著者
田中 直 服部 学 中村 和義 井上 敦裕
出版者
学研メディカル秀潤社
巻号頁・発行日
pp.1033-1035, 2021-07-25

インフルエンザや新型コロナウイルスのワクチン接種後に,FDG-PET検査にて腋窩リンパ節が高集積を示すことが知られている.今回,筆者らは,MRI検査のDWIBS(diffusion weighted whole body imaging with back ground body signal supression)像にて,新型コロナワクチン接種後に腋窩~鎖骨上リンパ節が高信号を示した1例を経験した.さらに,この経験を踏まえて,同じく新型コロナワクチン接種後の2名のボランティア撮像を行い,腋窩リンパ節の信号上昇を確認したので,併せて報告する.
著者
中村 和裕 川崎 平康
出版者
群馬大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

私は近年、中赤外領域の特定の波長の光が凝集Abeta1-42ペプチドを解離させることを見出した。今回アルツハイマー型認知症4例の前頭葉の凍結ブロックを試料として、6ミクロンの波長の光を照射したところ、アミロイドベータ抗体のウェスタンブロットで、一部の症例で高分子量型のシグナルの移動度が照射によって変化した。このことは、モノマーではなく複雑な構造を持つアミロイドベータの構造が照射により変化した可能性を示唆する。しかしながら、全症例ではなく一部の症例のみに変化が見られたこと、毒性をもつ構造体が照射によって減弱したかわかっていないことから、今後、照射後の神経機能について解析を続ける予定である。
著者
中村 和正 若松 伸司 菅田 誠治 木村 富士男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.175, 2003

近年、光化学大気汚染の広域化が進行している。主要発生源から遠く離れた郊外地域に当たる福島県でもOx濃度の増加が90年代に入ってから著しく(図1)、2000年には22年ぶりとなる光化学スモッグ注意報が3回発令され、被害者数も104名に及んだ。本研究は関東地方及び福島県、山梨県におけるOxの空間的・時間的変動を明らかにすることを目的としている。解析方法は解析期間は1982_から_2001年で、福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県の大気環境常時監視測定局の時間値測定データ及びアメダス時間値観測データを用いた。解析結果。解析領域内におけるOx日最高値の上位5地点がすべて120ppbを超えた高濃度日に関東地方及び福島・山梨県内のどこでOx日最高値上位5地点が出現したのか、その頻度の経年解析を行ったところ、光化学大気汚染の広域化がさらに進行していることが分かった。特に90年代に入ってから、北関東でOx日最高値上位5位の出現頻度が増している。(図2)この要因の1つとして近年のNMHC/NOx比の低下が考えられる。NMHC/NOx比の低下は光化学反応を遅らせ、関東地方では夏季には海風の侵入に伴い、高濃度出現地域が内陸に移動することが多いため、最高濃度出現時刻が遅れることはより内陸に高濃度域が移ることを意味しており(Wakamatsu et al,1999)、高濃度日の日最高値上位5位の出現時刻も経年的に遅くなってきていることも確かめられた。(図3)また2000年には福島県でも日最高値上位5位が出現するようになった。
著者
久保 暁子 山本 清龍 中村 和彦 下村 彰男
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.181-186, 2019

<p>本研究では,ストレス軽減のためデジタル機器から一定期間離れる取り組みであるデジタルデトックスの基盤的な研究を企図して,①回答者の属性とデジタル機器の使用状況,デジタル機器の依存性を把握し,それらの関係性を明らかにすること,②平日・休日の過ごし方,デジタルデトックスへの意向を把握し,デジタルデトックスの可能性を考察すること,の2点を目的とした。その結果,約半数の学生がデジタル機器を4時間以上使用し,一部の学生は機器の使用によって学生生活に問題を抱えていた。学生の意向をふまえれば,日常の機器使用制限や自然豊かな場所への外出はデジタルデトックスに有効と考えられた。</p>
著者
中村 和正 鹿間 直人 栂尾 理 佐々木 茂 篠田 充功 國武 直信 木村 正彦 渡辺 哲雄 佐々木 智成 寺嶋 廣美 増田 康治
出版者
Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
雑誌
The Journal of JASTRO (ISSN:10409564)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.79-82, 2001-06-25 (Released:2011-07-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1

放射線治療後の味覚障害に対し亜鉛含有胃潰瘍治療薬ポラプレジンクを投与し, そあ効果を検討した. 舌を含む照射野にて放射線治療を施行した悪性腫瘍症例22例を対象とした. 舌の一部または全てに対する照射線量は25, 5Gyから46.0Gy (平均37.9Gy) であった. 放射線治療終了後0-1,561日 (平均305.3日) に, ポラプレジンクー回75mg, 一日2回の投与を行い, 投与期間ば25日から353日 (平均96.9日) であった. 20例 (90, 9%) に自覚的味覚障害の改善を認めだ放射線治療後の味覚障害の回復に亜錐製剤は有効と考えられた.
著者
長野 康平 中村 和彦
出版者
日本スポーツ教育学会
雑誌
スポーツ教育学研究 (ISSN:09118845)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.77-87, 2020-12-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
19

Background: Regarding the burden of teachers in school athletic club activities, it is often argued that it is a burden because time of school athletic club activities related to working hours is long. However, factors related to the perceived burden of school athletic club activities have not been considered. The purpose of this study was the following three. 1) To clarify the rate of complaints about the perceived burden of teaching school athletic club activities among junior high school teachers in Yamanashi Prefecture. 2) To examine the relationship between teaching specialized competition and perceived burden. 3) To examine the relationship between the subject and the teaching specialized competition with the perceived burden.Method: We got data from 1,068 teachers who teaching school athletic club activities at junior high school in Yamanashi prefecture. Using a logistic regression analysis, we investigated a complex relationship between subject, involvement in specialized competition, and a perceived burden for teaching of school athletic club activities.Result: The accused rate of perceived burden to the teaching of school athletic club activities was 72.3%,21.3% of which had a sense of burden of high intensity. Odds ratio which has perceived burden so much that it is not involved in own specialized competition was high. Participation in the subject and specialized competitions was combined with complaints of perceived burden.
著者
黒沢 尋 樋口 直美 中村 和夫 天野 義文
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.155-157, 1992

種々のワイン中に含まれる総亜硫酸を<I>Thiobacillus thiooxidans</I> JCM 7814 と酸素電極からなるバイオセンサーで測定した。バイオセンサー法は赤・白ワイン, ロゼワイン及び貴腐ワインに対して良好な定量性を示した。亜硫酸回収率は低くとも84%以上, 変動率は平均5.0%であった。これに対し, 酒精強化ワインやオレンジワインなどの特殊なワインについては, 現段階では良好な測定値が得られなかった。以上の結果より, 結合型亜硫酸を予め遊離型に分解することによって, バイオセンサーによるワイン (ブドウを原料にしたもの) 中の総亜硫酸の定量が可能となることが明らかになった。
著者
平岡 照久 阿部 倫之 荒木 伸也 中村 和裕
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.545-546, 2015-03-17

テレビ番組の放送中に発言された反響ツイートを利用して番組の視聴傾向を把握するための手法を提案し、評価システムの構成と実験結果について述べる。本システムでは、TwitterのストリーミングAPIを用いてテレビ番組のハッシュタグを含む反響ツイートを収集しており、番組セッション中において、ハッシュタグと良く共起しているワードのランキング結果から視聴ワードと視聴ユーザを推定するための手法やハッシュタグの更新手法について述べる。さらに、軍師官兵衛などの高視聴率番組を題材にして視聴ツイート数や視聴リツイート数の推移を示し、ビデオリサーチ社の視聴率との連動性について考察する。
著者
鈴木 勝昭 武井 教使 土屋 賢治 宮地 泰士 中村 和彦 岩田 泰秀 竹林 淳和 吉原 雄二郎 須田 史朗 尾内 康臣 辻井 正次
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、自閉症の病態において脳内コリン系の果たす役割を明らかにすることにある。自閉症者脳内のアセチルコリンエステラーゼ活性を陽電子断層法(PET)により計測したところ、顔認知に重要な紡錘状回において有意に低下していた。さらに、この低下は社会性の障害の重症度と逆相関していた。すなわち、紡錘状回におけるコリン系の障害が強いほど、社会性の障害が強いという相関関係が示唆された。この結果は、自閉症のコリン系の障害は発達の早期に既に起こっており、顔認知の障害がもたらされ、もって社会性の障害の基盤となっていることを示唆している。そこで、認知の障害を注視点分布によって検出し、早期診断に役立てるために、乳幼児でもストレスなく注視点を測定可能な機器の開発を産学連携で行い、現在も継続中である。
著者
中村 和行 久保田 敏行 万塩 裕之 土井 裕一 荒川 麻紀子 米山 英二 吉田 浩 祢冝田 和正 勝見 章男 岡田 密恵 佐伯 悟三 八田 誠
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.19-28, 2014 (Released:2014-07-24)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

安城更生病院 (以下, 当院) では, 2012年2月より麻薬管理の効率的な運用を目的として, 薬剤師が手術室に短時間出向して麻薬の受払い (払出し, 回収) を行なっている。さらに, 手術患者の麻薬受払いが一括して可能となったため, 麻薬管理を補助するための管理簿 (以下, 補助簿) を電子化して運用している。今回我々は, 当院にて構築した体制 (以下, 新管理法) による麻薬の受払い状況, 業務時間を調査し, 薬剤師介入の評価を行なった。結果, 1か月間に手術室で取り扱われた麻薬処方せん (n=647) の内, 払出し84.7% (548/647), 回収99.8% (646/647) あわせて92.3%を新管理法により運用することができた。さらに, 麻薬補助簿を電子化したことによって, 電子化前後で払出時間は53.3±9.6分から39.6±6.3分,回収時間が66.8±16.1分から41.1±13.5分とどちらも有意に短縮した (p<0.01)。新管理法の導入により, 多くの人を介した煩雑な運用は簡素化された。加えて, 麻薬補助簿電子化による効果を含めた効率的な運用が確認できた。また, 比較的短時間 (80.8±18.4分) の薬剤師介入によって, 手術室で取り扱った麻薬処方せん92.3%を新管理法により運用できることが示唆された。以上より, 薬剤師が手術室に常駐しなくても短時間介入することで病院全体の麻薬管理は効率的に運用可能であると考えられる。
著者
中村 和之 森岡 健治 竹内 孝
出版者
北海道大学総合博物館
雑誌
北海道大学総合博物館研究報告 (ISSN:1348169X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.58-65, 2013-03

Many glass beads have been found at archaeological sites in Hokkaido Prefecture. Two possibilities are pointed out in Japanese and Russian documents regarding the distribution of the glass beads. One theory is that they came from Honsh?, and another suggests that they were from the lower Amur Basin and came to Hokkaido through Sakhalin Island. Since the extent of literary research for these two possibilities are limited, we decided to take a different approach to obtaining information that would lead to finding the origin of the beads. We performed chemical analyses of glass beads discovered in Hokkaido by using scanning electron microscope (SEM) with energy dispersive X-ray spectrometry (EDX). Soda-lime glass beads were discovered at the sites of Epi-Jomon to Satsumon cultures in Biratori Town. Lead glass beads were discovered at those sites for dates before 1667, and soda-lime glass beads were discovered for dates after 1667 at the same sites.
著者
保利 武志 中村 和幸 嵯峨山 茂樹
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.129-130, 2017-03-16

従来ヒューリスティックや感性情報を必要とした手法によって実現されていたジャズセッションシステムに対し、我々はこれまで統計的に学習可能な枠組みによるシステムの実現に向けた数理モデルや演奏の解析を行ってきた。また、その数理モデルの妥当性を実証するために、ピアノの演奏データを入力として、事例データからピアノ演奏にうまく調和するようなベースとドラムスの演奏を、NMFによるクラスタリングやtrigramによる時系列特性、ピアノとの共起関係を考慮して探索し合成して出力する手法を提案した。本研究ではこれをさらに発展させたHMMをベースとしたモデルに基づき、DNNによる楽器間の演奏特徴量の相関関係や時系列特性を考慮した編集合成を行う。
著者
中村 和彦 秋穂 裕唯
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

CD4^+CD25^+制御性T細胞(Treg)のin vitroでの培養増殖・分化誘導が可能であれば、Tregの潰瘍性大腸炎(UC)治療への応用に有用である。UC患者に対する血球成分除去療法産物より臨床応用可能なグレードで分離されたTregを抗CD3/抗CD28抗体ビーズ、IL-2で刺激した。細胞数は10日間で約18倍に増加し、TregのマーカーであるFOXP3発現細胞の割合は保たれた。また、通常のCD4^+T細胞との共培養で細胞増殖を抑制した。次に、CD4^+CD25^-non-TregからTGF-β1存在下にTregの誘導を試みた。誘導後、TregのマーカーであるCD25^+FOXP3^+細胞が増加し、CD4^+T細胞との共培養で細胞増殖を抑制した。以上より、Tregがin vitroで培養増殖・分化誘導可能である事が示された。更にrapamycin(RAPA)によりCD4^+T細胞からTregがin vitroで誘導可能か、誘導Tregに大腸炎抑制能があるかどうかマウスモデルで検討した。Balb/cマウス脾臓よりCD4^+T細胞を分離し、抗CD3抗体、抗CD28抗体、IL-2にてRAPA存在下に刺激培養した。RAPA存在下で培養した細胞の17%がCD25^+FoxP3^+であったのに対して、RAPA非存在下で培養した細胞はほとんどCD25、FoxP3を発現していなかった。CB-17 ScidマウスにBalb/cマウス由来CD4^+CD62L^+CD25^-T細胞1x10^6を腹腔内投与して大腸炎を誘導し、同数の分離・培養Tregを同時移入した。RAPA存在下で培養したCD4^+T細胞は、マウス脾臓より分離したTregと同様に大腸炎の発症を抑制した。RAPA誘導Tregは分離Tregと同様に大腸炎抑制能を有する事が示された。
著者
中村 和彦 神野 一平 妹尾 孝憲
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.1351-1357, 1993

スタジオ規格ディジタルビデオ信号のシリアル伝送のためのチップセットを開発した.4チップからなるシリアルインタフェース用チップセットは, アナログのFIRフィルタによる波形等化回路を内蔵し, 同軸ケーブルの伝送損失を自動的に補償可能である.また, コンポジットNTSC/PAL, コンポーネント525/625,および, ワイドコンポーネント525/625の各ディジタルビデオ信号の伝送に対応している.さらに, 並列型のスクランブル/デスクランブル回路の採用による低消費電力化, 24ビット音声4チャンネルの多重化分離回路の内蔵, 伝送エラー監視のためのEDH(Error Detection and Handling)パケットの対応等を実現した.本チップセットの使用により, トータルディジタルシステムの構築が容易となる.