著者
梶原 雄 Yu Kajiwara
出版者
同志社大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
同志社大学日本語・日本文化研究 = Bulletin of Center for Japanese Language and Culture (ISSN:21868816)
巻号頁・発行日
no.17, pp.93-111, 2020-03

2008年に日本政府が発表した「留学生30万人計画」によって外国人留学生の来日が急増し、日本全国の多くの大学ではキャンパス内の国際化が一層進み、日本人学生と外国人学生との交流の機会も増加した。しかし、交流の機会が増えたとは言え、日本人学生と外国人留学生との間で十分な交流が行われていると一概には言えない。「学校内で日本人学生と交流できなかった」と悩みや不満を訴える外国人留学生は少なくない。そこで本稿では、キャンパス内での双方向的な交流の可能性を探るために、受け入れ側の日本人学生の視点から、キャンパス内の外国人留学生をどのように見ているかについてアンケート調査を実施した。その結果、回答者である日本人学生は、外国人留学生の留学生活や学習意欲、日本語能力等を高く評価していた。また、外国人留学生との交流は自身のキャリアデザインに有益なものであると考え、外国人留学生との交流を希望していた。しかし、「言葉の壁」や「コミュニケーション」、「文化の違い」、「話題」等の不安や心配から、外国人留学生と友達になるために自分から積極的に活動を行っている人は少ないことが明らかになった。
著者
原 雄一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2017年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.100053, 2017 (Released:2017-05-03)

アメリカには3,000kmから4,000kmに及ぶトレイル、アパラチアントレイルやパシフィッククレストトレイルと呼ばれるロングトレイルがある。ロングトレイルの文化が日本に紹介され、各地でコースが設定されてきている。日本は国土がアメリカと比べて狭いことから数10kmから200km程度のロングトレイルが主流となっているのが現状である。3,000kmのロングトレイルは、日本では到底不可能と考えていたが、南北に長い日本列島の地形特性と歴史の深さを活かし、日本を縦断する2つの歴史街道のルートを設定することができた。ルートをクラウドGISに格納し、誰もが使えるスマートフォンで見て歩くことができる仕組みを構築した。
著者
原 雄二 土谷 正樹 平野 航太郎 梅田 眞郷
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.222-226, 2020 (Released:2020-07-29)
参考文献数
20

Fusion of myoblast cells and subsequent formation of multinucleated cells (called myotubes) are fundamental steps for generation of myofibers. In this review we focus on a role of phospholipid flippase complex ATP11A/CDC50A, a phospholipid translocase that transports phospholipids from the outer to the inner leaflets, during myotube formation. We show that translocation of phosphoatidylserine (PS) via phospholipid flippase is essential for positive regulation of PIEZO1, a mechanosensitive ion channel that is activated by membrane tension, thereby promoting RhoA/ROCK-mediated actomyosin formation that is critical for determination of myotube morphology.
著者
村田 和彦 吉田 忠義 鈴木 忠 河合 恭広 金沢 紀雄 高瀬 真一 佐々木 豊志 塩原 雄二郎 乾 迪雄 土屋 純
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.317-322, 1980-12-20 (Released:2009-11-11)
参考文献数
17

電気的交互脈は比較的まれな心電図異常であり, その正確な頻度は不明であるが, 心電図検査10,000回におよそ5回程度みられるものであるといわれている.本所見は通例心異常のあるものに認められ, その出現はしばしば心膜液貯留の診断の手がかりとなるが, きわめてまれながら, 他に心異常のない症例に電気的交互脈の出現をみたとの記載もある.以下, われわれが最近約15年間に経験した6症例を報告する.
著者
松原 雄平 野田 英明 依藤 正典 中谷 英明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.693-698, 1997 (Released:2011-06-27)
参考文献数
8

Nakaumi lake is shallow with extensive intertidal sand and mud flats. The eelgrass (Zoesta marina) zone in the lake may function as an important refugee for many resident and transient species, especially where other structural habitats are poor. In this paper, a new method for eelgrass bed creation is introduced and discussed Field observations have been carried out and suitability conditions of eelgrass are evaluated by field data.
著者
有田 正博 北村 知昭 坂本 英治 佐藤 耕一 篠原 雄二 庄野 庸雄 瀬田 祐司 園木 一男 芳賀 健輔 村田 貴俊 黒川 英雄 西田 郁子 林田 裕 寺下 正道 横田 誠 西原 達次 吉野 賢一 小城 辰郎 中村 恵子 木尾 哲郎 大住 伴子 安細 敏弘 一田 利通
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会総会抄録プログラム
巻号頁・発行日
vol.64, pp.20, 2004

九州歯科大学においては,5年次生を対象に、第1回OSCEトライアル(86名)を2003年3月15日に,第2回OSCEトライアル(94名)を2003年12月6日に実施した。第1回目は5課題(医療面接,ブラッシング指導,ラバーダム防湿,概形印象採得,単純抜歯),第2回目は7課題(医療面接,フィルムマウント,レジン充填,根管治療,支台歯形成,矯正装置の説明,バイタルサイン)であった.平均点は,79.4点および80.4点で概ね良好であった.面接・説明系課題と比較して技能系課題の平均得点率は低かった。また技能系課題においては受験会場および受験時間の違いによる平均点の差が認められた。
著者
三瀬 遼太郎 井原 雄人 森本 章倫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.652-658, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
25
被引用文献数
1

パリ協定で定められた温室効果ガス削減目標を達成するためには、特に影響が大きい交通環境負荷の低減が不可欠である。そこで、複数の低炭素な次世代交通機関を導入することで、交通環境負荷を削減する試みが注目されている。本研究では、電気自動車(EV)、次世代型路面電車システム(LRT)、自動運転車、電動バスに着目して、交通量、EV普及率、発電構成比の観点から、実際の交通流の想定下で次世代交通が及ぼす環境改善効果を定量的に評価した。その結果、対象地である宇都宮市においてLRTが開通した際に環境負荷を低減するには、10%以上の自動車交通量の削減が必要であることを明らかにした.さらに、宇都宮市を対象に、次世代交通の導入を想定したうえで、公共交通を推進する政策や太陽光発電を推進するエネルギー政策の導入を仮定し、交通環境負荷の将来推計を行った。その結果、現状では公共交通を推進することで大きく環境負荷が低減するが、将来的に自動車のEV化が進み、かつ電力のCO2排出係数が小さくなると、その利点は薄れることを明らかにした。
著者
古屋 裕康 戸原 雄 田村 文誉 菊谷 武 田中 公美 仲澤 裕次郎 佐川 敬一朗 横田 悠里 保母 妃美子 礒田 友子 山田 裕之
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.266-273, 2021

<p> 目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大により,摂食嚥下リハビリテーションの対面診療について,慎重な対応が求められた。本研究では,COVID-19感染蔓延下に対面での診療を中断した患者に対してオンライン診療を実施し,その有用性を検討した。</p><p> 方法:対象は,摂食嚥下リハビリテーションを専門とする歯科大学病院附属クリニックを受診する摂食嚥下障害患者であり,緊急事態宣言により対面診療中断となった患者21名とした。緊急事態宣言期間中にオンライン診療での嚥下訓練と食事指導を行い,期間中の肺炎発症,入院の有無,オンライン診療移行前と対面診療再開後での摂食状況(Food Intake LEVEL Scale:FILS),栄養状態を比較し検討した。また,アンケートでの意識調査を行った。</p><p> 結果:オンライン診療中に,FILSが向上した者は3名,低下した者は2名,変化のなかった者は16名であった。発熱を4名に認めたが,いずれも入院にはいたらなかった。体重減少率が3%以上の者はいなかった。アンケート調査では,オンライン診療の効果として,感染リスク低減や安心感が得られたと回答する者が多かった。</p><p> 結論:感染リスクを考慮した摂食嚥下リハビリテーションの診療形態としてオンライン診療は嚥下機能維持,向上に寄与し,また患者不安を低減した。オンライン診療での摂食嚥下リハビリテーションや食事指導は,対面診療を補完する診療形態として有用であることが示された。</p>
著者
中原 雄二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.439-446, 1995-04-15

毛髪薬物分析の歴史に続き,毛髪の組織構造や生態に関して説明し,①毛髪試料の前処理,②毛髪中の薬物の抽出法と分析方法,③薬物使用量と毛髪中薬物濃度の相関,④毛髪中の薬物の移動,⑤毛髪中の薬物分布と薬物使用歴,⑥毛髪中の薬物の安定性,⑦血中薬物濃度の比率と毛髪中濃度,⑧毛髪への薬物取込率,⑨毛髪分析による薬物依存症の診断への試み,⑩覚醒剤ベビー,⑪多剤乱用,の項目で毛髪中薬物分析の基礎から応用まで述べた.〔臨床検査39: 439-446, 1995〕
著者
篠原 雄
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.8-9, 1958-12-25 (Released:2009-09-04)
参考文献数
2
著者
熊本 明仁 柴田 直哉 藤平 哲也 幾原 雄一
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.246-251, 2017-10-31 (Released:2017-11-03)
参考文献数
20

The atomic structures of liquid-phase bonded heterointerfaces between Al alloy and AlN single crystal was examined using aberration-corrected scanning transmission electron microscopy combined with high-sensitive energy-dispersive X-ray microanalysis. The formation of O-Mg-O monolayer structure was found at the interface, facilitating the bonding between the two dissimilar crystals during liquid-phase bonding processes. Understanding the spontaneous formation of such layered transition structures at the heterointerfaces will be a key for fabricating very stable liquid bonded Al alloy / AlN heterointerfaces.
著者
鈴木 勝昭 武井 教使 土屋 賢治 宮地 泰士 中村 和彦 岩田 泰秀 竹林 淳和 吉原 雄二郎 須田 史朗 尾内 康臣 辻井 正次
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、自閉症の病態において脳内コリン系の果たす役割を明らかにすることにある。自閉症者脳内のアセチルコリンエステラーゼ活性を陽電子断層法(PET)により計測したところ、顔認知に重要な紡錘状回において有意に低下していた。さらに、この低下は社会性の障害の重症度と逆相関していた。すなわち、紡錘状回におけるコリン系の障害が強いほど、社会性の障害が強いという相関関係が示唆された。この結果は、自閉症のコリン系の障害は発達の早期に既に起こっており、顔認知の障害がもたらされ、もって社会性の障害の基盤となっていることを示唆している。そこで、認知の障害を注視点分布によって検出し、早期診断に役立てるために、乳幼児でもストレスなく注視点を測定可能な機器の開発を産学連携で行い、現在も継続中である。