著者
和崎 春日 上田 冨士子 坂井 信三 田中 重好 松田 素二 阿久津 昌三 三島 禎子 鈴木 裕之 若林 チヒロ 佐々木 重洋 田渕 六郎 松本 尚之 望月 克哉
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

「グローバル化時代における中下層アフリカ人の地球的移動と協力ネットワーク」現代社会において、グローバライゼーションを生きるのは、北側社会や特別なアフリカ人富裕層だけではなく、「普通の」アフリカ人たちが、親族ネットワーク等を駆使して、地球を広く縦横に生き抜いている姿が、本共同研究から析出された。その事実を基礎にした外交上の政策立案が必用になってくることを、本共同研究は明らかにした。
著者
佐藤 嘉一 中川 勝雄 森田 浩平 池内 靖子 木田 融男 佐々木 嬉代三 奥川 桜豊彦
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究は国内外の社会移動に注目し、(1)移住の動機・誘因、(2)移住後の生活実態、(3)UターンやJターン現象にみられる「帰郷意識」、(4)移住に伴うアイデンテイテイ問題などの実証的研究によって、社会移動についての社会学的分析を試みたものである。具体的には、戦前・戦後を通じて海外や本土に大量の移民・出稼ぎ者を供給してきた沖縄県の北部地域である今帰仁村を対象地域に選定し、現地の移住体験者と移住先の今帰仁村出身者についての綿密な聞き取り調査を実施した。本研究によって明らかにされたことは、次のような諸点である。第1に、移住の誘因としては後進的農業地域ゆえの現地での雇用機会の少なさがあるにしても、個人レベルに立ち入ってみると大きな夢や高い理想の実現をめざそうとする気概をもって出て行く者も少なからず存在した。第2に、移住の経路として先行する移住者の親戚・知人を頼る「呼び寄せ」を経由する者が大半である。第3に、にもかかわらず多くの移住者は沖縄文化と異質の異郷にあってさまざまな苦労を体験することで、ある者は移住先で郷友会に入り沖縄文化を享受し、ある者は再び帰郷している。その結果、母村と各地の郷友会の濃密な社会的ネットワークが形成される。第4に、この社会的ネットワークが母村を支え人口増、農業振興など本土農村と異なる様相がみられる。第5に、移住先で郷友会に組織されなかった者のなかには、異郷に適応できず社会的転落を余儀なくされる事例があり、また沖縄本島においてもハンセン病患者に対するような深刻な差別があったことも看過できない。第6に、移住者一世によって形成されてきた社会的ネットワークは近年世代交代の局面を迎えており、一世から二世・三世への継承のありかたが課題となっている。
著者
北澤 毅 近藤 弘 佐々木 一也 有本 真紀
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本共同研究におけるテーマは、感情をめぐって、(1)発達・社会化、(2)文化的規範、(3)人間関係(解釈学の視点から)、(4)情操教育(音楽教育の歴史と現状)の観点に大別される。これらの観点から3年間研究を重ね、上記(1)〜(4)までの観点を、主に(a)理論的検討、(b)相互行為における子どもの泣き、(c)記憶と涙、(d)ジェンダーと涙という研究課題へと展開させた。その成果として研究協力者の協力を得つつ、下記構成のもとで報告書を執筆した。以下の成果が本研究のまとめとなる。第1部 問題設定と理論枠組第1章 本研究のねらい-「文化」概念に着目して-第2章 感情概念の捉え方の変遷-その社会性に着目して-第2部 相互行為における子どもの泣き第3章 発達という文化-保育実践における泣きの記述に着目して-第4章 園児間トラブルにおける保育士のワーク-<泣き>への対応に着目して-第5章 児童のく泣き>を巡るトラブルの構成-遊び場のフィールドワークから-第6章 「涙」をめぐる定義活動及び修復活動の開始と園児の「泣き」-「泣き始めること」と「泣き続けること」の相互行為分析-第3部 制度化された涙3-1.記憶と涙第7章 卒業式の唱歌-共同記憶のための聖なる歌-第8章 制度化された場面の感情喚起力-テレビドラマの分析を通して-3-2.ジェンダーと涙第9章 表象としての涙とジェンダー-絵本の表現技法の分析を通して-第10章 涙・泣きに関するジェンダー言説の分析補論関係性としての涙-哲学的考察-
著者
辻 とみ子 青山 頼孝 武山 英麿 橋本 和佳 佐々木 敏 川田 智恵子 青山 頼孝 武山 英麿 橋本 和佳 佐々 木敏 川田 智恵子
出版者
名古屋文理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

地元小学校の6年生に食育支援介入研究を実施した。6年生を対象に「みんな元気だ!朝食パワー」単元構想図(68時間完了)のうち、家庭科と学級活動の時間を使って、9時間を本研究に充当した。3回シリーズで朝食に地産地消を取り入れた出前授業やわが家の自慢の朝食レシピを完成させ、調理実習でスキルを習得させた。子どもたちは「私食べる人」から、「時には私作る人」へと改善した。このプログラムを通して、子から家族へと食生活が改善でき、その変容が継続していることが成果である。
著者
斎藤 功 佐々木 博
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

近年, 山菜は自然食品の最たるものとして需要が増大している. 本研究は落葉広葉樹林帯(ブナ帯)で広範にみられる山菜の採取および山菜の促成栽培の実態を解明し, それに風土論的考察を加えることを目的としたものである.山菜の採取は, 伝統的にブナ帯の山村, とくに多雪地の山村で行われてきたが, 山菜の促成栽培はブナ帯の少雪地で多い. 山菜の促成栽培は, フキ, ワラビ, タラノメ, コゴミ等が行われるが, タラノメの促成栽培が典型であろう.本来, タラノメは春にとるものであるが, 促成栽培はそれを夏冬の12〜3月に採取するものをいう. 当初, 山からタラノキを切り, それを植木として温室内で栽培したものであるが, 促成栽培の普及につれて, タラノキを桑のように栽培するのがみられるようになった. 現在, タラノメのキの落葉後, 台木を切り, 一芽ごとに10〜15cmに切ったものを温室内のオガクズ床に伏せこみ, 12月下旬〜3月下旬にタラノメが7〜8cmに仲が〓ように栽培している.このタラノメの促成栽培は, ブナ帯で冬季出稼を止めさせるまでになったが, 栽培技術が容易なこと, ビニールハウスを転用できることなどで普及した. 当初, 〓境期の山菜としてタラノメは高価に販売されたが, その栽培の普及とともに価格が低下した.結論的にいえば, タラノメの促成栽培は, 生産基盤の脱弱性をもった風土産業といえよう.なお, 研究結果の詳細については, 別さつの研究成果報告書を参照されたい.
著者
佐々木 貴宏 所 真理雄
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.365-378, 1997-07-15
被引用文献数
6

マルチエージェント系におけるエージェントの環境への適応は,進化論からの類推に基づき,個体による生涯内での「学習」と集団による世代をまたいだ「進化」といった異なる2過程の相補的なものとして捉えられる.本稿では,ダーウィン型あるいはラマルク型の遺伝機構を持つ集団の進化の過程を再現し,特に動的な環境下でのそれぞれの集団の適応性について評価および議論する.その結果,ダーウィン型の集団の方が,静的環境下では効率的なラマルク型の集団よりも環境の変動に対して安定した挙動を示すばかりでなく,世代を通じて動的環境自体に適応していくことが可能であることを示す.
著者
佐々木 建昭
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.53-56, 2001-06

現在、学校(小・中・高)は我儘な児童・生徒に振り回され、大学は自立できない学生・院生に振り回され、教育全体が社会に振り回されている。学生を甘やかす施策は止めて、努力し勉強しようとする学生を伸ばす施策に切り替え、再度を簡素化しよう。学生には信賞必罰で対処して自立を促すべきだが、その為には世間に胸の張れる教育と研究を行う必要がある。 ...
著者
久保田 直行 佐々木 裕宣
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.87-95, 2006-03-15 (Released:2011-10-13)
参考文献数
20

Recently, embodied cognition for robotics has been discussed, and various types of artificial neural networks are applied for behavior learning of robots in unknown and dynamic environments. In this paper, we propose behavioral learning based on a fuzzy spiking neural network to realize high adaptability of a mobile robot. However, the behavioral leaning capability of the robot depends strongly on the network structure. Therefore, we apply a genetic algorithm to acquire the network structure suitable to the changing environment. Finally, we discuss the effectiveness of the proposed method through experimental results on behavioral learning for collision avoidance and target tracing in a dynamic environment.
著者
佐々木 剛 谷村 厚子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.34-42, 2023-02-15 (Released:2023-02-15)
参考文献数
36

日本における入院精神障害者に対する早期作業療法の既存の研究結果を要約し,今後の研究や実践の示唆を得るためにスコーピングレビューを実施した.データベース検索とハンドサーチにて早期作業療法に関する事例研究,介入研究計14論文を抽出し分析した.早期作業療法では精神症状,作業遂行,認知機能の評価の利用が多く,認知心理機能,健康管理能力,日常生活活動,社会生活適応能力の改善を目的に介入が実施されていた.主な成果として精神症状や認知機能,機能的自立度および動機付けの改善が示された.一方で,集団プログラムの目的が不明確な報告が多いこと,作業に関する成果報告が乏しいことも明らかとなり,今後の課題と考えられた.
著者
佐々木 正大
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.189-194, 2016-06-15 (Released:2016-06-29)
参考文献数
2

平成26 年,危険ドラッグに起因する死傷事件・事故が相次ぎ,同年6 月には東京池袋において1 人が死亡し6 名が重軽傷を負う交通死亡事故が発生した.店舗に対する検査命令・販売等停止命令等により,販売店舗は徐々に減少し,昨年7 月に『全滅』するに至った. 本稿では,被害を防止するために講ぜられた危険ドラッグ対策について紹介していきたい.