著者
高橋 直紀 山縣 貴幸 峯尾 修平 加藤 光太 多部田 康一
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.171-182, 2021-12-28 (Released:2022-01-14)
参考文献数
26
被引用文献数
1

世界中で猛威を振い続ける新型コロナウイルスの感染経路のひとつにエアロゾル感染がある。歯周治療で頻用される超音波スケーラーから発生するエアロゾルが交差感染のリスクとして懸念されているが,そのエアロゾル特性については十分に知られていない。本研究の目的は,微粒子可視化システムを用いた流体工学的検討と,感水試験紙およびパーティクルカウンターを用いた模擬臨床試験から,超音波スケーラーから発生するエアロゾル特性およびエアロゾル感染予防策を検討することである。流体工学的検討から,超音波スケーラーから発生するエアロゾルの平均粒子径は約40 μmで,液滴速度が3 m/sであった。また感水試験紙を用いた模擬臨床試験から,超音波スケーラーの向きによるエアロゾルの飛散距離の違いが観察された。パーティクルカウンターを用いた解析において,1-10 μmの粒径のエアロゾル飛散量は距離とともに減少し,口腔内外バキュームの使用によりエアロゾル量が大幅に減少することが確認された。これらのことから,超音波スケーラーから様々な粒子径のエアロゾルが発生するが,吸引装置の適切な使用によって超音波スケーラーから発生するエアロゾルを介した交差感染リスクを抑制できる可能性が示唆された。
著者
南 雅代 加藤 丈典
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

日本は舎利信仰が深く、火葬後の収骨儀礼も敬いの念があり、世界的にも亡骸を深く尊重する国であると言える。一方で、すべての遺骨が永続的に崇め祀られることはなく、弔い手のいなくなった放置遺骨が増えつつある。超高齢化社会になり、その数はさらに増え、社会問題になる可能性もある。まさに今、葬儀・埋葬様式を変えていかなければいけない過渡期にある。本研究においては、日本の埋葬文化を尊重しながら、新たな埋葬方式を導入することを目指す。つまり、①火葬骨を、急激にではなく、自然の土壌中の分解に似せて徐々に分解する手法、かつ、②普通に手に入る毒性のない化学試薬・反応を用いて環境に優しい手法、を確立する。
著者
加藤 美奈子 浅井 琢美 荻 紗綾 杉本 学 荒木 悠里 高橋 立夫 須崎 法幸
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
脳血管内治療 (ISSN:24239119)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.57-61, 2022 (Released:2022-09-20)
参考文献数
16

【目的】全身麻酔中の保温は,全身合併症の予防に重要であるが,これまで破裂脳動脈瘤コイル塞栓術中に体温が低下する経験をした.今回保温目的で導入した,アルミ薄膜付きの覆布(以下,サンステート)の体温低下予防効果につき,後ろ向きに検討した.【方法】2017年5月から2018年6月の期間に,全身麻酔下で緊急コイル塞栓術を受けた患者50名のうち,来院時心肺停止,入室前38.0°C以上の発熱例,来院から24時間以降に治療を開始した例を除いた33名を対象とした.サンステートを導入前後で2群(導入前=A群,後=B群)に分け,BMI, 血管撮影室入室時体温,退室時体温,治療時間について比較検討した.【結果】対象例はA群14例,B群19例であり,年齢(58.4歳vs 57.8歳),性別(女性:78.6% vs 63.2%),BMI(22.6 kg/m2 vs 23.2 kg/m2), 入室時体温(35.3°C vs 35.5°C),治療時間(169分vs 190分)については両群に差はみられなかった.退室時体温はB群で有意に高く(35.5°C vs 36.1°C, p=0.04),体温低下例はB群で有意に少なかった(43% vs 5%, p=0.03).【結論】サンステートの導入により,全身麻酔下における破裂脳動脈瘤コイル塞栓術中の体温低下を予防する効果が確認された.覆布の使用は,血管内治療時の体温低下予防に有用であることが示唆された.
著者
松島 伸代 加藤 舞斗 中村 敦樹 石井 晴人
出版者
日本プランクトン学会
雑誌
日本プランクトン学会報 (ISSN:03878961)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.46-57, 2021-08-25 (Released:2021-09-02)
参考文献数
38

Mass occurrences of scyphozoan jellyfish, such as Aurelia coerulea, have been reported in various waters; however, little is known about the hydrozoans and ctenophores in Tokyo Bay. In this study, the abundance of these jellyfishes was monitored for four years(April 2015–November 2016, April 2018–July 2019)in Tokyo Bay. Thirteen hydrozoan species and three ctenophores were observed. The dominant hydrozoan species identified were Cytaeis uchidae, Podocoryne minima, Rathkea octopunctata, Diphyes chamissonis, and Liriope tetraphylla, while Bolinopsis mikado was the most dominant among the ctenophores. Cytaeis uchidae, P. minima, and R. octopunctata appeared for a short period with extremely high abundance. Cytaeis uchidae occurred when the salinity was low, but P. minima occurred under high water temperature and high salinity conditions during summer. The abundance of R. octopunctata increased with decreasing water temperature during winter. On the other hand, D. chamissonis and L. tetraphylla presented prolonged abundance during most of the studied period. Diphyes chamissonis occurred in summer when the water temperature was high, and L. tetraphylla was observed at low temperatures and high salinities in autumn. It was suggested that these two species, without polyp stages, had entered from the adjacent waters in Sagami Bay. Diversity for the species composition of hydrozoans and ctenophores is very low, with some species dominant in Tokyo Bay; the occurrence of these dominant species is greatly affected by water temperature and salinity in the ambient seawater. These species play an important role in the gelatinous plankton ecosystem in Tokyo Bay.
著者
菅野 靖幸 加藤 泰之 山内 秀昂 陣野 太陽 伊達 勇祐 佐々木 健一 清水 篤 木山 宏
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.288-290, 2020-09-15 (Released:2020-09-30)
参考文献数
18

症例は65歳男性.僧帽弁位機械弁のためワーファリンを内服していたが,エドキサバンに変更された3カ月後に急性心不全を呈し当院に搬送された.透視下での機械弁開放制限と僧帽弁圧較差の上昇を認め,血栓弁と診断し緊急再僧帽弁置換術を実施した.術後は良好に経過し,合併症なく術後10日目に自宅退院となった.機械弁使用症例に対しては,ワーファリン使用の必要性についてかかりつけ医や患者本人および患者家族への十分な啓蒙が必要である.

3 0 0 0 将棋新戦法

著者
加藤治郎 著
出版者
日本経済新聞社
巻号頁・発行日
vol.第3集, 1959

3 0 0 0 OA まとめ

著者
加藤 博文 加藤 博文 加藤 博文
巻号頁・発行日
pp.203-213, 2012-03-31

新しいアイヌ史の構築 : 先史編・古代編・中世編 : 「新しいアイヌ史の構築」プロジェクト報告書2012
著者
加藤 奈穂子 尾澤 重知
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.3, pp.128-135, 2022-10-03 (Released:2022-10-03)

本研究の目的は,グループ学習型アクティブラーニング授業の学習支援活動に携わるTAの支援活動の特徴を明らかにすることである.そのために,大学院生1名,大学生4名を対象とし半構造化インタビューを行いM-GTAにより分析した.その結果,本研究の対象となった研究協力者は,TAの学習観や成長,先輩後輩TAから得た学びを【支援活動の源泉】とし,進捗確認,ポジティブフィードバック,リフレクションの支援,目標のストレッチを組み合わせた【受講生への学びの促進活動】と【教員との創発的分業】を行っていた.
著者
内田 明彦 川上 泰 加藤 茂 村田 義彦
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.115-119, 1999-02-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

1995~1997年に神奈川および静岡県内の河川に生息, あるいは養殖されるアユ, アマゴ, イワナ, ニジマスなどについて横川吸虫メタセルカリアの感染状況を調査した. 神奈川県内の河川から採取したアユの感染率は73.7~87.1%で, 1匹当たりのメタセルカリア数は12~348個体であった. 早川, 酒勾川で採取されたウグイは濃厚に感染 (87.0~100%) し, 1匹当たりのメタセルカリア数は27~1, 247個体であった. 早川, 藤木川産ニジマスには感染がみられなかった. 静岡県内 (狩野川本流とその支流) ではアユ (感染率80%, 寄生数25~428), ウグイ (93.8~100%, 36~1, 257), オイカワ (46.6~56.7%, 16~269), カワムツ (76.3%, 24~198) およびタカハヤ (100%, 49~165) の5種に感染がみられたが, ニゴイ, イワナ, ニジマス, アマゴからは検出されなかった. 井戸水飼育の養殖アユ212匹中3匹 (1.4%), 河川水利用の養殖アユでは223匹中142匹 (63.7%) からメタセルカリアが検出され, 感染率および1匹当たりのメタセルカリア数は晩秋に向けて増加した. しかし, 養殖ニジマス, イワナ, アマゴからはメタセルカリアは検出されなかった. 各種魚類から得られたメタセルカリアを猫に感染して得た成虫は, 形態変異がみられたが, すべて横川吸虫と同定された.
著者
今富 摂子 荒井 隆行 加藤 正子
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.304-314, 2003-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
26
被引用文献数
1 2

開鼻声の聴覚判定における嗄声の影響を調べるため, 音源フィルタ理論に基づいて健常音声, 顕著な開鼻声, 軽度粗槌性嗄声, 重度粗槌性嗄声から, 4種類のフィルタ (顕著な開鼻声, 健常音声それぞれの/a/, /i/) と6種類の音源 (健常音源, 軽度粗慥性音源, 重度粗慥性音源それぞれの/a/, /i/) を組み合わせ, 24種類の音声刺激を合成し, 言語聴覚士を対象に, 5段階尺度で開鼻声の聴覚判定実験を行った.健常フィルタ, 顕著な開鼻声フィルタの両方で, 音源の種類によって開鼻声の判定値が変化した.特に重度粗槌性音源では, 顕著な開鼻声フィルタにおいて開鼻声の聴覚判定値が著しく低下した.軽度粗槌性音源では, フィルタの種類や聴取者によって, 結果にぼらつきが認められた.嗄声が開鼻声の聴覚判定値を変化させる要因として, 嗄声の音響特性によるスペクトルの変化が考えられるが, 詳細については今後検討が必要であると思われる.
著者
加藤 航平 武山 佳洋 木下 園子 岡本 博之 前川 邦彦 森 和久 成松 英智
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.399-405, 2013-07-15 (Released:2013-10-16)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

【背景】一般に骨折のスクリーニングにおいて血液検査はあまり有用ではなく,その意義は主に合併する疾患や既往のための検査である。我々は骨折と血清D-dimer値(DD)の関連について調査し,その診断的意義について検討した。【仮説】DDの上昇は,多発外傷を伴わない鈍的外傷患者において骨折と関連がある。【方法】2008年1月から2010年2月までの約2年間に市立函館病院ERに搬入された症例を後ろ向きに検討した。鈍的外傷患者で,DDを測定された症例を対象とした。このうち専門医による最終診断が得られない症例,受傷から24時間以上が経過している症例,多発外傷,頭蓋内損傷,大動脈疾患,最近の手術歴がある,膠原病・麻痺・血栓症の既往,悪性腫瘍のある症例を除外した。最終診断名から骨折群と非骨折群に分類し,年齢,性別,ER(emergency room)における初期診断,専門医による最終診断,搬入時のDDとの関連について後ろ向きに検討し,ROC解析からそのcut-off値を計算した。【結果】対象となった341例中210例(61.6%)が骨折群,131例(38.4%)が非骨折群に分類された。骨折群は非骨折群に比較して有意に高齢であった(61±23 vs. 49±23 歳, p<0.01)。DD(μg/ml)は骨折群で有意に高かった(DD, median(IQR): 8.4(3.0-24.9)vs. 1.4(0-3.1),p<0.01, ISS, mean±SD: 7.4±3.9 vs. 2.8±2.6, p<0.01)。ROC(receiver operating characteristic)解析からROC曲線下面積は0.81(95%CI 0.77-0.86)で最適なcut-off値はDD ≥4.5μg/mlで,感度69.0%,特異度84.7%,陽性的中率90.6%であった。【結論】骨折群では非骨折群と比較してDDは有意に上昇しており,診断の参考指標として有用と考えられた。今後さらなる検討が必要である。
著者
加藤 典子
出版者
日本国際情報学会
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.36-43, 2008-12-05 (Released:2016-01-01)
参考文献数
1

No legislative measures have been taken to help patients and families suffering from malignant and serious diseases for three main reasons:(1) The Japanese government was reluctant to pass laws from such legislative measures.(2) Patient groups were reluctant to have such laws due to apprehension about their disadvantages.(3) Although the Democratic Party of Japan worked to pass such laws, the political climate under the Koizumi cabinet did not allow politicians to deliberate on such bills, due to many political problems.
著者
南 修司郎 山本 修子 加藤 秀敏 榎本 千江子 加我 君孝
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.232-236, 2018-06-30 (Released:2018-08-11)
参考文献数
12

要旨: LENA (Language ENvironment Analysis) システムとは, 主に乳幼児を対象とした周囲の音声言語環境を録音及び解析する統合情報処理ソフトウェアである。今回, 聴力正常児5例, 先天性難聴児2例, 難聴高齢者7例を対象に LENA システムの日本語環境での解析可能性を検証し, LENA システムを用いた聴覚言語リハビリテーションの応用を探った。いずれのグループでも, LENA システムを用いて音声言語環境を調査することは可能であった。聴力正常児と難聴児の聞こえの環境は, ほぼ同等であったが, 高齢難聴者では, 乳幼児に比べてテレビなど電子音の割合が増えていた。大人の発話数, 子供の発声数, 会話のやり取り数という言葉の量についても, 日本語環境で LENA システムを用いて測定可能であった。しかしながら英語環境におけるパーセントタイル値と直接比較することは出来ないため, 日本語環境でのコントロールデータの構築が待たれる。
著者
村井 宏徳 加藤 明里 神戸 信人 高瀬 達夫 鈴木 弘司 森田 綽之
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.B_67-B75, 2017-02-01 (Released:2017-02-01)
参考文献数
2

宮崎県児湯郡川南町の一般国道 10 号には,沿道商業施設の往来等から,乱横断する歩行者・自転車が多く,死亡事故が発生する単路区間が存在していた.このため,交通安全対策として,我が国で初めて信号機を設置せず,横断歩道を食い違いに配置した無信号の食い違い二段階横断施設が導入された.本研究は,我が国で初めて導入された,この二段階横断施設の導入効果を明らかにするために,導入前後に実施した各種調査の結果を用いて,二段階横断施設の安全性,円滑性の評価と,横断特性の変化を分析した.分析の結果,二段階横断施設の利用者が増加して乱横断が減少し,車両と接近した横断の減少や横断待ち時間の短縮等の安全・円滑面の効果が確認できた.また,歩道部より横断待ち時間が短縮する等の食い違い二段階横断の特性が確認できた.

3 0 0 0 OA アイヌの酒 (6)

著者
加藤 百一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.53-58, 1969-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
25

“神である穀物で酒を醸し, それをのむことは神そのものをいただくことである” という素朴な農耕民族的信仰のうえに発生したアイヌの酒つくり。それはわれわれの心の中で忘れさられていた大切なものを思い出させるなにかがある。
著者
田上 正明 橋本 裕充 角田 修男 椿下 早絵 加藤 史樹
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-11, 2004 (Released:2004-12-28)
参考文献数
20

症例はサラブレッド種競走馬228頭であった。関節鏡手術を実施した関節数は244関節, 骨折部位は320ヵ所で主な部位は橈骨遠位外側139 (43.4%), 中間手根骨近位43 (13.4%), 橈側手根骨遠位48 (15.0%), 第3手根骨近位48 (15.0%) ヵ所であった。全体の競走復帰率は89.9%で, 競走歴のある症例の競走復帰率は92.8%であった。休養日数の平均は239.3日, 出走回数の平均は12.5回, 収得賞金の平均は1,382.0万円であった。術後成績は, 競走復帰率, 出走回数, 収得賞金において非常に良好であった。
著者
加藤 敬太
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.79-92, 2011-09-20 (Released:2022-08-27)
参考文献数
46

本稿の目的は,老舗企業の長期存続のメカニズムを明らかにすることである.RBVの影響下にある老舗企業研究の多くは,老舗特有の伝統的資源の現状分析を中心に行ってきた.本稿では,全国で最も古い歴史を有する味噌メーカーを取り上げ,長期存続プロセスの経時的分析を行う.事例分析から,伝統的資源の維持,活用といったサステイナブルな戦略によって長期存続を確保する老舗企業のダイナミズムが明らかとなる.