著者
小林 真 大矢 恭久 奥野 健二
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.99-105, 2013-02-05 (Released:2013-03-11)
参考文献数
15

比例計数管と液体シンチレーションカウンタによるトリチウムの実時間定量測定からチタン酸リチウム(Li2TiO3)及びリチウム濃縮したチタン酸リチウム(Li2+xTiO3)中でのトリチウム移行過程を明らかにした.Li2+xTiO3はLi2TiO3とLi4TiO4の混合物であり,トリチウム熱脱離スペクトルにおいて,リチウム濃度が増加するに伴いLi4TiO4起因のトリチウム放出が見られた.また,等温加熱実験の結果を速度論的に解析することで,トリチウム放出の律速段階はLi2TiO3構造中の拡散過程であることが分かった.一方で電子スピン共鳴(ESR)測定によりリチウム濃度の増加に伴い生成する照射欠陥密度が増加することが分かった.Li4TiO4構造に起因した照射欠陥の増加や構造の境界がトリチウム拡散を抑制することが明らかとなった.
著者
横山 大希 川原井 晋平 榎本 力弥 菅原 優子 安齋 眞一 斑目 広郎 茅沼 秀樹
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.149-152, 2019 (Released:2019-09-20)
参考文献数
10

11歳齢,未去勢雄のミニチュア・ダックスフンドが右膁部の限局性脱毛を主訴に来院した。皮膚科検査にて休止期脱毛を認めたために画像検査を行い,皮下陰睾,前立腺肥大,腹腔内腫瘤を認めた。血清エストラジオール(E2)の高値とテストステロン/E2比の低値を示したため分泌性精巣腫瘍を疑った。腹腔内陰睾を外科摘出後,病理組織学的検査にてセルトリ細胞腫とセミノーマの混合腫瘍,皮膚生検にて皮膚萎縮と休止期毛包と診断した。術後に血清E2の低下と発毛があり,E2分泌性セルトリ細胞腫による性ホルモン性脱毛と診断した。
著者
小林 正雄 島野 安雄 利部 慎
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.363-375, 2013-11-30 (Released:2014-01-09)
参考文献数
15
被引用文献数
2
著者
築山 欣央
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.139, 2017 (Released:2017-11-01)

2 0 0 0 OA 大辞典

著者
平凡社 編
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
vol.第二十卷, 1936
著者
村上 好央
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.245-249, 1962
被引用文献数
2

The life history of Oxidus gracilis was observed at Niihama district (Ehime Prefecture, Japan) during the year 1959 and 1961. The results were as follows: 1. The animals pass through seven larval stadia and sexual maturity occurs in the eighth stadium. Sex differentiation takes place in the larvae of the fourth stadium. Male animals develop a pair of very minute gonopod-bud appears at the position where the eighth legs had grown in the former stadia. The gonopod-bud scarcely grows during the stadia from the fifth to the seventh. However, it changes abruptly to a pair of complete gonopods at the eighth stadium. 2. The animals may be divided into two strains according to their breeding season. a) Strain breeding in Spring: The adults begin to crawl out of hibernation in early spring, and lay eggs from April to May. The larvae of this strain become adult at the end of November and then hibernate. b) Strain breeding in Autumn: The animals hibernate at various larval stadia as the fifth, the sixth or the seventh, and become mature in the early summer of the nest year, and lay eggs in autumn.
著者
岡田 徹
出版者
日本福祉大学福祉社会開発研究所
雑誌
現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要 = Journal of Culture in our Time (ISSN:13451758)
巻号頁・発行日
vol.138, pp.1-39, 2018-09-30

本稿の課題は,森有正というわが国では稀有の思想家,哲学者から筆者が聴きとった《内なる響き》 森有正のレゾナンス を手がかりに,「福祉と開発の人間的基礎」を考究することにある. ここ【後篇】では「人間が人間になる」という根本命題を,森有正自身が呈示する次の5 つの事象ないし事態をとおして読み解き,われわれ自身の生きる問題として考えた.すなわち,1 つは「《人間》の誕生は終っていない」,2 つは「ギリシャの美 感覚の純粋性」,3 つは「自分を超えている運命にたどり着く」,4 つは「自己が自己に還る一つの姿」,5 つは「人間が内面的に到り着く普遍」がこれである. そしてそこから引き出された知見や智慧の精華は,一言でいえば,こうである. 私たち人間は,一人ひとり自分で「人間が人間になる」,すなわち《固有-普遍》のいのちの存在にならなければならない,と. このことを,本稿の主題である「福祉と開発の人間的基礎」に関説すれば,こうなる. 私たち人間は,一人ひとり「《固有-普遍》のいのちの存在になる」こと,そしてそれを促すような「福祉と開発」を志向することが求められている,と. 「福祉と開発の人間的基礎」の核心を衝く,森有正の「人間が人間になる」という根本命題から,福祉と開発が学ぶことは,決して小さくはなかった.
著者
今岡 亮 藤井 学 吉村 千洋
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.III_525-III_533, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
29
被引用文献数
1

植物プランクトンへの鉄供給プロセスの観点から,本研究では腐植物質の化学的性質が鉄との錯形成に及ぼす影響について調べた.pH 8において競合リガンド法により,様々な起源をもつ標準腐植物質と鉄の錯形成を調べ,錯化容量と条件付き安定度定数について多様な値が得られた.これら錯形成パラメータと元素分析・13C-NMR・酸塩基滴定から得られた腐植物質の構成元素比・炭素種割合・官能基量との関係を調べた結果,芳香族炭素割合と錯化容量には有意な正の相関がみられ,芳香族領域にある官能基が主な鉄結合部位であることが推測された.さらに,安定度定数は硫黄や窒素含有量と弱いが有意な正の相関があり,スルホン基やアミノ基を含む腐植物質は鉄と高い親和性を有する可能性が示唆された.

2 0 0 0 主婦の友

出版者
主婦の友社
巻号頁・発行日
vol.26(10)結婚生活の建設號;昭和17年10月號, 1942-10
著者
安藤 玲子 池田 まさみ
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.83-99, 2012 (Released:2013-12-27)
参考文献数
32
被引用文献数
1

This study examined an acquisition process of “critical thinking disposition” with a four-wave panel data on junior high school students. More specifically, we examined the causal relationships among “critical thinking disposition”, “the skill of practical use of information”, “motivation”, and “communication activity”. We tested several causal models by structural equation modeling, and selected appropriate models. Results showed that “motivation” had effected on “critical thinking disposition” via “the skill of practical use of information”. Also, we found that “truth seeking disposition” which is a factor of “critical thinking disposition” had direct and indirect effected on the other factors of “critical thinking disposition”. Furthermore, we found that “critical thinking disposition” had positive effects on “communication activity”. We concluded that as a way to develop students’ critical thinking disposition, several approach will needed by improving students’ learning motivation, informat on literacy, and truth seeking disposition.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1930年06月17日, 1930-06-17

2 0 0 0 OA 熱海温泉考

著者
中島桑太 著
出版者
[ ]
巻号頁・発行日
1874
著者
倉澤 茂樹 立山 清美 岩永 竜一郎 大歳 太郎 中谷 謙 横井 賀津志
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.34-41, 2019-04-01 (Released:2019-04-01)
参考文献数
14

日本の診療データを使用してASD の診断年齢を種別に検討した.結果,解析対象者(7,779 名)の診断年齢は平均7.3±4.3 歳,最頻値3.0 歳,中央値6.0 歳であった.性比は3:1 であり男性に多かった.ASD の診断年齢に関して,全ての種別において性差は認められなかった.アスペルガー障害は他の種別と比べ,いずれも診断年齢が高く,診断される時期に明確なピークは示されなかった.年別の比較では,小児自閉症のみ早期に診断される経年変化が認められた.本研究は,アスペルガー障害の早期診断を可能にするためのシステムおよびツールの開発,小児自閉症に対する適切な早期の介入方法の開発およびサービス供給の必要性を示すものである.
著者
高瀬 克範
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

放射性炭素年代測定により,オホーツク海北岸ではトカレフ文化の土器が後3~9世紀,古コリャーク文化の土器が9~13世紀に位置づけられる。カムチャツカ半島西海岸では8世紀に土器が出現しはじめ,少なくとも13世紀まで製作が継続する。東海岸では11~13世紀に縄の圧痕をもつ土器が出現し,13~17世紀前半には貝殻文や刺突文をもつ土器が使用される。千島アイヌの成立とも関係の深いカムチャツカ南部の内耳土器は,15世紀後半~17世紀前半の古い段階と,17世紀後半~19世紀の新しい段階に大きく区分することができる。
著者
浅川 重俊
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.59-70, 1997-03-19 (Released:2011-05-30)
参考文献数
39

本研究は, これまでの相撲研究において扱われることのなかった「タニマチ」をネットワークをもとに分析することによって, 相撲社会が現実的な社会全体においてどのように位置付き, どのような役割を果たしているのかを明らかにすることを目的としている。具体的な分析対象である「タニマチ」は, 相撲社会とそれを取り巻く外部の社会との間で様々な形の相互関係を媒介する存在である。そこで, 一般的な構造を持つ組織としては捉えきれないインフォーマルな集団を理解していく有効な手段であるネットワーク分析は, 相撲社会の内外で強い影響力を行使しているにもかかわらず, その位置付けが曖昧な「タニマチ」という個人を体系的に把握することを可能にしてくれる。こうして分析した「タニマチ」のネットワークの特質から, 相撲社会は「タニマチ」を介して外部社会からの政治的, 経済的な援助を受けると同時に, 外部社会の恣意的な政治的, 経済的なネットワークを隠蔽するという役割を果たしているということと, そうした役割を持つ社会的な装置として全体社会の一部を構成していることが明らかになった。