著者
池尻 良平 池田 めぐみ 田中 聡 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45031, (Released:2021-11-05)
参考文献数
15

本研究では,若年労働者の思考のモデリングが,経験学習と職場における能力向上に与える影響と,思考のモデリングの実態を調査した.インターネット調査で取得したデータをもとに構造方程式モデリングを用い,仮説を検証した結果,思考のモデリングは経験学習の具体的経験,および職場における能力向上に正の影響を与えることが明らかになった.また,若年労働者は上司や先輩から,主に仕事や業務の仕方や方法や進め方,過去のものを含む資料といった対象に注目し,見る・聞く・読むことで思考のモデリングをしていることが示された.さらに,職場における能力向上の上位群では,仕事相手を含む対象まで観察できていたり,見る・聞く・読むことに加えて,分析することで,より深い思考を学んでいることが示された.
著者
池田 めぐみ 池尻 良平 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.203-212, 2020-10-10 (Released:2020-10-15)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究の目的は,上司による業務プロセスへのフィードバックとジョブ・クラフティング,若年労働者の職場における能力向上の関連を明らかにすることである.そのために,インターネット調査を行い取得したデータをもとに,構造方程式モデリングを用い,仮説の検証を行った.分析の結果,第1に,上司による業務プロセスへのフィードバックがジョブ・クラフティングの全ての因子及び職場における能力向上の全ての因子に正の影響を与えること,第2に,ジョブ・クラフティングの次元によって,影響を与える能力に違いがあることが確認された.以上より,若年労働者の職場における能力向上および,ジョブ・クラフティングを促す上で,上司による業務プロセスへのフィードバックが有効である可能性が示唆された.
著者
田中 聡 池田 めぐみ 池尻 良平 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.147-157, 2021-09-10 (Released:2021-09-22)
参考文献数
36

個人が自己や環境に能動的・主体的に働きかけて組織適応を図るプロアクティブ行動は,業務能力向上など職場における能力向上を促すと言われているが,そのプロセスについては明らかになっていない.そこで,本研究の目的は,若年労働者のプロアクティブ行動が職場における能力向上に与える影響を,リフレクションの媒介効果に着目して検討することであった.国内企業に勤務する20代942名(平均26.6歳, 女性46.0%)に調査を実施した.因子分析によってプロアクティブ行動がフィードバック探索行動,組織情報探索行動,ネットワーキング行動から成ることを示した上で,それらがリフレクションを媒介して能力向上に与える影響を検討した.パス解析の結果,フィードバック探索行動と組織情報探索行動がリフレクションを媒介して,職場における能力向上に正の影響を与えることが明らかになった.以上の結果から考えられる本研究の意義と今後の課題について検討を行った.
著者
池尻 良平 池田 めぐみ 田中 聡 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.247-255, 2021-09-10 (Released:2021-09-22)
参考文献数
17

本稿では,木村ほか(2011)の職場における経験学習尺度を用いて,若年労働者の経験学習を測定する際,どのように因子構造を解釈するのが妥当なのかを考察した.その結果,若年労働者を対象にした場合は,「具体的経験」で1因子,「内省的観察」,「抽象的概念化」,「能動的実験」で1因子の合計2因子構造が,最も妥当性が高いことが示された.この結果を踏まえ,経験学習の測定時における因子構造については,4因子構造に固定化せず,経験学習モデルと因子構造の対応を柔軟に解釈する方が分析の質の向上につながる可能性があることを示した.
著者
内田 遼介 釘原 直樹 手塚 洋介 國部 雅大 土屋 裕睦
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.33-43, 2016 (Released:2016-10-06)
参考文献数
26

先行研究では様々な情報源が集団全体の集合的効力感と関連することが明らかにされてきた。しかし,スポーツ集団内において成員1人1人がどのように集合的効力感を評価したのか,その基礎的な形成過程に関しては明らかではなかった。本研究の目的はスポーツ集団内における集合的効力感の評価形成過程について,特に課題遂行能力の異なる成員に着目して検討することであった。実験参加者は男子大学生23名であり,実験協力者2名とともに3名1組の集団に割り当てられた。実験課題はワイヤーロープを60秒間,あらかじめ定められた基準値以上の張力で維持し続ける張力維持課題であった。実験参加者はこの課題を実験協力者2名よりも課題遂行能力という点で劣っている劣位条件,優れている優位条件,そして参加者のみで行う単独条件の3条件で行った。その結果,特に劣位条件において他者の課題遂行能力を手がかりに集合的効力感を評価する傾向が認められた。そして,劣位条件では単独条件,優位条件よりも努力量が低下する社会的手抜きが生起した。最後に,これらの結果について他者に対する能力期待の観点から解釈した。
著者
長内 厚 土屋 裕太郎 大野 貴弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.401-408, 2023 (Released:2023-05-01)
参考文献数
34

従来のユーザ・イノベーションは,ユーザの情報発信力は限定され,個別のユーザの情報は企業が集約して拾い集めることを前提として,ユーザを巻き込みながらも,製品や製品に関する情報は企業が統制し,市場に提供するという形態であった.しかし,ソーシャルメディアが個人の発信力を強化し,ユーチューバーが職業として成立するように個人の発信が収益化を伴うビジネスになると,製品情報の統制は企業の専有物ではなくなり,企業のコントロールの効かないところで個人が発信し,個人が発信した情報が収益化に結びつく状況になっている.ソーシャルメディアの普及に伴い,ユーザ・イノベーションは必ずしも企業の収益に結びつくとは限らず,ユーザ・イノベーションが企業の利害と対立する状況があるのではないかということが,本研究の大きな問いである.この問いを検討するため,ロバート・インの個別事例研究法を用い,資生堂とアルビオンの化粧品開発事例の定性分析から探索的な問いを求めた.
著者
土屋 裕睦
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.159-165, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
4
被引用文献数
6

本稿の目的は, わが国におけるスポーツ心理学の成り立ち, 研究領域の特徴から現状を整理し, 今後の課題を明確化することである. はじめに, スポーツ心理学の成り立ちに関して, 日本スポーツ心理学会 (JSSP) の発足は1973年であるが, 日本体育学会が1950年の設立以来, すでに体育心理学に関係する研究のプラットフォームになっており, 少なくとも65年以上の歴史があると指摘した. 次に, JSSP編によるスポーツ心理学事典などの目次をもとに, 研究領域を整理すると, 運動学習と制御, スポーツ社会心理研究 (スポーツ参加の動機づけ研究を含む), 健康スポーツの心理, 競技スポーツの心理 (メンタルトレーニングと臨床スポーツ心理を含む) の4領域が中心的な領域であると考えられた. 特に, JSSPによる2000年の 「スポーツメンタルトレーニング指導士」 資格認定が開始されて以降, 競技スポーツ分野への関心が高く, JSSP大会では, さまざまなシンポジウムが開催されている. 一方, イップスに代表される心因性の動作失調への対処などにおいて解決すべき課題も多く, 今後は心身医学との協働によるブレイクスルーが期待されている.
著者
河野 隆志 清水 聖志人 島本 好平 久木留 毅 土屋 裕睦
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.242_1-242_1, 2016

<p> 日本レスリング協会では、「インテリジェントレスラーの育成」を理念にアスリートとしてのキャリアと人としてのキャリアの両立(Dual Career)の支援を目指した新たな発掘・育成システムの構築を推進している。本事業の一環にて、カデット世代(U-18)の国内育成プログラムに参加している最も優秀なタレントを選考し、海外育成プログラムへ派遣した。同プログラムにおいては、ライフスキル(以下、LS)の獲得を促すためGROWモデル(Goal・Reality・Options・Will)による個別ミーティングを複数回実施した。2015年度においては、男子フリースタイルのタレント3名をロシア(クラスノヤルスク)、男子グレコローマンスタイルのタレント3名を韓国(釜山)、女子のタレント4名をアメリカ(コロラドスプリングス)へそれぞれ派遣した。本研究ではLS評価尺度を用いて、海外育成プログラムの出発時点と帰国時点のLS獲得レベルを比較することで、GROWモデルを用いた海外育成プログラムがLS獲得に与える影響を検討した。分析の結果、特に「コミュニケーション」(t(9)=1.87、p<.10)と「礼儀・マナー」(t(9)=1.65、p=.13)において、他のLSに比べ平均値の大幅な上昇が見られた。</p>
著者
冨永 哲志 土屋 裕睦 豊田 則成
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.723-740, 2020

Using a qualitative approach, the present study of college soccer players (N=9) was conducted to clarify the psychological impact of scoring or losing points in additional time (AT). The participants had all played in official games in which their teams had scored or lost points in AT. Semi-structured interviews were conducted to collect narrative data, which were then analyzed by applying the Modified Grounded Theory Approach. The results suggested that before points had been scored or lost in AT, the players were in an unstable psychological state as they reached their mental and physical limits, and used emotion to evaluate their situational superiority or inferiority. In the case of scoring points, this situation created an intensified urge to become aggressive in order to maintain the team's superiority, encouraging the players to attack more strongly. On the other hand, in the case of losing points, this situation triggered an impulsive urge to defend excessively and become passive, trying to defend the goal further while becoming subordinate to the opposing team. Based on the major findings of this research, 3 points were discussed: 1) the psychological state before scoring or losing points in AT, 2) the psychological state when scoring or losing points in AT, and 3) the metamotivational state of players in AT.
著者
松山 博明 土屋 裕睦
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1_111-1_122, 2015

This study aims at revealing the current situation and challenges of the sports instructor overseas dispatching project. For that aim, in this paper, in our analysis of the activities of Bhutan National football team in this project, we categorized those activities and suggested the following policies to strengthen the team. First, we need to organize a system for scouting and developing new talent. We also need to promote football and improve the circumstances for playing football. Making opportunities for players to experience big matches and training sessions abroad is also essential.
著者
池尻 良平 池田 めぐみ 田中 聡 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.15-24, 2022-02-20 (Released:2022-03-15)
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究では,若年労働者の思考のモデリングが,経験学習と職場における能力向上に与える影響と,思考のモデリングの実態を調査した.インターネット調査で取得したデータをもとに構造方程式モデリングを用い,仮説を検証した結果,思考のモデリングは経験学習の具体的経験,および職場における能力向上に正の影響を与えることが明らかになった.また,若年労働者は上司や先輩から,主に仕事や業務の仕方や方法や進め方,過去のものを含む資料といった対象に注目し,見る・聞く・読むことで思考のモデリングをしていることが示された.さらに,職場における能力向上の上位群では,仕事相手を含む対象まで観察できていたり,見る・聞く・読むことに加えて,分析することで,より深い思考を学んでいることが示された.
著者
藪中 佑樹 亀谷 涼 山田 弥生子 土屋 裕睦
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.419-435, 2022 (Released:2022-06-04)
参考文献数
57
被引用文献数
2

The aims of this research were to develop a scale that can assess generalization of the psychosocial skills used in competitive sports to other life domains for collegiate athletes, and to examine its characteristics and related factors. In a preliminary study, the generalization areas identified were study, career selection, relationships, and everyday life. Furthermore, 71 items representing 4 generalization areas were developed based on 10 dimensions of the required life skills for collegiate athletes (Shimamoto et al., 2013). The items were reviewed by 8 experts to confirm the content validity. Subsequently, factor analysis was conducted using the data collected from 262 participants (162 males and 100 females) to select a list of items. The initial 40 items were extracted and the content validity for all items was developed. In the main study, a total of 391 university student athletes (234 males and 154 females, and 3 not specified) were asked to respond to a questionnaire. The survey included questions about socio-demographic and psychosocial skills used in competitive sports (Ueno and Nakagomi., 1998), required life skills for athletes (Shimamoto et al., 2013), and questions about factors related to generalization (similarity of action and awareness of generalization possibilities). In addition, they responded to 40 items designed to assess generalization of the psychosocial skills used in competitive sports to other life domains derived from our preliminary studies. Confirmative factor analysis of the generalization of psychosocial skills items indicated a 10-factor structure with 30 items. Reliability was verified in terms of internal consistency. Convergent validity was confirmed by correlations with psychosocial skills used in competitive sports and required life skills for collegiate athletes. The scale derived from these results was named the “Generalization Scale of Psychosocial Skills for Collegiate Athletes” (GSPS-CA). In terms of demographic variables (gender, grade, and individual or team events), gender and grade differences were observed in some dimensions of the GSPS-CA, and individual or team event differences were not observed in any dimension. One-way ANOVA of each dimension of the GSPS-CA revealed interaction with factors related to generalization (similarity of action and awareness of generalization possibilities).
著者
土屋 裕睦 秋葉 茂季 衣笠 泰介 杉田 正明
出版者
独立行政法人 日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター
雑誌
Journal of High Performance Sport (ISSN:24347299)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.13-22, 2021 (Released:2021-08-25)
参考文献数
13

The Intelligence and Scientific Support team of the Japanese Olympic Committee (JOC) surveyed all JOC-Athletes Targeted for Olympic High Performance (n=995) on the impact of the COVID-19 pandemic in August 2020. The athletes responded to a web-based questionnaire. This study analyzed psychological stress responses and communication status from questionnaire data collected from identical participants using similar methods to the JOC Athlete Survey Part-1 (Sugita et al., 2021). Results indicated that summer sports athletes had significantly higher stress responses than winter sports athletes. Moreover, the Kessler Psychological Distress Scale (K6) score suggested that the proportion of summer sports athletes suffering from psychological distress (K6≧13) exceeded 10%. Mental health of summer sports athletes might have deteriorated due to the psychological impact of postponing the Tokyo 2020 Games. The stress response and mental health scores were positively correlated with stressors and negatively correlated with stress coping ability (Sense of Coherence: SOC). We speculate that reducing stressors associated with self-restraint and improving individual athletes' SOC might reduce stress responses and maintain or improve their mental health. Furthermore, the lack of communication between the athletes and their teammates and the coaches was indicated, especially during the state of emergency. Therefore, more holistic support activities for providing psychological support to Japanese elite athletes with mental health concerns using communication technologies, including videos and web conferences, might be required in the future.
著者
山田 弥生子 片上 絵梨子 守屋 麻樹 山口 香 土屋 裕睦
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.93.20094, (Released:2022-08-30)
参考文献数
52
被引用文献数
1

This study aimed to investigate high school student-athletes’ mental health, stressors, stress responses, and life skills (LS) during the COVID-19 pandemic and to examine the effect of stressors and LS on stress responses. An online survey was conducted from July to November 2020, and 1,348 student-athletes and 662 non-athletes who were in high schools in the western part of Japan participated. Findings illustrated that student-athletes’ mental health seemed to be worse compared to pre-COVID-19 data. The levels of athletes’ perceived stressors, stress responses, and LS were significantly different depending on gender, grade, and competitive level. Multiple regression analysis showed that perceived COVID-19-related stressors significantly related to stress responses while LS were a significant moderator of the relationship.
著者
杉浦 令人 和田 邦孝 荒井 友章 山本 圭一 前田 則弘 田村 亮介 土屋 裕規 杉浦 徹 和田 弘
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.584-588, 2017-10-25 (Released:2017-12-07)
参考文献数
5

当法人では“介護の標準化”を図る事を目的に介護士育成のための客観的介護技術評価ツールの開発に着手した.今回,介護部役職者に研修および試験を実施し,評価シートの信頼性を分析した.検者間の相対信頼性は,食事でICC:0.797,排泄でICC:0.952であった.また,より詳細な検証が可能になる一般化可能性理論を用いた結果として,一般化可能性係数は,食事:0.466,排泄:0.743であり,食事よりも排泄で高い信頼性が示された.
著者
池田 めぐみ 池尻 良平 鈴木 智之 城戸 楓 土屋 裕介 今井 良 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.44067, (Released:2020-08-28)
参考文献数
28

本研究の目的は,上司による業務プロセスへのフィードバックとジョブ・クラフティング,若年労働者の職場における能力向上の関連を明らかにすることである.そのために,インターネット調査を行い取得したデータをもとに,構造方程式モデリングを用い,仮説の検証を行った.分析の結果,第1に,上司による業務プロセスへのフィードバックがジョブ・クラフティングの全ての因子及び職場における能力向上の全ての因子に正の影響を与えること,第2に,ジョブ・クラフティングの次元によって,影響を与える能力に違いがあることが確認された.以上より,若年労働者の職場における能力向上および,ジョブ・クラフティングを促す上で,上司による業務プロセスへのフィードバックが有効である可能性が示唆された.