著者
原 雄司
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.709, pp.4-6, 2013-10

このように、デジタル化の弊害は画面の中でことが全て済んでしまう点にあります。かつて、CADベンダーやメディアがデジタル・モックアップや試作レスといった言葉を使いながら、コスト最優先で評価することを推進していました。しかし行き過ぎたデジタル化や…
著者
諸原 雄大 黒田 章裕 近藤 邦雄 佐藤 尚
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.267-268, 1994-03-07

人は装飾品や服などのデザインから、さまざまな印象を受け取る。その印象は、デザインにおける物理的な特徴によるところが大きい。人が印象を受けるときの、その基準となる物理的特徴は大きく分けると色と形の2つになる。この2つの特徴の印象が重なり合い、総合的な印象を決定づけると考えられる。感性工学の分野においては、この物理的特徴と印象との関係を求めることが一つの課題となっている。本研究の目標は、デザイン画における配色と、その印象を表すイメージ語との関係を求めることである。イメージ語はアンケート調査を行なうことにより求めた。デザイン画像の配色は、イメージ・カラーとして画像から抽出した。このイメージ・カラーとは、デザインにおいて用いられている色のうち、特に印象に影響の与える度合が強い色とその組合わせのことである。この2つの結果からデザイン画におけるイメージ・カラーとイメージ語グループとの関係について考察を行なった。以下、本論文では、第2章でアンケート調査について、第3章でデザイン画像からのイメージ・カラーの抽出法を提案する。第4章で配色とイメージ語の関係について考察を行なう。
著者
田原 雄一郎 Monroy Carlota Rodas Antonieta MEJIA Mildred ROSALES Regina
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.87-92, 1998
参考文献数
20
被引用文献数
4 17

グアテマラ各地の6村落の農家でチャガス病を伝搬する2種サシガメ, Triatoma dimidiata及びRhodnius prolixusの防除実験を行った。前者に対しては土壁の表面, 隙間, 割れ目に散布し, 後者では草葺き屋根の天井に散布した。人-時間採集評価でlambda-cyhalothrineは両種に対して30-60mg(a.i.)/m^2の薬量で極めて有効で, 3-4ヵ月以上にわたり再発生を許さなかった。また, deltamethrin液剤及び粉剤, diazinon, propoxurの液剤は200-600mg/m^2の薬量で2-4ヵ月の残留効果を発揮した。他方, fenitrothion及びdiazinonの液剤の効力は600-1000mg/m^2に増量したにもかかわらず劣った。また, permethrin燻煙剤は隙間の多いグアテマラの農家では有効でなかった。Deltamethrinは眼粘膜や鼻粘膜刺激が強く室内散布剤としては問題が残った。
著者
萩原 雄一 小川 博久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.715, pp.127-131, 2004-03-09
参考文献数
25

日本に暗号モジュールを評価する制度が無い現在,アメリカとカナダが運用しているFIPS 140.2に基づくCMVP(Cryptographic Module Validation Program)は一定の成功を収めている.本稿ではCMVPの成立要件及びその問題点を考察し,日本版CMVP(JCMVP)への改善案を提唱する.
著者
幾原 雄一 溝口 照康 佐藤 幸生 山本 剛久 武藤 俊介 森田 清三 田中 功 鶴田 健二 武藤 俊介 森田 清三 田中 功 鶴田 健二 谷口 尚 北岡 諭
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本終了研究では特定領域の成果報告会や国際会議を企画し,本特定領域によって構築された「機能元素の学理」の効果的な普及を行った.さらに,本特定領域で得られた知見を次代を担う若手研究者に引き継ぐためのプログラム(若手研究者向けセミナー,若手研究者海外滞在)も企画・運営した.また,班内の効果的な情報共有・打ち合わせのためのインターネット会議の実施や情報管理も本総括班が行った.平成24年度では以下のような総括班会議,成果報告会,シンポジウム等を行い,本特定領域で得られた研究成果の発信を行ってきた.・総括班会議の開催6月(東京)・特定領域最終成果報告会(公開)6/8(東京)【産官学から約200名の参加があった】・国際会議の開催(公開)5/9-11(岐阜)【国内外から約300名の参加があった】The 3rd International Symposium on Advanced Microscopy and Theoretical Calculations(AMTC3)・国際学術雑誌企画5月(AMTC Letters No.3)・最終研究成果ニュースレター冊子体の企画6月・特定領域特集号発刊(セラミックス)・若手研究者向けセミナー1月(名古屋)6月に開催した本特定領域の最終成果報告会においては200名近い参加があり,非常に盛会であった.また,5月に行われた国際会議においても世界中から第一線で活躍する研究者が一堂に会し,3日間にわたって活発な議論が行われた.また,次世代研究者の育成をめざし,研究者の海外滞在プログラム(米国オークリッジ国立研究所,英国インペリアルカレッジ)も行われた.また大学院生を対象とした第一原理計算,透過型電子顕微鏡,電子分光に関するセミナーも開催した.
著者
木原 雄治 岡村 怜王奈 中嶋 泰 井筒 隆 中本 正幸 吉原 務
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.725-734, 2006-10-01
被引用文献数
1

DRAM技術とSRAMで実績のあるTFT技術を用いた新しいメモリセル技術を用いて,16Mビットの低消費電力SRAM (SuperSRAM)を開発した.微細化が進むことでソフトエラー,V_<CC>下限動作等の問題が顕在化し,大容量化を進めていく上での難易度が高くなりつつあるSRAMに対し,小面積化が可能なDRAMメモリセル技術を用いてコストの上昇を伴うことなく諸問題を解決するとともに回路技術を駆使して非同期動作のSRAMとの完全互換を実現した.主に設計的観点から当デバイスの特徴を述べる.
著者
岡村 耕二 平原 正樹 大森幹之 浅原 雄一 渡辺 健次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.1198-1203, 2002-11-15
被引用文献数
1

九州ギガポッププロジェクトとは,研究開発機関群が,日常的なインターネット利用とは独立に研究開発型インターネット接続を持ち,複数のインターネットバックボーンへ接続する際に,ギガポップと呼ぶアクセス回線集約機構を協調して準備する,次世代相互接続アーキテクチャおよび研究開発インフラ構築に関する研究開発である.
著者
池上 博司 藤澤 智巳 楽木 宏実 熊原 雄一 荻原 俊男
出版者
日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.365-368, 1997-05-25
参考文献数
8
被引用文献数
3
著者
東 信行 泉 完画 佐原 雄二 野田 香 小出水 規行
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

流域単位の生態系評価を行うことを目的としたため,岩木川という一級河川の中下流域の大半を対象とする比較的大規模な研究地を設定した。これにより,従来から進められているマイクロバビタット評価に加えて,マクロな視点の調査・解析を行うことができた。第1に,(1)水田-小水路,(2)溜池,(3)河川-幹線の用水路-承水路-排水路-河川のそれぞれにおいて,水域ネットワークとしての連続性と環境の空間配置の視点から解析を行った。TWINSPAN解析の結果,大きな水路網では,水路構造そのものよりその水路がどの様な位置に存在するかが魚類群集を決定する要因となっていることが明らかとなった。加えて,重回帰分析ではマイクロバビタットの相当する構造にも関連性を示す魚種も見られ,異なるスケールの要因を同時に考えなければならない当初の仮説を支持する結果が得られた.魚種ごとの具体的な特性を双方の結果から把握し,保全に生かすデータが得られたと考えられる。この際,水系の連続性にも注目し,水系の連続性を補償する魚道や流速条件に対する魚類の遊泳能力にも研究を展開した。第2に,多様な生態系を維持してきた溜池の生態的特性を溜池構造や浚渫の方法それらに関連した植生構造から明らかにすることにした。さらに,生物生息に関連する物理化学要因について詳細な調査を加えることとし,特に溜池の貧酸素が生物群集に与える影響に注目し,またそれがどの様な条件で発生するかについても検討を深めることにした。本研究では具体的な問題点の抽出や環境デザインの提案まで行い、農業水利事業に生かすことを目的とし,この成果はその目的を一定程度達成したものと考えている。
著者
森 靖博 笠井 唯克 岩島 広明 藤本 雅子 江原 雄一 桑島 広太郎 水谷 豪 池田 昌弘 毛利 謙三 安田 順一 田邊 俊一郎 広瀬 尚志 住友 伸一郎 玄 景華 高井 良招 兼松 宣武
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.7-10, 2006-06-25

平成13年10月1日より平成16年12月31日までの3年3ヶ月間の朝日大学歯学部附属病院での歯科救急外来における患者受診状況について報告する.1.調査期間中の受診患者総数は4,729人であり,一日あたり平均3.98人であった.2.受診患者数は年々わずかながら増加傾向を認めた.3.性差別受診患者数は男性がやや多かった.4.時間帯別受診患者数では,平日は21時台,土曜日は13時台,日曜および祝日は9時台がそれぞれ最も多かった.また各日0時以降の受診患者数は減少する傾向を認めた.5.年代別受診患者数は20歳代が最も多く,次いで30歳代,10歳未満の順に多く,比較的に若い年代の受診が多かった.6.曜日別受診患者数では日曜日が最も多く,次いで土曜日が多く,土,日曜日に集中する傾向がみられた.7.疾患別の受診患者数では,歯周組織疾患が最も多かった.
著者
稲垣 陽一 中島 伸介 張 建偉 中本 レン 桑原 雄
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.123-134, 2010-09-28

本研究ではブロガの体験熟知度に基づいたブログランキングシステムの開発を行った.ユーザが入力した検索キーワードに対して,関連するトピックを複数抽出し,各トピックに関するブロガの体験熟知度を算出する.これに基づいてブログエントリのランキングを行う.熟知度スコアが高いブロガ (熟知ブロガ) が書いたエントリは,熟知度スコアが低いブロガが書いたエントリよりもランキングが上位となる.ブロガの熟知度スコアは,ブロガが過去に投稿したエントリ内で,各トピックに関して共起に基づいて抽出した特徴語をどれほど使ったかを分析することで算出される.なお,開発したシステムは,視点の異なる複数のランキングを提示するとともに,エントリ投稿者 (ブロガ) の特性に関する補助情報を提示している.これにより,ユーザは閲覧するブログエントリの信頼性を自分なりに判断することが可能となる.我々は開発した実証実験システムをWeb上で公開するとともに,これを用いた評価実験を行った.提案システムにより提示される熟知ブロガおよびブログエントリの妥当性が十分に高いことを確認できた.
著者
高橋 由利子 市川 誠一 相原 雄幸 横田 俊平
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.26-33, 1998
被引用文献数
6

そばアレルギーは蕁麻疹, 喘鳴, 呼吸困難などアナフィラキシー型の反応を呈する頻度が高く, 注意深い対応が必要である疾患であるが, その羅患率は明らかではない.今回横浜市の全小学校341校の養護教諭にアンケート調査を行い, 回答のあった166校, 92680名の児童について, 学童期のそばアレルギー羅患状況を検討した.同時に調査したアレルギー疾患の羅患率は, 気管支喘息5.6%, アトピー性皮膚炎4.2%, アレルギー性鼻炎3.1%, アレルギー性結膜炎1.6%, 食物アレルギー1.3%であった.これに対しそばアレルギー児童は男子140名, 女子54名, 計194名で, 羅患率は0.22%であった.症状は蕁麻疹が最も頻度が高く(37.3%), ついで皮膚〓痒感(33.3%), 喘鳴(26.5%)で, アナフィラキシーショックは4名(3.9%)が経験しており, 卵・牛乳アレルギーより高率であった.また, 学校給食で7名, 校外活動で1名の児童がそばアレルギー症状の出現を経験していた.養護教諭を中心とした小学校児童のアレルギー歴の把握が積極的に実施されている実態が明らかになり, これによりそばアレルギーは稀な疾患では無いことが明らかになった.学校生活においても十分な予防対策を講じる必要がある.
著者
毛利 謙三 桑島 広太郎 森 靖博 江原 雄一 田中 四郎 笠井 唯克 兼松 宣武
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.233-240, 2004-11-20
被引用文献数
8

1991年4月から2004年3月までに朝日大学歯学部口腔病態医療学講座口腔外科学分野(歯科外科学)を受診し,顎矯正手術を施行した148症例について分析し,下記の所見を得た.1.男女比は1:1.77で女性が多かった.2.基本術式として下顎枝矢状骨切り術(SSRO)と下顎枝垂直骨切り術(IVRO)が行われていた.3. 1999年からは,SSROよりもIVROが選択される割合のほうが多くなっていた.4. IVRO施行後に吸収糸を用いて近位骨片と遠位骨片とを結紮固定する方法は,術後の近位骨片の顎関節前方脱臼の予防にきわめて有用であった.5.ミニプレート固定を行ったSSRO単独手術症例の平均手術時間は,4時間43分で,平均出血量は375.8mlであった.6. IVRO単独手術症例の平均手術時間は,平均3時間38分で,平均出血量は181.3mlであった.7.超音波骨メス(SONOPET^<[○!R]>)を用いて,Le Fort I型骨切り術を行った結果,安全に手術を行うことができた.
著者
田原 雄一郎 Monroy Carlota Rodas Antonieta MEJIA Mildred PICHILLA Reginaldo MAURICIO Heberto PEREZ Miguel
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.331-336, 1998
被引用文献数
1 1

1995年緒方及びSamayoaはグアテマラのカリブ海に面した港町, Puerto Barrios及びSanto Tomas de Castillaでヒトスジシマカの生息を確認した。2年間経過後の1997年, 雨季と乾季に再び同じ地域で本種の分布拡大を調査した。今回, 同市内で調査地域を拡大したにもかかわらず, 生息は1995年と同じ地域からのみ確認できた。グアテマラ市へ至る国道沿線, グアテマラとメキシコ, ホンジュラス, エルサルバドルの国境地域, 太平洋岸の港町などでも調査したが新規な発見はなかった。本種は同一地域にあっては都市部の比較的小さな水域, 例えば, 古タイヤ, 空き缶に発生した。雨季には古タイヤと捨てられた空き缶, プラスチックに溜まった水たまりに多く見られた。ヒトスジシマカとネッタイシマカの採集比率を比較したところ, 乾季は後者が, 雨季は前者が多かった。
著者
横田 俊平 森 雅亮 相原 雄幸
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

乳幼児に発生するインフルエンザ脳症は症状の経過が急速で予後は不良であるが、病態メカニズムは不明な点が多い。しかし最近の報告から脳内の炎症性サイトカインの異常増多が原因と推察されている。今回ラットの髄液中にリポポリサッカライド(LPS)を投与し、中枢神経内に高サイトカイン状態を誘導し、それが中枢神経および全身に及ぼす影響を検討した。LPS髄注により髄液中のTNFαをはじめとする炎症性サイトカインは上昇し、LPS大量投与群のみ血清中の炎症性サイトカインも上昇した。脳組織内にサイトカインmRNAが認められ、免疫染色にてNFkB陽性細胞が認められることよりサイトカイン産生細胞はmicrogliaと推察された。組織学的検討では神経細胞、glia細胞のapoptosisが証明され、またLPS髄注により血液中のFITC-DEXTRANの脳組織内への漏出が認められ脳血管関門の破綻が組織学的に証明された。さらに脳組織内でcytochrome cの細胞質内への流出が認められ細胞障害がTNFαによるapoptosisであることが示唆された。以上のことよりLPSによるmicrogliaの活性化により中枢神経内の高サイトカイン状態が誘導され、過剰な炎症性サイトカインは神経細胞のapoptosisにより中枢神経機能不全をきたし、同時にastrocyteの障害により脳血管関門は破綻し、全身性に高サイトカイン血症をきたすことが実験的に証明された。
著者
田原 雄一郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.247-251, 1975
被引用文献数
1 1

岐阜県大垣市中心部を流れる水門川水系のユスリカ調査ならびにその薬剤防除に関する一連の実験を行なった。水門川水系は水質汚濁防止法が施行される以前は, 高度に汚染され, ユスリカ幼虫の生息をゆるさなかったが, 同法が1971年施行されるに伴い, 沿線工場の排水が浄化され, 水質も急激に改善され, 1973年よりユスリカ幼虫の発生を見るに至った。同河川のユスリカ幼虫の生息密度は20(cm)^2×2cm(土壌の深さ)当り高い地点で126&acd;186匹に達した。ユスリカ幼虫に対するtemephos水和剤の効果は遅効的であるが確実であった。0.8ppm, 60分間薬液浸漬で, 48時間後死虫率は74%であったが, 生存個体の全部は苦悶状態を呈した。水門川新大橋上からtemephos水和剤を1ppm, 60分間継続投入した場合, 9日後には散布地点から50mおよび1,500m下流の地点でユスリカ幼虫は全く発見できなかった。temephos水和剤のドジョウに対する毒性は極めて軽微であり, ユスリカ防除に使用する濃度では全く影響ないことを知った。なお, 本論文投稿直後, 井上・三原(1975)はモデル水路を利用した実験で, セスジユスリカ終令幼虫に対して, temephosが最も有効であり, 1ppm 10分間投入で, 羽化阻止効果が認められたと報告した。そして, 実際の河川では, さらに投入時間を延長する必要をうたっているが, 今回の一連の試験結果は井上・三原の推論を支持するものである。本実験の実施にあたり大垣市環境部衛生課, 環境課ならびに畜産課の各位, 同市かめや薬品橋本紀男氏および三共(株)名古屋支店大橋武定, 日比野弘和の両氏には多大のご援助をいただいた。又, 有益な助言と校閲を賜わった鹿児島大学医学部, 佐藤淳夫教授, 三共(株)池田安之助博士に深謝する。