著者
加藤 憲一 宮沢 篤生 高瀬 眞理子 東 みなみ 大塚 康平 江畑 晶夫 寺田 知正 長谷部 義幸 清水 武 水野 克己
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.373-379, 2023 (Released:2024-01-25)
参考文献数
24

動脈管早期閉鎖(premature closure of ductus arteriosus:PCDA)の原因として母体への非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti- inflammatory drugs:NSAIDs)が知られているが,近年ポリフェノールも原因となることが報告されている.ポリフェノール含有飲料が原因と思われるPCDAが疑われた1例を経験した.症例は在胎37週3日,2,730gで出生した一絨毛膜二羊膜双胎第2子.生後2時間から酸素化不良を認め,その後も酸素需要が続くため日齢1にNICUに入室した.胸部X線,12誘導心電図で右室肥大が認められ,心エコー図では動脈管閉鎖,心室中隔の平坦化,心房間の右左短絡が認められ,PCDAが疑われた.妊娠中にNSAIDsの服用はなかった.あずき茶とルイボスティーを連日飲用していたことが判明し,PCDAの原因としてこれらに含有されるポリフェノールの影響が疑われた.ポリフェノールはさまざまな食品に含まれており,一般的に健康に良いものと認知されているが,妊娠中の摂取について注意喚起が必要である.
著者
大八木 豊 島谷 幸宏 杉本 知佳子 加藤 憲介 朴 埼〓
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.325-330, 2006 (Released:2010-11-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Urban developments cause serious changes to watersheds conditions by decreasing storage area, introducing pavement and channeling. As a result, the peak discharge has been increasing and the arrival time of peak flow becomes early. The purpose of this study is to investigate the empty capacity of irrigation ponds in the Mikasa River watershed and to clarify flood control capacity of them. The result of this study, the catchments area of all irrigation ponds was about 18%, the capacity of flood control was about 450, 000m3 in the Mikasa river watershed. To estimate the flood control ability of irrigation ponds, we applied the distributed runoff model considering ponds effects about flood disaster in July 19, 2003. The result of calculation showed that the peak discharge at the Sanno Bridge decreased 36m3/s by the irrigation ponds.
著者
寺島 孝明 大賀 涼 加藤 憲史郎 田久保 宣晃
出版者
一般社団法人 日本交通科学学会
雑誌
日本交通科学学会誌 (ISSN:21883874)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.8-17, 2018 (Released:2019-03-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1

警察庁発表の交通事故統計によれば、国内の2012年の交通事故発生件数約67万件のうち被追突車両が停止中の追突事故は約21万件であり、その内の13%が多重追突事故に至っている。本研究では、被追突車両が前方へと押し出されて、さらに前方に停止している車両等に衝突して二次被害を発生させる形態の多重追突事故を研究対象とした。追突事故の実態を把握するため、東京農工大学のヒヤリハットデータベースから追突事故時のドライブレコーダの記録を解析した結果、停止中または減速中に追突された車両の運転者の64%が、衝突の衝撃によりブレーキ操作を維持できずに中断していた。このブレーキ操作の中断中に、被追突車両は前方へと押し出され、一部の事故では多重追突事故に至っていた。そこで、本研究では追突事故における被追突車両にポストクラッシュブレーキシステムが搭載されており、追突直後に自動ブレーキ(ポストクラッシュブレーキ)が作動したと仮定して、被追突車両が押し出される距離を推定し、多重追突事故の削減の可能性を検討した。実車による追突事故の再現実験から車両追突時の反発係数を求め、得られた反発係数をドライブレコーダに記録された事故に適応することで、被追突車両が押し出される速度ならびに距離を推定した。ここで停止中の車列の最後尾とその前車との車間距離を2.5mと仮定した場合、最後尾の被追突車両が2.5m以上押し出された場合に多重追突事故に至ることになる。ドライブレコーダに記録された24件の追突事故のうち6件の事故で2.5m以上前方へと押し出されたと推定された。これらの事故に対して事故直後にポストクラッシュブレーキが作動したと仮定した場合、5件の事故で押し出し距離が2.5m以下に抑制できたと予想された。以上のことから、ブレーキ操作中に追突された際にポストクラッシュブレーキにより、被追突車両が前方の車両と衝突する二次被害を削減できる可能性が示唆された。
著者
大賀 涼 田久保 宣晃 寺島 孝明 野口 祐輔 木戸 浩太郎 加藤 憲史郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.1269-1274, 2013 (Released:2018-01-25)
参考文献数
5
被引用文献数
3

超小型モビリティは,1~2人乗りの小型車で,新しい高齢者向けモビリティとして高い期待を受けている.本研究では一人乗りの超小型モビリティであるミニカーを扱う.ミニカーは1980年代から販売されており,すでに多くの利用実績がある.そこで交通事故統計データを基に,現在の事故の状況について調査した.
著者
笛木 司 吉田 理人 田中 耕一郎 千葉 浩輝 加藤 憲忠 並木 隆雄 柴山 周乃 藤田 康介 須永 隆夫 松岡 尚則 別府 正志 牧野 利明
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.336-345, 2018 (Released:2019-08-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

中国天津市及び上海市の上水道水を用いて「ウズ」の煎液を調製し,煎液中のアルカロイド量を,新潟市上水道水を用いた場合と比較した。中国の上水道水を用いて調製した煎液中のアコニチン型ジエステルアルカロイド(ADA)量は,新潟市上水道水を用いた場合に比べ有意に少なく,この原因として,中国の上水道水に多く含まれる炭酸水素イオンの緩衝作用によりウズ煎煮中のpH 低下が抑制されることが示唆された。また,ウズにカンゾウ,ショウキョウ,タイソウを共煎した場合,ウズ単味を煎じたときと比較して煎液中ADA 量が高値となり、さらにこの現象は中国の上水道水で煎液を調製した場合により顕著に観察された。煎じ時間が一定であっても,用いる水や共煎生薬により思わぬADA 量の変化を生じる可能性が示唆された。また『宋板傷寒論』成立期の医師たちが,生薬を慎重に組み合わせて煎液中のADA 量を調節していた可能性も考えられた。
著者
建部 謙治 加藤 憲 野澤 英希
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.87, no.799, pp.1666-1676, 2022-09-01 (Released:2022-09-01)
参考文献数
9

The purpose of this study is experimentally to clarify how the physiological and psychological reactions of elderly female who received from seismic motion are affected by different postures. The experiment was conducted in a total of 60 elderly male and female, with two posture conditions in chair sitting and supine positions, assuming an immediate power outage after the earthquake. As a result of the analysis, it became apparent that there were some differences in the physiological and psychological effects by seismic motion between the sitting position and the supine position for elderly female as with elderly male.
著者
加藤 憲忠 村本 浩 豊澤 康男 竹田 透
出版者
一般社団法人 日本産業保健法学会
雑誌
産業保健法学会誌 (ISSN:27582566)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.271-279, 2022-07-10 (Released:2023-02-22)
参考文献数
2

現在、促進されている副業・兼業・フリーランス等の働き方における発注者・委託者の責任について、各シンポジストからご報告を頂き、下記のような見解が提示された。 ・ 副業・兼業・フリーランス等の新しい働き方については法的に未整備な部分が多く、特にフリーランスに対する安全衛生には十分な議論が行われていない現状がある。 ・ DX(デジタルトランスフォーメーション)の一つであるフロントローディングという手法は、設計段階で安全配慮を履行すると同時に現場の生産性向上にも寄与する画期的な取組みで、建設業以外の業界にとっても大きなヒントを秘めている。 ・ 雇用類似労働者への産業保健サービスの展開は技術的には可能だが、それを可能とするために解決しなければならない法的課題がある。 本シンポジウムでの議論を通じ、今後ますます拡大するであろう副業・兼業・フリーランス等の働き方において、発注者・委託者の責任範囲の明確化と労働者の健康確保措置は喫緊の課題であるという示唆が得られた。
著者
井出 政芳 山本 玲子 宇野 智江 鈴木 祥子 伊藤 優子 早川 富博 加藤 憲 天野 寛 宮治 眞
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.726-744, 2014 (Released:2014-03-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

過疎の進行する中山間地に住まう高齢者の<この場所>に係わる愛着を評価するために, 質問票による調査を行なった。質問票は, 高齢者の主観的幸福感測定のために汎用される古谷野による生活満足度尺度K (9項目)と, 今回独自に作成したトポフィリア (場所愛) に係わる質問項目 (6項目) の計15項目から成る。僻地巡回検診において, 調査主旨を説明し了解を得た有効回答者120名 (平均年齢: 74.5±9.5歳) の回答について因子分析を行ない以下の結果を得た。 ①居住地別愛着度得点には有意差を認めなかったが, 居住地別生活満足度得点には有意差を認めた (p<0.001; ANOVA)。一方, 年齢と生活満足度との間には有意な相関を認めなかったが, 年齢と愛着度得点との間には有意な正の相関を認めた (r=0.234, p<0.01)。生活満足度, すなわち主観的幸福感は年齢によらず居住地の影響を受けるが,逆に場所への愛着度は居住地によらず年齢の影響を受けることが示唆された。 ②トポフィリアに係わる質問6項目の因子分析により, 2因子が抽出された。一つの因子は<この場所>から離れたくないパブリックな感情を, もう一つの因子は<この場所>が好きとは言えないプライベートな感情を意味している, と解釈できた。 ③ (a) 生活満足度尺度, (b) トポフィリア, および (c) 「<この場所>を離れて仕事をしたいと思ったことがあるかどうか」の質問の三つ組を指標として, 居住地別に対象者の心情を評価すると, 主観的幸福感 (a) も, <この場所>に対する愛着度 (b, c) も, ともに低い地域が同定された。これらの地域は, 通院困難性の甚大な地域内に存在し, 通院介助・在宅介護・施設入所など高齢者の医療福祉に係わる対応において, 心情面についての配慮が特に必要であると考えられた。
著者
寺島 孝明 大賀 涼 加藤 憲史郎 田久保 宣晃
出版者
一般社団法人 日本交通科学学会
雑誌
日本交通科学学会誌 (ISSN:21883874)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.8-17, 2018

警察庁発表の交通事故統計によれば、国内の2012年の交通事故発生件数約67万件のうち被追突車両が停止中の追突事故は約21万件であり、その内の13%が多重追突事故に至っている。本研究では、被追突車両が前方へと押し出されて、さらに前方に停止している車両等に衝突して二次被害を発生させる形態の多重追突事故を研究対象とした。追突事故の実態を把握するため、東京農工大学のヒヤリハットデータベースから追突事故時のドライブレコーダの記録を解析した結果、停止中または減速中に追突された車両の運転者の64%が、衝突の衝撃によりブレーキ操作を維持できずに中断していた。このブレーキ操作の中断中に、被追突車両は前方へと押し出され、一部の事故では多重追突事故に至っていた。そこで、本研究では追突事故における被追突車両にポストクラッシュブレーキシステムが搭載されており、追突直後に自動ブレーキ(ポストクラッシュブレーキ)が作動したと仮定して、被追突車両が押し出される距離を推定し、多重追突事故の削減の可能性を検討した。実車による追突事故の再現実験から車両追突時の反発係数を求め、得られた反発係数をドライブレコーダに記録された事故に適応することで、被追突車両が押し出される速度ならびに距離を推定した。ここで停止中の車列の最後尾とその前車との車間距離を2.5mと仮定した場合、最後尾の被追突車両が2.5m以上押し出された場合に多重追突事故に至ることになる。ドライブレコーダに記録された24件の追突事故のうち6件の事故で2.5m以上前方へと押し出されたと推定された。これらの事故に対して事故直後にポストクラッシュブレーキが作動したと仮定した場合、5件の事故で押し出し距離が2.5m以下に抑制できたと予想された。以上のことから、ブレーキ操作中に追突された際にポストクラッシュブレーキにより、被追突車両が前方の車両と衝突する二次被害を削減できる可能性が示唆された。
著者
杉山 歩 井原 哲夫 永翁 一代 辻村 真貴 加藤 憲二
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.13-21, 2021-03-01 (Released:2021-03-02)
参考文献数
43
被引用文献数
1

高レベル放射性廃棄物の地層処分や地中熱利用等に関連して,地質環境の基礎データの収集・整理が進められている.近年の国際動向をみると微生物情報を収集していく必要性が認識されつつある一方,未だにその知見は限られている.深部地下水における微生物の基礎情報を他の水質情報と共にデータベース化していくためには,微生物解析手法を体系化し,データ集積を進める必要がある.本報は北海道幌延町浜里沿岸域に位置する大深度掘削井から採取した深部地下水を対象に行った微生物解析の結果と一度の採水で効率的に地下水中の微生物に関する基礎情報,すなわち微生物数,群集構造,活性,群集構成を評価する手順を示した.
著者
中村 真紀 坂田 裕介 小林 秀行 加藤 憲 山上 潤一 米本 倉基
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.106-115, 2021-01-25 (Released:2021-01-26)
参考文献数
7

臨床検査部門のトップマネージャーが,どのような管理職行動をすれば,部下の職務満足度を向上させるかについての科学的な研究はこれまでなされておらず,その手段は他職種のプログラムに依存しているところが大きい。そこで本研究は現場の臨床検査技師長など部門のトップマネージャーの行動が部下の職場満足度に与える影響や,部下が求める優れた管理職行動の特性を科学的に明らかにすることでこれからのマネジメント教育の指標を得ることを目的とした。方法は難波らの先行研究を引用し,管理職行動24項目,職務満足度26項目,性別等の属性を含む計69項目を150名の臨床検査技師を対象にWEBで調査を行い,得られた回答から管理職行動と職務満足度のデータを得点化し分析を行った。その結果,トップマネージャーの管理職行動が部下の職務満足度に与える影響は極めて大きく,臨床検査技師におけるトップマネージャーへのマネジメント教育の必要性が確認できた。また,管理職行動には「キャリア重視」と「働きやすさ重視」の2つの重要な役割行動があり,そのどちらかが欠けると部下の職務不満足は改善されないことが示唆された。とりわけ,トップマネージャーにおいては,性差を問わず若年層が働きやすい職場環境の充実と,役職者に対して職場の良好な人間関係構築のための配慮を同時に遂行することが重要であり,この両者からの期待役割に対してバランスよく応えられるマネジメント教育が必要と考えられる。
著者
杉浦 衛 加藤 憲二 足立 哲夫 伊藤 吉将 平野 和行 沢木 [シュン]二
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.426-429, 1981-02-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
14
被引用文献数
5 5

We have established new colorimetric methods for the assay of adenosine deaminase, purine nucleoside phosphorylase and guanase activities in serum, based on the formation of hydrogen peroxide with xanthine oxidase as a coupling enzyme. [chemical formula] The proposed methods were found to be precise and convenient. Under the assay conditions, the mean levels of adenosine deaminase, purine nucleoside phosphorylase and guanase activities in the sera of normal subjects were 5.8±2.2 I. U./1, 3.7±2.1 I. U./1 and 0.5±0.3 I. U./1, respectively.
著者
杉浦 衛 加藤 憲二 足立 哲夫 伊藤 吉将 平野 和行
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.430-432, 1981-02-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
18
被引用文献数
9 13

A colorimetric method for the assay of xanthine oxidase activity, based on the production of hydrogen peroxide, is described. [chemical formula] The precision, accuracy, sensitivity and specificity of the method were found to be satisfactory for the rapid and reliable determination of xanthine oxidase activity.
著者
加藤 憲司 鈴木 志津枝 船山 仲他 福嶌 教隆 田中 紀子 岡本 悠馬 川越 栄子 長沼 美香子 益 加代子 植本 雅治 嶋澤 恭子 山下 正 松葉 祥一 金川 克子
出版者
神戸市看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

昨年度に引き続き、学部生対象の単位互換講座(10~1月 全15回)およびユニティ市民公開講座(7月 全5回)を実施した。今年度はロールプレイにスペイン語および中国語のネイティブスピーカーをそれぞれ招いて演習を行ったので、過年度よりも一層の臨場感を講義の中に盛り込むことができたと考える。ただしユニティ市民公開講座については、受講者数の減少が止まらず、市民への普及・啓発としての本講座の役割は終えたと判断することとした。医療通訳を巡る国内の情勢は極めて大きな変革期を迎えているため、常に最新の情報を踏まえて方向性を探る必要があることから、関連する第20回日本渡航医学会(倉敷市 7月)、第1回国際臨床医学会(東京 12月)などの学会や、全国医療通訳者セミナー(東京 8月)などのセミナーへ積極的に参加した。さらに、地元の兵庫県においても医療通訳の制度化に関する研究会が立ち上がり、3回の会合がもたれ、本研究チームからも複数のメンバーが参加した。調査研究については、昨年度末に1300通以上の質問紙を全国の一定規模以上の医療機関に発送したが、回収率は20%以下に留まった。データを一旦分析し、本学紀要に投稿したものの、追加のデータ分析をすべく取り下げ、現在も論文原稿を執筆中である。
著者
小林 由希 湯本 幸子 青木 君代 西尾 由美子 藤沢 敏子 千葉 あかね 関 夏恵 保科 知子 阿部 かおり 高田 定男 宮澤 耕次 加藤 憲之 社浦 康三
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.318-321, 2002
被引用文献数
3

2000年下半期人間ドックでPWV検査を受けた869名を対象とした。年代別,性別の比較では,女性に対して男性のPWV高値が示された。年齢とPWV,拡張期血圧と収縮期血圧のそれぞれとPWVとの間にも男女共に相関がみられた。治療中を含む高血圧者群と血圧正常者群では有意に高血圧者群のPWVが高い結果となった。血清総コレステロール値とPWVでは男女共に有意な相関はみられなかった。動脈硬化予防には高血圧予防に対する働きかけが重要である。