出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学保健管理センター年報
巻号頁・発行日
vol.12, pp.115-121, 2002-03-02
著者
大槻 修平
出版者
日本経営倫理学会
雑誌
日本経営倫理学会誌 (ISSN:13436627)
巻号頁・発行日
no.18, pp.27-39, 2011-03-31

The purpose of this article is to identify an issue that a series of "social amplification of risk framework" studies have not focused on. For this purpose, the article discusses the following points: (1) four key concepts derived from Yucca Mountain site problem that led to the notion of "social amplification", namely, risk experience, information channels, amplification mechanisms and stigma, (2) how the "social amplification of risk framework" explains risk phenomena, (3) typical empirical studies based upon this framework, and (4) an issue those typical studies have failed to touch upon. In conclusion I emphasize how important to address this issue.
著者
早瀬 篤
出版者
京都大学西洋古代哲学史研究室
雑誌
古代哲学研究室紀要 : HYPOTHESIS : The Proceedings of the Department of Ancient Philosophy at Kyoto University (ISSN:0918161X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.44-73, 2004-03-15

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
藤井 聡 竹村 和久 吉川 肇子
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

いかなる社会システムにおいても,多様な価値観が共存している.こうした価値観の多様性は,共存共栄によって社会システムの潜在的な環境適用能力を確保し,より望ましい発展を遂げる重要な条件となる.しかし,一方で,深刻な対立を引き起こす"時限爆弾"でもある.例えば,現在深刻な問題を迎えている米国におけるテロ事件も,価値観の対立が生み出した悲劇と捉えることが出来よう.そして,平和と言われる我が国でも,局所的な価値の対立は近年の重要な社会問題を引き起こしている.本研究では以上の認識に基づき,人々の価値観,ならびに合意形成が問題となる社会行動についての調査を行い,社会行動における人々の価値観の演ずる役割を明らかにした.具体的には,原発事故や医療事故などの複数のリスク問題を例にとり,それぞれのリスク問題についてどのようにすれば「安心できるか」という質問を行った.その結果,そのリスクの規模が小さく,かつ,その確率が低い,といういわゆる客観的なリスクを最小化するような施策だけではなく,リスク管理者が「信頼できる」という条件がきわめて重要な役割を担っていることが明らかとなった.さらに,リスク管理者が関係する不祥事が発覚した場合,信頼は低下すること,ならびに,信頼が低下することで,リスク管理者を監視使用とする動機が増強されることも明らかになった.ただし,リスク管理者の対応が誠実であれば,信頼低下は抑制できることも示された.
著者
細谷 幸子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.72-78, 2017 (Released:2018-08-01)
参考文献数
26

本稿では、シーア派12エマーム派を国教とするイランで「治療的人工妊娠中絶法」(2005年)が成立した背景とともに、この法の成立過程で重視された論点を整理し、成立後の変化を概観することで、中東イスラーム諸国の生命倫理をめぐる議論の一つを紹介する。それまで母親の生命を救う以外の人工妊娠中絶に厳罰を科していたイランで、この法の成立は大きな制度的転換点となった。その背景には、不法の人工妊娠中絶による女性の健康被害が深刻な状況にあった。医学的理由による人工妊娠中絶という側面を前面に出し、母の苦痛は回避されるべきとするイスラーム法の概念で支持することで、障害や疾病をもつ胎児の選択的人工妊娠中絶が正当化されたが、障害や疾病をもって生きる権利に十分配慮した議論は、十分におこなわれなかった。法制定後、不法の人工妊娠中絶数は減少していないとされる一方で、胎児の異常を理由とした人工妊娠中絶は許容範囲が拡大され、増加している。
著者
加藤 宏公 柳澤 博紀 三田村 仰
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.518-527, 2022 (Released:2023-02-07)
参考文献数
15

目的:統合失調症の慢性期にある50代女性患者のアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)参加による価値に結びついた体験の変化のプロセスを明らかにすることでパーソナルリカバリー支援への示唆を得る.方法:A氏に半構造化面接を実施した.パーソナルリカバリーにつながる価値に結びついた体験について質的記述的に分析した.事例を捉える他の証拠源には価値に基づく行動の自己記録を用いた.結果:依存しない老後のため【家事をやらなければならない思いとやりたくない思いとの間で葛藤する】体験があった.ACT開始後【試行錯誤と不安への対処によって尊敬する母を目標に家事に取り組む】体験があり,家事行動が拡大し【家族と仲良く暮らしたい希望を持ち母を意識し家事する機会を増やす】体験を積み上げていた.結論:パーソナルリカバリーという変化のプロセスを共に歩み,主観的で個別的な体験に焦点をあてる支援の重要性が示唆された.
著者
小川 萌日香 桃井 綾子
出版者
The Cetology Study Group of Japan
雑誌
日本セトロジー研究 (ISSN:18813445)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.15-23, 2023-11-20 (Released:2023-11-30)

視覚機能には種ごとに異なった特徴があり,生息環境に適応していく中で独自に進化してきた.動物が視覚的に物体を弁別する際,形状や明度を総合的に使用する.本研究では,ゼニガタアザラシ(Phoca vitulina)5個体に対して実験を行い,水陸両棲のアザラシは2つの情報を使ってどのように物体を弁別しているのか明らかにした.アザラシはまず,暗い灰色の丸型オブジェクト(正解のオブジェクト)と明るい灰色の三角型オブジェクトを見分けるトレーニングに参加した.その後,トレーニングで使用したオブジェクトに2つの新規オブジェクトを追加し,計4つのオブジェクトを使用して実験を行った.実験では,4つのうち2つのオブジェクトをアザラシに対して同時に呈示し,どちらのオブジェクトを選択するかを調べた.その結果,ゼニガタアザラシは明度よりも形状の情報を用いてオブジェクトを弁別していることが示唆された.形状を頼りに弁別するアザラシの物体認知のプロセスは,光の少ない水中環境に適応した結果である可能性がある.
著者
益川 敏英
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.30, no.10, pp.730-732, 1975-10-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
6
著者
北嶋 イサイカ
出版者
北海道大学アイヌ・先住民研究センター
雑誌
アイヌ・先住民研究 (ISSN:24361763)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.35-46, 2023-03-01

アイヌ民族に対する差別は、以前はあからさまな表現であったが、現在は日常に溶け込み、見えにくい言動となった。発言者の意識の有無にかかわらず、マイクロアグレッション(小さな攻撃)がおこり、発言者さえ攻撃をしていると気付かないことがある。また、受け手もその言葉に小さな不満をもつが、それがどの言動なのか分からず、なぜ自分がイライラするのか理解できずに戸惑う場合がある。本稿は、その見えにくい攻撃について、発言者の言葉と受け手について考えられる感情を文字にすることにより視覚化し、どのような表現がマイクロアグレッションに該当するか記述する。 ここではアイヌ民族が受ける小さな攻撃に焦点をあて、第1節では、マイクロアグレッションの概要と3つの分類について述べる。第2節では博物館、第3節では技術講習会でおこるマイクロアグレッションについて、筆者の事例をあげ、考えられる感情について記述し分類する。第4節では博物館と技術講習会でおこるマイクロアグレッションについて考察した。
著者
後藤 仁敏
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.157-162, 1997-11-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
24
被引用文献数
1
著者
Takuma Tsuzuki Wada Kazuhiro Yokota Fumito Inayoshi Sakon Sakai Nobuhito Okumura Mayumi Matsuda Iichiro Osawa Yasuto Araki Yu Funakubo Asanuma Yuji Akiyama Toshihide Mimura
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.62, no.24, pp.3699-3706, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
50
被引用文献数
3

We present the case of a 42-year-old woman with rheumatoid arthritis and Sjögren's syndrome treated with adalimumab who developed immune-mediated necrotizing myopathy (IMNM) and trigeminal neuropathy after severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) mRNA vaccination. Trigeminal neuralgia and elevated serum creatine kinase levels emerged 12 days post-vaccination, followed by myalgia in the femoral muscles. IMNM was histologically diagnosed. The pathogenesis may involve molecular mimicry between the SARS-CoV-2 spike glycoprotein and autologous tissues triggered by vaccination. This case emphasizes the association between SARS-CoV-2 vaccination, tumor necrosis factor inhibitor, IMNM, and trigeminal neuropathy, as well as the importance of monitoring immune-mediated adverse events following SARS-CoV-2 vaccination in patients with autoimmune disease.