著者
松坂 裕子 川端 潤 葛西 隆則
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.550-552, 2003-11-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
9
被引用文献数
3 5

クスノキ科のアボカド(Persea americana Mill.)の種子のメタノール抽出物0.1mg/mL溶液の抗酸化活性をリノール酸メチルの過酸化抑制を指標に測定したところ,酢酸エチル可溶性非酸性画分と酢酸エチル可溶性酸性画分に非常に高い抗酸化活性がみられた.非酸性画分より活性成分を単離し,各種機器分析により,既知物質(+)-カテキンと(-)-エピカテキンを同定した.
著者
梶原 正昭
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.24-38, 1982-03-05
著者
池野 絢子
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人間・環境学 = Human and Environmental Studies (ISSN:09182829)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.47-58, 2010-12-20

本論は, 戦後イタリアの芸術家ジュリオ・パオリーニ(1940生)の初期作品の考察を通じて, 芸 術作品における「作者」のありょうを一考するものである. パオリーニは, 1960年代のはじめに, イメージを排除する反イリュージョニズムの作風で出発するのだが, 67年以降, 彼の作品には写 真複製された過去の巨匠たちの絵画が登場し始める. このような写真複製の利用は, とはいえ, 単純に過去の作品の「引用」として片付けることはできない. というのも, その制作において問題化されているのは, 既存のイメージを新たなイメージの一部として制作に応用することではなく, むしろあるイメージを複数の作者たちに結び、つけることだと考えられるからだ. ロラン・バルトの名高い「作者の死」(1968) と相前後して発表されたパオリーニの作品にあって, しかしながら「作者」は, 完全に葬り去られたとも, 単純に回帰したとも言いがたいように思われる. 本論では, パオリーニの制作の展開を追いながら, 芸術作品における「作者」の所在を再考する端緒を探りたい.
著者
田口 素子 高田 和子 大内 志織 樋口 満
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.423-432, 2011 (Released:2011-08-30)
参考文献数
24
被引用文献数
6 4

The aim of the present study was to examine the validation of prediction equation of basal metabolic rate (BMR) in Japanese female athletes. The study population consisted of 122 Japanese female athletes (age 20.2 ± 1.3 years, height 162.5 ± 6.3 cm, body weight (BW) 57.4 ± 7.7 kg, and fat-free mass (FFM) 45.5 ± 5.1 kg). Body composition was estimated by using air displacement plethysmography (BOD POD System). BMR was measured by indirect calorimetry using dougras bag tequnique, and predicted BMR was calculated from different equations based on FFM. When compared with measured BMR, predicted BMR from the equation of Taguchi et al. (BMR (kcal/day)= 26.9×FFM (kg)+ 36) and equation of Owen et al. were not significantly different. Whereas, predicted values from equation of Japan Institute of Sports Sciences, National Institute of Health and Nutrition and Cunningham were significantly different from measured value. Estimation error and Total error were smaller in equation of Taguchi et al. and Owen et al., however, equation of Owen et al. had a larger estimation error in the subjects who was small body size (less than 42kg) or large body size(more than 69kg). Furthermore, newer equation of Taguchi et al. (BMR=27.5×FFM+5) was developed from the pool data (n=205) in the present study. Standard error of estimation (SEE) of this equation was smaller than the equation of Taguchi et al., and systematic error was hardly observed.In conclusion, the newer equation of Taguchi et al. developed from measured BMR of Japanese female athletes was useful to predict BMR.
著者
藤田 敏郎
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

含硫アミノ酸タウリンは, 生体内に広く分布するアミノ酸であり, また魚貝類などに豊富に含まれているが, タウリンは神経組織内でneuromodulatorとして働き, 神経末端からのノルエピネフリン遊出を抑制することが, in vitroの実験にて証明されている. そこで高血圧症における食事療法の一つとして含硫アミノ酸タウリンに着目し, タウリン摂取の降圧効果を明らかにするために, その降圧作用機序における交感神経系の役割について基礎的検討を行った. その結果, deoxycorticosterone acete(DOCA)-食塩高血圧ラットにおいて, タウリンの投与が高血圧の発症を抑制するとともに血圧上昇後にも降圧をもたらし, その機序に交感神経系の抑制が重要な役割を果していることを報告した. さらに, タウリン投与ラットの視床下部ではタウリン含量の著明な増加が認められた.近年タウリンは, 中枢神経系において神経機能調節因子として働いている可能性が示唆されていることから, タウリンの降圧作用ならびに交感神経抑制作用は中枢神経系の変化を介する可能性が考えられる. さらに最近, クロニジンなどの中枢性交感神経抑制剤の降圧作用機序に, 内因性オピオイドペプチドの賦活化が関与するとの報告がなされ注目されている. 本研究はDOCA-食塩高血圧ラットにおけるタウリンの降圧作用機序における内因性オピオイドの役割を検討した.その結果, taurine投与群ではopiate receptor antagonistのnaloxone投与により有意な昇圧が認められたことから, taurineの降圧作用ならびに, 交感神経抑制作用は, 一部脳内opioid活性の賦活化を介する可能性が推察された.
著者
大原 鐘敏
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.151-158, 1991-04-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
20

ヒトの大腿屈筋群 (大腿二頭筋長頭・短頭, 半腱様筋, 半膜様筋) の機能的特徴を明らかにするためにこれらの筋の筋線維構成を検索し, ヒトの他筋と比較, 検討した.材料は本学解剖実習に用いた10%ホルマリン水注入屍17体 (男性11体, 女性6体, 平均年齢64.1歳) から得られた大腿屈筋群である.各筋の最大幅部の筋横片を採取, セロイジン包埋, H・E染色標本を作製し, 筋線維構成を検索した.結果はつぎのごとくである.筋重量は大腿二頭筋が最大で, 屈筋群中約40%を占め, 以下, 半膜様筋 (約35%) , 半腱様筋 (約20%) の順であった.筋腹横断面積は大腿二頭筋長頭と半膜様筋が他二筋の倍以上を占めていた.筋線維総数は大腿二頭筋長頭が最多であったが, 各筋とも20万前後で筋間の差は小であった.筋線維の太さは半膜様筋が最大で, 大腿二頭筋長頭がこれに次ぎ, この二筋はヒトの他筋と比較しても大きな筋群に属していた.これに対し, 半腱様筋と大腿二頭筋短頭は他二筋よりはるかに小さく, 比較的小さい筋群に属していた.以上のことから大腿屈筋群では大腿二頭筋長頭と半膜様筋が他二筋より著明に発達し, 膝関節屈曲の主作働筋であると考えられた.
著者
辻 大介
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.29-39, 2003

私たちのおこなうコミュニケーションを,物理的・機械的な情報伝達とは十分に区別されるように記述できるかどうかが,理論社会学にとってはひとつの試金石となる.本稿ではその可能性をH.P.グライスの非自然的意味の理論に求める.それは,発話者が何ごとかを意味する(コミュニケートする)ということを,発話者のもつ自己参照的意図から分析するものである.それに対しては,コミュニケーションにおける言語規約的要素を重んじる立場と,自己参照的意図の無限背進を懸念する立場から,批判が提出されてきた.これらの批判は個別の論点をもつため,これまでは分け離して扱われることが多かったが,本稿ではそれらをあわせて考察することをとおして,最終的に,コミュニケーションにおける自己参照的意図と言語の規範性が根源的な関係をもつものであることを示し,グライス流の意図によるコミュニケーションの記述に,社会(学)的記述と呼ぶにふさわしい資格を与える.
著者
斉藤 武史
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.77-80, 2019-08-31 (Released:2019-08-30)

インターネットを介した消費者による情報収集が一般化し、そのメディアとしての存在感は日々高まっている。2019年2月に電通より公表された、「2018年(平成30年)日本の広告費」によると、インターネット広告費が地上波TV広告費と、肩を並べる水準を示している。反面、インターネットの接触情報と、実際の購買行動を包括的に結び付けるのは難しく、一連の広告施策において、効率的な活用はできていない。弊社では同一と定義されたモニタの、インターネットアクセスログと購買ログを収集している。インターネットの接触情報と、実際の購買行動を包括的に結び付けることで、一連の広告施策に活用できる仕組みを構築できないか検討した。
著者
石井研堂 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.第1編, 1914
著者
高山 淳司
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.10, pp.p121-128, 1981-12

いわゆる境界設定 (demarcation) の問題は,ポパーの科学哲学の中心問題の一つである.彼は科学と非科学論理学や形而上学,特に占星術や精神分析などの疑似科学との間に境界を設定せんとし,その基準として反証可能性 (falsifiability) を提案したのは周知のとおりである.それに対して多くの反論がなされて来たが,とくにT.S.クーンが "The Structure of Scientific Revolutions (1962)" において,パラダイムの地位を得た理論は反証に対して高度の免疫性をもつことを主張して以来,これと類似の角度から科学理論の反証不能性が論じられることが多くなって来た.本論文ではH.バトナムの"The `Corroboration' of Theories" におけるポパー批判を手引として,境界設定の基準としての反証可能性の概念をめぐって二三の考察を行いたいと思う.バトナムの論文は,反証可能性の問題以外にも,ポパーを批判するいくつかの論点を含んでいるが,ここでは反証可能性の問題に限定して論じることにする.