著者
加藤文男
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.61-69, 1991-04
被引用文献数
1
著者
加藤 みち子
出版者
公益財団法人中村元東方研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、天道念仏、天道神社、そして天道信仰を一貫した視座でとらえて、その背後にある「天道」観念の思想史的位置づけについて検討した。天道神社と天道念仏の関するフィールドワークによって、両者の分布地域がほとんど重ならないこと,および、いずれも修験道の分布と密接なかかわりがあることが見出された。また天道念仏は単なる太陽信仰ではなく、修験道・道教・陰陽道・仏教の複雑な習合信仰であることが明らかになった。そして、天道神社およ天道信仰のルーツはいずれも大陸との関連を示す表徴があることがわかった。
著者
謝 樹冬 恩田 裕一 加藤 弘亮 五味 高志 孫 新超 高橋 純子
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.391, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)

林地の中で土壌侵食が最も顕著なのは荒廃人工林であると考えられる。日本は国土面積約65%が森林であり、その約40%がスギやヒノキなどの人工林である。林地における土壌侵食を放置すれば、林内の荒廃が進み、斜面崩壊や土石流などの災害を引き起こす要因にもなる。そこで、人工林における土壌侵食や水流出について考察することが重要だと考えられる。 我々は栃木県佐野市にあるヒノキ・スギ人工林において間伐施業が与える土砂流出の影響を調査した。調査期間は2010年6月から2013年10月までの間である。そして、2011年と2013年に間伐した。本研究では、研究サイトに4m×10mの観測用プロットを三つ設置し、間伐前後のプロットから流出した土砂の量を観測と表面流量も測定した。結果として間伐後は土砂流出量が減少し、表面流出量が増加したことを示された。そこで、その原因を明らかにするために、魚眼レンズを使用した映像解析によってプロットの植被率を推定した。その結果、間伐後に下層植生が回復したことで、前述した現象を起こす要因の一つであると考えられた。
著者
鈴木 智一 Muaffaq Achmad Jani 工藤 昭一 高木 浩一 加藤 昭二 藤原 民也
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.119, no.1, pp.13-18, 1999-01-01 (Released:2008-07-15)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

Analysis of NOx removal by a discharge plasma is made with an equivalent circuit. The used NOx reduction system consists of a neon transformer and a plasma reactor based on a dielectric barrier discharge. Impedance of the neon transformer has been determined experimentally, The equivalent circuit based on a series connection of two capacitors is used for the plasma reactor. The capacitances are obtained from experimental V-Q Lissajous diagram. Comparison with experimental data of consumed energy and the dependence of NO removal on gap length is successfully done.
著者
中澤 弘子 土屋 守克 高橋 誠一 加藤 祐樹 神谷 円 吉村 将規
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.18-22, 2017-01-25 (Released:2017-03-06)
参考文献数
7

近年,人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防策の一つとして,気管チューブに付属した専用のポートから吸引する,カフ上部吸引(subglottic secretion drainage:SSD)の有効性が示されている.本研究では,気管挿管,気管切開を行った患者56名を対象とし,カフ上部から吸引される分泌物の有無の関連因子を検討した.結果,気管切開チューブを使用している患者の方が,気管内チューブを使用している患者に比べ,約5倍カフ上部から分泌物が吸引されやすい傾向にあることが明らかとなった.その要因として,「チューブ挿入部周囲の組織の構造および位置」,「気管チューブの構造」の2点が推察された.今後は,カフ上部吸引回数やカフ上部吸引のタイミング,吸引量などの因子を加えて検討を行い,サイレントアスピレーションの予防に努める必要がある.
著者
加藤 敏
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.719-727, 2013-08-15

はじめに グローバル化が加速度的に進む現代の高度資本主義は,就労者にとって大きな試練になっている。多くの職場はコンピュータ管理を通し,就労者に対し間違いを許さない厳密性と完全主義を徹底し,消費者,あるいは顧客に落ち度がないよう細やかな気遣いを徹底する他者配慮性を前面に打ち出す。つまり,職場自体が完全主義で他者配慮,良心性を旨とするようになっている。このような規範は,職場の「(偽性)メランコリー親和型化」と特徴付けることができるだろう。それは確かに正しいものだが,平均的な人が従うには心身の限界を超える危険を内包し,生きる意味を剝奪しかねない点で,「過剰正常性」あるいは「病的規範」という性格を帯びている。このハードルの高い課題に応える途上で,うつ病,ないし双極障碍の発症を来す事例が増えているのは由々しき事態である。 筆者は,このような問題意識のもとに,気分障碍の一亜型として「職場結合性気分障碍」(職場結合性うつ病,および職場結合性双極障碍)を提唱している2)。暫定的な診断指標の概略を挙げる。①発病の主な誘因が職場での過重労働にある。過重労働の判断は,労災認定の判断基準において定められた,1か月あたり100時間を超える時間外労働をしているという基準を目安にしている。②対人関係や自己同一性の双方でのパーソナリティ機能の上で問題を来す明らかなパーソナリティ障碍はなく,基本的にはもともと安定した社会機能を持っている。③伝統的診断で内因性うつ病,ないし躁うつ病と診断される。 職場における気分障碍のなかには,DSMやICDの公認の診断体系では,うつ病や双極障碍とすぐに診断するのが難しい病態を呈する事例が少なくない。そこで,本稿ではこの種の病態の代表例をいくつか挙げながら,職場における気分障碍の臨床的特徴を浮き彫りにし,その上で,職場連携を含む治療の要点を述べたい。
著者
置塩 裕子 上田 健太郎 米満 尚史 那須 亨 川嶋 秀治 田中 真生 國立 晃成 岩﨑 安博 加藤 正哉
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-5, 2019-02-28 (Released:2019-02-28)
参考文献数
7

目的:和歌山県立医科大学附属病院高度救命救急センターに搬送された75歳以上の後期高齢者のCPA症例を検討し,今後の課題を明らかにする。方法:4年間に搬送された,DNAR未確認のCPA症例のうち,後期高齢者群と非後期高齢者群とを後向きに比較検討した。また,後期高齢者のROSCあり群となし群とを比較検討した。さらに,後期高齢者群の生存例を検討した。結果:対象475例中,後期高齢者は283例であった。後期高齢者群は,自宅や施設での発生が多く,初期波形VFの症例が少なかったが,ROSCや生存の割合に有意差は認めなかった。後期高齢者ROSC なし群では,目撃なし症例や初期波形心静止が多かったが,bystander CPRの有無や搬送時間に有意差は認めなかった。後期高齢者の生存8症例に初期波形VFはなく,すべてCPC4であった。結論:初期波形VFの生存症例がなく,改善の余地がある。また,事前指示書の普及が重要と考えられた。
著者
神谷 嘉美 加藤 寛
雑誌
保存科学 = Science for conservation
巻号頁・発行日
no.45, pp.251-258, 2006-03-31

Lacquer called urushi, which is the only natural polymer produced in Asia, is polymerized by laccase to produce a beautiful coating. Recent studies have made it clear that urushi coating films are weak against ultraviolet irradiation and that exposure to ultraviolet rays could cause them to deteriorate. For example, flaking off of films, loss in gloss, or cracking might possibly occur. Restoration for conservation is, therefore, necessary for historic urushi objects. There are many experimental reports using a single-layer urushi coating film on a glass board, but there are few chemical research data of traditional restoration techniques using urushi. Therefore, in this study, samples of polished four-layer urushi coating films were first exposed to ultraviolet irradiation. Then the effect of restoration techniques for conservation was examined by applying two techniques, suri urushi and urushi gatame, on the deteriorated coating films. Through this study, it was verified that the appearance of the films changes differently with the two techniques. Suri urushi is suitable for adjusting the gloss, because gloss rises on the deteriorated films. Urushi gatame is suitable for restoration in general, because it suppresses changes of gloss and color in the restoration of cultural properties to a great degree. The results show that repair of and protection against deteriorated urushi coating films are possible by restoration techniques using urushi sap.
著者
加藤 浩
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3-4, pp.283-290, 2016-12-28 (Released:2018-01-26)
参考文献数
27

In April, 2016, "Patent / Utility model Examination Guidelines" (the Japan Patent Office) was revised, and new practice on the patent examination of the food started. Patents have not been granted for use inventions of the food until then. However, by the revision of the Examination Guidelines, patents can be granted for use inventions of the food. Then, the patent protection of the food became similar to medicinal inventions. The purpose of the Patent Law is to encourage inventions and contribute to the industrial development, which is related to the promotion of the innovation. In the pharmaceutical field, patents play an important role for the innovation, according to many analysis. The introduction (April, 2016) of use inventions of the food may promote the innovation like the influence of the introduction of medicinal patents in 1976. It is expected that the patent applications of the food will increase after the introduction (April, 2016) of use inventions of the food.
著者
加藤 昌明
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.116-125, 2015-06-30 (Released:2015-08-06)
参考文献数
53
被引用文献数
1
著者
加藤 昌明
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-5, 2016 (Released:2016-12-06)
参考文献数
7
被引用文献数
1

【要旨】てんかん患者には高率に精神障害・精神症状が見られる。その発生機序は、1)てんかんの発症基盤としての神経機能障害、2)てんかん発作が直接関連するもの、3)てんかんの長期経過とともに生ずる種々の身体・心理的影響、の三つがある。これらのいずれにも大きな影響を及ぼし、臨床的に特に重要なのが、抗てんかん薬の影響である。抗てんかん薬による影響は、1)薬物による直接の影響、2)薬物によっててんかん発作が減少あるいは増加するための影響、3)患者側のリスクファクター(脆弱性)、の三つに大別できる。抗てんかん薬の影響による精神症状を、予防し早期発見し早期対応するために、以下の4点が重要である。1)薬剤の選択にあたっては、患者の脆弱性に配慮する。2)薬剤は少量から開始しゆっくりと増量する。3)早期発見のために、患者・家族にあらかじめ精神症状について教育しておく。4)精神症状出現時には、まず自らが処方した抗てんかん薬が関与している可能性に思い至ることが必要である。
著者
北野 市子 朴 修三 加藤 光剛
出版者
一般社団法人 日本口蓋裂学会
雑誌
日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-7, 2009-04-30 (Released:2012-03-07)
参考文献数
11

22q11.2欠失症候群児の鼻咽腔閉鎖機能不全に対する初回手術として,咽頭弁形成術を施行した症例の,術後成績を左右する要因について,鼻咽腔閉鎖機能の改善および発話の改善の2点から検討した。対象および方法:粘膜下口蓋裂9例,先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症16例であった。このうち鼻咽腔閉鎖機能(以下VPと略す)改善群は19例,VP非改善群は6例であった。また発話改善群は9例,発話非改善群は16例であった。これらそれぞれ2群間の手術年齢,知能,心疾患の有無,合併症の数,定頸,始歩,始語,術前に鼻孔を閉鎖して破裂音を産生することが可能であったか否か,について検討した。結論:鼻咽腔閉鎖機能の改善群・非改善群には各項目で統計的有意差は見出せなかった。しかし発話の改善については,知能,合併症の数,定頸月齢,術前に鼻孔を閉鎖して破裂音が産生可能であったか否か,などの項目で統計的有意差を認めた。咽頭弁形成術後の予後に,これらの要因が影響している可能性が示唆された。
著者
加藤 充美
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.16-19, 2000-01-01 (Released:2008-04-17)
参考文献数
6
著者
里村 仁志 佐々木 欣郎 室井 大人 高橋 雅一 勝又 大輔 山口 悟 中島 政信 加藤 広行
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.837-840, 2014-05-31 (Released:2014-12-19)
参考文献数
14

2010年4月から2013年3月までにシートベルトに起因する鈍的腸管・腸間膜損傷を6例経験した。損傷部位は十二指腸が2例,小腸間膜損傷に小腸損傷を伴うものが2例,小腸間膜損傷のみのものが2例であった。十二指腸穿孔の2例はいずれもBMIが低いため,シートベルトと脊椎に十二指腸水平脚が圧迫されて,内圧が急激に上昇したため穿孔したものと考えられた。腸間膜のみの損傷であった2例はシートベルトに直接圧挫されて間膜が裂傷を負ったものと思われた。腸間膜損傷に腸管の離断や穿孔が伴っていた2例は前述したメカニズムの複合による受傷と類推された。3例に開腹歴を認め腹腔内での癒着,組織の硬化が腸管・腸間膜損傷に影響した可能性が示唆された。シートベルト損傷はベルト痕を含めた腹部の視触診やFAST,CTなどの画像診断に加えて,開腹歴やBMI等も考慮して慎重に診断する必要があると思われる。