著者
椎野 信雄
出版者
文教大学
雑誌
文教大学国際学部紀要 = Journal of the Faculty of International Studies Bunkyo University (ISSN:09173072)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.39-47, 2017-01-31

On May 17 in 1990, WHO resolved to remove the name of homosexuality from ICD-10. In thefield of psychiatry, the recognition that homosexuality is “disease” (disorder, illness or psychosis) haschanged significantly in the past 20 years. The review (discrimination and prejudice) of regardinghomosexuality as perverted, abnormal and unhealthy, has been under review in the general societyas well. Both homosexuality and heterosexuality have been considered as one of ways of humansexuality. WHO declared in 1993 that “homosexuality is not subject to treatment in any sense”.Homosexuality has been progressively depathologized in the international community since the1990 ’s. The 21st century became an era when homosexuality is not regarded as pathological (ill orpsychotic). In this paper, we would like to clarify the location of sexuality problem in the 21st centurysociety by tracing the history of such change.
著者
池田 大介
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近年、人工肉が注目を集めている。人工肉には植物性原料を肉に似せて作る「疑似肉」と、動物細胞を培養して肉を作る「培養肉」に分けられる。培養魚肉についても研究が行われており、米国Finless Foodsは2017年9月、コイの筋前駆細胞を培養して培養肉を作製し、魚コロッケの試食会を行った。このように培養肉に関する研究は、魚類を含めて現在多く行われている。そこで本研究では、漁獲量が激減し、資源の枯渇が危ぶまれているニホンウナギの培養肉開発に関する基礎研究を行う。
著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.766-781, 2014-02-01 (Released:2014-02-01)
参考文献数
43
被引用文献数
1 2

前報で,55か国・地域の国家研究公正システム(NRIS)をHALレポートの分類にしたがって3つに分類した。本報では各分類ごとに代表的な国を選び,NRISの特徴やその背景を調査・比較した。各国の研究公正当局の有無や法的権限は各分類で異なり,それによってNRISの強みや弱みが存在する。また,同じ分類に属する国でも,研究公正当局の設置形態や機能,システム導入の背景や国情は国ごとに特徴がある。各国のNRISの特徴は,その国のイノベーションシステムの特徴と関連がある。また,研究公正機能を研究公正当局に集約するのか,複数の組織に分散させるのかによっても,特徴が変わってくる。NRISの検討に際しては,自国の特徴や他国との国情の違いを認識する必要がある。
著者
畠山 真一
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.15-30, 2018 (Released:2018-07-11)
参考文献数
14

本研究は, リアリティ水準と多レイヤー性という観点から, 現実世界と結びついているアニメーション作品を分析し, ロトスコープを使用する作品が持つ「不気味さ」が何に起因するかを明らかにすることを目的としている。Lamarre (2009) が述べるように, アニメーション作品は多数のレイヤーを重ね合わせて虚構世界を創りだすという特質 (多レイヤー性) を持っている。この特質によって, アニメーション作品はそれぞれのレイヤーにおいて異なったリアリティ水準を設定することが可能となっている。本研究では, 多レイヤー性とリアリティ水準という2つの理論的装置がアニメーション作品を分析する際に極めて大きな役割を果たすことを示す。
著者
村瀬 香 佐藤 俊幸 奥田 圭
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

チェルノブイリ原発事故の後、周辺の国々で先天性奇形が増加したとされる論文もあるが、2011年の福島原発事故後の日本ではどうだったのだろうか?原発事故前後の日本イノシシの遺伝子を解析した結果、原発周辺に限らない広範囲での影響が認められた。そこで我々は、対象を日本全国に広げ、原発事故前と後でヒトの先天性奇形の手術件数を比較する研究に着手した。事故前後を比較・解析したところ、停留精巣は原発事故後に13.4%の有意な増加が認められ、さらに、新生児および乳児における複雑心奇形の手術件数は、原発事故後に約14.2%の有意な増加が認められた。どちらも事故後に急増した後、高い水準のまま維持されていた。
著者
中瀬 恵亮 野口 雅久
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.131, no.12, pp.2555-2562, 2021-11-20 (Released:2021-11-22)
参考文献数
29

世界中で薬剤耐性(AMR)対策として抗菌薬の適正使用が求められている.痤瘡においては,アクネ菌の異常増殖が増悪因子となるため,抗菌薬治療が行われる.そのため,薬剤耐性アクネ菌が出現・増加し,抗菌薬治療の有効性を低下させている.アクネ菌の薬剤耐性は遺伝子変異が主因であったが,耐性遺伝子の伝播による多剤耐性株が増加しており,薬剤耐性のさらなる拡散が危惧される.薬剤耐性菌の出現と拡大を防止するためには,薬剤耐性アクネ菌の特徴と耐性メカニズムを知り,適切な抗菌薬治療を行う必要がある.
著者
清水 勝嘉
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.52-66, 1978 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11

In this paper, maternal and child health, which had been involved in the problems of public health in the early years of the Showa Era, were described.1) From the Taisho era to the early years of the Showa era, birth rate in Japan was around 30 per 1, 000 population, while death rate was around 20 per 1, 000 population.2) In 1926, the infant death rate had been 13.6 per 100 live births, still birth rate was 55.7 per 1, 000 total births, and maternal mortality rate was 27.1 per 10, 000 total births(live birth and still birth).Maternal care was supported, in part, by the Poor Lave(1929), but govermental services for the maternal care not sufficient by the reason of financial panic.Therefore, maternal and child health had not been improved in those days in Japan.

14 0 0 0 OA 倭名類聚鈔 20巻

著者
源順 撰
出版者
那波道圓
巻号頁・発行日
vol.[2], 1617
著者
岩間 信之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.117-132, 2001-03-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
33

本研究では,百貨店における取扱商品や併設施設の店舗間の差異に着目し,これらを定量的に分析することによって,百貨店の店舗特性と立地位置との関係を考察した.因子分析,クラスター分析の結果, 105の店舗は9類型に分類された.各類型の分布から,以下の点が明らかとなった.高次の中心商業地に立地する店舗は買回品へ専門化する傾向にあるが,郊外の店舗では最寄品の比重が相対的に高い.また,婦人服を指標として顧客の年齢構成と商品単価を考察したところ,都心に近づくにっれ顧客の年齢構成は若年化し,取扱商品は高級化する.さらに,郊外型の店舗は35km圏内ではショッピングセンター的な性格を有し, 36km以遠ではスーパーマーケットに類似する傾向がみられる.ま孝セクター間にも差異が存在し,買回品の卓越した店舗は南~北西郊に多く立地する.百貨店の店舗特性には,都心を核とした階層構造が確認された.

14 0 0 0 OA 蘇軍兵器要覧

出版者
陸軍技術本部
巻号頁・発行日
vol.第2巻 (写真), 1936
出版者
国立国会図書館
巻号頁・発行日
vol.2020年, no.(713/714), 2020-10-01
著者
髙橋 品子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.442-464, 2009-09-01 (Released:2011-08-25)
参考文献数
62
被引用文献数
1 1

近代八重山の廃村は,そのほとんどがマラリアによる人口減少が原因とされてきた.しかし一方で,マラリア禍の激しかった西表島において500年以上も存続してきた祖納のような集落も存在する.本稿では,近代廃村期(1900年から1938年)を生き延びたマラリア有病地集落共通の特徴を分析し,その集落存続要因を探った.その結果,不明な点の多い伊原間集落を除き,八重山のマラリア有病地存続集落はすべて蔡温施政期以前からの古集落であった.古集落は,良港や湧き水の存在など立地条件がもともと良く,生活基盤がすでに整備されていたため,近世の地元役人による不正な課税に苦しみながらも人口を維持し得たと考えられる.また,近代廃村期における石垣島と西表島の廃村状況およびマラリア罹患率の違いから,マラリア予防対策は西表島の方がより効果があがったことが明らかになった.資料の多く残る西表島の古集落祖納を事例として検討したところ,住民による自発的集落移動や予防事業への全面的協力があった.祖納のような古集落には,人口減少を回避する強い集落内結束があり,こうした人間関係を基にした社会構造が,マラリア禍を緩和し,集落存続のための生存戦略を生む背景となっていたのである.
著者
永村 直佳
出版者
公益社団法人 日本表面真空学会
雑誌
表面と真空 (ISSN:24335835)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.532, 2022-11-10 (Released:2022-11-10)
参考文献数
6