著者
加藤 百一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.200-205, 1970-03-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
23

アイヌの酒のうち樹液酒と穀物酒のつくり方をアイヌの古謡や古老の語りつたへから現代に再現することを試みられた。アイヌは古くから糸状菌の利用法を知っており穀類原料の糖化にカムダチ (麹) を使っていたことは特に興味ふかい。
著者
及川 浩和 加藤 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.31-37, 2009-09-15 (Released:2017-03-31)
参考文献数
6

日本語を学ぶために別科に入学した中国人留学生を対象として,コンピュータの漢字変換機能に着目し,正確な読みの指導を中心とした読解・聴解能力を育てるための5つの学習活動を取り入れた日本語学習指導法を提案する.第I報では,コンピュータに対する不安度,読みの誤り,文字を手がかりにした意味の理解度について実態調査を行い,学習が成立するための基礎資料とし,学習プロセスモデルを構築するまでの過程を述べた.本稿では構築した学習プロセスモデルにおける学習状況を明らかにするため,これまでに授業実践した結果と評価について述べる.授業実践の結果,漢字変換機能を活用した学習には成果が見られ,学習者にとってこの学習活動は肯定的に受け止められた.
著者
大畑 充 庄司 博人 清水 万真 谷川 博康 加藤 太一朗 野澤 貴史
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.89, no.926, pp.23-00168, 2023 (Released:2023-10-25)
参考文献数
18

This study aims to develop a numerical simulation-based method for predicting ductile crack growth resistance curve (R-curve) for pre-strained components for rational assessment of ductile crack growth controlling fracture for pre-strained structural component with any plastic constraint. Experiments on R-curve of 3-point bend specimen with a shallow crack for steel pre-strained by 6% over uniform elongation provides that the pre-strain does not significantly reduce ductile crack initiation and growth resistance, even though the pre-strain induces disappearance of uniform elongation and work hardening together with drastic reduction in elongation. Observations of damage evolution in terms of micro-void formation indicate that ductile crack growth behaviors in both virgin and pre-strained steels are based on a micro-void nucleation-controlled ductile fracture mechanism. These experimental results demonstrate that the ductile damage model that we have already proposed for predicting R-curve for virgin steel that exhibits micro-void nucleation-controlled ductile fracture behaviors can be applicable for these virgin and pre-strained steels used. Thus, based on the previously proposed ductile damage model, a simulation-based method to predict the R-curve of pre-strained specimens only from the properties of virgin steel is proposed taking material degradation (change in strength and damage properties) due to pre-strain into account. The applicability of the proposed method is verified by showing the predicted R-curve for pre-strained steel are in good agreement with experimental results.
著者
加藤兼善著
出版者
近代文芸社 (発売)
巻号頁・発行日
2009
著者
伊藤 公夫 松橋 亮 加藤 敏朗 三木 理 紀平 寛
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.285-291, 2001-06-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
20
被引用文献数
6 5

Potential ennoblement for stainless steel in natural seawater was analyzed. Open circuit potentials (OCPs) of platinum, gold, palladium, chromium, titanium and nickel ennobled in natural seawater as well as stainless steel, SUS 304 (18Cr-8Ni). Potential ennoblement is not a specific event to only stainless steel. Marine biofilm clearly caused potential ennoblement. Cathodic polarization curves for the ennobled stainless steel elucidated that there were two distinct reduction current increases. One is the limited diffusion current of dissolved oxygen reduction below -500mV vs. Ag/AgCl (KClsat). The other reduction current around 0mV vs. Ag/AgCl (KClsat) was considered to be hydrogen peroxide reduction current in acidic condition. Synergistic effect of hydrogen peroxide and low pH in artificial seawater carried out high OCP of stainless steel like that in natural seawater. Therefore, we concluded that synergistic effect of hydrogen peroxide production and low pH by marine microorganisms is possible cause for potential ennoblement in natural seawater.
著者
加藤(鈴木) 美羅 岡松 優子
出版者
低温科学第81巻編集委員会
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.99-108, 2023-03-20

哺乳類には,白色と褐色の2種類の脂肪組織が存在する.白色脂肪組織はエネルギーを中性脂肪として貯蔵する役割を担うのに対し,褐色脂肪組織はミトコンドリアの脱共役タンパク質1(UCP1)により熱を産生する非震え熱産生の部位である.哺乳類は寒冷刺激を受けると交感神経を介して褐色脂肪組織の熱産生を活性化し,体温の低下を防ぐ.寒冷刺激が長期に渡ると褐色脂肪組織が増生するとともに,白色脂肪組織中にUCP1を発現するベージュ脂肪細胞が誘導され(白色脂肪の褐色化),個体レベルの熱産生能が増大して寒冷環境に適応する.本稿では,寒冷適応における脂肪組織の変化とその分子機序を概説するとともに,動物種による褐色脂肪組織の発達や機能の違いについて紹介する.
著者
松岡 弥玲 加藤 美和 神戸 美香 澤本 陽子 菅野 真智子 詫間 里嘉子 野瀬 早織 森 ゆき絵
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.522-533, 2006-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
42

本研究では, 成人期を対象に, 複数の他者 (子ども, 配偶者, 両親, 友人, 職場の人) から望まれている自己 (他者視点の理想自己) と現実自己のズレが自尊感情に及ぼす影響について, 性, 性役割観, 世代, 就業形態との関連から検討した。調査参加者は就学前もしくは大学生の子どもを持つ成人期 (子育て期, 巣立ち期) の男女計404名。自尊感情を基準変数, 5つの他者視点の理想-現実自己のズレを説明変数とした重回帰分析を行った結果, 際立った性差がみられ, 全体的に男性は職場のみ, 女性は複数の他者 (子ども, 友人, 両親のうち2者) の視点からの理想-現実自己のズレが自尊感情に影響していた。また, 性役割観の違いによってどの他者視点から影響を受けるのかが異なり, 子育て期の男性では伝統主義の場合は職場が影響していたが, 平等主義群では子どもが影響していた。女性においては性役割観の違いが両親と友人の影響の差として現れ, 世代差は子どもと職場の影響の違いにみられた。就業形態別では, 専業主婦は両親のみが影響していた。以上のことから他者視点の理想-現実自己のズレが自尊感情に及ぼす影響は性, 性役割観, 世代, 就業形態によって異なることが示された。
著者
加藤 忠史
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.183-187, 2011 (Released:2017-02-16)
参考文献数
12

小児思春期双極性障害が米国で急増している。小児期に発症する双極 I 型障害がまれながら存在することは確かであろう。しかし,最近増えてきたケースは,激しい易怒性,攻撃性を示すが,長期に続く気分の障害ではなく,双極 I 型あるいは双極 II 型の診断基準を満たさない。こうした場合,成人型の双極性障害に進展するかどうかは不明である。このように,米国では過剰診断が懸念されており,DSM-5 ドラフトで提案された Temper Dysregulation Disorder with Dysphoria(TDDD)は,この過剰診断を防ぐ目的で導入された診断基準である。今後,この診断基準を元に研究を進め,こうした情動障害の背景に,双極性障害の家族歴,AD/HD,精神刺激薬治療などがどのように関わっているのか,そしてこうした症例のどれだけが成人型の双極性障害を発症するのか,明らかにしていく必要がある。
著者
上田 健太郎 岩﨑 安博 山添 真志 川副 友 川嶋 秀治 山上 裕機 加藤 正哉
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.141-148, 2013-03-15 (Released:2013-05-29)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

【目的】壊死型虚血性大腸炎は全虚血性大腸炎の約10%と頻度は低いが予後が悪く,診断した時点で壊死粘膜を含めた広範囲の腸管切除の緊急手術が必要である。しかしながら,はっきりとした診断基準がなく手術時期が遅れることが多いのが現状である。我々は壊死型虚血性大腸炎の救命率改善のために早期診断基準と予後因子の検討を行った。【対象】2002年から2010年までに経験した壊死型虚血性大腸炎手術症例24例を対象とした。【結果】平均年齢は77.4歳と高齢であり,男性15例,女性9例であった。基礎疾患として全例が動脈硬化性疾患を有していた。術前現症は16例に腹膜刺激症状,10例に下血,12例にイレウス症状を認め,11例で急性期DIC,9例でショック,17例で代謝性アシドーシスを伴い全身状態が不良な症例が大半であった。また全例でSIRS(systemic inflammatory response syndrome)陽性・21例で血中乳酸値の高値を認める特徴があり,発症から手術までの時間が24時間以内だったのが12例(50%)であった。術中所見として,穿孔は7例に認め,壊死範囲は全結腸型(病変が回盲部・肝弯曲部・脾弯曲部・SD junctionのうち3箇所以上にまたがる)5例,限局型19例(右半結腸4例,左半結腸15例)であった。術式は壊死病変部切除および人工肛門造設術が23例,一期的吻合術が1例で,救命率は58.3%であった。上記の因子と血液検査のデータに対し単変量解析を行った結果,発症から手術までの時間(24時間以内vs.以上),年齢,PT-INR値が予後因子であり,これら3因子によるLogistic回帰分析を用いた多変量解析により発症から手術までの時間が独立予後因子であった(p<0.05)。【結語】動脈硬化性疾患を有する高齢者では腹部所見が乏しくてもSIRS陽性・血中乳酸値の上昇を認める場合,壊死型虚血性大腸炎を念頭に診療することが重要である。また本症の独立予後因子は“発症から手術までの時間が24時間以内”であり,早期診断,緊急手術により救命率が改善すると考えられる。
著者
矢作 徹 山田 直也 村山 裕紀 加藤 睦人 渡部 善幸 伊藤 浩志 峯田 貴
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.170-175, 2021-03-01 (Released:2021-03-09)
参考文献数
26
被引用文献数
1

This paper describes characterization of thermal imprinting of resins using a fabricated micro-multi-fin structured micro-electro-mechanical system(MEMS)mold to incorporate a structural color expression function.Through the MEMS fabrication process, micro-mold structures with 0.2-μm pitch inclined micro-multi-fin structures on the sidewalls of microscale ridges(structures resembling a morpho butterfly)were fabricated on Si substrates. Shape transfer properties related to thermal imprinting of cycloolefin polymer(COP)and polymethyl methacrylate(PMMA)were examined using the fabricated MEMS mold with an inclined multi-fin structure. Thermal imprinting was conducted under various temperature conditions related to the measured glass transition points of resins obtained via dynamic mechanical analysis. The multi-fin shape(a 4-μm pitch ridge structure with a 0.2-μm pitch inclined multi-fin structure)was transferred to the COP and PMMA. The molding resin fin widths increased along with increasing molding temperature. Also, adhesion between the mold and the resin improved, which made release of the resin from the mold difficult. Finally, the imprinted PMMA exhibited a light blue reflection(380-500 nm).
著者
加藤 裕
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1959, no.9, pp.1-5, 1959-03-31 (Released:2009-07-23)
参考文献数
17

周知の通りヘラクレイトスの根本思想は、「万物流転 (ηαντα ρετ) 」である.それは「万物がロゴスに従って (κατα τον λογον) 生起する」 (H. Diels: Fr. der Vorsokratiker. Fr. 1) ことである.それ故「万物流転」の思想を把握する最大の鍵は「ロゴス」にあると言うことができる.「万物」及び「流転」ということに根拠がないと言う訳ではもとよりないのであるが、言わば「万物流転」という根源体験に理性的照明を与えるものが、「ロゴス」であると言うことはできるのではあるまいか.小論は、その「ロゴス」に焦点を合せたヘラクレイトス研究の覚書である.
著者
加藤 邦彦 宮崎 真素美 疋田 雅昭
出版者
佛教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、「戦後詩の第二世代」と呼ばれる詩人たちの活動を支えた詩雑誌、「詩学」「現代詩」「ユリイカ」を中心に、昭和30年代の詩について研究する。戦後詩の第二世代は、批評の方面では非常に多く取り上げられているものの、研究としてはまだほとんど進んでいない。そこで、「詩壇ジャーナリズムの第一期」を形成した上記3誌に注目することで、(1)戦後詩の第二世代の特質およびその形成過程、(2)昭和30年代の詩の展開が雑誌メディアによって誘導され、かたちづくられたものであることを明らかにする。
著者
石井 隆 葉山久世 加藤ゆき 篠田授樹 池内俊雄 松本令以 萩原 康夫
出版者
日本野鳥の会 神奈川支部
雑誌
BINOS (ISSN:13451227)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.9-20, 2013-12-01 (Released:2014-11-10)
参考文献数
2
被引用文献数
1

1 2012 年以降の野生化したカナダガンの有害捕獲について報告した。2 山梨県富士河口町河口湖での、袋網捕獲で必要な手続きをまとめた。鳥獣保護法、自然公園法、河川法、土地所有者の許可等が必要で、約1 年の準備期間を要した。3 袋網作成の材料の検討を行い、袋網設置までの手順をまとめた。4 6 月14 日からの袋網設置の準備作業についてまとめた。5 6 月29 日の袋網捕獲の記録をまとめた。カヌー 6 艘、動力船1 艘、地上チーム10 名の体制で捕獲を行った。6 捕獲した個体の安楽殺は静脈経由で麻酔薬を投与し、電解質液を注入して心停止させた。7 袋網捕獲にあたっての留意点をまとめた。網の設置場所、規格、水上での追い込み等に関して記載した。
著者
中村 昌人 清野 宗一郎 藤本 健太郎 小暮 禎祥 弓田 冴 小川 慶太 岩永 光巨 中川 美由貴 藤原 希彩子 神崎 洋彰 興梠 慧輔 井上 将法 小林 和史 叶川 直哉 近藤 孝行 小笠原 定久 中川 良 中本 晋吾 室山 良介 加藤 順 加藤 直也
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.517-520, 2023-10-01 (Released:2023-10-12)
参考文献数
5

A questionnaire survey of medical institutions Chiba Prefecture, Japan, specializing in liver diseases was conducted. This study aimed to provide an overview of the current hepatitis virus tests situations and measures taken to link test-positive individuals to specialists. The positivity rate in these institutions was high, with 2.2% for hepatitis C antibody (HCVAb) and 0.9% for hepatitis B surface antigen (HBsAg). Although many institutions (70%) had been employing linking measures, the consultation rate with hepatologists was low, with 7.6% and 14.3% for HCVAb- and for HBsAg-positive cases, respectively. Only half of the institutions disclosed that their measures were working well. These data suggested the importance of improving the system for determining test-positive individuals and promoting hepatologist consultation.