著者
中西 正幸 三橋 健 松尾 恒一 加藤 有次 今江 広道 中西 正幸 倉林 正次
出版者
国学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

「神社祭礼絵巻」は、それが描かれた当時における全国各地の祭礼の姿を今日に残しており、その中には現在すでに失われてしまった祭礼行事も多数描かれているであろうことが予測され、それらの所在地や描かれた内容などについての悉皆調査を行なうことによって、当時の祭礼文化を読み解くことも可能となり、今日ではすでに失われてしまった祭礼行事の古姿を復元研究して、神社祭礼史また祭礼文化史の確立を目的として本研究を開始した。「神社祭礼絵巻」(絵図・絵馬・屏風などを含めて)類の所在について、それらを有すると思われる全国約3500の神社に対して、その有無の確認作業を実施し、さらに『国書総目録』をはじめ全国の主要図書館(主として都道府県立図書館)や、民間主要図書館の蔵書目録等により、該当する資料の所在確認作業を行った。本年度に至るまで引き続き関連資料の所在につき補充調査を行なうとともに、一部の資料については所蔵者のもとに出向き、実物の調査・写真撮影なども行ったが、平成9年12月末日現在で確認出来た資料数は次の通りである。絵巻 174点、絵図 165点、絵馬 15点、壁画 2点、屏風(衝立) 13点(合計369点)この種のデータは従来皆無であり、今回の調査研究によって「神社祭礼絵巻」類の所在データが一先ず集積出来たことは、本研究の大きな成果であると考えている。今後は、このデータを活用して当初の目的である神社祭礼史・祭礼文化史を確立するために、個別資料ごとの研究を行なうとともに、更なるデータの蓄積作業をも重ねて行きたい。
著者
永野 和男 園屋 高志 加藤 直樹 村瀬 康一郎 近藤 勲 生田 孝至
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本研究の目的は,(1)企業等の協力あるいは教師や研究グループによる自主的な活動により各地で多数試行されている「ネットワークを利用したマルチメディア情報通信を学校教育に活用する種々のプロジェクト」の動向を把握し,適切に評価することにより,今後の教育実践及び必要な条件等に関して指針を与える。(2)これまで蓄積されてきた教育情報を相互に利用できるような仕組みを開発し,マルチメディアを中心とした教育情報の組織的な流通の促進を支援する。(3)マルチメディア及び情報通信を用いた教育実践の評価の枠組みと学習の評価の枠組みを作成し,それによる評価分析により,今後の教育実践のあり方等に関する指針を示す。ことである。平成8年度は,前年度と同様,分担者を(A)小・中学校におけるマルチメディア利用・ネットワーク利用の実践に関する試行および調査検討(B)教師支援のためのマルチメディア利用・ネットワーク利用の実践に関する試行および調査検討(C)マルチメディア・ネットワーク利用に関する教育的意義と評価方法の検討の3つのグループにわけて研究を進めた。(A)班では,遠隔共同学習,メディアキッズなど先進的な事例について,経過,成果の調査,問題点の検討をもとに,インターネットで実践できるカリキュラムのモデルとして「野菜・果物データベース」とその教材を開発し,実践してその実用性を評価した。さらに,これまで提供されてきたインターネットホームページを整備し,体験版のCD-ROMを作成して,実践校などに配布,啓蒙活動を進めた。(B)班では,前年度に,蓄積された教育情報(学習素材,メディア教材など)を各大学や各教育センターなどで利用できるように条件整備を図りながら、その教育利用の方法,成果についての実態調査を進めた。(C)班では,昨年に引き続き,Internet 100枚プロジェクトの課題研究,共同学習を中心に,経過,成果を追跡調査,技術的問題点,教師の意識の変容,教員養成の方法などを明らかにした。これらの成果は,最終報告書にまとめると同時に,文部省などに対して,今後進めるべき具体的政策を提言した。
著者
朱宮 丈晴 高山 浩二 藤田 卓 加藤 英寿
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.63-87, 2008-03

南硫黄島における垂直分布に沿った温度・湿度と上壌環境といった環境要因、群落組成と構造の変化および相互の対応関係を解析した。調査期間中(2007年6月19日〜25日)の気温の平均値から逓減率を求めたところ標高500m以上の3つの地点で湿潤断熱減率(0.47℃/100m)を示した。また、5%ごとの湿度の測定値頻度を求め、標高別にみてみると、標高500m以上の3つの地点で95%〜100%の頻度が最も高かった。ただし、山頂部は強風の影響で雲霧の発生が不安定であると考えられ747mと比較して湿度の変動係数が大きかった。12cm (45.8%)、20cm (40.8%)における表層土壌の土壌水分は山頂部で最も高かった。こうした環境に対応して木本層(胸高1.3m以上)、草本層(胸高1.3m未満)、着生層の群落組成と構造を解析した。クラスター分析によって木本層の群落はP1(911m)〜P3(521m)、P4(375m)、P5(59m)という3つのグループに区分され、雲霧林が一つのグループとして区分できた。ただし、P1、P2ではコブガシ、エダウチヘゴが共優占していたが、P3はコブガシだけが優占していた。これは雲霧林内では常緑広葉樹の成長が抑制されためシダ植物が林冠構成種として共存しているのかもしれない。また、着生層の種数は標高が減少するとともに急激に減少した。群落構造は山頂部で最大直径が大きく、最大樹高は減少しており、強風などの影響が考えられた。着生層種数/総種数(0.56〜0.40)、着生層種数/草本層種数(0.88〜0.55)から500m以上の雲霧林では、各着生層種数比が高かった。したがって、林床が暗く、空中湿度高い雲霧林では草本層より着生層の発達が著しいと考えられた。
著者
加藤 修子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
Booklet (ISSN:13420607)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.10-34, 1997-01-20

The purpose of this study is to improve the acoustic environment in libraries and to construct the model of the desirable acoustic environment in libraries, based on the theory of soundscape and soundscape design. In order to think of soundscape in libraries, the author set up the following 3 levels: (1) public space, (2) cultural information centers, and (3) libraries, and examined some examples of soundscape design and the possibility of applying them to each levels. First of all, it is important to clarify the existing acoustic environment of the facilities. Therefore the author investigated the existing acoustic environment of the libraries and the acoustic environmental awareness of librarians by questionnaire, focussing on the public libraries in Saitama and Yamanashi prefectures. The results of this survey are discussed from 3 aspects : (1) sound from the outside of the libraries and undesired sound, (2) sound from the inside of the libraries and undesired sound, and (3) environmental music in the libraries.
著者
清水 康裕 鈴木 亨 才藤 栄一 村岡 慶裕 田辺 茂雄 武満 知彦 宇野 秋人 加藤 正樹 尾関 恩
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.527-533, 2009
被引用文献数
8 16

対麻痺者の歩行再建には骨盤帯長下肢装具が用いられている.装具は,関節の自由度を制限することで立位や歩行の安定を得る.しかし起立・着座の困難や歩行時の上肢への負担が大きく,実生活での使用に限界があった.股・膝・足関節に屈曲伸展自由度と力源を有する歩行補助ロボットWPAL(Wearable Power-Assist Locomotor)を開発中であり,予備的検討として,従来装具であるPrimewalkと比較した.1)対麻痺者3名において,歩行器を用いての起立・着座の自立度と歩行距離を比較した.装具では介助や見守りを要した例を含め,WPALでは3 名とも起立・着座と歩行が自立した.連続歩行距離はPrimewalkの数倍であった.2)練習期間が最長であった対麻痺者1名でトレッドミル上の6 分間歩行における心拍数,PCI,修正ボルグ指数,体幹の側方方向の動揺を比較した.心拍数,PCI,修正ボルグ指数が有意に低く,体幹の側方動揺が有意に少なかった.下肢に自由度と力源を付与したWPALは対麻痺歩行再建の実現化を大きく前進させるものと考えられた.
著者
加藤 拓道 宮田 紀元
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.71, no.606, pp.71-78, 2006
被引用文献数
1 1

This study suggests an evaluation method of spatial configurations through the use of network indices based on human movement time in architectural space. First, an analysis method for the network that includes barrier elements (such as sliding doors, etc.) is created. Then, this method is applied to both virtual and actual spaces. Three indices (degree of scatter, variability of dispersion and detour index) are defined and calculated for each plan. As a result, the basic properties of each index are clarified and the designer's intents are shown quantitatively by these network indices.
著者
太田 信夫 加藤 正 向後 博 布田 由之 望月 一男 永田 善郎 河路 渡
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.183-188, 1976

日常診療において, 腰痛患者に接することは多く, 腰椎レントゲン上, 移行椎を見る事もまた多い。古くより両者の因果関係が多く論じられて来ているが, 今回少数ではあるが, 腰痛者, 非腰痛者の腰椎レントゲン写真を比較検討し, 腰痛と移行椎がはたして, かかわりあいを持つものかどうか改めて統計的考察を試てみたいと思う。

2 0 0 0 OA 初期帝国議会

著者
加藤孫治郎 編
出版者
加藤孫治郎
巻号頁・発行日
1891
著者
阪本 英男 加藤 敏春 岸本 和一郎 多田 幸生 村上 明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.12, pp.1151-1157, 1988-12-15
被引用文献数
1

靴はそのデザインに多様な形状が要求される.近年においては デザインに対する仕様の変化する期間が短くなっているため このような需要動向に即応できることが望まれる靴の製造工程においても靴CADシステムが導入されているが 三次元でのデザインを作成するための機能については不十分である.筆者らは 靴用CADシステムにおいて靴のデザイナによるデザインの作成作業を支援するための三次元カーソル機能の開発を行い 三次元のグラフィックディスプレイ上で実現した.本報告では 作業の対象であるラストの曲面形状をその三次元形状測定点から創成する過程 三次元カーソルの動きをモデリング曲面上のみに拘束するための処理手順 システムのハードウェア構成について述べるまた 実際に三次元カーソルを用いてデザイン曲線を作成した例を挙げる.
著者
国方 聖司 加藤 良成 永井 信夫 八竹 直
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.p861-865, 1982-07

Seventy-two patients suffering from urethral stricture were treated at our clinic between May 1975 and December 1980. The clinical findings are reported. The common causes of the urethral stricture were trauma and infections, but iatrogenic (postoperative) cases have recently increased. Optical urethrotomy provided greater dilatation of the urethral stricture than the internal urethrotomy done using a Meisonneuve internal urethrotome. Optical urethrotomy is recommended for the treatment of urethral strictures because of the high success rate and safety.
著者
加藤 雅英 辰己 丈夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.7-8, 1995-03-15

自動定理証明系の構築に際して問題となるのは、証明が無限に続く時があることと、アラー変数と呼ばれる特殊な変数に自由変数の代入を行なうと、組合せの増加による計算量の増大が起こることである。これに対し我々は、人間と一体になったシステムが証明をすすめることにより、証明が無限に続くことを防ぎ、全体の処理時間を短縮する研究を行なっている。本稿では、論理体系CLCを用いた我々の自動定理証明システムにおいて採用したアラー変数への代入方法が、有効的かつ効率的であることについて述べる。
著者
王 大慶 福井 幸夫 伊藤 哲也 中島 員洋 加藤 四郎 内貴 正治 栗村 敬 若宮 伸隆
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.567-572, 1990-06-15

ハムガニツウ・ダイハー(HD)抗原は, Nーグリコリルノイラミン酸を抗原決定基とする異好抗原であり, ヒト・ニワトリ以外の動物血清に存在することが知られている. 今回, 我々は, 9種の動物血清(牛胎児, 子牛, 馬, 山羊, 猿, 家兎, モルモット, ラット, マウス)を用いて, SDS-PAGE, Western blottingを行い, アビジン・ビオチン・アルカリホスファターゼ法を用いた高感度免疫染色により, HD抗原糖蛋白を検出した. HD抗原は, 血清蛋白中では, 銀染色の感度限界程度の微量蛋白であり, 動物によって, その分子量に多様性が認められた. 又, 牛血清では, 加齢による新しいHD蛋白の出現が, 認められた. これらの動物血清におけるHD抗原糖蛋白は, 糖脂質同様, "血清病"を惹起する可能性のあることが示唆された.
著者
加藤 寿延
出版者
亜細亜大学
雑誌
亜細亜大学経濟學紀要 (ISSN:03854604)
巻号頁・発行日
vol.1, no.5, pp.19-37, 1970
著者
市川 隆一 関戸 衛 竹内 央 小山 泰弘 近藤 哲朗 望月 奈々子 村田 泰宏 吉川 真 市川 勉 加藤 隆二 大西 隆史 藤咲 淳一 高島 和宏 飛翔体VLBIグループ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.254, pp.19-24, 2005-08-19

情報通信研究機構では、宇宙飛翔体の準リアルタイム軌道決定技術の獲得を目指して、相対VLBI実証実験を行っている。火星探査機「のぞみ」や小惑星探査機「はやぶさ」のVLBI実験において、ISAS/JAXAによるR&RR結果に対する群遅延残差は、最大数10ナノ秒にも及ぶものの双方の結果は調和的であった。また、広帯域のレンジ信号送出の時間帯に限定すれば、双方の残差は10ナノ秒程度のばらつきにおさまる。「のぞみ」位相遅延データによる暫定的な解析では、「のぞみ」の赤道座標系推定位置が約40ミリ秒角以下の誤差で決定できた。その他、測地GPSデータにより相対VLBI法での中性大気による伝搬遅延誤差の軽減効果についても評価した。
著者
横田 誠 加藤 佳仁 横山 未希子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.259-260, 1997-03-12

人間は複雑系に対応して生きて来た。今回, 問題にする楽曲パタン系も, 典型的な複雑系と思われる。楽曲パタン系を扱うのに, 我々は, 数理伝送の立場から, 正規化系という, 射影関係から, その問題に対応しつつある。一般に, 複雑系といった場合, それが全てにかかわる為, その中核となる, 又は, 基礎となる分野とは, そして, その複雑性を減少させる方法とは, ということを考えたい。音楽的系は, 伝子工学系 (一般化された線路・回路伝送工学) の立場からしても, 他の全ての分野の問題系の, 重要な基礎系である。その楽曲パタン系を正規化系としてゆくのも, その複雑性の減少の試みでもある。通常の科学哲学を背景に, 少し前から, ガイア, ファジー, 痛覚, カタストロフ, フラクタル等のいわゆるニューサイエンスの系列上に, フラクタル, カオスがあリ, 一方, 物理系でも, DNA, 人間原理, 超弦理論等と流行し, 今回の複雑系は, これ等を背景に, 最近, 脚光をあひているものである。我々は, 生物的, 意識・行動的機能, に対応する人工的シスてム, について考えを進めている。今回は, その基礎系として, 楽曲パタン系の問題の, 複雑系としての軽減の試みをする。