著者
北村 健司
出版者
一般社団法人 電気設備学会
雑誌
電気設備学会誌 (ISSN:09100350)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.240-243, 2019 (Released:2019-05-10)
参考文献数
3
著者
八木 こずえ 鈴木 麻記子 坂井 美加子 北村 育子 阿保 順子
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.12-23, 2008 (Released:2017-07-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究は、地域生活を営む初発の統合失調症患者に対して、自我強化に焦点をあてた看護面接を実施し、寛解期以降の生きにくさの本質と、看護面接の構造を明らかにすることを目的とした。対象は青年期の初発の患者3名である。面接は精神科看護経験3年以上の面接者3名が、生活体験を自我にフィードバックすることを主眼に行った。面接記録から生きにくさの本質と面接方法を質的に抽出し、カテゴリー化した。その結果、対象の生きにくさとは、【病気の本態に関連する生きにくさ】に対して【病気である自分に対する思い】と日々格闘しながら【他者との間で葛藤】し、【日常生活の制約】を強いられるという相互関係があった。またそれが、自己を確かな者と感じることを妨げており、その【不確かな自己】がさらに生きにくさを助長する構造をなしていた。面接者は迷いや限界、自分の傾向性をはじめ、患者の可能性に気づく体験をしており、最終的には【患者の鏡になる】役割を果たしていた。
著者
吉井 初美 北村 信隆 齋藤 秀光 赤澤 宏平
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.268-277, 2013-07-15 (Released:2016-12-28)
参考文献数
28
被引用文献数
1

健康への悪影響が懸念される精神保健分野の課題の1つであり,かつ障害予防歯科における課題でもある精神障害者の口腔衛生問題に関し,統合失調症患者に対する口腔衛生支援の促進をめざし,1)国内外の文献による統合失調症患者における口腔衛生研究動向を概観し,2)今後のわが国の統合失調症患者に対する効果的な口腔衛生支援のあり方と課題を考察した。国内研究では事例報告と口腔衛生調査結果が示されていた。国外研究では,口腔衛生調査結果と統合失調症に特有の口腔衛生に関する概説とが示されていた。それらの内容検討から,口腔衛生指導に関する疫学研究の促進,および口腔衛生指導の実践・導入のための組織的な支援体制の整備,さらにわが国の精神保健医療福祉システムに則した効果的な支援方法の検討が必要であると考えられた。
著者
高木 滋樹 北村 章 丸本 卓哉
出版者
日本土壌微生物学会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.41-48, 1992-03-01 (Released:2017-05-31)
被引用文献数
3

1)キチンと同様に土壌内で特異的に放線菌密度を高める有機物をスクリーニングした結果,光合成細菌処理汚泥発酵物(CPBS)が選抜された。2)第1報で選抜した5株の拮抗菌をCPBSに添加・培養させた資材を調製した。調製した資材は細菌,放線菌密度が高く,添加した拮抗放線菌の存在が確認された。3)CPBSと拮抗放線菌を組み合わせた資材のダイコン萎黄病及びキュウリつる割病に対する発病抑制効果を検討した結果,発病抑制効果が確認された。発病抑制効果は第1報で報告した拮抗菌のみの場合よりも有機物と拮抗菌を組み合わせた場合で大きく,また単菌株よりも複数の拮抗菌を組み合わせた場合に顕著であった。4)ダイコン萎黄病発病抑制試験において添加した各菌株は土壌及び根部より再分離されたが,菌株によって菌密度は異なり,菌株により土壌及び根部での定着とその活動は異なると推察された。5)4種類の異なった土壌において,拮抗菌を含む資材Aは放線菌密度を高め,F. oxysporum密度には影響を与えなかった。6)以上のように放線菌密度を選択的に高める有機物と拮抗菌を組み合わせた資材は各種土壌で放線菌密度を高め,ダイコン及びキュウリにおいて発病を抑制した。しかしその作用については今後の解明が必要である。
著者
永山 貴洋 北村 勝朗 齊藤 茂
出版者
東北大学大学院教育情報学研究部
雑誌
教育情報学研究 (ISSN:13481983)
巻号頁・発行日
no.5, pp.91-99, 2007-03

従来、動作のコツは指導できないとされてきた。果たして、動作のコツを指導することは本当に不可能なのであろうか。そこで本研究では、動作のコツを習得する際に機能するといわれる学習者の形態化身体知に対する優れた指導者の働きかけを明らかにすることを目的とした。調査は、3名の指導者と1名の選手を対象とし、行動再検証により実施した。インタビューデータを分析した結果、優れた指導者の身体知指導方略の要素として、「認知特性の把握」、「動作イメージ形成の促進」の2つのカテゴリーが形成された。最終的に、優れた指導者は選手の身体組成や動きの違いだけではなく、動感に対する気づき方等の認知特性を理解した上で多様なイメージを提示することで選手の形態化身体知を活性化させ、動作のコツを習得させていることが明らかになった。
著者
藤本 雅子 北村 達也 船津 誠也 Masako FUJIMOTO Tatsuya KITAMURA Seiya FUNATSU
出版者
甲南大学
雑誌
甲南大学紀要. 知能情報学編 = Memoirs of Konan University. Intelligence & Informatics Series (ISSN:18830161)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.103-113, 2022-02-01

標準語話者の有声,無声の破裂音/g/,/k/の調音と音声の特徴を/agise/,/akise/の検査語を用いて検討した.音声では閉鎖区間,formant onset time (FOT),子音区間は/k/が/g/より長く,先行母音と後続母音は/g/に隣接する場合に/k/に隣接する場合より長かった.先に報告した同じ話者の調音上の特徴に,閉鎖区間が/k/が/g/より長いこと,閉鎖のタイミングが/k/が/g/より早いことがあった.これらはそれぞれ音声上の閉鎖区間が/k/が/g/より長かったこと,/g/に先行する母音が/k/に先行する場合より長かったことに対応する.MRIの/g/,/k/の最大閉鎖フレームのトレース画を用いた計測では,/k/は/g/に比べ正中面上の閉鎖の範囲が長い傾向が見られたが,咽頭面積は個人差が大きく/g/と/k/で一定の傾向が確認できなかった.
著者
北村 正樹 景山 茂
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.688-692, 1996-12-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
4
著者
北村 孝寛 中島 康貴 生野 岳志 山本 元司
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.87, no.898, pp.20-00295, 2021 (Released:2021-06-25)
参考文献数
15

In order to find effective movements on an office chair for preventing back pain, the paper measures EMG (electromyogram) signal and evaluates cognitive test. Core muscles of subjects on a balance ball are measured when there are forced movement and voluntary movement of the ball. The measurements show the forced movement and discontinuity movement on the ball is more effective in the meaning of muscle activity. The paper also studies the effect of movement with the balance ball on the efficiency of office workers. This is because, even if the movement is good for preventing back pain, it is not desirable to reduce work efficiency. Two cognitive tests, addition test and flanker test, are used to investigate the efficiency of office workers when the movements with the balance ball and no movements with normal chair in the view points of work reduction rate and correct answer rate. The results show the efficiency of office workers is almost the same as the case of movements with the balance ball and no movements with normal chair. Totally the study shows effective movements on the balance ball which activate the core muscle activity efficiently. It also shows the movement does not reduce the office work efficiency.
著者
新井 俊希 安江 俊夫 北村 和也 島本 洋 小杉 智彦 ジュン スンウク 青山 聡 HSU Ming-Chieh 山下 雄一郎 角 博文 川人 祥二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.21-24, 2016-03-04

サイクリック系3段ADCを用いた画素サイズ1.1μmの3,300万画素240枚/秒3次元積層構造CMOSイメージセンサを開発した.裏面照射型で3次元積層構造を,ハイブリッドスタッキング技術を用いることで,画素部とアレイ状に配置したAD変換器を画素エリア内部で接続した.3段パイプラインのサイクリック-サイクリック-逐次比較AD変換器により,変換時間周期を0.92μsに高速化した.3段AD変換器の構成とハイブリッドスタッキング技術により,3,300万画素において240枚/秒の高フレームレートを初めて実現した.画素速度7.96ギガ画素/秒の高速読み出しを実現しつつ,ランダムノイズ3.6電子とセンサ消費電力3.0ワットを達成した.
著者
人見 泰正 鈴木 尚紀 辻 義弘 高田 博弥 山田 将寛 北村 悠樹 佐藤 暢
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.167-173, 2022 (Released:2022-03-28)
参考文献数
15

【目的】シャント狭窄部に駆血を行うことで血管拡張が得られる症例とそうでない症例で,治療成績や検査基準に違いがあるかどうかを検討した.【対象】対象は,非駆血時での狭窄部血管断面積が3.14 mm2(径で2.0×2.0 mm)以下で,エコー下VAIVTを実施した96例である.【方法】対象を,駆血で狭窄部血管径が拡張する血管拡張良好群と拡張しない血管拡張不良群に分類し,両群のVAIVT前での非駆血時狭窄部断面積,FV,RI,および治療での最高拡張圧,過去3年間のVAIVT回数などを統計学的に比較した.【結果・考察】血管拡張良好群の治療効果は血管拡張不良群よりも低い可能性が高く,血管拡張良好群の非駆血時の狭窄径は見かけ上の有意狭窄である可能性が示唆された.非駆血状態で狭窄部の径計測を行い,それのみをVAIVT介入の基準とした場合,過剰な治療介入が存在する可能性がある.治療適応を考査する際には,駆血したうえで狭窄部の径計測を行う必要がある.
著者
小林 豊 吉岡 雅代 稲葉 達也 鈴木 豊秀 榊間 昌哲 井出 和希 川崎 洋平 山田 浩 北村 修 米村 克彦
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.31-38, 2015 (Released:2018-04-02)
参考文献数
19

高リン血症は血管石灰化や生命予後に関連した病態であり、保存期慢性腎臓病(CKD)から血清リン値の管理が重要である。一方、保存期CKDに使用可能なリン吸着薬である沈降炭酸カルシウム(炭酸Ca)は胃酸分泌抑制薬の併用による効果減弱と、カルシウム含有による血管石灰化が懸念される。そこで当院薬剤部は内科医師に対し、これらの情報提供を行い、処方状況の変化に関する調査と、薬剤師による情報提供が医師の処方意識にどのような影響を与えたかについてのアンケート調査を行なった。対象は2014年1月の時点でリン吸着薬の処方を受けている保存期CKD患者のうち、1)炭酸Caと胃酸分泌抑制薬を併用している、2)血清リン値>4.5 mg/dL、を満たす患者の主治医とした。リン吸着薬の処方を受けている保存期CKD患者16名全てが炭酸Caを服用しており、12名が胃酸分泌抑制薬を併用していた。併用患者のうち血清リン値>4.5 mg/dLである患者は7名であった。情報提供により7名中5名においてリン吸着薬の変更や胃酸分泌抑制薬の中止がなされた。処方変更された5名中2名は血清リン値が低下し、2名は上昇し、1名は血液検査実施前に透析導入となった。情報提供対象患者以外においても処方の見直しがなされ、両薬剤の併用率は75%から21%と有意に減少した。アンケート調査の結果、薬物相互作用について6名中4名の医師が「知らなかった」と回答、意識変化では6名全員が「変化あった」と回答した。「今後は血管石灰化の危険性を回避するため可能な限りカルシウム非含有リン吸着薬を使用する」などの意見も得られた。これらのことから、薬剤師による積極的な情報提供は医師の処方意識に影響を与え、処方を見直すきっかけになることが示唆された。今後は他の薬物相互作用についても介入を検討し、有効性と安全性の高い薬物療法の提供により医療の質の向上に寄与していきたい。
著者
北村 充 奈良坂 紘一
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.38-48, 2004-01-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
84
被引用文献数
4 5

The recent advance is reviewed on the development of synthetic reactions by using oximes and their derivatives.
著者
北村 英祐
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.70-71, 2012-02-29

犬における,慢性経過の皮膚病のうち,特に背側の脱毛の症例に対し,通常の治療に加え,リゾープス菌麹抽出生理活性物質である「R&U」を用いたところ,それまでの治療では奏功しなかった脱毛改善し,著明な治療効果が認められたため,その概要を報告する。
著者
髙島 愼助 北村 正幸
出版者
四日市大学
雑誌
四日市大学論集 (ISSN:13405543)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.99-115, 2009 (Released:2019-08-30)
参考文献数
42
著者
朝倉 敬行 北村 真理子 安本 三穗 竹内 理貴 中里 光男 安田 和男
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.1-11, 2022-02-25 (Released:2022-03-10)
参考文献数
25

LC-MS/MSを用いた鶏組織およびその加工品中からの7種の抗ウイルス剤(アマンタジン,リマンタジン,アルビドール,ラニナミビル,オセルタミビル,ペラミビル,ザナミビル)の分析法を確立した.試料からメタノール–水(9 : 1)で抽出し,InertSep MAXミニカラム(上側)及びInertSep MCXミニカラム(下側)を連結したタンデム型のミニカラムで精製した後,LC-MS/MSで測定した.鶏組織および鶏卵など6試料に適用した結果,真度77.9~97.5%,併行精度1.7~9.2%の良好な結果が得られた.また,焼き鳥,唐揚げなどの加工品9試料に適用した結果,真度72.6~99.2%,併行精度3.0~11.2%の良好な結果であった.開発した試験法を鶏の組織と鶏卵の12試料および焼き鳥,唐揚げ,サラダチキン,チキンステーキ,チキンカツなど30試料の加工品の実態調査を行ったところ,抗ウイルス剤は検出されなかった.開発した試験法は,鶏組織だけではなく加工品等にも適用できることが確認された.本分析法における定量限界値は,0.01 mg/kgであった.
著者
橋本 晃啓 調枝 孝治 北村 靖治 宮原 満男
出版者
広島大学総合科学部
雑誌
広島大学総合科学部紀要. VI, 保健体育学研究 (ISSN:02893002)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.53-66, 1988-02-28

本研究では, バスケットボールの系列運動課題の再生レベルを向上させるリハーサルのタイプを明らかにすることを目的とした。このため, 大学生男子216名を以下の6つの条件に36名ずつ分け, 各条件のもとでそれぞれリハーサルを行わせた後, 系列運動課題を再生させた。6つのリハーサル条件とは, 1)図, 2)図と言語的説明, 3)映像と言語的説明, 4)図と小筋運動感覚, 5)図と言語と小筋運動感覚, 6)図と大筋運動感覚である。再生パフォーマンスの測度は, 1)系列運動課題の遂行時間, 2)下位系列位置における再生率であった。その結果を要約すると, 系列運動課題遂行時間については, 条件6が最も速く, 続いて条件5であった。さらに, 条件1と条件4では最も遅かった。系列運動課題の再生率については, 条件2, 条件3, 条件6で再生率が高く, 条件1と条件4は低かった。このことから以下の2点が結論づけられた。1)言語的説明は系列運動課題の再生に重要な役割を果たしているが, 言語や図に実際の運動を結びつけたリハーサル, すなわち, 筋肉活動による出力に伴うフィードバック情報を付加的に用いて精緻化リハーサルを行う必要がある。2)時間的順序性を含むコード(たとえば, 言語・映像・筋肉運動)を用いたリハーサルを妨害すると再生レベルは低下する。In this paper we intended to make clear the effects of rehearsal types on recall of serial motor task in basketball. 216 male undergraduate students (18-20 yrs.) were divided into following six groups with different rehearsal conditions, i. e. 1) pictorial, 2) picture-illustrated, 3) model-illustrated, 4) pictorial and fine motor, 5) pictorial, verbal, and fine motor, and 6) pictorial and gross motor rehearsal. The students were required to recall the serial motor task after the engagement in one of these conditions. The speed and accuracy in performing the serial motor task were measured for each group.The results were as follows ;Subjects in rehearsal condition No. 6 were the fastest with respect to serial movement time, and in rehearsal condition No. 2, 3, and 6 they performed with high accuracy in contrast with rehearsal condition No. 1 and 4 which showed the slowest and poorly accurate performance. Therefore the elaborate rehearsal with current movements facilitated recall performance. The interference of verbal, model-illustrated, and/or motor rehearsal has caused decline in the level of recall.
著者
田辺 聡 北村 匡 西元寺 克禮
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.2391-2398, 2004-11-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
56
被引用文献数
6

Argon plasma coagulation(以下APC)は非接触型の高周波凝固装置で,1991年に内視鏡治療の分野に導入された比較的新しいデバイスである.本法は病変に接触せずに広範囲な凝固が可能であり,血管性病変や悪性腫瘍に対する凝固治療,さらに消化管出血に対する止血や静脈瘤に対する地固め治療,Barrett食道に対する焼灼治療など様々な疾患に応用されている.いずれの疾患に対しても短期的な有効性は明らかであり,今後は長期予後の検討が望まれる.特に本邦では,食道,胃,大腸などの早期癌に対する粘膜切除術(EMR)の追加治療あるいは単独治療として用いられている.焼灼深度が浅く安全性の高い治療であるが,合併症として穿孔,壁内気腫の報告があり十分な注意が必要である.各疾患に対する適切な焼灼方法の確立,他の治療との無作為比較試験,長期予後の評価など今後の検討が期待される.