著者
妻木 俊道 本田 瑛彦 加藤 裕基 藤岡 紘
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.422-431, 2016 (Released:2016-10-01)
参考文献数
35
被引用文献数
3 2

On the moon, planets and volcanic area, it is difficult for the robots with wheels, crawlers, legs individually equipped to cross over the large rocks, high step and so on. For acquiring high cross-country ability, to pass the terrain with its body and the shape of its moving mechanisms transforming according to the shape of terrain, is effective. We have been researching and developing such a high performance cross-country robot. Here we introduce the concept and overview of the robot and the results of the test of the intermediate pilot model with 4 crawlers on mainly about the cross-country ability based on terramechanics.
著者
中村 彰宏 加藤 一誠 眞中 今日子
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.167-174, 2017 (Released:2019-05-27)
参考文献数
4

本研究では、交通事故につながる違反運転を繰り返す運転者には、構造的に違反運転をしてしまう理由があるのではないかという仮説を立て、2014年に実施したアンケート個票データをもとに繰り返し違反運転者の違反運転理由について分析した。分析の結果、繰り返し違反運転者の半数が、「自分自身(運転者)以外にも、仕事など、違反の理由がある」と考えている点が明らかとなった。この分析結果から、彼らの違反を削減するためには、運転者個人への指導以外の方法も合わせて講じることも必要である点、「運転者個人を対象とした指導施策」の効果を評価する際には、仕事など、運転者個人の意識改善以外の要因を考慮して、その効果を測定する必要がある点などの政策含意が導かれる。
著者
伊豆 裕一 佐藤 浩一郎 加藤 健郎 松岡 由幸
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

プロダクトデザインにおいて,スケッチには,新たなデザイン解の導出を促す効果のあることが多く指摘されている.しかしながら,従来の研究では,それらの効果に対する透視図法や展開技法などのスケッチスキルの影響については明らかにされていない.筆者らは,プロダクトデザインにおけるスケッチスキルの効果の解明を目的に,スケッチ教育におけるスケッチスキルの習得度の差異を分析することで,各スケッチスキルの関係性を表すスケッチスキルの構造モデルを提示した.本稿では,本モデルを用いて,デザインにおいてイメージの創出を狙いとしたラフスケッチと,形状,構造,および仕様の導出を狙いとしたアイディアスケッチの両スケッチに影響するスケッチスキルを分析した.その結果,ラフスケッチにおいて形状の特徴表現,アイディアスケッチにおいて形状の正確・的確な表現に関わるスケッチスキルが,それぞれに強く影響することを明らかにした.<br>
著者
村上 大輔 澤津橋 基広 吉川 沙耶花 西嶋 利光 齊藤 章 加藤 昭夫 小宗 静男
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.30-38, 2012 (Released:2013-01-01)
参考文献数
16

花粉症に対する皮下免疫(減感作)療法は、唯一根治を期待できる治療法である。しかしながら頻回に注射が必要なことや重篤な有害事象が起こる可能性があるため、より侵襲が少なく、利便性が良く、安全な減感作治療法が期待されてきた。そこで簡便に減感作を行える新規経口免疫寛容剤 (スギ抗原 - ガラクトマンナン複合体) を用いて、花粉症患者に対する減感作治療の安全性、その効果について検討した。減感作中の有害事象は、5 名中 1 名で全身倦怠感を認めたのみであった。また、花粉飛散期での鼻症状、重症度スコア、VAS、medication score は、薬物治療群と比較して減感作治療群でスコアの改善がみられた。これらの結果から少人数のパイロット研究ではあるが経口免疫寛容剤 (スギ抗原 - ガラクトマンナン複合体) を用いた経口免疫療法は、重篤な有害事象を認めず、短期間での減感作治療効果が期待でき、花粉症に対する治療の一つの選択肢になり得ると考えられた。
著者
加藤 貴英
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

高炭酸ガス吸入は呼吸中枢を刺激し,呼吸・循環機能を賦活させる.本研究では,この特異的生理学的応答をスポーツトレーニングに応用した.1日1時間2週間の間欠的高炭酸ガス吸入を持久性アスリートに行わせた結果,高炭酸ガス換気応答が高まり,運動時の最大換気量が増加した.本研究の結果から,間欠的高炭酸ガス吸入は持久性アスリートの換気能力を高める可能性があることを示した.
著者
加藤 千恵子 廣橋 容子 石川 貴彦 笹木 葉子 南山 祥子 佐々木 俊子 長谷川 博亮 結城 佳子 Cieko KATO Yoko HIROHASHI Takahiko ISHIKAWA Yoko SASAKI Shoko MINAMIYAMA Toshiko SASAKI Hiroaki HASEGAWA Yoshiko YUKI
出版者
名寄市立大学
雑誌
紀要 = Bulletin of Nayoro City University (ISSN:18817440)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.63-76, 2018-03

妊婦100 人を対象にマイナートラブルの症状と指尖脈波の非線形解析の手法を用いて,妊娠前期,中期,後期の特徴を検証した。指尖脈波は,心の外部適応力(元気さ)の指標となる最大リアプノフ指数( LLE: Largest Lyapunov Exponent) と,交感神経と副交感神経の状態から自律神経バランス( Autonomic Nerve Balance)でストレスとリラックスの状態がわかる。その結果から,「理想ゾーン」36.3%,「準理想ゾーン」51.0%,「憂鬱ゾーン」3.9%,「本能のままゾーン」2.0% ,「気が張り詰めているゾーン」2.9%,「気が緩んでいるゾーン」3.9% の6 つの領域に分類できた。高ストレス者は3.0% が該当した。LLE 値の平均値は,妊娠前期5.18,中期4.84,後期4.05 で,妊娠経過に伴い心の元気度が有意に低下していた(p= 0.010)。また,疲労と抑鬱の測定値は有意に増加し(p= 0.027, p=0.006),リスクは増していた。妊娠初期のつわりの症状が,「倦怠感」「胃の不快」「面倒さ」に影響したことが示唆された。妊娠後期,一部の者は,経済的負担感が増していた。過去1か月間の疲労・不安・抑鬱の症状を自覚する割合に比べ, 現在の指尖脈波の測定値の方が有意に高く,疲労・不安・抑鬱のリスクは増していた。妊娠初期から人的・経済的基盤を中心とした支援を強化する必要がある。今後,妊婦健診などで指尖脈波やマイナートラブル評価尺度を活用して,可視化・客観視できる結果をもとに妊婦と共に振り返り,活用することが重要である。
著者
小野 元治 大久保 裕行 岡崎 真一郎 石松 敏樹 宇留嶋 美奈 吉松 英明 加藤 徳弘
出版者
大分県農林水産研究センター
巻号頁・発行日
no.2, pp.11-39, 2008 (Released:2011-03-07)

イチゴの主要害虫に対し、天敵や微生物農薬および天敵に影響の少ない化学農薬を中心に防除効果を検討するとともに、既存の防除技術を組み入れた防除体系について検討した。1.灰色かび病に対して、サンクリスタル乳剤およびジーファイン水和剤の散布、ボトキラー水和剤のダクト散布が有効であり、うどんこ病に対しては、硫黄くん煙およびボトキラー水和剤のダクト散布に防除効果が認められた。2.主要病害に対して、天敵や微生物農薬を組み入れた防除体系による現地実証試験を行った結果、ボトキラー水和剤のダクト散布により、うどんこ病に対する効果は少発生により判然としなかったが、灰色かび病に対しては散布剤と併用することで十分な防除効果が認められた。3.ハダニ類に対して、チリカブリダニとミヤコカブリダニの4回放飼、ハスモンヨトウに対しては、フェニックス顆粒水和剤、プレオフロアブルおよびトルネードフロアケルの散布が有効であった。4.主要害虫に対して、天敵や微生物農薬を組み入れた防除体系による現地実証試験を行った結果、チリカブリダニとミヤコカブリダニの4回放飼は、ハダニ類の密度が上昇しないように薬剤散布と併用しながら放飼することで十分な防除効果が得られた。ハスモンヨトウ、アブラムシ類に対しても、適期防除を行うことや、防虫ネットの設置により防除可能なことが実証された。5.総合防除体系の確立により、本圃における慣行防除回数30回に比べ9回以上削減が可能となった。
著者
高橋 英介 萩原 勁 野口 正之 松島 康 小高 達朗 輿石 晴也 中村 治彦 米山 一男 小中 千守 加藤 治文
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.195-199, 1993-06-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

One case of tracheal diverticulum and eleven cases of bronchial diverticula were detected in 4127 subjects examined by fiberscopic bronchoscopy. The tracheal diverticulum was located in the right posterior portion of the trachea, and the bronchial diverticula were located in the right truncus intermedius (5 cases), the right basal bronchus (5 cases) and the right middle lobe bronchus (1 case). From our studies and reviewing the previous reports in Japan, we came to the conclusion that the frequent site of the tracheal diverticulum was at the right posterolateral portion and that of the bronchus was at the truncus intermedius. There was redness of the mucosa and vascular engorgement in 2 of the 12 cases of tracheobronchial diverticula. In most cases, diverticula were clinically silent, however in some cases, they tended to lead to the foci of inflammation. Therefore in case of the recurrent pulmonary inflammation, bronchofiberscopic examinations are highly recommended to rule out the tracheal or bronchial diverticula.

1 0 0 0 OA アイヌの酒 (5)

著者
加藤 百一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.1247-1253, 1968-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8

アイヌの祭リにもいろいろあって, それぞれに酒が用いられる。さらに祈願酒もある。これらの飲酒作法等興味ある解説が著者特有の筆法で記される。
著者
油井 健宏 加藤 久幸 岡田 達佳 櫻井 一生 山本 直樹 内藤 健晴
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.255-260, 2012 (Released:2013-11-01)
参考文献数
21

HPV 関連中咽頭癌は HPV 非関連癌に比べ、化学療法や放射線療法に高感受性で予後良好である。今後、HPV の検出が中咽頭癌の治療効果予測や治療方針決定に対する有用なバイオマーカーとなり得る。今回、68 例の未治療中咽頭癌のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックからの最適な HPV 検出法とその手順の探索を行った。方法はリアルタイム PCR 法でハイリスク型 HPV の 7 亜型の検出、In situ hybridization 法 (ISH) で HPV 16/18 DNA の検出、免疫組織化学検査で p16 の発現を検討した。HPV 陽性率はPCR、ISH、p16 で各 37、32、44%、PCR で HPV 陽性 28 例の内訳は、16 型が 26 例 (93%)、56 型 1 例 ( 4%)、58 型 1 例 ( 4%) であった。3 種類の検出法のうち 2 種以上が陽性のものを真の HPV 陽性と仮定すると、感度と特異度は PCR (92%、93%)、ISH (92%、100%)、p16 (100%、86%)で、陽性的中率と陰性的中率は PCR (88%、95%)、ISH (100%、96%)、p16 (80%、100%) であった。HPV 検出法として、まず p16 でスクリーニングを行い、p16 陽性例に対し ISH で確定診断する方法が至適と考えられた。
著者
高橋 浩 志村 俊昭 加藤 聡美
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.124, no.6, pp.399-411, 2018-06-15 (Released:2018-08-18)
参考文献数
74
被引用文献数
1 5

日高変成帯は島弧ないし大陸地殻の衝上断片と考えられており,非変成堆積岩類からグラニュライト相に達する高変成度変成岩類まで観察できる世界的に見ても稀な地質体であり,島弧ないし大陸地殻の成因を解明するための絶好の対象となっている.1990年代~2000年代はじめまでに,日高変成帯の基本構造や発達史は確立されたかと思われた.しかし,2006年以降,変成岩類および深成岩類中のジルコンのU–Pb年代の報告によって,日高変成帯下部層(高変成度側)の主要変成作用の時期は19Ma頃であることが明らかとなり,従来の日高深成・変成作用の年代論(55Ma頃の主要深成・変成作用)の見直しが必要となった.また,日高変成帯上部層(低変成度側)は,中の川層群と漸移関係にあり,変成岩類の年代が40~30Ma頃を示すことから,変成帯下部層とは別のより古い時代の変成作用を被った地質体の可能性が浮かび上がってきた.つまり,日高変成帯はこれまで,古第三紀に形成された一連の高温型の変成帯と考えられてきたが,最近の研究成果に基づけば,新第三紀のグラニュライトを含む高変成度変成岩類と古第三紀に形成された角閃岩相から緑色片岩相で非変成中の川層群堆積岩類に移化する変成岩類とが接合した地質体である可能性がある.この巡検では,日高山脈南部地域において,日高変成帯上部層および下部層を構成する変成岩類および上部層に貫入する深成岩類を観察し,最新の研究成果を紹介する.