著者
小南 浩一
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.106-123, 2006-11-15 (Released:2017-11-01)

This paper aims to discuss the common idea advocated by the two Japanese activists, Toyohiko Kagawa, a leader of the labor movement in the Kansai area and Sakae Osugi, a representative of the Japanese anarchists and the most radical leader. Although both activists seem to be in opposition to each other in the 1920s, their ideas were rooted in the same thought that the labor movement should aim to improve not only working conditions but also restoring humanity. They insisted that an employee should live humanly. This idea still has a significance in the modern society. It seems to come from their common backgrounds. Firstly, both were influenced by Proudhon, a French anarchist. Kagawa in particular was deeply inspired by Proudhon's insistence that the reform of the 'Exchange System' in capitalism should be the key to a solution of the social problems. Secondly, both had a common view of life, i.e. every value comes from life. The struggle against suppression of an individual life was their spirit of the labor movement. Today we still face the problems of humanity and alienation in a workplace, which they pointed out about 80 years ago. It is urgent to solve these issues for Japan now.
著者
長南 浩人
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.417-426, 2001-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

本研究は, ろう学校高等部の生徒35人を被験者として日本手話・中間型手話・日本語対応手話の構造の違いが手話表現の理解に与える影響を, 被験者の手話能力と日本語能力という2つの要因から検討したものである。理解テストは, 被験者が, 日本手話, 中間型手話, 日本語対応手話を見て, それぞれと意味的に等価な絵をワークシートから選択するという方法で行われた。その結果, 手話能力と日本語能力が共に高いGG群は, 理解テストにおいて日本手話, 日本語対応手話のどちらでも高い得点を示し, 手話能力が高く日本語能力が低いGP群は, 日本手話でのみ高い得点を示し, 手話能力が低く日本語能力が高いPG群は, 日本語対応手話でのみ高い得点を示し, 手話能力と日本語能力が共に低いPP群は, いずれの手話表現でも低い得点を示したというものであった。このことから, ろう学校高等部の生徒が理解しやすい手話の種類には個人差があることが分かった。また, 中間型手話はどの被験者にとっても理解が難しい表現方法であることが分かった。
著者
平 あき津 南 浩治 五十嵐 崇訓 行場 次朗
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.65-71, 2020 (Released:2020-02-28)
参考文献数
19

This study aimed to construct a cognitive model of facial youthfulness. First, we investigated which higher-order impressions (e.g. lively, clean, etc.) compose youthfulness on the hypothesis that youthfulness is a complex impression. Then, we investigated which lower-order impressions (e.g. wrinkles, translucency, etc.) account for the constituent impressions of youthfulness. Eight trained participants rated 27 impressions of 32 women’s facial images in their 50s. Factorial analysis and multiple regression analysis were conducted on the rating data. Our investigation revealed that youthfulness consisted of lively impression and clean impression in addition to estimated age, while lively impression was the main constituent of youthfulness. Further analyses showed that those three impressions respectively related to strong appearance of eyes, perceived translucency, and wrinkled appearance. Based on these results, we proposed a cognitive model representing that youthfulness is a complex impression composed of three higher-order impressions, which are affected by particular facial features.
著者
金子 豊 竹内 真也 南 浩樹 和泉 吉則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.57-62, 2008-09-04

DHT (Distributed Hash Tables)を使った構造型P2P (Peer-to-Peer)は,中央集権的な管理機構が無いためスケーラビリティがあり,障害耐性,拡張性にも優れるため,大規模な分散ストレージシステムの構築に有効な技術である.筆者らは放送局における番組素材ファイルの分散ストレージシステムへの利用を想定し,OneHop拡張方式を提案している.本稿ではこのOneHop拡張方式の実装方法について述べ,さらに,1,000から10,000ノード規模の実験による本実装による提案方式の性能評価結果について述べる.実験の結果,提案方式はサイト間ネットワークのパケット量の削減効果があること,公開するキー数に応じてキーの割り当て数を制御可能なことを確認した.また,提案方式はネットワーク障害による通知メッセージの輻輳を起こさず,スケーラビリティの点で有利であることが分かった.
著者
長南 浩人
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.112-122, 2018-03-30 (Released:2018-09-14)
参考文献数
58
被引用文献数
2 2

本稿は,2016年7月から2017年6月末までの1年間で発表された特別支援教育における教育心理学に関する研究の動向を概観したものである。発表論文について数的な分析を行った結果,近年の発表件数に減少傾向が見られた。また聴覚障害児教育に焦点を当て研究動向を分析した。その結果,音声言語の習得に関する指導法については,バイリンガルろう教育や人工内耳装用児の育ちの実態から,発達早期の段階から音声を利用して指導する方法やキュードスピーチが再び評価されていることが示唆された。また,認知発達や家族心理についても概観し,これらを踏まえて今後の展望を述べた。
著者
長南 浩人
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.417-426, 2001
被引用文献数
2 2

本研究は, ろう学校高等部の生徒35人を被験者として日本手話・中間型手話・日本語対応手話の構造の違いが手話表現の理解に与える影響を, 被験者の手話能力と日本語能力という2つの要因から検討したものである。理解テストは, 被験者が, 日本手話, 中間型手話, 日本語対応手話を見て, それぞれと意味的に等価な絵をワークシートから選択するという方法で行われた。その結果, 手話能力と日本語能力が共に高いGG群は, 理解テストにおいて日本手話, 日本語対応手話のどちらでも高い得点を示し, 手話能力が高く日本語能力が低いGP群は, 日本手話でのみ高い得点を示し, 手話能力が低く日本語能力が高いPG群は, 日本語対応手話でのみ高い得点を示し, 手話能力と日本語能力が共に低いPP群は, いずれの手話表現でも低い得点を示したというものであった。このことから, ろう学校高等部の生徒が理解しやすい手話の種類には個人差があることが分かった。また, 中間型手話はどの被験者にとっても理解が難しい表現方法であることが分かった。
著者
栗岡 辰弥 南 浩樹 藤澤 俊之 加藤 隆 奥田 治雄 沼澤 潤二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.55, pp.23-29, 1998-10-16
被引用文献数
13

ディジタル放送時代の家庭用記録装置は、視聴者の好みの番組を自動的に収録し、見たい番組をいつでも簡単に取り出せる"いつでも機能"が求められる。このような新しい機能をもった記録装置をホームサーバと呼んでいる。我々は、ディジタルハイビジョン放送を収録しながら再生できるホームサーバ実験装置を開発した。この実験装置は、階層的記録方式を導入することでハイビジョン番組を4時間以上収録でき、壁掛けテレビに内蔵できるハードウエア規模で実現した。本報告では、開発した実験装置の構成とその主な要素技術について概要を報告する。
著者
沖山 夏子 津田 千春 森合 康朗 次田 哲也 南 浩治 佐藤 直紀
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.292-300, 2013-12-20 (Released:2015-12-21)
参考文献数
4
被引用文献数
1

ファンデーション (FD) ユーザーの多くが日常的に感じている「化粧のり」,すなわち化粧仕上がりが日によって異なる現象に着目し,同一人の肌で化粧仕上がりを毎日観察する調査を行った。化粧仕上がり変動の原因は,素肌の表面状態が日によって変動することによりFD の肌への付着状態が変化するため,という仮説を設けた。30代女性15名のパウダータイプFDユーザーを被験者とし,素肌の表面特性 (水分量,皮脂量,粘弾性) の測定と表面状態 (落屑,毛穴,ニキビ,色むら) の観察,化粧仕上がりの観察を1カ月間毎日実施した。その結果FDの仕上がりは,同一被験者が同じFDを使用していても日によって変動していた。変動の内容は「かさつき目立ち」が変動するタイプと「ムラづき」が変動するタイプの被験者に分類された。素肌状態も日により変動していた。FD仕上がりと素肌の変動の相関を被験者ごとに解析した結果,「かさつき目立ち」変動タイプでは落屑,ニキビの変動が,複数の被験者において仕上がり変動と相関が認められた。素肌の表面凹凸が日々変動することがFD付着性に影響を与え,化粧の「かさつき目立ち」の変動の原因となることが示唆された。
著者
坂口 雅宏 田伏 克惇 山本 誠己 下間 仲裕 南 浩二 長濱 実穂 有井 一雄 岡 正巳 藤本 博史
出版者
特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会
雑誌
Journal of Microwave Surgery (ISSN:09177728)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.67-78, 1992
被引用文献数
1

Recently we performed partial splenectomy and distal pancreatectomy using a new microwavescalpel (blade type electrode). A new microwave scalpel has merit of this high hemostaticperformance and cutting performance. In the 3 cases in which one was iatrogenic intraoperativesplenic injury and two were purpcse of preserving partial splenic function treated by this partialsplenectomy and in the 9 cases or gastric carcinoma teated by this distal pancreatectomy, theseoperations was accomplished safely and postoperative complication was free. These results suggestthat this apparatus, a new microwave scalpel, may well be recommended as a medical electronicsin the splenic and pancreatic surgery.
著者
南 浩紀 北 逸郎 長谷川 英尚 佐藤 時幸
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.64, 2007

湧昇流地域であるインド洋オマーン沖深海底コアの過去108万年間の有機窒素・炭素および無機炭素の同位体比を測定した。これらの同位体比と石灰質ナンノ化石量の変化には、共通した10万年の周期があることが明らかになった。これらの結果とすでに報告したバハマ沖など異なる湧昇流地域の深海底コアとの同様な同位体変動の関係を比較し、世界的な湧昇流地域の深海底コアから得られる古地球の環境変動について報告する。
著者
長南 浩人 井上 智義
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.413-421, 1998-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

本研究は, ろう学校高等部の生徒の文章記憶に関して実験を行い, 特にリハーサルに利用する方略の効果について検討したものである。そして, その結果の分析を通して, 聴覚障害者の日本語指導を行う上での基礎的資料を提供することを目的とした。予備調査では, 自発的なリハーサル場面を設定して, どのような方略がリハーサルに利用されるのかを観察した。その結果,(1) 手話口形方略 (2) 口形方略 (3) 暗唱方略 (4) 音声方略の4種類の方略がリハーサルに利用されていることが分かった。このことから調査対象者は, 口話法による指導を受けてきたが, 自発的に手という方略も利用することが分かった。また, 予備調査の記憶成績に基づいて対象者を上位群と下位群に分け, 利用した方略について検討したところ, 両者が主として用いている方略に違いがある可能性を否定できなかった。つまり, 上位群は手話口形方略を利用するものが多い傾向にあった。そこで, 下位群に上位群が用いていた方略を使用させた場合, 記憶成績に向上が見られるのではないか, また, 両群とも予備調査で観察された他の方略を利用させた場合, 方略問の記憶成績に違いが見られるのかどうか検討する必要があると思われた。そこで, 予備調査で観察された4つのリハーサル方略を指示した記憶課題の実験を行った。その結果, 上位群は, どの方略を用いても再生成績に差は見られなかった。また, 下位群は, 手話口形方略を利用したリハーサルを行った場合のみ, 上位群と差がなくなることが分かった。
著者
西本 友成 栗岡 辰弥 南 浩樹 上原 年博 渡辺 由則 平松 晃一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.9-14, 2000
参考文献数
3
被引用文献数
6

サーバー型放送受信機の要求条件を検討し、BSデジタルハイビジョン放送に対応したコンパクトで低消費電力・低騒音のハードディスク内臓型BSデジタル放送受信機を試作した.複数のデジタルハイビジョン番組を同時収録再生できるIDEハードディスクコントローラを開発し、(1)データ転送基本単位を1MB(128kB×8)としたハードディスクアクセス、(2)収録番組を論理アドレスベースで管理するファイルシステム、(3)収録と再生バッファ残量管理によるハードディスクへのDMA転送制御を実現した.
著者
大嶋 律也 山下 則夫 小島 邦子 道盛 厚司 南 浩次 杉浦 博明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.11-5-1-_11-5-2_, 2012

Our recordable LCD TVs are equipped with front loading Blu-ray disc drive. The front loading provides ease of use for beginners, but it increases a size of packing box of the TV. This paper proposes a new mounting arrangement of the disc drive that can reduce the size of packing and presents its effect.
著者
志賀 洋介 南 浩一郎 白石 宗大 上園 保仁 松井 稔 堀下 貴文
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

疼痛発生のメカニズムは脊髄レベルでの機序が解析され始めG蛋白共役型受容体(GPCR)が疼痛発生に関与しているという報告がなされてきた。しかし、麻酔薬や鎮痛薬がこれらの受容体にどのように影響を与えて鎮痛作用を引き起こしているかはいまだに結論が出ていない。脊髄後根神経節(Dorsal Root Ganglia,DRG)細胞は多くの神経ペプチドが含有され、一次求心性線維中枢側から急性侵害刺激により遊離される。最近、グルタミン酸受容体が侵害刺激に関与していることが示唆されている。メタボトロピックグルタミン酸受容体(mGluR)はグルタミン酸が作用するGPCRで、同じGPCRであるムスカリン受容体などとは大きくその構造が異なる。mGluRが痛覚伝達や麻酔鎮痛機序にどのように作用しているのか興味深い。本年度は脊髄レベルでの麻酔薬、鎮痛薬の抗侵害作用におけるmGluRの役割を解析することを目的に以下の研究を行った。培養DRG細胞を用いて麻酔薬、鎮痛薬がmGluR1、mGluR5にどのように影響するかを検討し、細胞内Ca^<2+>の変動に対する、麻酔薬、鎮痛薬の影響を解析した結果、グルタミン酸により細胞内Ca^<2+>は上昇することを確認できた。さらに、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いてmGluR1、mGluR5に対する影響を電気生理学的に解析し、mGluR1には麻酔薬デクスメデトミジンが抑制する事実を確認した。また、吸入麻酔薬の一部も抑制することを確認している。今後はこれらの反応に細胞内リン酸化酵素が関与を明らかにする。最終的にはmGluRノックアウトマウスを用いて行動薬理学的に鎮痛薬、麻酔薬の抗侵害作用を検討し、麻酔薬、鎮痛薬の抗侵害作用におけるmGluRの役割を総合的に解析したいと考えている。
著者
林 恒宏 村田 真一 阿南 浩司
出版者
札幌国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、①スポーツマネジメント教育の分析枠組み(基本的視座)の整理、②大学現場で実際に展開されたスポーツマネジメント教育の課題と成果、③大学教育で図られているスポーツマネジメント教育に対してのスポーツ実践現場の見方の整理であった。今回の研究を通して①「大学側(カリキュラム・教員)」「学生側」「現場側」の3局構造をスポーツマネジメント教育の基本的視座として確認した。②「大学側(カリキュラム・教員)」の取り組みとして「実践の場」の必要性を確認した。③「現場側」の事例としてプロスポーツ球団では資格などより、新卒採用と中途採用の違いに着眼したカリキュラム策定の必要性を確認した。
著者
横山 徹 南 浩一郎 上田 陽 岡本 隆史
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

腰痛をはじめとする疼痛機序解明を目的にTRPチャネルを中心に細胞内痛みセンサーの解析を行った。皮膚や脊髄などでは、痛み刺激に反応するTRPV1やTRPA1が中枢神経系では、水分調節に関係する視索上核の存在するバゾプレッシン産生細胞に興奮性に作用することをはじめて見出した。また、下肢の痛みなどではバゾプレッシンの分泌が増加し、痛みとバゾプレッシンに密接な関係がある可能性を明らかにした。