著者
伊藤 孝一
出版者
日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌. シリーズJ (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.231-249, 2007
参考文献数
56
被引用文献数
2

統計理論と方法は日常生活,政府諸機関,各種産業のみならず,人文,社会,自然,の諸科学において用いられている.したがって,統計学の理論と方法の教育は初等・中等・高等教育や社会人の生涯教育において極めて重要である.この論文は,わが国及び海外諸国における今日までの統計学の理論と方法の発展ならびに統計教育の研究と実践の状況を概観し,21世紀への展望を試みることを目的としている.1945年以降,わが国の統計学研究者たちの理論と方法の発展への貢献は多大であることは事実であるが,統計教育の実態を顧みるとき,世界における先進国,発展途上国と比較して,極めて劣っていることを認めなければならない.この論文において,わが国の学校教育・社会人教育における統計教育改善のための若干の提言を行うことにする.
著者
福島 大地 伊藤 孝紀 西田 智裕 深町 駿平 松岡 弘樹 仙石 晃久 大塚 孝信 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.8, pp.1-8, 2016-12-06

住民参加によるまちづくりにおいて,公聴会や説明会などに加えてワークショップ (以下 WS) が増えている.まちづくり WS の手法として,従来からの対面式 WS と,我々が提案してきた大規模合意形成支援システムを用いた非対面式 WS がある.対面式 WS は,情報入手や理解を支援するが,時間 ・ 場所の制約という課題がある.非対面式 WS は,時間 ・ 場所の制約を解決できるが,情報入手や理解に課題がある.そこで本研究では,まちづくり WS において,対面式 WS と非対面式 WS の組み合わせた手法を提案する.提案手法による合意形成への有効性を検証することを目的とする.提案手法の有効性は,社会実験により検証する.社会実験では,地権者,住民などに加え学生も参加して,対面式 WS の後に非対面式 WS を行う.それぞれの WS における議論データの分析および参加者へのアンケート調査を行い,提案手法の有効性および課題点を把握する.
著者
西田 智裕 伊藤 孝紀 福島 大地 深町 駿平 松岡 弘樹 仙石 晃久 大塚 孝信 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.9, pp.1-7, 2016-12-06

住民参加によるまちづくりの法制化に伴い,まちづくりワークショップが増えている.まちづくりワークショップは,毎週 ・ 毎月など期間を空け,連続して実施すること (連続ワークショップ) がある.一方,ワークショップの間での日常生活において,議論に対する意見が出てくることがある.この意見をワークショップの議論へ反映することは難しい.そこで本研究では,対面式のまちづくり連続ワークショップの間に,合意形成支援システムを用いた非対面式ワークショップを行う手法を提案する.提案手法による合意形成への効果や課題を検証することを目的とする.提案手法の効果は,社会実験により検証する.社会実験では,地権者,住民などに加え学生も参加した連続ワークショップを行う.まちづくり連続ワークショップの間に,合意形成支援システムによる議論を行う.まちづくり連続ワークショップと合意形成支援システムにおける議論データの分析および参加者へのアンケート調査を行い,提案手法の効果および課題点を把握する.
著者
岩間 雄太 伊藤 孝行 佐藤 元紀 森 顕之 鳥居 義高
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

企業サービスの多様化によりユーザからのサポートセンターへの問い合わせが増加している.ユーザ対応に時間がかかり,迅速かつ正確に対応することは困難であり,サポートセンターが人手で行う作業の自動化が求められている.本論文では,文書間の参照構造を利用するアルゴリズムを利用し,ユーザの質問に対して精度の高い回答を提示するシステムを実装する.また,本システム有用性を既存システムと比較して評価する.
著者
田中 和幸 長舩 哲齊 袴田 大蔵 志沢 邦夫 伊藤 孝
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.23-33, 2001-07-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
37

The bacterial flora of the Men of Kendo (the fencer wears a helmet and mask in the Japanese fencing)has received little attention. Bacteriological examinations were carried out to get information about bacteria on the Men of Kendo in the Nippon Sport Science University during the four seasons. Forty five strains of typical bacteria istlated from the Men of Kendo were rapidly identified with a Gram-Positive and Negative Identification card used in conjunction with the Auto Microbic system. The isolates were distributed in the 17 genera, Bacillus, Flavimonas, Chryseomonas, Actinobacillus, Stenotrophomonas, Corynebacterium, Comamonas, Flavobacterium, Micrococcus, Pasteurella, Pantoea, Pseudomonas, Vibrio, Eikenella, Sphingobacterium, Staphylococcus and Acinetobactor. We found that these bacteria were non-pathogenic bacteria which are often found on the Men of Kendo. Its main constituent were Staphylococcus saprophyticus and Micrococcus luteus, which were followed by Bacillus sphaericus. Results obtained in the successive isolation trials showed that Micrococcus luteus as in figure 1 is typical bacteria of the Men during the four seasons. However, Staphylococcus epidermidis, Staphylococcus capitis, Staphylococcus hominis, Staphylococcus haemolyticus, Pseudomonas stutzri, Bacillus subtilis and Bacillus cereus strains have recently been noticed as the bacteria of opportunistic infections in the clinical medicine.
著者
大谷 栄治 倉本 圭 今村 剛 寺田 直樹 渡部 重十 荒川 政彦 伊藤 孝士 圦本 尚義 渡部 潤一 木村 淳 高橋 幸弘 中島 健介 中本 泰史 三好 由純 小林 憲正 山岸 明彦 並木 則行 小林 直樹 出村 裕英 大槻 圭史
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.349-365, 2011-12-25
被引用文献数
1

「月惑星探査の来たる10年」検討では第一段階で5つのパネルの各分野に於ける第一級の科学について議論した.そのとりまとめを報告する.地球型惑星固体探査パネルでは,月惑星内部構造の解明,年代学・物質科学の展開による月惑星進化の解明,固体部分と結合した表層環境の変動性の解明,が挙げられた.地球型惑星大気・磁気圏探査パネルは複数学会に跨がる学際性を考慮して,提案内容に学会間で齟齬が生じないように現在も摺り合わせを進めている.本稿では主たる対象天体を火星にしぼって第一級の科学を論じる.小天体パネルでは始原的・より未分化な天体への段階的な探査と,発見段階から理解段階へ進むための同一小天体の再探査が提案された.木星型惑星・氷衛星・系外惑星パネルは広範な科学テーマの中から,木星の大気と磁気圏探査,氷衛星でのハビタブル環境の探査,系外惑星でも生命存在可能環境と生命兆候の発見について具体的な議論を行った.アストロバイオロジーパネルでは現実的な近未来の目標として火星生命探査を,長期的な目標として氷衛星・小天体生命探査を目指した観測装置開発が検討された.これらのまとめを元に「月惑星探査の来たる10年」検討は2011年7月より第二段階に移行し,ミッション提案・観測機器提案の応募を受け付けた.
著者
安藤 寿男 七山 太 近藤 康生 嵯峨山 積 内田 康人 秋元 和実 岡田 誠 伊藤 孝 大越 健嗣
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

日本各地の白亜系~現世カキ化石密集層や現生カキ礁において,産状や堆積構造の観察,カキ類の形態・生態調査から,個々の密集層や礁の形成過程を復元し,形成要因を考察した.道東の厚岸湖では現世カキ礁を含む完新世バリアーシステムの堆積史や海水準変動を復元し,パシクル沼では縄文海進初期の津波遡上による自生・他生カキ化石密集互層を認定した.また,九州八代海南部潮下帯のカキツバタ礁マウンドの地形や生態を調査した.
著者
白松 俊 池田 雄斗 後藤 誉昌 成瀬 雅人 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.12, pp.1-7, 2016-12-06

大規模な合意形成やオープンガバメントを実現する上で,Web 上での議論は大きな可能性を秘めている.しかし,多数の参加者による議論内容を把握することは困難であり,未だ技術的な課題は多い.本研究では特に,多数の参加者が Web 上で議論する際,混乱することなく合意形成に至るために必要なファシリテーション機構の自動化を目指す.具体的には,(1) Web 議論システム COLLAGREE を用いた社会実験により収集した議論コーパスを分析し,ファシリテータエージェントの発話生成機構が満たすべき要件を検討する.また,(2) 共創的に市民が協働するプロジェクトを想定し,プロジェクトファシリテーションの観点から満たすべき要件を検討する.さらに,(3) 議会の議事録等を Web 議論の材料として用いる上で,満たすべき要件を検討する.
著者
安藤哲志 藤井雄太郎 川口将吾 伊藤孝行
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.347-348, 2011-03-02

近年,掲示板やブログといったユーザーが自由に投稿できるWebサイトが増加している.ユーザーが自由に投稿可能なWebサイトでは,未成年に有害な投稿がされることがあり問題となっている.多くのWebサイトでは,有害な記事が投稿されたのちに,人手の確認によって対応を行っている.しかし,人手による対応では運営コストが大きくなってしまう問題がある.本稿では,有害な投稿記事を自動的に判定する手法の提案を行う.本稿での提案手法は,有害な文書である負例と有害では無い文書である正例から,共起情報を抽出した辞書を作成し,判定に用いる.
著者
伊藤 孝士
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.149-153, 2015-02-25

惑星や小惑星・彗星といった太陽系天体の運動はケプラー運動でよく近似できる.これらの天体の多くはより重い中心天体を周回し,そこに働く摂動は一般に小さい.また現代に於いては天体同士の衝突も稀であり,力学的には太陽系を保存系と看做すことも妥当である.これらの性質により太陽系力学はシンプレクティク数値積分,特に微小摂動系向けの計算方法と親和性が高い.本節では太陽系力学の様々な局面で利用されるシンプレクティク数値積分法のいくつかを紹介し,その現状と課題・将来の展望について簡潔に述べる.
著者
伊藤 孝紀 松岡 弘樹 田中 恵
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.6_51-6_60, 2016-03-31 (Released:2016-05-30)
参考文献数
22

本研究は,名古屋テレビ塔を対象として,展望台の空間特性と活用の可能性を明らかとすることを目的とする。 名古屋テレビ塔における展望台と1Fの関係を把握するために来場者数調査をおこない,名古屋テレビ塔に対する来場者の意識を把握するために意識調査をおこなった。さらに,展望台来場者の滞留の特徴を把握するために滞留調査をおこない,意識調査と滞留調査の双方から空間特性の分析をおこなった。 来場者数調査から,展望台および1F外部のイベント実施の有無により,展望台来場者数に変化がみられないことを把握した。意識調査から,展望台来場者が展望台に求める新たな機能やイベントコンテンツに加え,1Fでの展望台情報の必要性や効果的な発信方法,展望台の空間評価を把握した。滞留調査から,景色に加え,設置物の配置や種類が,展望台来場者の滞留位置や滞留時間に影響を与えることを把握した。 以上より,名古屋テレビ塔における展望台の空間特性を把握し,展望台活用における新たな指針を示した。
著者
林 宏樹 成田 康輔 伊藤 孝紀
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.108, 2011 (Released:2011-06-15)

本研究では、市民主体イベントを運営している大ナゴヤ・ユニバーシティー・ネットワークを事例とし、イベント実施後の継続活動を整理し考察することで、継続活動の継続要因を明らかにすることを目的とする。本調査では大ナゴヤ大学の企画者のうち、市民主体イベントを通して市民から自発的に企画者へ移行したボランティアスタッフを調査対象とし、ボランティアスタッフ会議の追跡調査を行った。これにより、「ブログを活用した情報発信の充実」「既存の企画スタッフとの連携強化」「主体となって企画したイベントの実施、継続」が継続要因として明らかになった。これらを促進することで、市民主導のまちづくりへの展開や発展が期待できると考えられる。
著者
早川 知道 伊美 裕麻 伊藤 孝行
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.317-326, 2016

日本のOpenStreetMap(OSM) は活発な活動により多くの成果物が作成されているが, 持続可能なコミュニティとなり多くの社会活動に成果物を活用するためには, 様々な課題がある. 本稿では, 日本のOSMの現状分析を行い, 今後の課題を明確にし, 日本のコミュニティに問題提起するための検証をした. 最初に, 成果物数と貢献者数について日本とOSM先進地域で比較調査分析し, 日本のOSMの現状と課題を明確にした. 次に, OSMの品質の要素である, 成果物の粒度について調査した. 調査の結果, 貢献者をいかに定着させるか, さらには, 新たな貢献者をいかに増やすのか, が日本のOSMコミュニティの課題となった.
著者
伊藤 孝夫
出版者
宇部工業高等専門学校
雑誌
宇部工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03864359)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.37-57, 2006-03

The main purpose of this research was to discover the behavior of corporate organization. In order to accomplish this, the author reviewed research pertaining to organization theory and investigated five typical theories such as Organizational Ecology Theory, Institutional Theory, Resource Dependence Theory, Transaction Cost Theory and Organizational Network Analysis in this paper. Based upon the comparative study of the five organization theories mentioned above, and the economic theory of Sismonde de Sismondi, the author found that network analysis could be considered as a comprehensive effect perspective. Due to the advances in many application areas such as sociology, economics, and others, it has become increasingly apparent that the study of network organization is of crucial importance. Characters of quantitative measurement and qualitative analysis for network organization are explained in this paper. The new issue of the relationship between network analysis and the architecture of production system are referred to at the end of this paper.
著者
西川 智佳 伊藤 孝行 永井 明彦 丸山 智美
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

今日,投稿型レシピサイトが普及しているが,これらは詳細な栄養量情報が記載されていないことが多い.よって,ユーザは自身で栄養を考慮しなければいけない.そこで,ユーザの身体情報やアレルギー食材を元に,様々な栄養素を考慮した献立表推薦システムを提案する.また,ユーザは実際に食べる食品を入力でき,その食品のエネルギー量を元に献立表が再調整される.また,栄養士の評価を受け,本システムの妥当性を確認した.