著者
吉岡 利貢 中垣 浩平 中村 和照 向井 直樹 鍋倉 賢治
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.237-248, 2012 (Released:2012-06-02)
参考文献数
29
被引用文献数
4 2

The purpose of this study was to compare the physiological and morphological characteristics of J. Ndambiri, a Kenyan world-class long-distance runner (10,000 m personal best: 27:04.79), with runners belonging to the national corporate team (29:32.18±0:30.35). Oxygen uptake (VO2), heart rate, blood lactate concentration and stride frequency were measured during submaximal exercise on a treadmill (270, 290, 310, 330, 350 and 370 m/min velocities with 1% inclination). Peak oxygen uptake (VO2peak) was determined during the maximal exercise test. In addition, morphological parameters (length of thigh and shank, maximum circumference of thigh and shank, and cross-sectional area of the trunk, thigh and shank muscles) were determined using a tape measure and magnetic resonance imaging (MRI). Ndambiri was superior to Japanese runners in terms of not only running economy (65.0 vs 69.8±1.9 ml/kg/min at 330 m/min), but also blood lactate concentration (1.50 vs 2.59±0.74 mmol/l at 330 m/min), heart rate (159.8 vs 170.8±4.0 bpm at 330 m/min) during the submaximal running test and VO2peak (80.8 vs 76.3±2.4 ml/kg/min). In addition, the morphological characteristics of Ndambiri were also quite different from those of Japanese runners. In particular, Ndambiri's maximum shank circumference was much smaller than that of Japanese runners (32.0 vs 35.8±1.8 cm). Furthermore, the cross-sectional area of the gastrocnemius muscle, which composes the shank, was significantly correlated with the oxygen cost of running at 330 m/min (r=0.700). These findings indicate that the superior performance of Ndambiri is attributable to various factors such as a higher VO2peak, lower blood lactate concentration and heart rate, as well as running economy. In the future, it will be necessary to clarify the factors supporting these relationships between physiological variables and morphological characteristics.
著者
中村 和代
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.1_141-1_148, 2013-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
22

目的:新人看護師の精神的支援策として臨床心理士がグループカウンセリング(以下,G.C.)を行い効果や影響について検討した。 方法:2006年5月と9月にG.C.を行い,調査に同意した5月63人,9月64人を解析対象とした。気分・感情状態は日本語版POMS短縮版で調査し,G.C.後に主観的評価12項目,9月は5月G.C.以降の同僚との支援状況4項目を調査した。対象者を健全群,要注意群,受診考慮群に分類し,3群間で比較した。 結果:5月・9月ともに,G.C.後は健全群が有意に増加していた。主観的評価では「自己の振り返りができた」他3項目,同僚との支援状況では「2.悩みや苦痛などへは自分なりに対処できている」「3.悩みや苦痛などが共有できがんばれている」で,それぞれ健全群が有意に高値であった。 結論:G.C.は,新人看護師の精神的支援策として効果的であることが示唆されたが,受診考慮群ではさらに個別支援が望まれる。
著者
中村 和夫 Kazuo Nakamura
出版者
東京水産大学
雑誌
東京水産大学論集 (ISSN:05638372)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.131-140, 2000-03-30

東京水産大学共通講座
著者
中村 和芳 須加原 一昭 一安 秀範 江崎 紀浩 堀尾 雄甲 浦本 秀志 松岡 多香子 今村 文哉 小松 太陽 天神 佑紀 松本 充博 杉本 峯晴 興梠 博次
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.223-229, 2015-03-25 (Released:2016-10-29)

背景.メンソールタバコが原因と示唆された急性好酸球性肺炎(acute eosinophilic pneumonia : AEP)の2例を経験した.症例1. 16歳.男性.非メンソールタバコを2年間喫煙していたが1カ月間の禁煙後, 1カ月前からメンソールタバコの喫煙を再開した.突然の発熱と呼吸困難のため受診し,胸部X線写真およびCTにて右肺優位にすりガラス陰影,小葉間隔壁の肥厚,両側胸水貯留を認めた.症例2. 18歳男性.メンソールタバコの喫煙を開始し, 3週間後,乾性咳嗽,発熱のため受診した.胸部X線写真およびCTにて両肺にすりガラス陰影,小葉間隔壁の肥厚,両側胸水貯留を認めたため入院となった. 2症例とも気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid : BALF)中に著明な好酸球増多を認めたためAEPと診断し,ステロイド投与により解熱し,呼吸困難,すりガラス陰影は速やかに消失した.結語.メンソールタバコによると推測されるAEPの2例を経験した. AEPの原因としてメンソールタバコが考えられ,重要な症例と考えられたため文献的考察を含めて報告する.
著者
三辺 義雄 森 則夫 武井 教使 中村 和彦 豊田 隆雄
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

覚醒剤の乱用者数は世界中で増加している。覚醒剤の使用により、幻覚妄想状態、うつ状態、攻撃性の亢進など、様々な精神症状が惹起されることが知られている。さらに、これらの症状は覚醒剤の使用中止後もしばしば遷延することが報告されている。これまでの動物実験により、覚醒剤はセロトニン神経に対する傷害作用を有することがわかっている。そこで我々はポジトロン・エミッション・トモグラフィー(PET)を用いることにより、セロトニン・トランスポーター(5-HTT)密度を測定し、これらの変化と臨床的特徴との関連について検討した。なお、本研究は浜松医科大学倫理委員会で承認を得ており、研究の詳細を説明した後に文書による同意を得た者のみを対象とした。対象は覚醒剤使用者12名及び健常者12名である。精神症状評価には、攻撃性評価尺度、ハミルトンうつ病評価尺度、ハミルトン不安評価尺度、簡易精神症状評価尺度(BPRS)を用いた。トレーサは、5-HTTへの選択性の高い[^<11>C](+)McN5652を用いた。動脈血漿及び脳内から得られた時間放射能曲線を用いて[^<11>C](+)McN5652 distribution volumeイメージを作成し、これらのイメージをもとにvoxel-based SPM全脳解析を行った。覚醒剤使用者では、健常者と比較して、脳内の広範囲における5-HTT密度が有意に低下していた。また、眼窩前頭前野、側頭葉、前帯状回皮質における5-HTT密度の低下が攻撃性の増強と密接な関連があることが明らかとなった。これらの結果とこれまでの動物実験の結果とを勘案すると、覚醒剤使用者ではセロトニン神経が傷害されている可能性があることが示唆された。セロトニン神経は攻撃性や衝動性を抑制する働きを担っていると考えられている。覚醒剤使用者では、セロトニン神経が傷害された結果、セロトニン神経の機能障害が生じ、攻撃性が亢進するものと考えられる。現在この結果は論文受理された。さらにproton MRS studyでは、トルエン患者の基底核の膜代謝異常が、患者の精神症状の程度と相関していることを見出し、論文発表した。
著者
中村 和芳 一安 秀範 徳永 健太郎 堀尾 雄甲 田中 秀幸 興梠 博次
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.552-557, 2012-11-25 (Released:2016-10-29)
参考文献数
13

背景.イノシシ肉生食により生じたウエステルマン肺吸虫症の2例を経験した.症例.症例1; 69歳男性,検診にて左胸水貯留を指摘され,受診.末梢血および胸水中の好酸球増多を認め,胸水pH低値, LDH異常高値,糖は低値であった.症例2; 69歳男性,腹痛を主訴に外科入院.胸部CTで右上葉に浸潤影,右胸水貯留を認めたため,当科転科.末梢血好酸球増多を認めたが,胸水中好酸球増多はなかった.右上葉の経気管支肺生検にて好酸球浸潤を認めた. 2例ともイノシシ肉の生食歴があり,血清の抗ウエステルマン肺吸虫抗体陽性より診断し,プラジカンテル内服にて改善した.結論.ウエステルマン肺吸虫は,淡水カニ体内に寄生しこれらを不十分な加熱のまま経口摂取することで感染する.イノシシが待機宿主となっており,イノシシ肉の生食で感染することがある.胸水は特徴的な所見を呈し,本疾患を診断する上で重要であると考えられた.