著者
佐々木 裕 磯崎 秀樹 鈴木 潤 国領 弘治 平尾 努 賀沢 秀人 前田 英作
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.635-646, 2004-02-15
被引用文献数
12

近年,大量の文書を用いて自然文によるユーザからの質問に答える質問応答(QA: Question Answering)システムに関する研究が注目を集めている.これまでいくつかのQAシステムが開発されてきたが,それらの多くは人手で作成されたルールや評価関数を用いて,質問の答えを大量の文書から抽出するアプローチをとっていた.これに対し,本論文では,機械学習技術を用いて,日本語QAシステムの主要なコンポーネントをそれぞれ学習データから構築することにより,QAシステム全体を構築する方法について述べる.具体的には,質問タイプや答えの判定を2クラス分類問題としてとらえ,質問文やその正解例から学習された分類器により,これらの機能を実現する.本アプローチのフィージビリティの確認のため,機械学習手法Support Vector Machine(SVM)を用いて学習型QAシステムSAIQA-IIを実装し,2 000問の質問・正解データによるシステム全体の5分割交差検定を行った.その結果,システムの性能として,MRR値で約0.4,5位以内正解率で約55%の正解率が得られることが明らかになった.This paper describes a Japanese Question-Answering(QA) System, SAIQA-II.These years, researchers have been attracted to the study of developingOpen-Domain QA systems that find answers to a natural language question given by a user.Most of conventional QA systems take an approach to manually constructing rules and evaluation functions to find answers to a question.This paper regards the specifications of main components of a QA system,question analysis and answer extraction, as 2-class classification problems.The question analysis determines the question type of a given question andthe answer extraction selects answer candidates thatmatch the question types. To confirm the feasibility of our approach,SAIQA-II was implemented using Support Vector Machines (SVMs).We conducted experiments on a QA test collection with 2,000 question-answer pairs based on 5-fold cross validation.Experimental results showed that the trained system achieved about 0.4 in MRR andabout 55% in TOP5 accuracy.
著者
前田 剛 有川 善久 佐藤 哲夫 藤原 勇一 中村 安雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.100, pp.33-40, 2008-06-19
被引用文献数
5

超高速インターネット衛星「きずな(WINDS:Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)」は、平成20年2月23日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット14号機により打ち上げられ、現在、初期機能確認試験を実施中である。本稿では、打上げから静止化までのクリティカルフェーズの運用結果の概要及び現在実施中の初期機能確認試験の実施状況について紹介する。
著者
前田 辰昭 高木 省吾 中谷 敏邦 高橋 豊美
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

北海道西岸沖合に産卵のため来遊するスケトウダラの魚群構造と回遊の研究は、当初計画通り実施された。昭和62年度から平成元年度の4月と10月に、後志沖合から青森県沖合の日本海で水温、塩分、餌料プランクトン等の外、航走中24KHzの魚探を作動させて、スケトウダラの分布と密度を観察した。また、中層トロ-ルによる漁獲試験と標本採集をした。この外2月には檜山沖合で本種の標識放流を実施した。1.4月の魚群は沿岸の産卵場付近では150〜300m層に、沖合では200〜400m層と、沖合ほど深い。分布域は日本海の中央部にまで達し、対馬暖流水と亜寒帯水との境界域に当る前線域に高密度群が出現した。2.10月の魚群は産卵期の接近に伴い、次第に接岸し、沿岸域で最も密度が高い。この時期は高水温のため、400〜500m層と分布層が深い。3.魚群の年齢組成は3〜8才で、それらの中心は卓越年級群の1984年生れである。3ケ年間では1989年10月が最高密度を示した。4.標識放流は昭和62年度から平成元年度までの2月に、檜山沖合で約4500尾について実施した。本研究期間内の再捕結果は、従来の知見とされた定説の北上回遊と異なり、索餌期の夏期には南下して津軽海峡に出現し、さらに新潟県沖合から富山湾沖合にまで回遊して再捕されている。しかし、産卵期には放流地点の檜山沖合でのみ再捕され、本種の回帰性の強さが示唆された。5.本種の回遊は従来、北部の武蔵堆周辺から陸棚沿に南下し、産卵後は再び北上するとされていた。しかし、本研究では、成魚は南西部沖合から接岸し、産卵後は再び南西海域に回遊することが明らかになった。今後は不明であった幼稚魚の移送先や未成魚期の生活域の把握が必要である。それは来遊量予測や資源変動の解明に不可欠なためである。
著者
前多 裕介
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.685-721, 2006-02-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
大坂 友和 前田 良輔 坂東 敏博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.693, pp.41-48, 2002-02-28
被引用文献数
1

表情を伴った顔画像から感情を判断する際に,瞳孔径が及ぼす影響を調べた.喜び,怒り,恐怖の表情を持つ顔画像をもとに,瞳孔径を3段階(大,中,小)に変化させた顔画像の対を被験者に提示し,各感情の現れ方を順位付けしてもらった.その結果,喜びと恐怖の顔画像の感情評価では瞳孔径「大」の順位が高くなり,怒りの感情評価では一部の群で瞳孔径「小」の順位が高くなった.この結果は,顔の感情評価に瞳孔の大きさが影響していることを示し,各感情に伴う瞳孔径変化の特徴を反映した顔画像がより的確に感情を伝える可能性のあることを示唆している.
著者
石前 禎幸
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.751, pp.p61-83, 1987-01
著者
高本 恵介 伊藤 雄一 前川 拓也 玉田 清貴 前田 貴司 岸野 文郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.21, pp.69-72, 2009-06-08
被引用文献数
1

紙をやぶるという行為は日常生活において誰もが体験したことのある行為である.場合によってはこれを楽しんだり,ストレスを解消したりする.そこで本研究では,この現象に着目し,あたかも紙をやぶいているかのような触感覚を繰り返し,そして正確に提示する手法を提案する.提案手法では,紙の引き裂き抵抗力の時間的変化を正確に再現するために,マジックテープおよびDCモータを用いる.そして,提案手法に基づき装置を試作し,ユーザから得られた意見について考察する.
著者
山内 俊幸 前川 哲也 瀬戸 章文 權 純博 奥山 喜久夫
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.108-113, 2008-06-20 (Released:2008-06-25)
参考文献数
4

We evaluate the size distribution of fine water droplets produced by electrostatic atomization using a differential mobility analyzer (DMA) and a condensation nucleus counter (CNC) . Broad size distribution with the peak of mobility diameter of around 15-20 nm is observed for the neutralized polydisperse water droplets. The number of charge is analyzed using a tandem DMA system. The water droplets are highly charged depending on the particle size. The number of maximum electric charges is 14, which is well below the Rayleigh limit.
著者
前田 智雄 前川 健二郎 戸田 雅美 大島 千周 角田 英男 鈴木 卓 大澤 勝次
出版者
日本植物工場学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.83-89, 2008-06-01
被引用文献数
2 4

種々の光源の組合せによる補光がブロッコリースプラウトの生育およびポリフェノール含量に及ぼす影響を効率的に検討することを目的として,商業生産システムを模した実験装置を設計,製造した.ブロッコリースプラウトの胚軸長,生重,乾物重および総ポリフェノール含量に及ぼす種々の波長の蛍光管の組合せによる補光の影響を検討した結果,48時間の補光後に,1)白色蛍光管とブラックライト(UV-A);2)赤色蛍光管とブラックライトの組合せにおいて総ポリフェノール含量が暗黒や商業生産レベルの光強度に対して有意に高まった.一方,胚軸長はやや短くなったが乾物重には有意差は認められなかった.このことから,ブラックライトを組み合わせて補光を行うことで,抗酸化能を高めたスプラウトを収量や外観品質を損なうことなく生産できるものと思われる.
著者
西村 ユミ 前田 泰樹 前田 泰樹
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、看護場面として急性期医療の現場に注目し、そこでの実践がいかに成り立っているのかを記述することを目的とした。研究期間内においては、おもに、患者の苦痛の理解という実践に注目した。看護師たちは、観察や評価に先立って、患者の痛みの経験を理解しはじめていた。この理解は、患者の痛みに応じようとする行為的な感覚や、具体的な行為とともに成り立っていた。そして、この行為を交換することによって、看護場面における協働が達成されていた。
著者
九鬼 克俊 柿木 達也 高宮 静男 前田 潔
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部紀要 (ISSN:00756431)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.33-53, 2001-12-20
被引用文献数
1

阪神淡路大震災の高齢者における精神疾患への影響を明らかにするため, 被災地中心部と周辺部に位置する総合病院精神科外来を受診した65才以上の高齢者の特徴を, 外来診療録をもとに後方視的に調査した。中心部, 辺縁部ともに痴呆・せん妄, 気分障害が多く, さらに, 中心部では身体表現性障害が, 周辺部では post-traumatic stress disorder (PTSD), acute stress disorder (ASD) を含む不安障害が多数を占めていた。地震後, 周辺部病院群ではPTSD・ASDの有意な増加がみられた。震災を契機に発症した例では, 痴呆・せん妄および身体表現性障害は周辺部病院群より中心部病院群において有意に高率で, PTSD・ASDは逆に中心部病院群より周辺部病院群において高率であった。被災地中心部では, 痴呆の顕在化に対処する体制が必要とされるとともに, 精神的ストレスが身体症状として現れることが多いため, 身体科と精神科の連携を強化する必要があると思われた。周辺部でPTSD・ASDの受診率が高かったことは, 避難先での精神保健活動の必要性が高いことを示唆していると考えられた。
著者
長谷川 正 松川 正樹 鎌田 正裕 新田 英雄 犀川 政稔 真山 茂樹 長谷川 秀夫 原田 和雄 中西 史 松川 正樹 長谷川 秀夫 新田 英雄 鴨川 仁 小川 治雄 前田 優 犀川 政稔 吉野 正巳 真山 茂樹 原田 和雄 中西 史 土橋 一仁 西浦 慎吾 鎌田 正裕
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

理科の実験・観察を児童・生徒に印象づけるための動的実験・観察教材として,室内用を29件,野外用を3 件開発した.そして,それらを授業実施するため,教師,児童・生徒,保護者,地域のボランティアと大学教員や学芸員,学生としての院生と学部生からなる室内型と野外型の支援システムを構築した.さらに,学生・院生の科学コミュニケーターとしての意識を高めための,支援システムを活用した科学コミュニケーター育成プログラムの開発を試みた.