著者
石原 大輔 村上 直
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

昆虫羽ばたき飛行を規範とする微小飛翔ロボットの可能性は,マルチフィジクスの複雑さと加工技術の限界から未だに十分明らかになっていない.そこで本研究では,最初に,マルチフィジクス計算力学手法を開発し,それにより昆虫羽ばたき飛行の力学を精緻化した.次に,それらを用いて,昆虫羽ばたき飛行を規範とする1mmスケールのモデル翼を2.5次元設計空間内で探索し,満足解の集合(デザインウィンドウ)が存在することを示した.最後に,MEMSプロセスに基づくマイクロマシニングを開発し,それを用いて,モデル翼を実空間で作成した.以上により,微小飛翔ロボットの可能性を明らかにした.
著者
中原 大貴 千崎 良太 牛尾 裕 片岡 哲也 乃村 能成 谷口 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.278, pp.35-40, 2010-11-05
被引用文献数
1

我々は,マルチコアプロセッサにおいて,複数OS同時走行機能を有するMintオペレーティングシステムを開発している.Mintは,最初に走行するOSが後から走行するOSを起動し,走行するOSごとにカーネルイメージを必要とする.つまり,複数のカーネルイメージが必要である.そこで,本稿では,Kexecを利用して後から走行するOSを起動する手法について述べ,Mintの複数のカーネルイメージを単一化できることを示す.また,本起動方式についてコード改変量とOSの起動処理に要する時間を評価する.
著者
吉原 大志
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要. アーカイブズ研究篇 (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.10, pp.139-153, 2014-03

本稿は、災害時に被災した歴史資料(被災資料)の保全活動と、その担い手を社会のなかに広げるための方法について、阪神・淡路大震災を機に設立されたボランティア団体である歴史資料ネットワーク(史料ネット)の取り組みから考えようとするものである。史料ネットの活動の基礎には、地域の歴史資料そのものを保存するだけではなく、それを実現するための拙い手を、社会のなかに広げようという考えがある。これが、2004年の水害対応をきっかけとして、水損資料の応急処置方法とともに、「どこでも・誰でも・簡単に」資料保全の担い手になることができるという意識の普及を目指す水損資料修復ワークショップの実践へと展開した。この取り組みをさらに広げていくために、東日本大震災や紀伊半島水害の被災地における「思い出の品」を残す取り組みのような、被災地のニーズに即して史料ネットの日常的な実践を捉え面すことの必要を提起し、実際に史料ネットが始めている試みを紹介した。The purpose of this study is providing method for spreading subjects conserve, disaster-damaged historical materials, as a case of "The volunteer network for historical materials"."The volunteer network for historical materials" have conserved disaster-damaged historical materials since the Great Hanshin-Awaji Earthquake in l995. Their mission is not only conservation of damaged materials, but also spreading subjects conserve these materials. And they have held workshops for achievement of this mission.Now, in damaged areas, people look for their memorial materials like photos, home movies. Based on this movement, "The volunteer network for historical materials" try to spread objects of conservation through their workshops.
著者
吉原 大志
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要. アーカイブズ研究篇 (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.10, pp.139-153, 2014-03

本稿は、災害時に被災した歴史資料(被災資料)の保全活動と、その担い手を社会のなかに広げるための方法について、阪神・淡路大震災を機に設立されたボランティア団体である歴史資料ネットワーク(史料ネット)の取り組みから考えようとするものである。史料ネットの活動の基礎には、地域の歴史資料そのものを保存するだけではなく、それを実現するための拙い手を、社会のなかに広げようという考えがある。これが、2004年の水害対応をきっかけとして、水損資料の応急処置方法とともに、「どこでも・誰でも・簡単に」資料保全の担い手になることができるという意識の普及を目指す水損資料修復ワークショップの実践へと展開した。この取り組みをさらに広げていくために、東日本大震災や紀伊半島水害の被災地における「思い出の品」を残す取り組みのような、被災地のニーズに即して史料ネットの日常的な実践を捉え面すことの必要を提起し、実際に史料ネットが始めている試みを紹介した。The purpose of this study is providing method for spreading subjects conserve, disaster-damaged historical materials, as a case of "The volunteer network for historical materials"."The volunteer network for historical materials" have conserved disaster-damaged historical materials since the Great Hanshin-Awaji Earthquake in l995. Their mission is not only conservation of damaged materials, but also spreading subjects conserve these materials. And they have held workshops for achievement of this mission.Now, in damaged areas, people look for their memorial materials like photos, home movies. Based on this movement, "The volunteer network for historical materials" try to spread objects of conservation through their workshops.
著者
舩戸 徹郎 柳原 大 石川 欽也 青井 伸也
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

小脳における神経障害が姿勢制御機能を低下するメカニズムを解明するために、生体データから力学モデルを用いて制御系を定量評価する手法を構築した。①環境に応じて運動状態を変える力学モデルとその評価手法、②後肢2足で直立するラットの姿勢実験環境という2つのツールの開発することで制御系の評価手法を構築し、この手法を用いて下オリーブ核障害ラット及び小脳疾患患者の制御系を評価することで、小脳障害が制御入力全体や環境適応のために働く制御機能を低下させるという姿勢制御能力の低下要因を示した。
著者
篠原 諒 村田 英一 吉田 進 山本 高至 梅原 大祐 田野 哲 守倉 正博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.25-28, 2013-02-13

周波数利用効率を向上させる技術として提案されているマルチユーザMIMO伝送を行うシステムをハードウェアで実装し実験的に検討を行っている.屋内環境におけるマルチユーザMIMO伝送実験の研究は報告されているが,屋外環境における伝送実験の報告は少ない.マルチユーザMIMO屋外伝送実験を行うためにUSRP (Universal Software Radio Peripheral)を用いて移動端末を試作した.USRPはソフトウェア無線端末の一種であり,安価に入手可能かつ小型であるため,持ち出しが容易な移動端末が複数台必要なマルチユーザMIMO屋外伝送実験に適している.USRPの制御には汎用OSを搭載したPCと専用のドライバであるUSRP Hardware Driverを用いた.本稿では,移動端末の試作,特に周波数安定性や送受信タイミング管理,EVMにより評価した伝送特性を含む諸特性について述べる.
著者
杉原 大悟 増市 博 梅基 宏 鷹合 基行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.57-64, 2009-01-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

本稿では,Wikipedia の記事タイトルを機械学習手法を用いて固有名詞クラスへと分類する際に Wikipedia のカテゴリ階層を分類器の素性として用いた場合の効果について報告する.ある記事タイトルに関連する Wikipedia のカテゴリネットワーク情報を分類器の素性として用いるために,あるカテゴリのカテゴリ階層構造をシンプルな基準 「主要カテゴリからの最短経路」 によって Wikipedia のカテゴリネットワークから抽出した.Wikipedia の語を関根の拡張固有名詞階層へ機械学習手法を用いて分類する実験において,得られたカテゴリ階層構造の効果を確認した.固有名詞クラスの粒度は荒いクラス分類 (固有名詞階層の深さ 2 ) と細かいクラス分類 (固有名詞階層の深さ 4 ) の 2 種類を用意し,荒い固有名詞分類においては 7 クラスおよび 15 クラスへと分類する実験,細かい固有名詞分類においては 118 クラスへと分類する実験を行った.カテゴリ階層構造を用いない場合と比較して,カテゴリ階層構造を用いた場合に,より良い F 値が得られた.最良の分類器による精度はそれぞれ F 値 91.33,F 値 89.68,F 値 84.06 であった.また,カテゴリ階層構造は Recall の向上に特に効果的であり,その効果は分類先の固有名詞分類の粒度が細かくなれば減少することが分かった.We consider the effect of hierarchical category structures of Wikipedia in experiments for named entity categorization based on machine learning methods. We extracted hierarchical category structures of each category simply based on the shortest path from " Category:Main Category" of Wikipedia. We checked the effect of the hierarchical category structure in categorization of term of Wikpedia to named entity class defined by Sekine's Extended Named Entity Hierarchy. We prepared 3 types of experimental settings on the number and granularity of named entity classes: The first one is categorization to rough-grained 7 classes of named entity, the second is categorization to rough-grained 15 classes of named entity and the third is categorization to fine-grained 118 classes of named entity. The classifier learned with the hierarchical category structure got better than those without hierarchical category structure in F-measure. The F-measures of our best classifier are respectively 91.33%, 89.68% and 84.06% in above 3 experimental settings. Our study found that hierarchical category structures are especially effective in the recognition of named entities in categorization to rough-grained classes of named entity and its effect declines in categorization to fine-grained classes of named entity.
著者
堀江 知義 二保 知也 石原 大輔
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

マイクロ片持はり構造の機械的な振動時に生じる,電界,変形,流れの連成振動挙動を明らかにするために,静電気力-構造-流体連成解析コードを開発し,連成効果に及ぼす支配因子の影響を検討し,モデルの妥当性を検証した。さらに,マイクロ片持はり構造を作成し,真空中における駆動実験から非線形連成効果特性を確認した。大気中における振動実験と電界-構造-流体3連成解析により,流体との連成効果によってプルイン特性が変化することを示した。
著者
原 大雅
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6457号)
著者
田原 大輔 羽田野 亮 岩谷 芳自
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.37-43, 2008-03-20 (Released:2012-09-04)
参考文献数
26
被引用文献数
1

カマキリ養成2才親魚の卵巣成熟度を,外観および組織観察から周年調査した。卵母細胞の発達段階,残留卵の状態と再吸収の進行状況を基に,卵巣成熟度を6段階(前卵黄形成期,卵黄形成期,成熟期,退縮前・中・後期)に分類した。残留卵の出現は産卵期が近づくにつれ低くなったが,ほとんどの養成親魚の卵巣内にほぼ周年残留卵は認められた。残留卵の長期滞留の発生は,親魚が過熟卵を放卵できず,卵巣での再吸収に長期間を要することによる。また,残留卵をもっていた親魚でも排卵し良質卵が得られた場合があり,残留卵の長期滞留と翌年の成熟への影響は明確ではない。
著者
神田 和幸 原 大介 木村 勉 片岡 由美子
出版者
中京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

平成16年度:国内外の公的広報資料収集と統計資料整理、既成資料の調査、各種施設調査を実施。平成17年度:協力要請及び調査打ち合わせをした下記各機関の協力により調査を実施し、各資料を統合的に分析し、提言作成の基礎資料をえた。研究協力機関1. 特定非営利活動法人 手話技能検定協会本部、名古屋支部、大阪支部2. 名古屋身体障害者福祉連合会、名古屋身体障害者情報文化センター3. 名古屋聴覚言語障害者協会調査内容(主として面談調査)1. 現在の福祉・情報サービスへの不満2. 望まれる支援機器、支援システム、支援制度また実験調査遠隔通信による手話通訳サービスの実験を行った。平成18年度:前年度の聴覚障害者側のニード調査に対しサービス側はそれらをどのように受けとめているかを調査した。全国の上場非上場企業8,000社に郵便アンケートのよる企業側の意識を調査した結果、回収率は7%、578社から回答を得た。結果分析概要は(1)障害者雇用促進法の存在は90%が知っていた、実際に聴覚障害者を雇用している企業28%。今後の雇用予定もない企業がほとんどである。社員として雇用していないので、対策も何も採られていない。顧客としての聴覚障害者についても、ほとんど認識がない。客とのトラブルが何もないという回答が93%、聴覚障害者側のニードと大きな差があり、障害者側が一方的に我慢している実態がわかった。緊急時の対応も何もなされておらず、対策もとられていない。これは事故などにおける聴覚障害者の罹災率が高いことが世間に認識されておらず、緊急に改善を要する事柄である。聴覚障害者のニード調査で救急車やパトカーの音の区別ができる装置の希望が多かったが、こうした具体的な機器開発は当該研究グループ(聴覚班)内の会合で情報を交換しており、医療現場でのディスプレイの研究として発表され、また緊急音識別装置への研究へとつながった。
著者
西原 大輔
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

Pax6は眼の「マスターコントロール遺伝子」とも呼ばれ、その所以の一つは、ショウジョウバエやアフリカツメガエル胚においてPax6遺伝子やmRNAの強制発現によって異所的な眼の形成が誘導されたという知見によるものである。脊椎動物の場合、眼の複数の組織の正常形成がPax6遺伝子の機能喪失によって乱されることから、Pax6は眼の形成過程で多面的な機能を担っていると考えられている。従って、眼の形態形成過程を理解し、また将来の展開が予想される眼の組織再生に発生学的な知見を活かす上でも、Pax6のin vivoでの機能解析は必須の課題と言える。本研究では、共通の発生起源から形成される網膜色素上皮(RPE)と神経網膜の2つの眼の組織の形成過程に着目し、1)Pax6という1つの因子が、異なる2種類の組織の形成に関わっているかどうか、2)またその過程でPax6がどのような分子メカニズムを介して機能するのかを解析した。解析の結果、1)については、Pax6が実際にRPEと神経網膜の両方の形成を促すことを、一つのin vivo実験系内で観察できた。RPEと神経網膜の発生過程では、それぞれのプロセスを異なる転写因子が動かしている。本解析では、構成的活性化状態のPax6をコードする遺伝子を眼杯に導入することで、Pax6の機能が亢進した場合にRPEと神経網膜のそれぞれで特異的に発現する転写因子の両方が発現誘導されることが分かった。さらに2)について、RPEと神経網膜のそれぞれで働く転写因子の発現誘導が、Pax6タンパク質内の異なるドメインを介して活性化されることも明らかにした。これらのデータはPax6の多面的な機能メカニズムの一端を明らかにするものであり、現在論文投稿の準備中である。
著者
梶原 大輔 上浦 大智 藤田 貴大 前田 香織 相原 玲二 西村 浩二 岸場 清悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.409, pp.81-86, 2005-11-10
参考文献数
5
被引用文献数
5

MAT-MONETは筆者らが提案している複数インターフェースに対応したモバイルネットワークアーキテクチャである.本稿ではDHCPやルータ広告に相当する, MAT-MONETにおけるアドレス割当プロトコルについて述べる.また, モバイルルータが多段で構成されたモバイルネットワークにおいてモバイルルータの移動情報を配下のモバイルルータやモバイルノードに伝えるための移動通知プロトコルについて述べる.このとき, モバイルノードは複数インタフェースをもつことを前提としており, 移動通知情報にはインターフェースの優先度が含まれる.
著者
伊原 大策
巻号頁・発行日
2011

課題番号:20520370
著者
原 大介
出版者
豊田工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本には「中間型手話」呼ばれるタイプの手話があり、一般的には日本手話と日本語対応手話の文法が混ざり合ったものであると言われるが、明確な「混合」は確認できなかった。聴者が使う中間型手話は、音声日本語のフットをリズムの単位として利用する傾向がある。語表出の時間は日本手話よりも30%超長い傾向にあった。取扱い分類辞と道具分類辞の使用比率においては、聴者の中間型手話は、日本手話や手話を知らない日本語話者のジェスチャーにおける使用比率と有意に異なっており物品のどの側面に着目しCLとして表現するかに独自性が見られた。ろう者が使用する中間型手話は、表出方法は簡略されるが日本手話文法に依存する傾向が強かった。