著者
松本 浩幸 柄本 邦明 今井 健太郎 高橋 成実
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_319-I_324, 2020 (Released:2020-11-04)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究では,リアルタイム津波検知手法の高度化のために,台風接近時に観測された海底津波計データを精査して,地震にともなう津波との相違点を明らかにした.台風接近時と地震にともなう津波発生時では,観測波形の卓越周波数の特徴が異なることが判明した.すなわち,台風接近時には広帯域にエネルギーが分布するのに対し,地震にともなう津波発生時には低周波のエネルギーが卓越する.次に,微小振幅波理論にもとづくカットオフ周波数で津波を検出するリアルタイムフィルタを設計し,海底津波計の近傍で発生した地震に適用した.検出した津波は数値計算と整合し,設計フィルタの妥当性を検証した.ただし,台風接近時にはうねり成分が含まれることから,うねり成分を除去するカットオフ周波数の検討が必要であることを示唆する.
著者
藤本 滋 今井 健嗣 一木 正聡
出版者
公益社団法人 日本設計工学会
雑誌
設計工学 (ISSN:09192948)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.497-508, 2016 (Released:2016-07-05)
参考文献数
16
被引用文献数
4

Electrical power generation devices that use lead zirconate titanate piezoelectric (PZT) elements have been developed to convert structural vibration energy into electrical energy. We have reported the effects of vibration loads on the power-generation characteristics of a PZT element doped with niobium (Nb), and have proposed the use of laminated PZT elements to significantly improve the power-generation characteristics of PZT elements. In this study, we have made three-layer, five-layer and seven-layer PZT elements. In the experimental study, the effects of the number of layers of the laminated PZT element, the loads and frequencies of the powergeneration characteristics of the laminated PZT element are evaluated by vibration tests. The results indicated that the maximum electric power of a seven-layer PZT test piece in this study was around 3.8 mW and yielded about 23 times more power than a single-layers PZT element. Their results shows the generation characteristics were improved by laminated PZT elements when the number of folds was increased.
著者
美崎 栄一郎 池田 浩 今井 健雄
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.108-112, 2014-06-20 (Released:2014-06-20)
参考文献数
2

われわれは専門家として,メイクやヘアメイクの仕上がりなど使用実態を調査している。その使用実態観察研究の一環として,本研究では観察者の視線の動きに着目した。化粧直後の仕上がり写真を刺激画像とし,それを観察する視線の動きを調べた。今回の検討により,化粧における専門家であるメイクアップアーティストは左右上下のバランスを測るように広い範囲に視線移動をし,仕上がりを短時間で評価していることがわかった。一般女性は顔の中心や個々のパーツなどの気になる部分に視線が片寄りがちになる傾向にあった。視線の移動を可視化することで,暗黙知として専門家がもっている美しい仕上がりへの知見を引き出せる可能性が示唆された。
著者
ティラカラタネ ラール 今井 健 荒井 聡 ティラカラタネ エランガ
出版者
日本農業市場学会
雑誌
農業市場研究 (ISSN:1341934X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.34-45, 2000

1997年1998年にスリランカのエッパワラ地域で行った農家調査結果にもとづき、稲作農業に関するコストや所得を試算し、現代の稲作農家の経済状況に影響している要因について分析し考察した。その結果、第1に、肥料・農薬の投下量が米の収量に比例しており、このことはすでに稲作が近代化されていることを示しいてること。第2に、肥料・農薬の投下量は、経営面積に比例して増加し、稲作の収量は経営面積が大きくなるほど増加する傾向が見られる。しかし、それは肥料・農薬の投下量の増加ほど明確ではないこと。第3に、1エーカー当たりの稲作の粗収益と総コストは経営面積が大きくなるにしたがって増加するが、所得については、経営規模間の相違は見られないこと、などである。このように稲作の経営規模間の生産性にかかわる諸指標の間にズレがあることが明らかとなったが、その要因は、農業雇用労賃、農業資材費用と不十分な潅漑条件などにあると考えられる。スリランカの稲作は技術的には、一部潅漑条件や機械化などの不十分さはあるものの「緑の革命」や開放経済過程の条件下で近代化されたといえる。しかし、近年の低価格な輸入米の増加による生産者米価の低下や雇用賃金などのコストの高騰が、大規模経営のスケールメリットを不十分なものとし、経営的優位性が確認できない要因となっているといえる。そのため大規模経営農家は、稲作経営の一層の拡大ではなくて、金貸しや稲作以外の農業やサイドビジネスに投資する傾向が強まっでいる。
著者
宮原 正 下條 貞友 豊原 敬三 今井 健郎 宮島 真之 本田 英比古 亀谷 雅洋 大関 正弘 小勝 順
出版者
The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.357-365, 1985-06-30 (Released:2011-02-25)
参考文献数
19
被引用文献数
4 4

A phase I study of EST, a newly synthesized specific thiol protease inhibitor developed as a drug for muscular dystrophy, was performed in healthy adult male volunteers to investigate its safety and pharmacokinetics. EST was administered orally in single doses of 100 mg during fasting, or of 100 mg or 200 mg after a meal. The following results were obtained.The clinical tests and observation of the subjective and objective signs and symptomsfound no change due to EST.EST was detected as E-64-c (effective form of EST) in serum and urine after oral administration. The absorption of EST was slower when administered after a meal than during fasting. The AUC (area under the serum concentration curve) and urinary excretion rate were greater following administration after a meal, which indicates a tendency to better bioavailability of EST.As for the comparison of 100 mg and 200 mg administration after a meal, a distinct dosedependency was observed in the serum concentration and urinary excretion.
著者
美崎 栄一郎 池田 浩 今井 健雄
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.108-112, 2014

われわれは専門家として,メイクやヘアメイクの仕上がりなど使用実態を調査している。その使用実態観察研究の一環として,本研究では観察者の視線の動きに着目した。化粧直後の仕上がり写真を刺激画像とし,それを観察する視線の動きを調べた。今回の検討により,化粧における専門家であるメイクアップアーティストは左右上下のバランスを測るように広い範囲に視線移動をし,仕上がりを短時間で評価していることがわかった。一般女性は顔の中心や個々のパーツなどの気になる部分に視線が片寄りがちになる傾向にあった。視線の移動を可視化することで,暗黙知として専門家がもっている美しい仕上がりへの知見を引き出せる可能性が示唆された。
著者
冨岡 展行 高橋 智幸 今井 健太郎 越村 俊一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
no.52, pp.266-270, 2005

2004年9月5日23時57分にM7.4の地震が紀伊半島南東沖で発生した. 震源は南海トラフ沿いに位置しているが, 東南海地震の想定震源域とは異なっていた. この海域で想定されているのはプレート境界型地震であり, これによる津波被害は既に調査済みであるが, 今回のような南海トラフ沿いで発生するプレート内部型の中規模地震による津波は未想定である. よって, 今後の津波防災において今回のような地震津波をどのように取扱うのか検討するため, 各研究機関から発表された断層パラメータを参考にして, 津波の数値計算を実施した. その結果, 大部分の地域でプレート境界型地震による津波の方がプレート内部型によるものより大きくなることが確認された.
著者
不破 茂 石崎 宗周 新屋敷 嘉一 宮本 宮本昌治 今井 健彦
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.97-103, 1996 (Released:2018-02-01)
参考文献数
6
被引用文献数
2

In order to clarify the towing perfomance of jigs for oval squid, Sepioteuthis lessoniana, two handmade sample of jigs were used in a flume tank. They are fish and shrimp types with the same volumes and different lead weights were attached to their bodies to change the specific gravity and the position of the gravitational center. The towing performance of jigs were recorded on video tape. The data were investigated at 0.1 second intervals, and the speed and attack angle of the jigs were analyzed. The hydrodynamical resistance of the fish type was larger than that ofthe shrimp type. The shrimp type has larger attack angle than the fish type at the given speed's conditions.
著者
山本 貴司 今井 健之 中沢 正隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-09-18

光信号の波長変換技術は将来のWDMネットワークの構築において不可欠な技術であり、光ファイバ中の四光波混合は有望な波長変換法として注目されている。効率の良い四光波混合を実現するためには位相整合条件(伝搬定数差x=0)を満たす必要があり、通常は励起光を零分散波長に設定する。しかし、光強度に依存して屈折率が変化するため位相整合条件は変化する。我々は今回、光強度に依存する位相整合条件について考慮し、ファイバの零分散波長より長波長側に励起光を設定することにより最大の変換効率が得られることを解析的および実験的に示すことができたので報告する。
著者
今井 健太 北村 光司 西田 佳史 竹村 裕 杉本 裕
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2015 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._1A1-W02_1-_1A1-W02_4, 2015-05-17 (Released:2017-06-19)

A large number of injuries were occurred in Japanese school environments. To prevent school injuries, it is important to understand accident situations and prioritize intervention targets. However, it is difficult for a risk manager of each school to do this since each school does not have data enough for statistical analysis. In this study, we developed the system that allows to grasp serious accident situations by integratively utilizing data distributed in multiple schools. The developed system finds serious accident situations that a school risk manager should know as follows. First, the system registers situational feature vectors for accident situations data by using a textmining technology. Second using the database, it searches accidents situations similar to the actually occurred situations. Finally it shows most expensive accidents using medical cost data. The effectiveness of the system was confirmed using 5,817 school injury data.
著者
石井 秀典 今井 健 小西 明 角南 義文
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.74-79, 2003 (Released:2008-06-30)
参考文献数
10

過去2年間に当院で入院治療を行った腰椎椎間板ヘルニア306例を対象とした.男227例,女79例で,入院時平均年齢は44.2歳(16∼83歳)で,腰下肢症状出現から入院までの期間は平均6.6週であった.保存的治療にて著明な改善がみられなかった153例が手術を要した.入院時JOA score,ブロック効果,予後,職業の臨床所見とMRIによるヘルニアのレベル・脱出部位・大きさ・migrationの程度・T2強調画像での輝度変化と脊柱管の形態を比較し,保存療法の適応について検討した.入院時JOA scoreが12点以下,重労働者,外側型と傍正中型,大きさが脊柱管の1/3以上と椎間板から椎弓根部までmigrationした症例が予後不良であった.正中型,migrationの大きい,T2強調画像で高輝度を呈す症例は,神経根ブロックがより効果的で予後良好であった.その結果よりMRI所見より腰椎椎間板ヘルニアの保存療法の適応に役立つヘルニアの番地図を作成した.
著者
今井 健一
出版者
公益財団法人 アジア成長研究所
雑誌
東アジアへの視点 (ISSN:1348091X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.21-30, 2016 (Released:2020-01-06)
参考文献数
4

本稿では,少子高齢化がエネルギー消費,特に電力,都市ガス,プロパンガス,灯油といった家庭用エネルギーの消費にどのような影響をもたらすかについて分析した。北九州市と県庁所在都市を含む九州8 都市のデータに基づく分析結果は,少子高齢化の下で世帯数が増加している結果,「1世帯当たりの構成人員」が減り,家庭用エネルギー消費における規模の経済が失われつつあること,すなわち,「1 世帯当たりの構成人員」が減少している結果,「世帯構成人員1 人当たりの家庭用エネルギー消費量」が増えているということがわかった。この結果は,家庭用エネルギーの効率的な利用という点において好ましくない。今後,少子高齢化がさらに進んだ場合,家庭用エネルギー消費における規模の経済がさらに失われていく可能性がある。世帯内だけでなく,世帯間,あるいは複数の世帯から成るコミュニティ内でエネルギーを共有していくという視点が必要となってくる。
著者
都司 嘉宣 佐竹 健治 石辺 岳男 楠本 聡 原田 智也 西山 昭仁 金 幸隆 上野 俊洋 室谷 智子 大木 聖子 杉本 めぐみ 泊 次郎 Heidarzadeh Mohammad 綿田 辰吾 今井 健太郎 Choi Byung Ho Yoon Sung Bum Bae Jae Seok Kim Kyeong Ok Kim Hyun Woo
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, University of Tokyo (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3-4, pp.29-279, 2012-03-16

We report the results of field surveys conducted by the Earthquake Research Institute, to measure tsunami heights from the 2011 off the Pacific coast of Tohoku, Japan Earthquake (M 9.0), on March 11. Measurements were taken at 296 points on the Sanriku coasts of Aomori, Iwate, and Miyagi Prefectures, and the Pacific coasts of Ibaraki and Chiba Prefectures. The data are included in the results of the 2011 Tohoku Earthquake Tsunami Joint Survey Group. We did not cover the Sendai plain in the southern Miyagi Prefecture because other parties extensively measure there, nor Fukushima Prefecture because of the accident of the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant. The twelve surveys first sought traces indicating tsunami runup or inundation heights. Reliability was classified into A (most reliable based on clear physical evidence and eyewitness accounts), B (mostly based on natural traces), and C (least reliable based on equivocal evidence). Most physical evidence obtained after June was not significant; therefore, reliance was mostly placed on eyewitness accounts. Locations and relative heights above sea level were measured using handheld GPS receivers, auto-level, or total station. The measured heights were corrected for differences in tide level between measurement time and tsunami arrival time. The results are shown on table and four regional maps; however, the details of each measurement, including locations shown on 1:25,000 maps and photographs of evidence are shown in the Appendix. Along the northern Sanriku coast (Aomori and Iwate), most of the 141 heights range between 10m and 30m. Runup heights exceeding 30m were measured at one location in Noda Village and nine locations in Miyako City. On the southern Sanriku coast in Miyagi, most of the 76 measurements range between 4 and 20 m. On the Ibaraki coast, 36 measurements range from 2.8 to 8.1 m, and the heights generally decease toward the south. On the Chiba coast, 43 measurements range from 0.7 to 7.9 m, with the maximum height near Iioka, Asahi City.
著者
建本 聡 原田 陽子 今井 健司
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.108-114, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)
参考文献数
22
被引用文献数
3

本研究では,深層学習による物体検出(SSD)と熟度判定用の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を組み合わせ,画像からウメの果実の熟期を判断する方法を検討した.2018年6〜7月に,ウメ「露茜」の樹上の果実についてデジタルカメラにより静止画及び動画を取得した.果実領域を切り出すためのSSDの学習は,撮影した画像443枚を用いた.学習したネットワークの性能は,しきい値0.47で,F値0.88であった.次に熟度判定用のCNNの学習のため,SSDにより切り出した5,823枚の画像を熟度別に肉眼で5クラスに分類し教師とした.学習したネットワークの識別の精度は94%であった.これらを組み合わせた精度を判定するために,学習に用いていない画像から,SSDによりしきい値0.47で366枚の果実画像を切り出し,続けて画像を熟度判定用のCNNで分類したところ,識別の精度は96%であった.よって,撮影画像から本手法により果実領域を切り出し,熟度判定が良好に行えることが示唆された.
著者
今井 健仁 中村 友紀 丸橋 佑基 中野 隆
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.9-15, 2019

<p>ヘアカラーリングで用いられる主要なブリーチ成分における,メラニン顆粒の分解パターンの違いについて透過電子顕微鏡による毛髪横断面観察から調査した。過酸化水素を共通成分とし,アンモニアおよびモノエタノールアミンでは毛髪中心部寄りのメラニン顆粒から分解され,炭酸塩および過硫酸塩では毛髪外周部のメラニン顆粒から分解されるという逆の挙動を示した。これらの違いは,メラニン顆粒は毛髪外周部に多いという分布特性のほかに,ブリーチ成分の毛髪浸透性とメラニン顆粒に対する酸化分解力の違いも関係していることが示唆された。また,アンモニアと炭酸塩を併用すると毛髪全体にわたってメラニン顆粒が均一に分解され,より効率的にブリーチ性能が発揮できる可能性が示唆された。</p>
著者
清水 弘治 伊藤 恵 金築 一摩 今井 健介 末廣 章一 織田 禎二
出版者
南江堂
雑誌
胸部外科 (ISSN:00215252)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.252-256, 2016-04-01

著者らが手術を行ったStanford A型急性大動脈解離90例を対象に、これらを術式により上行置換群74例と弓部置換群16例に分け、治療成績を比較検討した。その結果、1)手術時間、体外循環時間、心筋虚血時間、循環停止時間、SCP時間は弓部置換群で有意に長く、再開胸率も弓部置換群で高かった。2)遠隔期の累積生存率を比較すると、5年生存率は上行置換群68±6%、弓部置換群59±14%で、有意差はみられなかった。一方、術後5年の大動脈合併症回避率は上行置換群88±6%、弓部置換群68±16%でこちらも有意差はみられなかった。3)遠隔期大動脈合併症は上行置換群では9例に認められた。また、死亡例の2例以外に弓部大動脈拡大での再手術が3例、腹部大動脈拡大による手術が1例、仮性瘤形成による再手術が3例あった。殊に弓部置換群では3例で認め、死亡例1例以外の2例で下行大動脈拡大で手術が行われていた。尚、術後の末梢側拡大は両群間で有意差は認められなかった。
著者
神尾 宜昌 清水 一史 今井 健一 田村 宗明
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、歯周病原菌であるPorphyromonas gingivalisが産生する酵素によりインフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)を開裂し、ウイルス感染を促進するか検討した。その結果、P. gingivalisによりHAは開裂し、ウイルスが宿主細胞に感染できるようになることが明らかとなった。P. gingivalisは、トリプシン様酵素であるジンジパインを産生することから、ジンジパイン阻害薬ならびにジンジパイン欠損株を用いて検討を加えた。その結果、アルギニンを切断するジンジパイン(Rgp)がHAを開裂し、ウイルスの感染性獲得に関与することが明らかとなった。