著者
郷原 皓彦 佐々木 恭志郎 山田 祐樹
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.197-205, 2018-03-31 (Released:2018-06-16)
参考文献数
42

We investigated whether the characteristics of autobiographical memory recalled by Japanese onomatopoeia are different from those recalled by non-onomatopoetic Japanese words with similar meanings. One hundred twenty participants were instructed to recall an autobiographical memory corresponding to the meaning of word cues, as well as answer a questionnaire containing 11 items associated with the recalled autobiographical memory. The word cues were eight onomatopoetic or non-onomatopoetic words of similar meanings. The results showed that the onomatopoeia-induced autobiographical memories were more recent compared to the non-onomatopoeia-induced memories. This suggests that the image information inherent in onomatopoeia helps people in recalling more recent autobiographical memories.
著者
佐々木 恒臣 門野 雅夫 菅原 剛太郎 寺田 雅生
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.337-344, 1967 (Released:2010-07-23)
参考文献数
61

A 7 years and 8 months old boy with precocious development of secondary sex characteristics and well developed external genitalia was presented. The urinary excretion of gonadotropin, 17-KS, 17-OHCS and estrogen were under 6muu/day, 3.1-2.18mg/day, 3.28mg/day and 9.0μg/day, respectively. The pneumoencephalographic and electroencephalographic examination revealed no abnormality. Testicular biopsy specimen demonstrated well developed spermatogenesis. From the results above mentioned it was noted that the diagnosis of the patient was an idiopathic precocious puberty.
著者
飯野 久和 青木 萌 重野 千奈美 西牟田 みち代 寺原 正樹 粂 晃智 水本 憲司 溝口 智奈弥 小泉 明子 竹田 麻理子 尾﨑 悟 佐々木 一 内田 勝幸 伊藤 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.171-184, 2013 (Released:2013-09-11)
参考文献数
44
被引用文献数
2 3

【目的】プロバイオティクスを添加していないブルガリアヨーグルトの整腸作用を調べるため,ブルガリアヨーグルトの摂取による糞便中ビフィズス菌増加作用をランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で評価する。【方法】女子学生62名をヨーグルト摂取群(ブルガリアヨーグルトを摂取する群)と酸乳摂取群(ヨーグルトと同じ乳成分からなる乳飲料に乳酸を加えてヨーグルトと同じpHとした酸性乳飲料を摂取する群)に分けた。両群ともに摂取前観察期(2週間),ブルガリアヨーグルトまたは酸乳を1日 100 ml摂取する摂取期(4週間:前半2週間,後半2週間),摂取後観察期(2週間)を設け,糞便中の腸内細菌叢の解析を2週間毎に行い,糞便中ビフィズス菌数を調べた。【結果】試験の除外対象者(過敏性腸症候群様の者,抗生剤の使用者等)および脱落者を除いた女子学生(ヨーグルト摂取群が20名,酸乳摂取群が25名)を評価対象として統計解析した。試験食品を4週間摂取した際の糞便中ビフィズス菌の生菌数は,酸乳摂取群に比較してヨーグルト摂取群が有意に高値となった。【結論】以上の結果より,ブルガリアヨーグルトの摂取によって糞便中ビフィズス菌数が増加し,腸内細菌叢が改善されることが示された。
著者
玉川 裕夫 齊藤 孝親 江島 堅一郎 佐々木 好幸 鈴木 一郎 多貝 浩行 冨山 雅史 日高 理智 森本 徳明 紀 山枚 岡峯 栄子 遠藤 明
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.183-195, 2014 (Released:2016-04-20)
参考文献数
74

本論文は,歯科・口腔外科領域の標準化に関する経緯と現状を,具体的な例とともに整理した総論である.歯科医療情報の電子的交換が広がりつつあるなか,国際的な状況も含めて読者の理解を得ることを目的とした. 歯科の標準病名マスターは,齊藤らによってとりまとめられ,医科の標準病名集とともに一般財団法人医療情報システム開発センターでメンテナンスされて,保健医療情報分野の厚生労働省標準規格の一つとなっている.歯式は,標準病名とあわせて歯科・口腔外科領域の病院情報システムに欠かせないことから,日本の歯式表記の特徴を述べ,国際的な表記の具体例を挙げて比較した.また,SNOMEDとISO/TR 13668(矯正歯科領域の規約)を例に,診療情報交換の場で歯式がどのように扱われているかを解説した.そして,現在使われているその他の指標について紹介し,最後に,歯科領域の標準化に関する今後の課題を考察した.
著者
佐々木 多津子 日景 弥生
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集 第47回日本家庭科教育学会大会
巻号頁・発行日
pp.39, 2004 (Released:2005-02-01)

【目的】家庭科で高校生にジェンダーに気づく授業を実践するときに、高校生のジェンダー観を数値としてつかむことが必要であると考える。高校生のジェンダー観に関する調査はいくつかあるが、それらは高校生の意識を中心とした調査(例えば、「~だと思いますか。」)であり、行動を含む実態調査の報告はあまりない。そこで、ジェンダーに気づく授業を実践するにあたり、高校生のジェンダー観を把握することを目的とした。【方法 】(1)調査対象者及び方法2002年5月下旬~6月上旬に、青森県内の高等学校3校(合計384名;内訳は男子158名、女子226名)で実施した。質問紙法により各学校の家庭科の授業時間に実施したため回収率は100%だったが、データ分析の関係から回答中に「無回答」があった生徒は調査対象から外し、有効回答率は94.1%であった。(2)調査項目アンケート項目は(財)東京女性財団が作成した「ジェンダーチェック学校生活編」「ジェンダーチェック家族・家庭生活編」を参考にし「意識」・「行動」・「感情」に分けて各12項目作成した。(3)集計方法各項目においてジェンダーフリーまたはジェンダーセンシティブと回答した者の割合をジェンダーフリー度(以下フリー度とする)とし、それらの選択肢に対して1点の得点を与え、それ以外は0点とした。このようにして得られた合計点は高い方がジェンダーフリーを示すようにした。【結果および考察】(1)高校生のジェンダーフリー度検定の結果、学校間の有意差はみられなかった。男女別にみると、3校とも女子の方が男子よりも点数が高くフリーとなり、この結果は他の調査とも一致した。各カテゴリー(「意識」「行動」「感情」)におけるフリー度の平均から、「意識」(71.0%)>「行動」(38.0%)>「感情」(31.9%)の順となった。このことから、高校生は「意識」は全般に高いが、「行動」や「感情」ではあまり高くないことが明らかとなった。(2)高校生の実態調査各項目ごとの男女の有意差を検定により調べた結果、36項目のうち16項目で有意差がみられ、男女の有意差についても「意識」より「行動」「感情」で多くみられた。これらの結果より、女子は「男は仕事、女は家庭」という性別役割を多くの面で否定しつつも「仕事を持つ」という意識が低く、結婚したら仕事を辞め、養ってもらいたいと思っている実態も明らかとなった。(3)実態調査から考えるジェンダー学習以上のことから、ジェンダー学習に必要な授業について、次の2つのことが得られた。1つ目は高校生は「意識」ではフリーであることから自分に置き換え、フィードバックして気づくことのできる授業が必要である。2つ目は、内容として「働くことは両性に必要である」「生活的自立も両性に必要である」ことを実感できることが必要である。
著者
佐々木 教悟
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 = THE OTANI GAKUHO (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.p79-88, 1977-06
著者
吉村 治正 正司 哲朗 渋谷 泰秀 渡部 諭 小久保 温 佐々木 てる 増田 真也
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

内閣府世論調査では、実際の生活実感と乖離する調査結果が現れることが少なくない。本課題では、これが調査実施過程の技術的な不足による非標本誤差の大きさによると考え、実験的な社会調査の実施を通じて、その影響を測定した。主たる知見は①人口構成の変化以上のペースで回答者が高齢者にシフトしている、②難易度が高い質問が多く最小限化行動が生じている、③複数回答方式を多用したために順序効果が顕著に表れている、④「わからない」を抑制することで中間回答が過大に表れている、といった点で集計結果に偏りを生んでいる可能性が高いことが指摘された。
著者
石川 静香 椋本 泰生 西原 亜希子 清水 佳代子 船田 幸奈 岩部 彩加 毛利 洋久 広瀬 卓哉 綾井 健太 黒住 瑞紀 難波 経立 佐々木 英之 松元 一郎 高木 雄一郎
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1130-1136, 2020-10-15 (Released:2021-10-25)
参考文献数
1

目的:当院ではメディカルスタッフが中心となり,循環器科疾患診療に従事する,多職種でチーム医療を行うCardiovascular Care Team(CCT)を立ち上げ,さまざまな取り組みを行っている.CCTではワーキングチームの1つとして心電図チームを組織し,職員の心電図関連のスキルアップを目指した. 方法:新入職の看護師に対しては入職時に12誘導心電図講習を行った.入職後1年以上経過した職員に対しては,当院独自の基準によるモニター心電図ライセンス制度を導入し,講習を受講したのち,資格試験合格によりライセンス取得とした.各講習の受講前後にはアンケートにより知識や意識の変化を調査した.ライセンス取得者らで全病棟のモニター心電図記録の回診を行い実務に還元した.モニター心電図回診導入後に重症不整脈の指摘状況や誤認率が変化したか調査した. 結果:講習終了後には講習前と比較して心電図に対する苦手意識や嫌悪感が減少していた.ライセンス取得者は年々増加し,モニター心電図回診導入後,年々重症不整脈の見落としや誤認が減少していた. 考察:心電図チームによる講習,ライセンス制度により職員の心電図に対する関心が高まり,苦手意識も減少していた.結果として病棟での重症不整脈などの見落としが減少し,リスクマネジメントの向上に寄与できた.専門的にみられがちな12誘導心電図記録,モニター心電図判読を病院内の多くの職員に広めていくことができた.今後もさらなる質的向上を目指した取り組みを行う予定である.
著者
佐々木 俊介
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.120, pp.2130, 2022-03-31 (Released:2022-03-18)

2019~2020年度,桜美林大学では新宿区と町田市内に新しいキャンパスが開設され,それぞれ既存の学群が移転するにあたり,教員の意向や大学の方針について協議検討しながら,基本的な図書館サービス提供とともに新しい試みにも取り組んだ。新宿キャンパスでは印刷物を配置しない電子図書館機能を持つ学修空間を,東京ひなたやまキャンパスには図書館内で演劇等のパフォーマンスや作品展示等も可能な設備を盛り込むなど,学群の教育方針に沿ったかたちでの図書館設計と管理・運営を行っているが,同時進行で発生したCOVID-19感染拡大により大きな影響も受けていることを報告する。
著者
山田 大介 佐々木 剛
出版者
東京海洋大学水圏環境教育学研究室
雑誌
水圏環境教育研究誌 (ISSN:21882851)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.38-64, 2011-03-15

日本の水産教育は,水産の担い手を対象とした職業人教育を中心に行われ,水産業界の発展に寄与してきた。しかし,現在,水産物の価格や消費の低迷,魚食文化の衰退等水産に関わる諸問題が起きている。このままでは水産技術者と一般市民の水産に対する理解の隔たりが広がり,水産の未来が危惧される。そこで,水圏環境教育,中でも,一般市民の水産の理解を目的とした水産のリテラシー教育の推進が必要である。本研究では,多様な利点をもつ海藻(コンブ)に着目し,教材の開発及び学習会を行い,学習の記録を通して得られた学習意識や学びの広がりを明らかにし,本プログラム内で行った4 つの海藻教材のアクティビティがもたらす水圏環境教育の有効性について考察した。学習会は平成22 年7 月から9 月にかけて,計3 回実施した。具体的には,1 回目として平成22 年7 月23 日(以下,プログラム1)・24 日(以下,プログラム2)において,江東区深川スポーツセンターとの産学連携による小学校1 年生(28 名)を対象とした「深川っ子わくわく体験隊」の一環として学習会を実施した。さらに,2 回目として平成22 年8 月8 日,三陸鉄道㈱,さんりくESD 閉伊川大学校が主催した「三陸鉄道・特別列車で行くさかなクンと海の科学を学ぼう!!」内で,小学校1-6 年生24 名(19 組)を対象にプログラム1 及び2 を実施した。3 回目として平成22 年9 月12 日,岩手県宮古市が主催した「森・川・海体験交流事業『川の体験活動』」内で,小学校1-6 年生20 名を対象にプログラム1 及び2 を行った。各学習会に参加した児童の会話・映像データ及び児童が記入した学習の記録を基に考察を行った。これらにより,プログラム内のアクティビティは,諸感覚を使うことで自然事象に対する感性の醸成を促し,水産物としてのコンブの認識を強め,表現力の育成,環境教育で育成したい能力と態度の養成に効果があると考えられた。また,コンブを用いた生態系を学ぶための教材としての可能性が示唆された。しかし,各アクティビティの関連性に課題が残り,学習会後の児童の自発的な取り組みを促すプログラム作りが必要である。このような学習会が幅広く継続的に実施されることで,持続可能な海洋の利用につながることを期待する。
著者
中川 功一 服部 泰宏 佐々木 将人 宮尾 学
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.38-50, 2020-06-20 (Released:2020-08-20)
参考文献数
25

日本の経営学者たちは,いま様々な分断のただ中にある.学会を挙げて進める「組織調査」プロジェクトを推進する中では,それらの分断の輪郭が明瞭に浮かび上がってくるとともに,プロジェクトの意義がまさにその分断を繋ぎ合わせることにあることが見えてきた.プロジェクトリーダーによる内部アクションリサーチの成果という形で,その分断のあらましと,我々がいかにそれを解決しようとしているのかを議論する.