・発行日
no.69, pp.15-21, 2011-09

北海道では,2010年の夏季に統計開始以来の高温を観測し,秋まき小麦の収量が平年の65%に低下する大きな被害を受けた。このため,秋まき小麦品種「ホクシン」(軟質小麦)および「キタノカオリ」(硬質小麦)の収量構成要素と,生育温度の関係について,1997~201O年の14年間の結果を解析した。登熟期間の平均気温と,登熟日数(出穂から成熟までの日数)および千粒重の間には,強い負の相関が見られ,気温1℃の上昇によって,登熟日数は,両品種とも約2.6日短縮し,千粒重は,「ホクシン」が約2.2g,「キタノカオリ」が約1.9g減少した。5月下旬の平均気温と穂長の間には,両品種とも有意な負の相関が見られ,気温1℃の上昇によって,穂長は,「ホクシン」が約2.6mm,「キタノカオリ」が約4.3mm減少した。1997~201O年の月別平均気温の解析の結果,3月と6月および4月と8月の平均気温の間に有意な負の相関が見られ,4月の平均気温と,秋まき小麦の登熟期間の平均気温との間にも有意な負の相関が認められた。近年の北海道の春季と夏季の気温の間には,有意な負の相関が認められることから,今後も同様の気象パターンが継続すると仮定すると,春季が低温の年は,夏季の高温に対する警戒が必要となる。
著者
熊谷 太郎 曽我 亘由 西尾 圭一郎 岡本 隆
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.91-91, 2011

大学生の新卒内定率が非常に低い水準であるなか、大学において提供する、キャリア教育を意識した教育プログラムに注目が集まっている。しかしこのような大学教育の試みはまだ歴史が浅く、キャリア意識・職業意識に関する研究も蓄積が少ないのが現状である。本稿では、愛媛大学と松山大学の社会科学系学部に属する学生がどのような職業意識を持ち、どのような特徴を有しているかを明らかにする。本研究の成果は、学生の実態にマッチした教育プログラム構築に有益な示唆を与える。
著者
孫 知慧
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.94, no.2, pp.91-119, 2015-03
著者
中牟田 義博
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.214-214, 2008

強い衝撃作用を受けたGoalparaユレイライト隕石中には,シャープなラマンバンドを示す数ミクロン大の粒状のダイヤモンドとそれと同程度の硬度をもつが明瞭なダイヤモンドのラマンバンドを示さない100ミクロン大の板状の炭素物質が認められる.このような板状の炭素物質はその形状から,グラファイトから衝撃により直接変化して出来たものと考えられるが,その性質についてはよく分かっていない.今回の研究では,この高い硬度を持つ板状炭素物質について,マイクロレーザーラマン分光分析,Gandolfiカメラを用いた粉末X線回折実験を行うことにより詳細な検討を行った.X線粉末回折パターンは板状炭素物質がnormalとcompressed のグラファイトおよびダイヤモンドの混合物よりなることを示し,本試料中のダイヤモンドはダイヤモンドと同じ3層の炭素シート積層を持つとして単純六方格子のa軸とc軸の長さを求めると,c/aの値はダイヤモンドの2.450に対し2.462となり,炭素シート内のC-C結合距離がやや短く,炭素シート間の間隔がやや広くなる.
著者
松浦 誠 片島 三朗
出版者
Japan Foundry Engineering Society
雑誌
鋳物 (ISSN:00214396)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.675-680, 1982

The effect of the jolt impact on the compaction of molding sand was investigated by measuring the acceleraion of the jolt table at the impact of jolting using a piezo-electric accelerometer. The mold density is directly influenced by the condition of the impact acting on the jolt table. The average mold density becomes higher as the magnitude of acceleration and the duration of impact of the jolt table increase. The acceleration inside the mold during jolting was also examined and it's behavior was anaslyzed in relation to the compaction process of molding sand. Further, experiments on the sand flow and mold density distribution in the mold were carried out. The mechanism of jolt compaction of molding sand is discussed.
著者
鈴木 雅博 酒井 博士 孕石 孝平 六郷 恵哲
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.121-126, 2001-06-08

耐衝撃部材は,安全性を確保するために衝撃作用下の部材の靱性を向上あるいは変位復元性を向上させる必要がある。これを実現するため,短繊維補強PCはりを提案した。本研究では,その衝撃特性を把握するために,短繊維の有無及びプレストレス量を変化させた部材を作製し,落下高さを漸増させる重錘落下試験を実施した。その結果,短繊維補強PCはりは,(1)短繊維補強をしていないPCはりと比較して最大支点反力が増加し,かつ,塑性域でのはりの残留変位が小さくなり高い復元性を示すこと,(2)部材損傷を小さくする効果があること,等が認められ,耐衝撃性能の向上が認められた。