著者
Takahiro Yoshizaki Junko Ishihara Ayaka Kotemori Junpei Yamamoto Yoshihiro Kokubo Isao Saito Hiroshi Yatsuya Kazumasa Yamagishi Norie Sawada Motoki Iwasaki Hiroyasu Iso Shoichiro Tsugane the JPHC Study Group
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20180130, (Released:2019-01-12)
参考文献数
27
被引用文献数
9

Background: Few studies have investigated the effects of Okinawan vegetable consumption on the risk of incident stroke and coronary heart disease. This study aimed to examine associations of vegetable, fruit, and Okinawan vegetable consumption with risk of incident stroke and coronary heart disease in the Japanese population of Okinawa.Methods: Study design was a prospective cohort study. During 1995-1998, a validated food frequency questionnaire was administered in two study areas to 16,498 participants aged 45-74 years. In 217,467 person-years of follow-up until the end of 2012, a total of 839 stroke cases and 197 coronary heart disease cases were identified.Results: No statistically significant association between total Okinawan vegetable consumption and risk of stroke and coronary heart disease was obtained: the multivariable adjusted hazard ratios for the highest versus lowest tertile of consumption were 1.09 (95% confidence interval, 0.93-1.29; p for trend = 0.289) in model 2. Total vegetable and fruit and specific Okinawan vegetable consumption were also not statistically significantly associated with risk of cardiovascular outcomes.Conclusions: This study demonstrated that consumption of total vegetable and fruit, total Okinawan vegetables, and specific Okinawan vegetables in Japanese residents of Okinawa was not associated with risk of incident stroke and coronary heart disease.
著者
伊藤 秀樹 堀下 歩美 保坂 亨
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.29-34, 2011-03

本研究では,長期欠席(不登校)の児童・生徒への支援の一環として教育委員会で行われている家庭訪問相談員事業について,A県3市の聞き取り調査の結果から,事業実施上の工夫と事業が抱える課題の背景・解決策を検討した。事業実施上の工夫については,活動の安全面の確保に焦点を当てて検討し,(1)学校・保護者・指導主事・相談員の4者による事前打ち合わせ,(2)支援事業の使い分け,(3)相談員の2人ペアでの家庭訪問,(4)保護者在宅時の訪問,という4つの工夫を見出した。事業が抱える課題については,(1)保護者の非協力・拒否,(2)義務教育終了後の対応,(3)支援の非継続性という3つの課題に着目し,その背景と解決策について検討を加えた。
著者
秋間保郎 著
出版者
聚英閣
巻号頁・発行日
vol.1, 1927
著者
森下 あおい 黒川 隆夫
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.113-120, 2010

日本では明治時代には写真はまだ希少なものであったが,僅かに女性の容姿も撮影されていた.そこで本稿では,系統的な集団計測が行われていなかった当時の女性の体形を把握するため,明治期に撮影された65枚の写真から全頭高,幅径,高径四肢長などの16項目のサイズ値を推定し定量化した.その結果,明治期の女性は現代女性よりも狭い肩幅で,体幹部の下部が広く手足の短い体形であった.さらに明治期女性を,芸妓,写真のモデル,良家の子女の3種の職業で比較すると,明確な体形差が判明した.すなわち,女性の美の理想とされた芸妓は,比較的各部位の位置が高く小顔で細身の体形であり,3種の中では現代女性に最も近い体形特徴を持っていた.一方,写真のモデルは体幹部の幅が広く大顔で,がっしりとした体形であり,良家の子女は身体の部位の位置が低く,寸胴の体形であった.

2 0 0 0 OA 称好塾報

出版者
称好塾
巻号頁・発行日
vol.明治25,27,28年版, 1895
著者
市橋 秀友 渡辺 俊彦
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.429-437, 1990-08-15
被引用文献数
91

学習型のファジィ制御の一つとして簡略推論を用いた, 最急降下法と逐次学習に基づく制御方式について述べる.これは非線形な逆ダイナミックスモデル(逆系)をファジィモデルとして逐次的に同定することによって出力(制御入力)を理想出力に近づけようとするものである.簡略化によってファジィ推論の数式モデルが多重線形関数で表されることから排他的論理和などのパリティビットの学習や2次, 3次の高次関数の逐次学習にも有効であることを示す.また学習アルゴリズムの収束性を示すとともにファジィパーティションの段階的な細分化を用いた学習則を提案する.これは区分的な多重線形関数で非線形関数を近似する学習方法であり, 区分的な2次, 3次の高次関数で近似することもできる.学習型のファジィ制御の一例としてロボットマニピュレータの制御を取り上げ, ニューラルネットワークモデルを用いる場合とのシミュレーションによる比較結果を報告する.

2 0 0 0 OA 000.1: Politics

巻号頁・発行日
1948
著者
朴 智賢
出版者
立命館大学
雑誌
立命館法學 (ISSN:04831330)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.1957-1978, 2012
著者
朴xuan国 Salz Jonah 金 鎮国 高 恵卿
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学国際社会文化研究所紀要 (ISSN:18800807)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.5-15, 2008-06

韓半島の南部には予祝儀礼として綱引きをおこなう村が多い。年の初めに,村の人々は大量のワラを集め,力を合わせて大きな綱を作って,綱を引き合ってその年の作物の吉凶を占うのである。この儀礼がいつから始まったのか,現在のところ記録を見出すことはできない。綱引きは韓半島のみならず,世界の各地でおこなわれている。運動会におこなう綱引きがそのいい例であるが,韓半島の場合は古代から儀礼としておこなってきたところに特色がある。綱の材料はワラであり,ワラは稲作を象徴するものである。この地方の綱引きに使われる綱は直径1m,長さ130mもある大きなものが少なくない。それを作るための技術や労力,儀礼のためのさまざまな手続きが必要である。単なる遊びではなく,信仰を共にする人々の熱い思いとエネルギーが結集され,伝承されてきた儀礼である。韓半島東南部(慶尚道)は嶺南地方から洛東江にかけて平野が広がり,稲作が盛んにおこなわれている地方である。霊山における綱の制作方法は,同じ韓半島西南部(全羅道)に位置する金堤の月村面,井邑の精良里のものとよく似ている。両地方は距離にして150kmあまり離れている。さらに沖縄県糸満地方の綱引きの綱の作り方とも共通するところがある。これが伝播によるものか,それぞれの地方で個別に発生したものであるのか,現状では結論を出すことはできないが,文化の発生,伝播,定着を考える上で貴重な資料である。霊山の綱引きでさらに興味深いことは,規模がたいへん大きいこと,また嶺南地方は稲作が盛んであるにもかかわらず,綱引きが行われているのは霊山だけであり,その周辺の地方では綱引きの報告がないことである。さらに霊山の綱引きは軍事的な色彩が非常に強いことがもう一つの特色ある。綱引きに先立って,その年に村の中から大将,中将,少将の3人が選ばれ,綱引きのすべての儀礼の指揮をする。大将,中将,少将の3人は,階級に準じた伝統的な衣装(軍服)を身につけ,刀を差し,馬に乗って綱引きの指揮をしたという。これに対して,先に記した金堤地方の綱引きは,軍事的要素を多少含んでいるものの,農耕儀礼の色彩が強い儀礼である。このような点に注目しながら,霊山の綱引きを報告する。
著者
四方田 雅史
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.45-56, 2014

「共産主義遺産」は中東欧において社会主義時代が残した文化財のことであるが、同時代には独裁やソ連の支配といった否定的なイメージ・感情がつきまとってきた。そのため、その「遺産」は、負の遺産か、そこまでいかなくとも論争的な遺産、両義的な遺産とみなされ、その保全・観光資源化について議論の対象となってきた。本論文では、それが伴うさまざまな課題とともに、それらが遺産化・観光資源化されている現状の背景について探る。具体的には、特にスターリン体制と不即不離にあるスターリン様式の集合住宅地区ポルバ(チェコ)などを主な例として、外国人観光客にとって異質な体験が可能な場としての視点があり、現地国民から見ると独裁時代の遺産と否定的に感じる一方で、土着文化を援用した装飾など、伝統との連続性に遺産の意義を見出す視点が登場していることを論じる。
著者
尾崎 彩子 鎌田 早紀子 冨田 圭子 大谷 貴美子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.69, 2004

[目的] 近年、学童期における食の乱れが様々に報告されているが、それらの要因の1つとして食べたいものがいつでも容易に入手できる生活環境の変化があげられる。望ましい食生活を送るためには、自ら正しい食物の選択ができる基礎的な知識と能力を養うことが不可欠である。しかし、家庭における食教育力が低下していることも事実である。そこで、我々は小学校でまだ家庭科の授業をうけていない4年生の児童を対象に、「体によいと思う夕食」を絵にしてもらい、また併せてアンケート調査を行うことで、子供たちの食に対する知識等の現状について考察した。<br>[方法] 京都市内の小学校(学校栄養士不在)4年生の児童77名を対象に、2003年7月に調査を行った。画用紙、色鉛筆、アンケート用紙を全員に配布し、画用紙には子供たちが考える「体に良いと思う夕食の絵」及びその料理の名前を描いてもらった。その後、毎日の食事に対する意識、食に関する知識、嫌いな食べ物についてのアンケートを行った。統計処理にはExcel統計を用いた。<br>[結果及び考察] 約30%の児童が、ご飯・味噌汁・焼き魚・サラダのみで構成された食事を描きパターン化されていた。一方、黒米や納豆、豆腐など健康によいとされる食品が多く登場し、知識としてはかなり豊富であることが示された。しかし、1割の児童の描く焼き魚は頭が右向きであり、家庭で基本的な食教育を受けていないことがうかがわれた。また、「食べ物の3つの働き」をよく知っていると答えた児童の方が、また、「家族そろって食べることが楽しい」と感じている児童の方が、そうでないと答えた児童より多くの品数を描く傾向にあった。別の我々が調べた「子ども達が食べたい食事」にはこういった日本型の食事は描かれていない。つまり、食育の重要な課題は、「体に良いと思う食事」を「食べたい食事」に変化させることにあると考えられた。
著者
本庄 将也 飯塚 博幸 山本 雅人 古川 正志
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.744-755, 2016-08-15 (Released:2016-09-28)
参考文献数
18
被引用文献数
3

近年注目されている実数値最適化手法の一つに粒子群最適化(Particle Swarm Optimization, PSO)がある.PSOは群知能の一種であり,複数の探索単位(粒子)が互いに情報共有を行いながら解の探索を行う.多点探索を行うメタヒューリスティクスとしては遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm, GA)が有名であるが,多くの実数値最適化問題においてPSOのほうがGAに比べて高速に良い解を発見できることが知られている.本研究では,組合せ最適化問題の一種である巡回セールスマン問題(Traveling Salesman Problem, TSP)に対して短時間で良い解を得ることを目的として,PSOを基にしたアルゴリズムである挿入操作PSO戦略を提案する.提案手法では,粒子の解候補は実数値ベクトルではなく巡回路として表現され,粒子間の相互作用は部分経路挿入によって行われる.本論文では,挿入操作PSO戦略について説明し,数値計算実験からパラメータと得られる解の良さと必要な時間の関係について調査し,パラメータ調整の指針を示す.また,各ベンチマーク問題に対して提案手法とGAなどの代表的なメタヒューリスティクスを適用し,提案手法がこれらの手法より短時間で良い解を求められることを示す.
著者
羽鳥 徳太郎
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.p143-157, 1986-08

秋田県南部の象潟・金浦海岸に顕著な地殻変動と地震・津波被害をもたらした文化元年(1804年)象潟地震について,新史料を加えて震度分布を調べ,地震の規模を検討した.一方,津波史料をもとに各地の津波の高さを現地調査し,津波の規模および発生機構を考察した.震度6の範囲が本荘~酒田間60kmに及んだことは,今村の報告(1921)と変わりはないが,震度4の地域は青森・宮城県および新潟県下にまたがつた.その広がりから地震のマグニチュードはM=7.3と推定される.海岸の地盤高をふまえて津波の被害状況をみると,津波の高さは象潟付近で平均海面上4~5m,酒田では3~4mと推定される.そのほか周辺の波高分布から判断すれば,津波マグニチュード(今村・飯田スケール)はm=1.5と格付けできる.震度・地殻変動の分布を考え合せると,波源域の長径は本荘~酒田沿岸南北方向に,60kmと推定される.津波の規模は地震の規模に対して標準以上に大きく,この津波は高角の逆断層で起こされたものと考えられる.