著者
平石 健太郎 柴田 大地 西田 智裕 山口 直子 鈴木 祥太 芳野 魁 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2019-ICS-195, no.14, pp.1-7, 2019-03-11

本稿では,投稿文書の分散表現を用いたフィルタリング手法を提案する.近年,オンライン上での議論が活発化している.ただし,これらの議論には無関係のスパムなどの有害なコンテンツが多数あり,また相手を侮辱したり差別したりする激しい発言がある.従って,不適切な発言を削除して安全にオンラインユーザーが参加できる議論環境を構築することが必要になる.不適切な発言を削除するには,文書の意味を理解し分類することが必要である.本稿では,doc2vec を文書のベクトル化,ELMo を単語のベクトル化に用い,ベクトル化された文書を文書類似度計算とディープニューラルネットワーク (DNN) を用いてフィルタを構築した.評価実験では提案手法が高い精度で不適切文書を分類できたことを示す.また実際のリアルタイムの議論でも運用を行い実用性を確認する.
著者
伊藤 孝佑 久慈 渉 後藤 昌夫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.256-261, 2023-07-01 (Released:2023-07-01)

特許庁では,特許行政事務の高度化及び効率化を目的に,2016年度から人工知能(AI)技術の適用可能性の検討を着実に進めており,2017年及び2022年に公表された「人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プラン」に沿って,企画,実証,導入のフェーズで各プロジェクトを進めてきた。本稿では,これまで策定してきた2つの「アクション・プラン」について,経緯を含め紹介するとともに,新しいアクション・プランに沿った最新の取組として,自然言語処理分野での新たな技術を活用した,「特許事前学習モデルに関する実証的研究事業」に関して説明する。
著者
白松 俊 末永 彩羽 吉村 友希 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 97回 (2023/2) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.30-37, 2023-02-27 (Released:2023-02-27)

2022年にOpenAIが公開したChatGPTやGPT-3.5は、プログラミングに無縁な人々にも広く浸透し、「AIの民主化」とも呼ばれる社会現象になっている。これら大規模言語モデルが生成する返答には嘘やフェイク情報が高確率で含まれるという問題はあるにせよ、非常に幅広いドメインに関して論理的な応答生成が可能である。フェイクが含まれる可能性があることを踏まえて活用すれば、議論の発散フェーズにおける発想支援や、社会課題解決に関するアイデアワークショップ(アイデアソン)などで活用できる可能性がある。また、ファシリテーターが行うような問いかけを生成したり、議論を構造化するためにも、大規模言語モデルが活用できる可能性がある。本稿では、GPT-3を活用したプロトタイプの評価実験や、ChatGPT上での社会課題解決に関する対話例を紹介し、その活用可能性を検討する。
著者
土井 隆一郎 阿部 由督 伊藤 孝 中村 直人 松林 潤 余語 覚匡 鬼頭 祥悟 浦 克明 豊田 英治 平良 薫 大江 秀明 川島 和彦 石上 俊一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.256-261, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
9
被引用文献数
1

膵神経内分泌腫瘍(pNET)は神経内分泌組織にある腸クロム親和性細胞由来の腫瘍であるとされる。実際に遭遇する腫瘍の種類は多く,腫瘍ごとに症状が異なるため診断方法もさまざまである。しかしながらpNETと診断された場合はすべて外科切除の適応と考えるべきである。インスリノーマ以外の腫瘍は転移・再発のリスクが極めて高く,リンパ節郭清が必要である。肝転移を伴っている場合は予後不良であるが,一方,切除によるメリットがあると判断される場合は肝切除の適応がある。外科切除のみで根治できない症例が多く,集学的治療を考慮しなければならない。pNETに対する分子標的治療薬を組み込んだ治療体系の整理が必要である。
著者
山根 清美 湯浅 皓太 伊藤 孝起 小砂 匡 竹村 幾史
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.88, no.916, pp.22-00198, 2022 (Released:2022-12-25)
参考文献数
10

We propose a method for solving differential equations implicitly using iterative calculations in spreadsheet software. This method uses difference equations by discretizing the coordinates of the independent variables with cells of spreadsheet for analysis. Thus, the equations are embedded in the cells performing substitution of grid point. In addition, the embedded equations are solved by Newton’s method, and the iterative function of the spreadsheet software is used in the calculation. This method can be applied even when the differential equation is discretized by an implicit solution method. Therefore, it can be applied to ordinary and partial differential equations of different types. The advantages of discretization using the implicit method (high computational accuracy, large time increments) are also presented in this paper. The analysis procedure is almost the same regardless of the type of equation. In this paper, as an example, a simple differential equation was analyzed using Microsoft Excel, a typical spreadsheet software, to illustrate the method. The results are also shown by the analysis of the gas lubrication equation.
著者
山根 清美 湯浅 皓太 伊藤 孝起 小砂 匡 竹村 幾史
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
pp.22-00198, (Released:2022-11-28)
参考文献数
10

We propose a method for solving differential equations implicitly using iterative calculations in spreadsheet software. This method uses difference equations by discretizing the coordinates of the independent variables with cells of spreadsheet for analysis. Thus, the equations are embedded in the cells performing substitution of grid point. In addition, the embedded equations are solved by Newton’s method, and the iterative function of the spreadsheet software is used in the calculation. This method can be applied even when the differential equation is discretized by an implicit solution method. Therefore, it can be applied to ordinary and partial differential equations of different types. The advantages of discretization using the implicit method (high computational accuracy, large time increments) are also presented in this paper. The analysis procedure is almost the same regardless of the type of equation. In this paper, as an example, a simple differential equation was analyzed using Microsoft Excel, a typical spreadsheet software, to illustrate the method. The results are also shown by the analysis of the gas lubrication equation.
著者
佐藤 拓実 HADFI Rafik 武田 弘太 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2C1GS604, 2022 (Released:2022-07-11)

自分の意見を述べたり,情報を共有したり,様々な問題について合意形成を行うために議論は重要である.オンライン議論プラットフォームをはじめとしたソーシャルメディアの普及により,議論における意見数や多様性は増加し,議論を自動的に取得することはより困難になっている.本論文で提案する議論検索は,検索エンジンの基本的なプロセスに準じ,indexing process(索引付け処理)とretrieving process(検索処理)から構成される,新しい試みである.索引付け処理では,自然言語処理技術を用い,前処理されていない議論のテキストデータを,検索可能な形へと変換する.検索処理では,類似した議論を適切に取得する.我々の提案手法では,議論の複雑性を適切に取り扱うために議論のモデル化手法を用いる.実験により,本手法が類似議論の検索に有効であることが示された.また,議論モデル内の要素,要素間の関係を利用し検索を行うことで,検索精度が向上することが示された.更に我々は,オンライン議論プラットフォーム上での議論支援に活用するための議論検索機構の実装を目指しており,その試作について紹介する.
著者
柳沢 俊史 吉田 二美 伊藤 孝士 奥村 真一郎 小田 寛 池永 敏憲 吉川 真 樋口 有理可
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

これまでの近地球小天体の発見手法とは全く異なる新たな検出手法を開発し、実際に日本及び豪州でのサーベイ観測をとおして近地球小天体を9つ発見した。これにより小型の望遠鏡とFPGAを利用した高速解析による安価で効率的な近地球小天体の発見手法が確立され今後多くの近地球小天体、特にこれまでほとんど発見されてこなかった10m-数100m級の近地球小天体の発見に大きく貢献すると思われる。これにより太陽系進化に関するあらたな知見をもたらすことが期待されるとともに地球衝突天体の早期発見にも役立つはずである。
著者
脇田 茂 瀧 哲朗 伊藤 孝士
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.124-139, 2019-06-25 (Released:2020-01-24)

太陽系内に存在する小天体を活動的な天体とそれ以外に分ける時,前者の代表は彗星であり,後者の代表は小惑星と言えよう.ところが昨今,小惑星に分類されるものの彗星で見られるダストテイルが観測されるような天体が続々と発見されている.こうした天体は活動的小惑星と総称され,それらの実態や活動の原因を知ることは太陽系内の物質輸送や力学進化・衝突進化を理解することに繋がる.本稿では活動的小惑星を通して太陽系の歴史を読み解くことを目指して私達が開催した一連の勉強会で得られた知見のまとめを記し,更には活動的小惑星の今後の研究の方向についていくつかの考察を行う.
著者
向井 絵美 伊藤 孝憲 苑 秋一 清水 悟史 加藤 淳
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.453-458, 2022 (Released:2022-03-04)
参考文献数
21

自動車部品の軽量化に関連して各種の樹脂溶着法が注目されている.振動溶着は被着体を接触振動させて生じる摩擦発熱により溶融する方法である.一方,赤外線溶着は被着体を赤外線により非接触で加熱して溶融する方法である.本発表ではこれらの溶着工法を用いたPPS樹脂の接合界面の構造や物性の相違について報告する.
著者
伊藤 孝紀 豊福 拓歩 鈴木 篤也 吉田 夏稀 西田 智裕
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.86, no.790, pp.2632-2642, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

In recent years, further improvement in intellectual productivity has been demanded due to the progress of the knowledge society. Along with this, the way of working places has been reviewed, such as increasing the degree of freedom of working hours and places, improving productivity, and improving the working environment to facilitate communication. Meanwhile, it is said that activation of communication is indispensable for knowledge creation in the field of cognitive science, and it is important to focus on gestures and utterances in order to understand the characteristics of knowledge creation. In addition, the idea of “Activity Based Working (ABW)” has emerged as a work style that allows workers to choose the environment according to the diversified work content, increasing the opportunity to take various postures in various spaces. Base on above, the objective of this study is to clarify effects of postures focus on gestures and utterances. This study is comprised of Task selection experiment, Speaking tendency grasping experiment, utterances and gestures, text mining of utterance content. The results are as follows. Table 5 show results of Task selection experiment. Theme A. B. C. G was selected in this survey. Fig. 5 and Table 13 show results of Speaking tendency grasping experiment. Points of motivation was highest in standing. Points of ideas was highest in low sitting. Table 15 and Fig. 6 show results of utterances and gestures. This survey clarified that posture has little effect on speaking time and number of utterances, number of turn-taking, gesture time, and gesture occurrence frequency. Table 17 and Fig. 8 show results of text mining of utterance content. Number of networks was least in standing and most in low sitting.