著者
高尾 哲也 佐々木 恵美 鈴木 利人 白石 博康
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1361-1363, 2001-12-15

突発性射精は,性的刺激や性的思考とは無関係に突然に射精する状態である。1983年にRedmondら6)が初めて報告して以来,器質的脳疾患に併発した症例報告4,5)などはあるが,未だその発症機序は明らかではない。 筆者らは,13歳時より不安・緊張時に突発性射精を呈し,後に精神分裂病を発症した1例を経験した。稀な症例と思われたので,若干の考察を加えて報告する。
著者
二宮 周平 田中 通裕 村本 邦子 渡辺 惺之 櫻田 嘉章 中野 俊一郎 佐上 善和 渡辺 千原 山口 亮子 松本 克美 立石 直子 松村 歌子 廣井 亮一 酒井 一 織田 有基子 長田 真理 高杉 直 北坂 尚洋 黄 ジンティ 加波 眞一 樋爪 誠 中村 正 団 士郎 佐々木 健 松久 和彦
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

家事紛争の中でも未成年の子のいる夫婦の紛争は、当事者の葛藤の程度に応じて3段階に分けることができる。葛藤が低い場合には、情報の提供や相談対応で、合意解決の可能性があり、中程度の場合には、家裁の家事調停において、調停委員や家裁調査官の働きかけによって合意解決の可能性がある。DVや児童虐待など高葛藤の場合には、家裁の裁判官が当事者を説得し、再度の和解や付調停により合意解決を図るとともに、監視付き面会交流など公的な場所、機関によるサポートや養育費の強制的な取り立てなど裁判所がコントロールする。当事者の合意による解決を促進する仕組みを葛藤の段階に対応して設けることが必要である。
著者
小澤 広直 佐々木 葉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.38-52, 2021 (Released:2021-05-20)
参考文献数
49

本報告では,昭和戦前期から戦災復興期にかけて内務省や建設省の土木エンジニア,建設官僚として活躍した都市計画家町田保(1903-1967)に着目し,町田の著した論考や書籍,公文書や事業記録などの資料を用いて,町田の経歴や仕事を整理するとともに,代表的な仕事の特徴や町田の考え方について把握することを目的とする.町田に関する年表作成と資料分析を行った結果,戦災復興都市計画では帝都復興事業での経験や知見を生かし,戦災復興院及び建設省の土木エンジニアとして中心的役割を担ったこと,首都建設計画では首都建設委員会事務局長として,戦前の地方計画の研究や戦後のアメリカ都市計画の視察に関する経験を生かし,東京を中心とする衛星都市整備計画や首都高速道路計画の立案に尽力したことなどが把握できた.
著者
松山 新吾 竹田 裕貴 上野 和之 高木 亮治 佐々木 大輔 高橋 俊 菅谷 圭祐 今村 太郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
計算力学講演会講演論文集 2021.34 (ISSN:24242799)
巻号頁・発行日
pp.208, 2021 (Released:2022-03-25)

The Cartesian grid-based CFD is very easy to generate a grid and can be easily applied to the analysis of complex geometries. These requirements are essential for CFD to become a general-purpose tool that can be used by beginners, and the Cartesian grid-based CFD is one of the most promising candidates. On the other hand, it is recognized that the Cartesian grid method still has some problems in reproducing object shapes and handling solid wall boundaries compared to CFD with boundary-fitted grids because the cell interfaces do not fit to the object surface. In this paper, we introduce the “Workshop on Cartesian Grid-based CFD” held at the Fluid Dynamics Conference / Aerospace Numerical Simulation Symposium (held at the end of June or the beginning of July every year). In this workshop, we set up benchmark problems to solve the aforementioned problems, and asked participants to bring the results to the workshop for discussion to improve Cartesian grid-based CFD. We introduce the results of the last workshop and would like to invite new participants to the workshop.
著者
濱野 哲敬 山本 敦史 小林 勉 設楽 仁 一ノ瀬 剛 下山 大輔 佐々木 毅志 高岸 憲二 角田 陽平 大澤 敏久
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.810-814, 2014 (Released:2014-11-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

腱板修復術後の筋萎縮・脂肪浸潤の変化について検討を行った過去の報告は,腱板修復術の手術操作そのものによる影響を考慮しておらず正確な評価がなされていない.本研究の目的は腱板修復術により腱板構成筋群の筋萎縮,脂肪浸潤が改善しうるか,術後早期と術後1年のMRIを用いて検討することである.2010年4月から2012年3月の間に肩腱板断裂の診断にて鏡視下腱板修復術を行った52例52肩を対象とした.筋萎縮の評価はThomazeauらの方法に準じて,棘上筋,棘下筋,肩甲下筋のOccupation ratioを計測し,脂肪浸潤の程度は同じスライスでGoutallier分類に準じて評価した.修復術後2週と1年でのそれぞれの評価を比較検討すると,筋萎縮は棘上筋のみで有意に改善し,この変化は中断裂以下で認められ,脂肪浸潤は棘上筋,棘下筋,肩甲下筋の全てで有意に改善し,この変化は大・広範囲断裂例で認められた.
著者
佐々木 健志
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第51回日本生態学会大会 釧路大会
巻号頁・発行日
pp.283, 2004 (Released:2004-07-30)

沖縄島北部の山地には、イタジイを優占種とするオキナワウラジロガシ、イスノキなどからなる常緑広葉樹の森林が広がっている。このうち、イタジイやマテバシイ、オキナワウラジロガシなどのブナ科植物が生産する大量の堅果は、様々な動物の重要な餌資源となる一方で、動物による堅果の加害や散布がこれらの樹木の更新や分布の拡大に様々な影響を与えている。今回、ネズミ類の巣穴調査中に偶然発見された、サワガニ類によるブナ科堅果の貯食行動に伴う種子散布の可能性について報告する。 当地域には5種類のサワガニ類が生息しており、水への依存度の違いにより活動空間の異なることが知られている。このうち、林床で活動することが多いオオサワガニの5例と主に水辺で活動するオキナワミナミサワガニの1例で、イタジイ堅果(1例のみオキナワウラジロガシ)の巣穴での貯食行動が確認された。両種とも、巣穴は沢の流底から0.4_から_5m離れた谷の斜面部に直径葯10cm、長さ40cm程の坑道が水平に掘られていた。ファイバースコープで巣穴内の個体が確認できた6例中、雌雄の識別ができなかったオオサワガニの1例を除き全てメスで、体サイズも40mm以上と全ての個体が成体と考えられた。このことから、堅果の貯食行動は高栄養の餌を必要とする産卵前のメスに特有の行動である可能性が高い。巣穴内の堅果は、底の一部を残して種皮ごと食べられるか、縦方向に割られ中身のみが食べられるかで、同様の採餌痕は室内実験でも確認された。食べ終わった種皮は、巣穴の入り口近くに多く貯められており、各巣穴で63_から_168個の堅果が確認された。また、これらの中には未食の堅果が1_から_22個含まれており、一部に発芽が見られたことから、サワガニ類が、種子が定着しにくい谷の上部斜面への種子分散を行っている可能性が示唆された。
著者
佐々木 満 松尾 憲忠
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:21870365)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.259-260, 2019-08-20 (Released:2020-05-16)
被引用文献数
1 1
著者
刀祢 和樹 都澤 拓 工藤 謙輔 佐々木 幾星 WEI-CHUAN CHIANG HSIN-MING YEH 中村 乙水 米山 和良 坂本 崇 阪倉 良孝 菊池 潔 河邊 玲
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.22-00026, (Released:2022-12-29)
参考文献数
25

薩南海域におけるカンパチ成魚の遊泳行動を取得し,台湾東部海域の既往知見と比較した。薩南海域の個体は台湾東部の個体よりも移動範囲が狭く,放流した海域の近傍に留まり続けていた。海域間で滞在深度は異なっていたが経験水温は同程度であった。核DNAのITS領域とmtDNAのcytochrome b領域の塩基配列情報を用いて標識個体の種判別を試みたところ,形態的にはカンパチであるにも関わらず,ヒレナガカンパチと同様のcytochrome b領域のPCR-RFLPパターンを示す個体が見られた。