著者
加藤 雅恒 榊原 健二 小池 洋二
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.737-741, 1999-10-10 (Released:2009-08-07)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Recently, much attention has been paid to the microwave processing in the preparation of inorganic materials. The advantages of microwave processing are uniformity of heat treatment and saving of energy and time, which are similar to those of microwave cooking. In this report, our recent research of the synthesis of High-Tc superconductors using a domestic microwave oven is described. We have succeeded in obtaining single-phase samples of the Y-123, Bi-2201 and Bi-2212 phases for several ten min without any post-heat-treatment using an electric furnace. In addition, several reports on the synthesis of other inorganic materials using a domestic microwave oven are introduced.
著者
川村 雅文 渡辺 真純 橋詰 寿律 加藤 良一 菊池 功次 小林 絋一 石原 恒夫 堀 進吾 相川 直樹
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.88-92, 1990-01-25 (Released:2016-10-01)
被引用文献数
1

症例は65歳の男性で, 焼いた餅を食べていてその小片を誤嚥した。その後徐々に呼吸困難が出現してきたため, 誤嚥から約1時間後に当院救急部に収容された。来院時の血液ガスは室内気でPaO_2 34Torr, PaCO_2 52Torrで著しいチアノーゼと努力性の呼吸を認めたが咽頭, 喉頭には餅を認めなかった。人工呼吸器を装着し, FiO_2 1.0としても, PaO_2は73Torrにしか上昇しなかった。人工呼吸器装着下に気管支鏡を施行したところ右下葉支に餅が嵌入していた。鉗子で餅を摘除すると人工呼吸器装着下FiO_2 1.0でPaO_2は369Torrと著明に改善した。患者は20歳時に左肺結核に罹患しており, 退院一か月後に行った肺シンチグラフィーでは左肺に換気, 血流とも認めなかった。このため右下葉支の閉塞だけで著しい呼吸困難に陥ったものと考えられた。
著者
加藤 俊徳
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.505-510, 2020-10-01 (Released:2020-10-01)

カスタマーハラスメントは,これまで,顧客からのセクシュアルハラスメントに主な焦点が当てられていた。近年,情報産業の発達に伴い,不特定多数の顧客から情報サービス従事者(接客・営業担当者を含む)へのハラスメントが問題となっている。本稿では,カスタマーハラスメントを起こしやすいカスタマーの脳について,1)睡眠,運動,食生活などの生活習慣,2)注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害などの発達障害,認知症やうつ病など脳機能に問題のある疾患,3)8つの脳番地の機能がそれぞれ低下または未熟である場合,の3つの観点から概観した。加えて,カスタマーハラスメントを予防するために必要な課題を述べた。
著者
三宅 芙沙 増田 公明 箱崎 真隆 中村 俊夫 門叶 冬樹 加藤 和浩 木村 勝彦 光谷 拓実 Miyake Fusa Masuda Kimiaki Hakozaki Masataka Nakamura Toshio Tokanai Fuyuki Kato Kazuhiro Kimura Katsuhiko Mitsutani Takumi
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
no.25, pp.137-143, 2014-03

Although some candidates for the cause of the mysterious cosmic ray event in AD 774-775 have been reported we were not able to specify. In order to investigate the occurrence rate of the 14C increase event like the AD 775 one, we measured 14C content in Japanese tree-rings during an extended periods. As a result,we detected the second 14C increase by significant amount from AD 993 to AD 994. From the occurrence rate (one 14C event/800 years),it was revealed that a large-scale SPE is the most plausible explanation for the 14C event. 775年の宇宙線イベントの原因について、いくつかの候補が挙がっていたが特定するのは難しい状況であった。本研究の年代を拡張した14C濃度測定により、993-994年にかけても似たような14C急増を発見した。また、994年イベントは日本産の2個体の樹木から存在を確認した。14Cイベントの発生頻度から、その原因として大規模SPEが妥当であると考えられる。見つかった14Cイベントの14C増加量は、観測史上最大のSPEの1O~数10倍に相当する。このような規模のSPEが仮に今日発生した場合、現代社会へ深刻な被害を及ぼすと想定される。今回の発見はこうした大SPEが将来において発生する可能性を示したものである。名古屋大学年代測定総合研究センターシンポジウム報告
著者
加藤 貴彦
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.217-223, 2019 (Released:2019-08-01)
参考文献数
13

化学物質過敏症は, 環境不耐症ともいわれ, 低濃度の化学物質に曝露に関係した多臓器にわたる非特異的な症状をもつ病態として定義されている。本論文では, 産業衛生における化学物質過敏症の現状に関し, 1) 最近12年間の3社における質問紙(Quick Environment Exposure Sensitivity Inventory (QEESI))を用いた化学物質過敏症の頻度推移 2) 化学物質に関する法律と労働災害の認定 3) 労働現場で発生した化学物質過敏症に関する裁判判例 の3点について解説した。
著者
菊池 貴洋 加藤 光広 高橋 信也 中村 和幸 早坂 清
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.375-378, 2013 (Released:2014-10-11)
参考文献数
9

症例はてんかん性脳症の10歳女児. 発作は難治で1日10回程度の強直発作・ミオクロニー発作が出現し, 覚醒時脳波で多焦点性鋭徐波複合が多発していた. topiramate追加内服中, 眼振の増悪がみられ漸減中止したところ, ミオクロニー発作の頻度が増加し, levetiracetam (LEV) 250mg/日を追加した. LEV開始翌日から発作は消失したが, 反応性低下と寡動がみられた. 覚醒時脳波を再検したところ多焦点性鋭徐波複合の消失を認め, 強制正常化の診断基準を満たした. LEV投与による強制正常化の報告は調べ得た限り自験例が初めてである. LEVは初期から治療量の投与が可能である半面, 強制正常化の可能性を念頭におく必要がある.

3 0 0 0 OA 心学道話全集

著者
加藤咄堂 監修
出版者
忠誠堂
巻号頁・発行日
vol.第四卷, 1928
著者
加藤 道夫
出版者
文化庁 国立近現代建築資料館
雑誌
国立近現代建築資料館紀要 (ISSN:24366765)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.7-21, 2022-09-30 (Released:2022-12-14)
参考文献数
20

The aim of this paper is to situate the rideau of “Pantheon” theater in Tokyu Cultural Center [Tokyu Bunka-Kaikan] in the career of Le Corbusier as an artist. The results are the followings. 1) The seeds of ‹taureau› covers all of his painting genres: still life (object types and objects with poetic reactions), figure (female), mythology and landscapes. 2) The rideau was related to his tapestries collaborated with Pierre Baudouin through dessins. 3) It realized the peak [floraison] of his ‹taureau› series as a rideau. 4) It composed of the «taureauX» and «taureauXI». 5) There exists another rideau project of for Sakakura, based on ‹I dreamed [je vais]› series, which has not been executed as a rideau. 6) It is located almost in the center of bull-related mythology: from the rape of Europa to Adriane. 7) He picturized his final message of «Between-two [Entre-deux]» in the rideau.
著者
加藤 元宣
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.154-170,207, 2002-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
13

本論文の目的は,2000年衆院選の選挙結果について都市部と農村部で明確な違いが存在したこと,小選挙区当選者の属性データと地域特性の間に少なからぬ関連性が認められたことの2つの仮説を検証することである。本論文は人口,産業などを代表する26の変数を用いて主成分分析を実施し,地域特性に基づく小選挙区の分類を行った。そして,析出された都市対農村の軸を尺度として2000年衆院選を分析した。その結果判明したことは,第1に都市部における民主党の局地的大勝•自民党の局地的大敗という特徴が明確に浮かび上がったこと,第2に農村部に対する都市部の投票者比率が2000年には急激に増加しており,そのことが選挙結果に少なからぬ影響を与えたこと,第3に当選者の属性を比較したとき都市部と農村部で明確な差異が認められ,代議士の構成について微かではあるが変化の兆しが見られたことである。
著者
清 佳浩 滝内 石夫 渡辺 晋一 本田 光芳 伊東 文行 西川 武二 小川 秀興 原田 敬之 西山 千秋 加藤 卓朗
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
日本医真菌学会雑誌 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.87-97, 1997-02-28 (Released:2009-12-18)
参考文献数
20
被引用文献数
1 4

フケ症を対象に,0.75%硝酸ミコナゾールシャンプー(MZS)の有用性を,シャンプー基剤(BSS)を対照として8施設による二重盲検比較試験により検討を行った.また,フケおよびかゆみに対する症状の改善とMalassezia furfurの菌数の減少,すなわち真菌学的効果との関係についても併せて検討した.その結果,総症例数134例中,安全性解析対象症例は130例,有効性および有用性解析対象症例は108例であった.有用率はMZS群58例中34例(58.6%),BSS群50例中19例(38.0%)であり,MZS群がBSS群に比し有意に優れる成績であった(p=0.020).フケの改善率では,MZS群58例中42例(72.4%),BSS群50例中26例(52.0%)であり,MZS群がBSS群に比し有意に優れる成績であった(p=0.017).M.furfurに対する真菌学的効果とフケに対する有効性に関して,効果の発現がみられた症例においては,菌数の有意な減少が認められた(p=0.0001).これに対し,無効の症例では試験開始前と終了後の菌数の変化に有意差を認めなかった.また,試験開始時の菌数による有効性の層別解析では,菌数が比較的多い症例において,MZS群がBSS群に比し有意に優れていた(p=0.038).副作用は130例全例において全く認められなかった.以上より,MZSはフケ症に対して有効であり,フケの改善とM.furfur菌数の減少とも比較的一致する極めて有用なシャンプー剤であると考えられた.
著者
加藤 亮平
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.455-462, 2017-12-15 (Released:2017-12-15)
参考文献数
24

マスコミ等で「ゲリラ豪雨」とも呼ばれる局地的大雨は,河川の急な増水や道路の浸水などを通じて時には人的被害をも引き起こすため,そのメカニズム解明と予測技術の開発・高度化は重要な研究課題である.本稿では局地的大雨について,その実態とメカニズムについて現在の知見を紹介し,その予測技術について解説した.実態とメカニズムについては,局地的大雨を引き起こす積乱雲について,その構造と発生条件を解説し,局地的大雨が起こるプロセスを考察した.予測に関しては,一時間程度の非常に短い予測時間に対し,積乱雲に伴う強雨の時間発展を予測する技術に焦点を当て,補外ベースのナウキャストとデータ同化を用いた数値予測について解説した.最後に局地的大雨研究の今後の展望を述べた.
著者
神 一敬 加藤 量広 鈴木 菜摘 中里 信和
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.585-590, 2018-12-01 (Released:2018-12-06)
参考文献数
25

自律神経の最高中枢は大脳にあるため, てんかんと自律神経は密接な関係がある。発作活動が自律神経に関わる領域に及ぶと, 頻脈・徐脈, 上腹部不快感, 流涎など様々な自律神経症状を呈する。発作時頻脈は側頭葉てんかんの約90%でみられる。我々は内側側頭葉てんかん患者において, 右起始の発作時は左起始に比べ有意に早いタイミングで心拍数が増加し始めることを明らかにした。一方, 発作間欠時にも心臓自律神経障害を呈することが報告されている。その評価法として心拍変動解析があり, 低周波成分 (LF) は交感・副交感神経系, 高周波成分 (HF) は副交感神経系の指標と考えられている。てんかん患者ではHF低値を示すことが報告されている。我々は右半球性焦点てんかんのノンレム睡眠時HF, 左半球性のノンレム睡眠時LF・覚醒時HFが異常であることを示した。発作時の心拍変化パターンや発作間欠時の心拍変動異常が焦点発作の側方診断に有用である可能性がある。
著者
加藤 元博
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.19-29, 2015-01-01

50年前に発生したわが国最大規模の炭坑爆発事故による重篤な一酸化炭素中毒患者24名の臨床像を記載した。被災時,全例に意識障害があり,その持続時間は遷延期の症状度とよく相関した。意識障害回復後に全例が著しい健忘症候群と自発性低下を示した。神経学的には錐体外路徴候が目立ち,さまざまな失認・失行を認めた。この失認・失行は改善傾向に乏しく,知的障害とともに遷延期における後遺症として,日常生活障害の原因となった。
著者
辻 紀海香 加賀美 りさ 社方 健太郎 加藤 秀弘
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.130, pp.105-113, 2014 (Released:2014-07-01)
参考文献数
19

In order to develop Under Water Speaker system (UWS) incorporating species specific audible properties, we examined cetacean sighting survey data collected by hydrofoil crew from four major hydrofoil sea lanes, in 2008 – 2011; “Northern Kyushu (including Busan-Iki-Tsushima routes)”, “Kagoshima”, “Izu-Oshima (including Atami routes)” and “Sado”. In “Northern Kyushu” cetaceans were tended to be frequent in offshore deeper than 100m. In “Kagoshima”, cetaceans including humpback whales were mainly observed in winter. In “Izu Oshima” it was remarkable that sperm whales occurred in winter to early spring with peak of January to March, and also it seemed to be currently increasing. Baird's beaked whales also occurred in winter in addition to regular occurrences in summer. In “Sado”, minke whales were mainly sighted in month from March to June. So as to increase accuracy in cetacean species identification, it is desire to conduct educational lecture and training for cetacean species identification.