著者
藤倉 まなみ 古市 徹 石井 一英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.II_177-II_188, 2012 (Released:2013-02-13)
参考文献数
42
被引用文献数
3

建設発生土の不適正処理が続いており,自治体が残土条例を制定する動きも継続している.本研究では,その課題の明確化と対策の提案を目的とした.収集した不適正処理事例からリスク,経済的動機,現行法の適用限界,パターンを整理し,ISM法による構造モデル化により不適正処理が排出側の構造と受入地側の構造によることを示した.また神奈川県の2010年度場外搬出データを分析し,公共工事の建設発生土は民間工事に比べ,移動距離と搬出先数が有意に小さく,通達の効果があること,市町村の残土条例は,建設発生土の搬入に対して抑止効果も増加効果も認められないことを示した.都道府県の条例を比較検討し,循環型社会形成推進基本法を根拠として排出者責任を具体化する立法が必要であることを示し,そのための具体的な規制内容等を提案した.

14 0 0 0 OA M&E編集長から

著者
高井 研
出版者
日本微生物生態学会
雑誌
日本微生物生態学会誌 (ISSN:24241989)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.44-45, 2022-03-01 (Released:2022-03-12)

14 0 0 0 OA 今昔物語集

出版者
近藤圭造
巻号頁・発行日
vol.巻第28, no.1, 1882

14 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1944年10月05日, 1944-10-05

14 0 0 0 OA 無機物質の色

著者
田中 勝久
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.194-197, 2017-04-20 (Released:2017-10-01)
参考文献数
3

無機物質に見られる様々な色は,可視域の特定の波長の光と無機物質との相互作用の結果として現れるものであり,光の吸収と発光が本質的に無機物質の色の違いにかかわる。また,散乱や反射といった現象は色の見え方に影響を及ぼす。光の干渉が独特の色調をもたらす場合もある。無機物質における光吸収や発光の起源として重要なものは,遷移金属イオンのd軌道が関与する電子遷移,結晶におけるバンド間遷移などである。また,金属光沢は光の反射に基づく現象であり,金属中の自由電子がその起源となる。本稿では具体的な例を挙げながら,無機物質における光の振舞いと色との関係を解説する。
著者
安芸 菜奈子 松下 玲子 三浦 順之助 柳沢 慶香 佐倉 宏 八辻 賢 橋本 悦子 白鳥 敬子 岩本 安彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.771-776, 2008 (Released:2009-05-20)
参考文献数
12

症例は55歳女性.19歳時,下垂体腺腫摘出術を施行.術後,ホルモン補充療法が行われたが,数年後に治療中断.48歳時,糖尿病を指摘されたが放置.55歳時,再度HbA1c 10.8%とコントロール不良の糖尿病を指摘され当科入院.入院時,高脂血症,肝機能障害の合併および,内分泌検査で成長ホルモン分泌不全,中枢性性腺機能低下症,甲状腺機能低下症を認めた.画像診断では,肝の変形,脾腫,脾腎シャントを認めた.肝機能障害の原因は,ウイルス,自己免疫,アルコール性は否定的であり,肝生検を施行し非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis: NASH), 肝硬変と診断した.血糖コントロールは超速効型インスリンの投与で改善した.本症例は下垂体腺腫摘出術後GH分泌不全状態にあったが,長期間にわたりホルモン補充療法が行われなかったため,NASHを発症し,肝硬変まで進展したと推測された.
著者
山口 創
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.732-741, 2008 (Released:2009-03-10)
参考文献数
2

本稿では第1に、 身体心理学の立場から、 自己と環境との境界としての皮膚感覚について論じられた。 第2に、 身体接触が心に与える影響に関する実験について紹介した。実験では、 触れる側、 触れられる側、 自己接触の3群の不安低減効果について検討した結果、触れられる側にのみ心理的変化があることを紹介した。 次いで幼少期の両親との身体接触は、 成人後にも対人関係に影響を与えている事実を紹介し、 皮膚自体が記憶をもつ可能性について示唆し最後に、 鍼灸治療における皮膚の機能や役割について論じた。鍼灸は皮膚へ介入する治療であり、 それが内臓や筋肉などに変化を及ぼし、 さらにその変化が皮膚に反映される。 つまり皮膚は入力と出力の界面である。 そのような視点から皮膚を観ることや、 皮膚に直接接触することの重要性について論じた。
著者
外山 紀子
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.98-107, 2019-03-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
65

Classic research in developmental psychology proposed that children gradually abandon magical or supernatural beliefs and instead acquire a more scientific or natural appreciation of cause and effect. However, recent studies have shown that adults across highly diverse cultural contexts rely on magical beliefs that violate, operate outside of,or are distinct from the empirically verifiable phenomena of the physical or material world. These magical beliefs are examples of mis- or fictional-projection in projection science. The current study reviewed the literature on the development of magical thought including immanent justice reasoning, conceptions of afterlife, and beliefs of magical contagion. Overall, recent studies have suggested that these phenomena of mis- or fictional-projection are pervasive across cultures, and also across developmental stages. Several studies found a U-shaped developmental pattern in which magical thought decreased with age throughout childhood and adolescence, but then increased again among adults, implying that formal education cannot suppress magical mind only temporally. These recent studies suggested that mis- or fictional-projection is a core feature of human cognition.

14 0 0 0 OA 日本近世造船史

著者
造船協会 編
出版者
造船協会
巻号頁・発行日
vol.附図, 1935
著者
山中 由里子
出版者
日本中東学会
雑誌
日本中東学会年報 (ISSN:09137858)
巻号頁・発行日
no.8, pp.55-87, 1993-03-31

アレクサンドロス大王(前356年-前323年)の華やかで短い生涯は,古今東西の歴史家や文学者たちによって様々に描かれてきた。特に,史実にこだわらない民衆の自由な想像力の中で育った「アレクサンドロス物語」は,北アフリカ,ヨーロッパ,中近東,そして東南アジアにも伝わり,文字の形で残っているものだけでも,二十四ヶ国語,八十種以上の翻訳本,異本があるといわれている。イスラム世界においてアレクサンドロスはイスカングルと呼ばれ,また,コーランの「洞窟の章」に登場し,ゴグとマゴグの野蛮な民族を退治する英雄,ズ・ル・カルナイン(2本の角の人)としてよく知られている。アラブのアレクサンドロス伝説については,前嶋信次氏や蔀勇造氏の優れた研究があるが,ここでは同じ中東世界の中でもアラブとはまた少し違った展開をみせた,イランにおけるアレクサンドロス像の変遷について考察する。当時新進国家であったマケドニアの王子アレクサンドロスは二十歳で,父王フィリッポスの死の直後に即位し,紀元前334年に「報復戦争」と称して東方遠征に進発した。この遠征は紀元前330年,ペルセポリス破壊において一つの頂点を迎える。そして若い王はペルシア帝国全土を平定した上でさらにインダス河流域まで進むが,祖国への帰路,バビロンにて病死する。アレクサンドロスによって王朝を滅ぼされ,その精神的首都を破壊されたペルシア人,特にゾロアスター教徒たちは,アレクサンドロスの死後も彼に対する恨みを何世紀も抱き続けた。世界秩序を乱した西方からの侵略者に対するこの憎しみの感情は,ギリシア支配への反発やローマとの抗争と複雑に絡み合い,決して薄れることはなかった。ササン朝起源のゾロアスター教伝承を見ると,アレクサンドロスは悪の象徴アフリマンの使い,破壊者,そしてイラン人の仇敵として登場する。彼は,イランに災いをもたらす「悪」を代表する強力な一員として,完全にゾロアスター教の二元論的な世界の中に取り込まれている。しかし,いわゆる「アレクサンドロス・ロマンス」が西方からイランに伝わり,またイランのイスラム化が進むに従って,アレクサンドロスは次第に英雄として描かれるようになる。このイメージの変化の第一段階では,あの憎い敵であったはずのアレクサンドロスが,ペルシア王の息子であり,ダーラー(ダレイオス3世)の異母兄弟であり,ペルシアの王朝の正当な継承者であると見做されるようになる。現存する文献の中では,ディーナワリー(895/6没)の『長史』がこの話を最も早くに取り上げている。この説は,この頃には中東各地にすでに流布していた「アレクサンドロス物語」の主人公の出生に関するエピソードにヒントを得ている。アレクサンドリアで編纂されたというこの物語によるとアレクサンドロスは,エジプトの王ネクタネボスとアレクサンドロスの母オリンピアスの間に生まれた息子ということになっている。これをもとにペルシア人たちは,フィリッポスの娘がペルンア王に嫁いだが体臭のために嫌われ,身ごもったまま追い返された,という逸話を作り出し,偉大な世界征服者として知られるアレクサンドロスを自分達の祖先の一人にしてしまった。これは,イスラム化によってゾロアスター教の影が薄れ,かつてのゾロアスター教徒たちが抱いていたようなアレクサンドロスに対する恨みが忘れられていったために可能になったことであった。また,支配者の正統性を重んじるイランの「シーア派的」傾向の表れであるのかもしれない。フィルドウスィーの『シャー・ナーメ(王書)』(980-1010頃)の中にも同じ話が含まれている。アレクサンドロスは伝説的なカーヤーニー朝のダーラーブ,ダーラーに続く公正な王として描かれており,否定的なイメージはないようにみえる。しかし,フィルドウスィーの王書において,アレクサンドロスはルーム(ギリシア,ローマを指す)出身のキリスト教徒であるとされている。そしてこの作品の中では,富みを連想させるルームと,臆病者あるいは卑怯者の宗教とされるキリスト教は,敵視ないしは蔑視されている。またさらに,ホスロウ・パルヴィーズがルームのカイサルに送る手紙の中では,イランとルームの二つの王国の和解を妨げる「古い憎しみ」と「新しい憎しみ」は,アレクサンドロスが一部その責めを負うべきものであると書かれている。このような点を考慮すると,『シャー・ナーメ』においてアレクサンドロスが,国民的ヒーローとして完全に受け入れられているわけではないことがわかる。一見すると英雄伝説の主人公としての特徴を全て備え持っているが,過去の王朝の栄華を讃えるためにその王朝を滅ぼした張本人を導入するという根本的な矛盾が,その描写の中に見え隠れしている。アレクサンドロスのイメージは,12世紀の大詩人ニザーミーの『イスカングルナーメ(アレクサンドロスの書)』においてさらに一転している。1200年頃に書かれたこの作品は二部に分かれており,第一部『シャラフナーメ(栄誉の書)』はアレクサンドロスを偉大な王としてまた戦士として描いたものであり,第二部『イクバールナーメ(幸運の書)』は彼を賢人としてまた予言者の一人として讃えたものである。特に『シャラフナーメ』において彼は,神の命を受け「アブラハムの教え」の布教に努める戦士とされており,彼はイラン中の拝火教徒に聖戦を挑み,彼らの拝火殿を残らず破壊してしまう。彼による拝火殿の破壊は,全く正当な行為であるどころか,その偉業のひとつとされている。ニザーミーのアレクサンドロスはペルシアの王の息子ではなくフィリッポスの息子であり,さらに彼にはアブラハムまで逆上る家系が与えられている。彼のイラン支配の「正統性」を裏付けるのはペルンア王の血ではなく,宗教そのものであり,神である。ニザーミーはアレクサンドロスの遠征の物語を借りて,究極のイスラム共同体-「他民族国家を一人のカリフが一つのシャリーアのもとに統治するというウンマの理想的形態」(「ウンマ」『イスラム事典』中村広治郎)-を描こうとしたのではなかろうか。このようにイランの宗教書,歴史書,文学作品などの中に表れたアレクサンドロスのイメージというものは,時代の流れと共に大きく変容してきた。ササン朝から13世紀初めのモンゴル族征服の直前にいたるまでの千年の間に,イランにおけるアレクサンドロス像は,邪悪な破壊者から,イラン人の血を引いた正統な王の一人となり,さらにはイスラム的英雄となっていった。逆に言えば,イランの文学の中に表れるアレクサンドロス像の変化は,イランの各時代の宗教意識や民族意識の変化を反映しているともいえよう。まさに,「世界を映すアレクサンドロスの鏡」のように。
著者
松金 輝久 武永 康彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J89-D, no.3, pp.405-413, 2006-03-01

ゲームやパズルの計算量や解法に関する研究は古くから行われている.特に最近ではテトリスのようなゲームが注目を集めている.本論文では,対戦型ゲームとして広く知られるぷよぷよを,入力として初期盤面と落下してくるピース列が与えられ,ピースを落下させることにより特定の目的を達成するパズルゲームとして定式化し,その連鎖数判定問題を考える.連鎖はぷよぷよにおける特徴的な性質であり,最大の連鎖を発生させる連鎖数判定問題がNP完全であることを証明する.