著者
小杉 智規 丸山 彰一 佐藤 和一 佐藤 和一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

膜貫通型糖蛋白質CD147/Basiginは、細胞の生存や浸潤・転移に重要な役割を果たす。しかし、糖尿病や自己免疫性疾患にてCD147を含む分子機構は解明されていない。本研究においてCD147は活性化制御性T細胞(Treg)の誘導に関与する事を明らかにした。更に、IL17産生性T細胞(Th17)やTregはループス腎炎(LN)において重要な役割をはたしており、CD147の欠損はSTAT3活性化を介してTh17の分化を促進し、LNを増悪させる事を示した。一方、CD147は炎症細胞浸潤の促進を介して糖尿病性腎症による組織炎症にも関与していた。この検証は今後の腎疾患の抑止につながる。
著者
田頭 豊 志村 浩孝 坂本 博 佐藤 和宏 梁川 功 千田 浩一
出版者
医用画像情報学会
雑誌
医用画像情報学会雑誌 (ISSN:09101543)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.43-47, 2016-06-27 (Released:2016-07-01)
参考文献数
10

June 7, 2015, Japan Network for Research and Information on Medical Exposures(J-RIME)published Diagnostic Reference Levels(DRLs 2015)for the first time in Japan. To operate the DRL, it is necessary to collect a great deal of radiation dose information of own facilities efficiently. The purpose of this study was to construct a system for collecting dose information in CT examination using Radiation Dose Structured Report(RDSR). As a result of displaying the contents of RDSR using the free software, it was confirmed that there are differences in the information in RDSR by equipment and manufacturers. In-house software of dose management could be designed by focusing on the enumerated value, it was possible to extract information of interest from RDSR. For facilities which cannot introduce a commercial system, development of software for collecting radiation dose information using RDSR contributes greatly to the operation of DRL.
著者
佐藤和男著
出版者
神社本庁研修所
巻号頁・発行日
1992
著者
佐藤 和艮
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.42-46, 1981

音叉の振動エネルギーの一部分は音のエネルギーとして空気中に放出される.また,音叉に共鳴箱を近づけると大きな共鳴音が聞こえる.この場合には音叉のエネルギー消費は当然大きくなり,振動の減衰も早くなる.音叉の振動エネルギーが消費される行く先として,(1)音叉から直接空気中に放出される音のエネルギー,(2)音叉の内部吸収などによるロスエネルギー,(3)共鳴箱の効果によって放出されるエネルギー,の3種類が考えられる.そこで,音叉が1周期振動する間に消費されるこの3種類のエネルギーの割合を求める実験を行った.そのために,共鳴箱の有無及び空気の有無による音叉の減衰時間のちがいを測定した.その結果の一例として,音叉の消費エネルギーは先の順番でおおよそ1:5:22の割合となった.また,共鳴箱のある場合に音叉の音の可聴時間が共鳴箱のない場合の時間に比べて長く感じることがありうることを実験データを使って解析した.なお,減衰時間の測定は,音叉の振幅が半減する間の振動の回数を自動的に数える装置を考案して行った。
著者
多木 浩二 田中 日佐夫 川端 香男里 長谷 正人 佐藤 和夫 若桑 みどり 大室 幹雄
出版者
千葉大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

20世紀の政治的歴史のなかで最も特筆すべき経験は、それが人類にもたらしたはかり知れない災いから言っても、「全体主義」であると言えよう。全体主義は、近代化の進展による共同体的統合の喪失のなかでクリティカルな問題として現れた、政治的形態(国家)と社会形態(大衆の生活意識)の不一致を解決しようとする企てであった。つまり全体主義は「国家と社会の完全な同一性」と定義される。われわれは、この全体主義をこれまでの研究のように政治体制として扱うのではなく、政治文化として扱うことを試みた。言わばそれは、全体主義を支配体制(国家)の側からではなく、その支配体制に組み込まれた大衆の意識、無意識の側から究明することである。われわれはそれを、思弁的に探究するというより、個々の状況(ナチズム、ファシズム、スターリニズム、天皇制)における個々の芸術やイメージ文化(建築、大衆雑誌、映画等)の分析を通じて検討する方法を選んだ。つまり全体主義のなかで、いかなる芸術形式が可能であったか、いかなる排除や、強制、いかなる迎合や利用が行われたかを細部に渡って眺めてみたのである。その結果は、個々に多様であるので、全体としての結論をここに書くことはできないが、しかし次のような共通の認識を得ることができた。つまり、全体主義文化の問題は、両大戦間期に発生したいくつかの政治体制にのみ当てはまる問題ではなく、近代の政治体制と文化との間につねに横たわっている問題だということである。例えば、ニューディール体制下の芸術家救済政策(WPA/FAP)を見ればわかるように、民主主義国家においてもある状況のなかでは芸術に社会性が要求され、おのずとイデオロギーを共有することが起きたのである。こうしてわれわれの研究は、近代社会の歴史をイメージ文化の側から探究するような、裾野の広い政治文化史の問題へと展開していくことを予感させることになった。
著者
田崎 和江 中西 孝 鈴木 祐恵 佐藤 和也 森井 一誠 鈴木 健之
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.343-361, 2007-09-25
参考文献数
24
被引用文献数
2

2007年3月25日9時41分にマグニチュウド6.9の激震が石川県能登半島を襲い,舗装道路に大きなダメージを与え,交通網が寸断された.本研究調査団はGMサーベーメータを使用し,車によるカーボーン法と徒歩によるハンドボーン法の併用により,能登半島地震災害地の空間β線と舗装道路の亀裂,陥没,隆起,地滑り地帯におけるβ線を測定した.測定日は2007年4月4日から19日の間の4回であり,約240kmの距離を2-4台のGMサーベーメータで,毎回同じルートを往復して測定した.また,地震の被害がなかった金沢市内においても4月12日に測定を行い,災害地と比較した.2007年4月4日8:20に輪島市大沢において2300cpmを記録し,同日の13:20には古和秀水にて1500cpmを記録した.これはともにM3.8,深さ10km,震源地37.2N,136.7E,およびM3.3,比較的浅い震源37.2N,136.5Eの余震に合致した,舗装道路の亀裂,陥没,隆起,液状化の箇所は100-200cpmと高い値を示し,かつ,その場の大気はそれ以下であった.一方,地震被害のなかった金沢市内は40-80cpmと低い値を示した.空間β線計数率分布地図は地震の被害が大きい地域で高く,時間が経過するに従い低下することが明らかになった.
著者
沼倉 彬雄 加藤 成将 佐藤 和幸 富沢 武弥 三好 扶 明石 卓也 金 天海
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.993-994, 2015-03-17 (Released:2016-06-20)

本稿では,木構造を用いた階層型学習器である力学系学習木を提案する.力学系学習木は力学系の挙動の階層的な関数近似を行う.水面上での船体の運動など,力学的挙動の数式表現が困難な場合には,実機データの関数近似が有効である.力学系学習木は実機データを階層的に整理して学習することで,データ密度に合わせた適応的な汎化(A)を実現できる.また,データのノイズ除去(B)やオンライン学習(C)も同時に実現できる.振り子の運動や船体運動の学習で力学系学習木を評価した結果,機能A,B,Cが確認できた他,船体運動の外乱推定にも応用できることが分かった.力学系学習木は任意の連続力学系に適用できるため,今後は様々な力学系への応用を試みたい.
著者
玉村 公二彦 佐藤 和美
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要 人文・社会科学 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.87-99, 2006-10

This paper aims to show and examine the Korean Disability Discrimination Bill which has been discussed both in disability groups and in Korean Government. The purpose of the bill is to prohibit discrimination against people with disabilities and to protect their Rights. Although Korean approach for tackling the disability discrimination has been based on the Social Welfare Act for People with Disabilities, disability groups have recognized the weakness of the approach in comparison with the international trend of disability discrimination law. The Disability Discrimination Acts Solidarity in Korea(DDASK), which is pan-association of Korean PWD groups, was formed on April 2003. PWD groups in Korea have continuously acted and had a draft of disability discrimination legislation. In response to activities by DDASK, the government planed to propose the disability discrimination bill of version which has been prepared in the Ministry of Health and Welfare. The draft by the Ministry of Health and Welfare consisted of 50 articles. As the result of the government decision, the Health and Welfare vice minister announced the Korean government officially decided that Disability Discrimination legislation would be included in the processing discrimination law of the National Human Rights Commission of Korea.
著者
田崎 和江 馬場 奈緒子 佐藤 和也 奥野 正幸 福士 圭介
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.281-292, 2007-07-25
被引用文献数
3

2007年3月25日9時41分にマグニチュード6.9の地震が石川県能登半島を襲った.その折,水道が断水し,住民は周囲の井戸水,湧き水,山水を生活水として使用した.その水は地震直後から白色,灰色,茶色に濁り,2-3日から2週間続いた.本研究は被害地の住民からの聞き取り調査,現地における水質検査,採水試料を実験室に持ち帰り,蛍光X線分析,イオンクロマト分析,走査型電子顕微鏡観察を行った.地震前は中性であった井戸水が地震後にpH5.4-5.9と酸性になり,かつ, SO_4が非常に高くなり飲料不可となった.一方,中性であった温泉水がpH8とアルカリ性に変化し, NaCl含有量が高くなり,海水の浸入を示唆した.また,飲料水の6項目についての検査を行政に依頼したところ, 2箇所の水から基準以上の一般細菌と大腸菌が見つかり飲料不可となった.なお,この検査項目にはpHが含まれていないので,今後,災害時にはいち早く生活水についてpHや集落形成単位(CFU)を含めた水質検査が必要である.さらに,避難所における生活水はノロウィルスなどによる病気と直結しているため,行政による迅速な措置と指導が必要である.