著者
高橋 純平 閔 庚錫 伊藤 孝紀
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.59, 2012

本研究は、今後の開発が予定される名古屋駅周辺地区南エリアと、前稿において「演出装置」として抽出されたナナちゃん人形を対象とし、異なった属性にグループインタビュー調査を行うことにより、地区と演出装置の現状把握と将来の活用方法の抽出を目的とする。<br>基礎調査において名駅南エリアの施設群、ナナちゃん人形を高く評価していた20代の来街者14名を被験者とし、属性の異なる3グループに分類し、各グループ1時間のインタビュー調査を行った。得られた回答を表1に示す空間資源の分類に基づいて集計することで、地区と演出装置の現状把握と将来の活用方法の抽出を行った。<br>異なった属性に対するグループインタビュー調査から、地区と演出装置の現状把握と将来の活用方法の抽出を行った。今後は、本研究の知見を踏まえた提案に対する評価調査を行うなど、名駅地区におけるプレイス&bull;ブランディングの構築へ向け調査を進めていく。<br>
著者
荒井 朋子 川勝 康弘 中村 圭子 小松 睦美 千秋 博紀 和田 浩二 亀田 真吾 大野 宗佑 石橋 高 石丸 亮 中宮 賢樹 春日 敏測 大塚 勝仁 中村 智樹 中藤 亜衣子 中村 良介 伊藤 孝士 渡部 潤一 小林 正規
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.239-246, 2012
参考文献数
54

地球近傍小惑星(3200)Phaethonは,ふたご座流星群の母天体であるが,彗星活動は乏しく,彗星と小惑星の中間的特徴を持つ活動的小惑星(あるいは枯渇彗星)と考えられている.また,ふたご座流星群のスペクトル観測から報告されているナトリウムの枯渇及び不均質は,太陽加熱の影響よりも局所的部分溶融を経た母天体の組成不均質を反映している可能性が高い.部分溶融の痕跡を残す原始的分化隕石中に見られる薄片規模(mm-cmスケール)でのナトリウム不均質は,上記の可能性を支持する.従って, Phaethonでは局所的な加熱溶融・分別を経験した物質と,始原的な彗星物質が共存することが期待される. Phaethonは,太陽系固体天体形成の最初期プロセスを解明するための貴重な探査標的である.また,天文学,天体力学,小惑星・彗星科学,隕石学,実験岩石学などの惑星科学の多分野に横断的な本質的課題解明の鍵を握る理想的な天体である.本稿では,小惑星Phaethon及び関連小惑星の科学的意義と探査提案について述べる.
著者
伊藤 孝紀 岩崎 翔太 山本 雄一 西田 智裕
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1_90-1_93, 2021

<p>本作品は、愛知県岡崎市康生通りにおいて、株式会社まちづくり岡崎が道路空間再編に向けて実施した社会実験である。まず、岡崎のシンボルである岡崎城をモチーフとして白と黒を基調としたストライプのロゴマークを設定するとともに、市民の要望を把握するためのワークショップをおこなった。そこで得られた要望を反映させた社会実験をおこなった。<br>公共空地に白と黒の什器を設置し、キッチンカーを誘致することで、康生通りと一体的な空間を創出した。また、沿道店舗の軒先を活用することで、歩道上に多様な行為を誘発した。加えて、パークレットを設置することで、車道上に憩いのための場を創出した(図1)。<br>通過するだけの人が多かった康生通りに、多様な行為を含む滞留が生じた。康生通りにロゴマークを展開することで、通りのデザインを統一し、市民が誇りを持った街づくりを演出することができた。<br></p>
著者
伊藤 孝一 Koichi Ito
出版者
淑徳大学人文学部紀要委員会
雑誌
研究論集 (ISSN:21895791)
巻号頁・発行日
no.4, pp.109-118, 2019

日本のテレビ放送が始まって65年。テレビはメディア・コミュニケーションの中心的な役割を担い、人々に大きな影響を与えてきた。テレビ番組の中で、報道やスポーツとならぶ大きな存在であり、大衆文化を先導してきたのがドラマである。「生ドラマ」と呼ばれる生放送から始まり、VTR機器類の進化、山田太一・向田邦子・倉本聰という「シナリオライター御三家」やこの後の有能なシナリオライターの登場により、テレビドラマはエンタテインメントを担うコンテンツとして大きく進展してきた。しかし、この数年、「俳優が出演を拒否する」「視聴率が取れない」「バラエティ番組枠に変更する」などという声が聞かれ、テレビドラマは不振と言われている。ドラマは「時代を映す鏡」といわれて久しいが、いま醸し出されている人々の意識、あるいは時代の空気感とドラマの創造性="クリエイティビティ"との関係に視点をおいて、現在のテレビドラマにおけるクリエイティビティについて論じる。
著者
藤井雄太郎 安藤哲志 伊藤孝行
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.397-398, 2011-03-02

近年,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やブログ等では,未成年にとって悪影響を及ぼすような書き込みや画像,または動画などの存在が問題となっている.そのため,効率的かつ自動的に有害な情報を適切に判別し,人への負担を軽減するための研究が進められている .本稿では,掲示板等の文章に注目し有害な情報の判別を行う.文章中の複数単語間の共起情報、距離情報に加え、グレイワードという概念を定義し、それらを用いた有害文書分類手法を提案する.また,今回判別する文章の対象として,過度な性的描写を含む文章とする.
著者
今井 圓裕 伊藤 孝仁 猪阪 善隆
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.800-807, 2004-04-10
参考文献数
22

腎疾患における最も重要な問題は増加する慢性腎不全患者をいかに抑制するかであり,この根本的な解決は患者にとっての福音であるばかりでなく,医療経済的にも大きなメリットとなり,今後も引き続き重点的に研究が続けられるであろう.ポストゲノム研究の中心的な課題であるゲノム創薬は国際的に熾烈な競争が行われているが,腎臓分野もその重要なターゲットである.ただし,腎疾患関連遺伝子の同定がボトルネックとなっており,遺伝子の同定および機能解析が急務である.糸球体腎炎や腎線維化に対する遺伝子治療および腎再生医療などの革新的な治療法の開発はわが国が先行する状況で行われている.腎移植は移植領域では最も進んだ治療法であり,移植腎の長期生着をめざした研究が活発に行われている.また,最近開発された急性拒絶反応を起こさない&alpha;1, 3-galactosyltransferase欠損ブタの腎臓がヒト代用腎として使用される日も遠くはないと思われる.
著者
太田 隆徳 伊藤 孝一 杉浦 時雄 小山 典久 齋藤 伸治 村上 周子 田中 靖人
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.403-412, 2021-07-01 (Released:2021-07-08)
参考文献数
38

症例は2歳男児.母と姉と祖母がB型肝炎ウイルス(HBV)キャリアで,母と姉はHBe抗原陽性かつ高HBV DNA量(HBV DNA>7 log IU/ml)だった.出生直後に抗HBsヒト免疫グロブリンが投与され,HBワクチンが出生時,生後1,6カ月時に接種された.1歳時にHBs抗原陰性,HBs抗体333.8 mIU/mlだったが,2歳時にHBs抗原0.25 IU/ml,HBs抗体115.6 mIU/ml,HBV DNA 3.5 log IU/mlとHBV感染が成立した.直接シークエンス法による遺伝子解析により,本児,母,姉由来のHBVにワクチンエスケープ変異として知られるG145R変異とP120Q変異を認めた.母と姉が保有していた変異株が1歳以降に本児に水平感染したと考えられた.高ウイルス量HBVキャリア妊婦から出生した児では,2歳以降も継続的なフォローアップと積極的なワクチン追加接種も考慮する必要があると考えられた.
著者
伊藤 孝行 大栗 和久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.2792-2804, 2004-12-15
参考文献数
15
被引用文献数
2

コンピュータ関連技術の進歩による作業の非同期化,作業環境の分散化,勤務形態の変化にともない,組織のメンバの状況をリアルタイムに知ることが重要になっている.組織内の位置情報をメンバ間で共有することができれば,相手の状況を配慮したコミュニケーションやコラボレーションの方法を動的に選択することが可能となり,組織活動をより効果的に支援できる.一般的に,位置情報取得技術には,状況によっては位置検出ができないという問題点がある.また,より正確な検出と,そのコストにはトレードオフが存在する.本研究で用いた位置検出システムEIRIS も,同様に利用状況によっては位置検出できないという問題点をかかえていた.本研究ではEIRIS により取得した位置情報とともに,状況に応じて位置検出システムの過去の情報から構築した確率ネットワーク,経験的ルール,スケジュール,書き置き情報を基にした推定による情報を表示する位置情報システムを実現した.位置情報システムでは位置検出が困難な際にも連続的に位置情報を提示することを可能としている.また本研究では,メンバの行動傾向の取得が比較的容易な組織として,大学院の研究室を対象とした.本位置情報システムを7 名から構成される研究グループにて試用し,実験を行った.実験では,各メンバの位置情報を共有することによる利用者の影響と推定情報の精度についての2 つを主な評価項目として行い,実験結果を基に評価・分析することにより位置情報システムの有用性を示す.In this paper, we present an implementation of a real-time position inference system for a research group. In a research group, knowing the other members' presence, predicting visitors, and holding real-time meetings are time-consuming but important tasks in everyday life. Thus, in this system, we realize a prediction mechanism for group members and visitors. We also develop a support mechanism for holding real-time meetings. In order to implement a real-time position inference system, we need to detect location information of group members. In our school building, EIRIS (ELPAS InfraRed Identification and Search System) has been installed, and we utilize EIRIS to detect members' positions. However, there exists a trade-off between the value and cost of detecting exact positions. Thus, we first try to complement EIRIS's detection ability by employing a stochastic method, probabilistic reasoning, and heuristic rules. Then, we implement a visitor prediction mechanism and a real-time meeting support mechanism. Our experiments demonstrate that our position inference mechanism is more effective than a simple prediction mechanism that employs only stochastic data. According to questionnaires, we could confirm the effect of our system. Furthermore, we discuss on privacy issues that are important in planning positioning system for people.
著者
大塚 孝信 森 顕之 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.4J15in, 2014

<p>近年,食用に安定した供給が必要である魚類や,観賞用として価値の高い生体の繁殖や飼育が広く行われている.しかし,安定した飼育や完全養殖を行うには専門知識と大きな手間が必要である.また,飼育当初は水質が安定していても,生態環境の変化により飼育個体全滅などの事例もあり,飼育データの共有が重要である.本研究では,各種センサ情報に基づき,飼育難易度の高い生体に適した飼育データを共有するシステムを試作した.</p>
著者
杉岡 敬幸 平 翔 深町 駿平 伊藤 孝紀
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1_74-1_77, 2017

<p>本作品は、名古屋市熱田区の白鳥公園内に所在する名古屋国際会議場における観光案内所の改修計画である。まず、現状の利用実態と評価を把握するために、来場者の行動観測調査と要望調査をおこなった。そこで得られた知見から、案内所改修の指針を定め、デザイン提案した。<br>名古屋の歴史・観光情報を発信する空間を創出するに際し、名古屋市の市章である「八マーク」よりデザインモチーフを抽出した。このデザインモチーフを壁面、ベンチ、リーフレット配架棚など様々なスケールで展開し、施設の既存のテーマカラーのマルーンによって空間全体を演出することで、あたたかみのある空間を実現した。「8個の集合」という意味を持つ「OCTET」というコンセプトのもと、「8」を基準として名古屋の観光や歴史など様々な要素を1つの空間に集結させることで、名古屋の魅力を体感することができる観光案内所を創出した。</p>
著者
伊美 裕麻 伊藤 孝行 伊藤 孝紀 秀島 栄三
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1996-2010, 2015-10-15

オンライン議論に関する研究分野では,多様な視点を持った大規模な人数による意見集約が重要な研究課題となってきている.たとえば,都市開発での市民参画の分野において,強い民主主義や効率的な都市計画の実現を目指し,市民から直接的により多くの意見を集める議論システムの実現が求められている.一方で,集合知の観点から,WikipediaやLinuxのような大規模な参加を前提としたオープンな協働活動やオープンソースソフトウェア開発活動では,一部のマネジメント層による管理や整理がきわめて重要であることが指摘されている.オンライン議論においても,自然に集約が進むわけではなく,マネジメント層が必要であるといえる.本論文で提案するシステムCOLLAGREEでは,大規模なオンライン議論におけるマネジメント層の役割として,人間のファシリテータを導入し,適切な議論プロセスの進行を導く.社会実験として,名古屋市次期総合計画に関するインターネット版タウンミーティングにCOLLAGREEを導入した.本社会実験では,2週間で,264名の登録者,1,151件の意見,18,466件の閲覧を得ることができた.実験結果より以下の4つの知見を得た.(1)ファリシテーションの有用性が確認できた.また,ファシリテーション支援機能とファシリテータによる(2)炎上のような不適切な状態の回避と,(3)議論における発散と集約の適切な進行ができた.さらに,インターネット版のタウンミーティングとして,(4)若い年齢層の参加者を集めることができた.
著者
伊藤 孝
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.33-67, 1989-07-30 (Released:2009-11-06)

The purpose of this paper is to clarify the characteristics of business activities of Standard Oil Co. (New Jersey) -the present name is Exxon Corp.-in the United Kingdom from right after World War II through the late 1950's.The main characteristics were as follows : (1) The Company was able to make most products with its new refinery in the U.K.. At the first the Company hesitated to build and operate the refinery because of some problems, especially uncertainty as to use of fereign exchange for remitting profits to the U.S.A. and other payments. But it had no choice but to do that in order to keep its position in the British market.(2) The Company strenghened control over the retail market of gasoline, a main item among petroleum products, chiefly by extending network of exclusive outlets. But the primary motive to bring the network into its marketing channel did not directly come from marketing itself, but from refining. The Company needed enough and reliable outlets which helped to make operation of the refinery high level.(3) The Company's local rifining depended on its operations (producing and purchasing crude petroleum) in the Middle East. But on the other hand the operation in the U.K. influenced them in the Middle East. Under the dollar shortage in the U.K., the Company could hardly use crude petroleum produced by Aramco for the refining because of its so-called dollar oil. The Aramco crude development program had already been reduced in the late 1940's.
著者
伊藤 孝
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.32-60, 1986-07-30 (Released:2009-11-06)

Standard Oil Company (New Jersey) -the present name is Exxon Corporation-has been the biggest company in the world petroleum industry since the late 19th century. The purpose of this paper is to clarify the characteristics of business activities of the Company during World War II.The main characteristics were as follows : (1) The Company maintained and shored up the fundamental structure of operations which had been established during the 1920s and 1930s : the crude oil production department played a most important part in dominating other companies; the cartel continued to be effective in crude oil production, especially in the U.S.A.; the range of operations was worldwide in wartime as well as before the war.(2) The Company manufactured strategic munitions, that is, aviation gasoline (100-octane), butadiene and synthetic toluene. I think this was an important beginning for petroleum chemical operations by the Company. But it was small in scale in contrast to other operations. I estimate that it didn't provide profits of any importance.(3) The Company made use of government finances, which were essential. But it used them chiefly for operations which had little validity in peacetime. The main operations, for instance, crude oil production, were carried out using the company's own capital.