著者
川原田 寛 杉原厚吉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.85, pp.43-48, 2005-08-19

形状設計において、メッシュに対して施す「細分割(subdivision)」は、任意位相の滑らかな曲面を生成する手法として有名である、また細分割はメッシュ上でのウエーブレット変換と深い係わり合いがあり、これを利用した多重解像度解析はメッシュの編集において非常に有効な手段となっている.我々はこの細分割の双対構造「面に基づく細分割(dual subdivision)」を見出した.これは通常の細分割に対して射影幾何学における双対原理を適用することで得られたもので,双対性より従来の細分割と同様の性質を持っているだけでなく,細分割では解決できなかった閉居を解決できる.また、1ine geometryに基づく新たな細分割スキームを提案し「線に基づく細分割(1ine subdivision)」と名づける。この掛こ基づく細分割札通常の細分割と面に基づく細分割を含んでおり,両者を統一的な支店で議論することを可能にする.Subdivision is a wel1-known method for geometric design and for computer graphics, because the subdivision makes smooth surfaces with arbitrary topology. Moreover, there are many connections between subdivision and wavelet. So, multiresolution analysis derived by subdivision theory is extremely useful on mesh editing. Here, we found out "dual subdivision" which is a dual Structure of subdivision. Dual subdivision born from subdivision and the principle duality In projective geometry, and Ins similar properties with ordinary subdivision. Moreover, we propose "line subdivision" based on 1Ine geometry. This new subdivision scheme includes ordinary subdivision scheme and dual subdivision scheme. So, we can discuss ordinary and dual subdivisions uniformly by 1Ine subdivision.
著者
原田 浩美 能登谷 晶子 橋本 かほる 伊藤 真人 吉崎 智一
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.78-85, 2011 (Released:2011-04-16)
参考文献数
17
被引用文献数
2

金沢方式による言語聴覚療法を受け, 1歳から5歳代に人工内耳の装用を開始した11例を対象に, 理解語彙の聴覚読話移行に影響を及ぼす要因を検討した。手話理解・文字理解の視覚系言語から音声言語理解への6歳までの移行には, 文字先行移行パターン, 聴覚先行移行パターン, 手話先行未移行パターン, 文字先行未移行パターンの4つがあり, 移行パターンにかかわらず, 聴覚読話移行可能となるまでの期間は, 平均12ヵ月であった。6歳までに11例中7例が手話から聴覚読話へ移行した。聴覚読話への移行を可能にする要因を装用開始年齢と手話や文字による理解語彙数からみると, 人工内耳装用開始が2歳前後の場合は理解語彙が350語, 3歳前後の場合は700語, 3歳6ヵ月前後の場合は1000語程度獲得していた例で聴覚読話へ移行していたことがわかった。
著者
加藤 智香子 猪田 邦雄 原田 敦
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.428-435, 2009 (Released:2009-11-17)
参考文献数
24
被引用文献数
4 5

目的:介護老人保健施設の女性高齢者を対象に,日常生活活動(activities of daily living:ADL)と乖離した高い転倒自己効力感が転倒発生に与える影響について検討した.方法:介護老人保健施設に入所中である70歳以上の女性のうち,Mini-Mental State Examination(MMSE)18点以上で,6カ月間転倒観察が可能であった72名を対象とした.Functional Independence Measure(FIM)運動項目と転倒自己効力感尺度(Falls Efficacy Scale:FES)の散布図からADLと転倒自己効力感の関係を3群に分類した[I群(ADLに比して転倒自己効力感が高い25名),II群(ADLに比して転倒自己効力感が低い30名),III群(ADLと転倒自己効力感に95%信頼区間内で相関関係あり17名)].そして,3群での6カ月後の転倒発生者の割合と転倒回数を比較検討した.さらに,多重ロジスティック回帰分析を用いて転倒発生に関連する要因について検討した.結果:3群において,6カ月後の転倒割合(56.0%vs 26.7%vs 17.7%,p=0.02),転倒回数(1.44 vs 0.47 vs 0.35,p=0.03)に有意な差がみられた.各群間での比較では,I群とIII群間の転倒割合に有意な差が認められた(p=0.02).6カ月後の転倒の有無とは,過去1年間の転倒歴,FESとともにADLに比して転倒自己効力感が高いI群(オッズ比13.20(1.34∼130.12),p=0.027)が有意な関連を示した.結論:日常生活活動と乖離した過度な転倒自己効力感を有する場合には,身体能力に応じた「用心深さ」が失われて注意が散漫になり,転倒リスクが高くなると考えられた.
著者
原田 小夜
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.2-9, 2012-04-30

介護支援専門員(以下,CM)が直面する在宅ホスピスケアの課題を明らかにするため,A県B地域の居宅介護支援事業所55か所のCM151人を対象に自記式質問紙郵送調査を行った。2009年2月〜3月に実施した「在宅ホスピスケア,ケアチームに関する困難,課題と思うこと」の自由記載調査の意味内容を類似性で分類した。回答者133人から得られた記述件数は150件であり,【多職種との連携】,【本人,家族へのケア】,【ケアサービスの調整】,【CM自身の課題】の4つのコアカテゴリーに分類した。【多職種との連携】の記述件数が最も多く,CMは,病院職員全体が在宅支援者との連携を意識し,介護保険サービスに関する理解を深める必要があり,退院前の病診連携に課題があると認識していた。また,在宅療養を継続する上で,24時間対応できる在宅医の存在,訪問看護とCMとの相互の役割確認とタイムリーなケアプラン変更が課題であり,本人及び,家族の不安に対する支援が重要であると認識していた。介護保険制度上の問題では,介護認定の遅さ,CMへの無報酬が課題とされ,CMの基礎的ながん患者のケアに関する学習の必要性が示唆された。
著者
佐久間 正泰 正守 晋 原田 哲也 平田 幸広 佐藤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.363, pp.27-32, 1999-10-18
被引用文献数
13

VR技術の応用例の1つとして教育支援がある。例えば、書道などのように筆の動きやその速度が重要である場合に、お手本を見て学ぶだけではなく、力覚を用いた教示をおこなうことは非常に有効な手段であると考えられる。著者らは、インターネットを介して遠隔で書道教示のできるシステムを開発した。本システムは、SPIDARを用いて力覚を生成し、その力により書道を教示、習得するシステムである。著者らは、実際に日本-ドイツ間で遠隔教示の実験をおこなった。その結果、教示前には日本の文字を知らなかった生徒は、お手本どおりの美しい文字を書けるまでには至らなかったが、筆運びの速度が、より先生のものに近づいたなどの教示効果が見られた。
著者
原田 康也 鈴木 正紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.63, pp.21-25, 2010-05-21
被引用文献数
1

日本が国際情報社会になるにつれて、「英語が使える日本人の育成」が緊急の課題と認識されているようになってきた。文部省・文科省の定める学習指導要領では1990年代以降は外国語科目(英語)の授業において「コミュニケーション」を重視することとなっており、2006年度以降の大学センター試験で英語リスニング試験が導入されるなど、日本人英語学習者の英語口頭運用能力に一定の変化・改善が見られてもおかしくない状況にある。一方、こうしたカリキュラム上の改変にもかかわらず、中学・高校における英語学習・英語指導の中核が大学入試に向けての訳読式学習にあり、口頭英語の運用能力の向上は見られないという感想も根強い。大学で英語を担当する教員からは、英語に限らず大学生の一般的な学力低下を嘆く声が年毎に強まっているが、高校卒業時・大学入学時の英語運用能力の経年的変化に関する信頼できる資料はあまり公開されていない。著者たちは2006年度から2008年度までの科研費基盤研究(B)『学習者プロファイリングに基づく日本人英語学習者音声コーパスの構築と分析』と2009年度から2013年度までの科研費基盤研究(B)『属性付与英語学習者発話コーパスの拡充と分析:大学新入生英語発話能力の経年変化調査』の交付を受け、大学新入生を対象とする英語授業の中で共創的な学習活動における学生の英語での発言・応答・相互作用をできる限りそのまま、可能な範囲でデジタル化して記録しようという試みを継続している。その一環として、大学入学時点での新入生の英語力、特にオーラルコミュニケーションに直接関係のある口頭英語運用能力ついても継続的にデータ収集を行っている。今回の発表では、2006年から2009年まで毎年4月に行っているVersant Enghsh Testのスコアについて報告する。
著者
畔柳 信雄 原田 亮介
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1275, pp.82-85, 2005-01-17

問 UFJホールディングスとの経営統合を決めてから、非常に短い期間にいろいろな決断をしなくてはならなかったと思います。振り返ると眠れない夜も多かったのではありませんか。 答 まだ振り返るというほどの心境ではありませんね。今も大変ですし、今年もまだ大変なことがあるかもしれませんから。 それぞれの場面、場面は決して楽ではありませんでした。
著者
鈴木 修司 天野 久仁彦 原田 信比古 田中 精一 林 恒男 鈴木 衛 羽生 富士夫 平野 宏
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.416-421, 2004-04-01
被引用文献数
5

先天性胆道拡張症分流術後26年を経過して発症した肝内胆管癌の1例を経験したので報告する.症例は46歳の男性で,1975年先天性胆道拡張症戸谷分類IVaにて肝管空腸Roux-Y吻合を施行された.2001年3月心窩部痛,背部痛にて近医受診し,肝腫瘤と肝門の胆管狭小を認め当院紹介入院となった.CTでS4に30mm大の腫瘤と肝十二指腸間膜周囲リンパ節腫大を認めた.ERCPで膵胆管合流異常,遺残膵内胆管内に多数の結石を認めた.閉塞性黄疸の進行でPTCD施行し,胆管造影で尾状葉,右前区域,後区域胆管根部に不整な狭窄を認めた.血管造影で左肝動脈,門脈左枝の狭窄を認めた.以上より肝内胆管癌で左肝管から尾状葉,右前区域,後区域胆管根部および左肝動脈,左門脈へ浸潤と診断した.拡大左葉尾状葉切除で切除可能と判断し開腹したが,肝転移,肝十二指腸間膜へ浸潤高度で切除不能のため胃空腸吻合術とした.術後肝不全の進行で約1か月後死亡した.
著者
香川 豊宏 西明 仁 瀬々 良介 三輪 邦弘 田代 陽美子 小川 和久 和田 忠子 湯浅 賢治 坂元 英知 市原 隆洋 原田 理恵 太田 隆介
出版者
福岡歯科大学学会
雑誌
福岡歯科大学学会雑誌 (ISSN:03850064)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, 2001-12-30

近年ネットワーク上でのWebテキストが色々検討されてきており,当大学においても教育用データベースのサーバーが設置されて数年が経過している。しかしその内容はHTMLによるテキストやJPEG画像のみの教科書的なサイト運営に留まっており,インターネットの持つ双方向メディアとしての能力が十分に発揮されていないのが現状である。しかし,現在利用可能な最新のインターネット技術を用いれば,従来の印刷物をこえる双方向メディアとしてのWebテキストになることは十分に期待できる。そこで今回はフリーソフトであるGifBuilder1.0を用いてgifアニメーションのWebテキストへの利用を検討した。今回は二等分法についてのGifアニメーションを用いたコンテンツ作成を試みた。その結果Gifアニメーションを作成する場合にはフレームレートを1/100S〜100/100Sまで自由に選べるが,1/30S〜1/50Sに設定するのがアニメーションのスピードとして適切と思われた。また,画像の転送スピードを考慮して一つのアニメーションのファイル容量は100kbyte前後が望ましいと思われる。100kbyteであれば,あくまでも計算上ではあるがISDN128kbpsのネットワークで5秒以内の転送時間でアニメーションを読み込むことが可能である。またHTMLの一つであるイメージマップを用いることによりX線画像の解剖についての学習も行いやすいと思われた。今後はR-ASHやMPEGによる動画などをコンテンツに加え,学生が自己学習しやすいようなWebテキストを開発していきたい。
著者
秋山 宏 伊山 潤 原田 幸博
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.61, no.488, pp.49-55, 1996
参考文献数
7
被引用文献数
4 3

Hitherto, the overturning of rigid bodies under earthquakes have been dealt with in terms of the maximum ground accelaration and the maximum ground velocity. However, the adequate estimate for all shapes and sizes of rigid bodies has not been established yet. In this paper, the energy approach is applied to the overturning problem. By introducing the equivalent period of vibration, the energy inputs to rigid bodies are estimated based on the energy spectrum. The possibility of overturning is judged by equating the energy input to the potential energy of rigid bodies on the brim of overturning.
著者
前野 紀一 原田 仁平 黒田 登志雄 鈴木 啓三 東 晃 菅 宏
出版者
北海道大学
雑誌
総合研究(B)
巻号頁・発行日
1989

氷は気候や生命を含む地球上の数多くの現象や過程に関与し、その中で重要不可欠な役割をしている。この様な氷に関して、これまで多数の調査、研究が行われてきたがその多くは個別の分野で発表され、相互の情報交換が乏しかった。本総合研究は、わが国の種々の研究機関で氷に関連した研究を進めている総勢27名の研究者が集まり、氷の構造と物性に関する総合的理解を得る目的で組織された。本年度は各研究分担者間で相互の研究交換を実施するとともに、11月14、15日の2日間北大低温科学研究所で「氷のシンポジウム」の集会を催し、分担者以外の多数の参加者も加えて密な情報交換を行なった。この研究集会の成果は121ペ-ジの報告書としてまとめられた。本年度の総合研究の中では、氷の微視的構造の問題として、プロトン配置の対称性、プロトン配置に関連しての相転移、この相転移の進行を促進するアルカリ添加物の効果およびその誘電的・熱的検証、等が議論された。また雪結晶の成長機構、過冷却水からの氷成長、および氷の内部融解も新らたな研究課題として重要視された。力学特性としては依然として未解決の問題が多い多結晶氷のクリ-プ、雪の破壊機構等が議論された。高圧氷に関してはダイヤモンドアンビルによるその場観察の方法、高圧水のスペクトル解析が取り上げられた。なお、南極やグリンランド氷床深部の氷に関する測定からは、地球環境問題や氷床流動ダイナミックスにおける氷研究の必要性が示された。地球外の氷の問題としては、木星や土星の氷衛星の特徴が明らかにされ、その詳しい解釈には氷の広い圧力、温度領域における物性の解明が必要であると結論された。生命科学に関連しては生体高分子の水和の問題が取り上げられ、特に蛋白質の不凍水の動的性質が調べられた。
著者
原田 康徳 Yasunori Harada NTT基礎研究所 NTT Basic Research Laboratories
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.271-274, 1996-05-15
参考文献数
3

3回目となったWISS (Workshop on Interactive Software and Systems)は広島県加計町温井スプリングスで開催された.プログラム委員長は,2年間続いたSony CSLの竹内影一氏に代わり,筑波大学の田中二郎先生である.今回の参加者は約90名と,年々増加の傾向にある.古くて新しいテーマであるインタラクティブシステムも,ハードウェアの進歩に伴い,次々と新しいアイデアが産まれているようである.