著者
久保 武 坂田 義治
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.Supplement41, pp.60-66, 1991-02-05 (Released:2012-11-27)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

Positional alcohol nystagmus (PAN), alcoholic gaze nystagmus (AGN), trunkal ataxia and other oculomotor abnormalities are well-known behavioral changes that follow alcohol ingestion. This paper reviews previous work concerned with these alcohol-induced behavioral changes, including our recent work. We cofirmed that PAN could be elicited by even low blood alcohol concentrations (BAC was 0.02%) and two different types of the form were observed to arise chronologically (PAN I and PAN II). Moreover, a significant linear relationship was found between the intensity of PAN and BAC. When trunkal ataxia was measured with a stabilometer, the circumscribed area of body sway showed the closest correlation with BAC. Other analyses of body sway failed to find any characteristic features of alcohol-induced trunkal ataxia.
著者
小林 悠 飯田 樹里 坂田 秀勝 松林 圭二 佐藤 進一郎 生田 克哉 紀野 修一
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.740-747, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
24

E型肝炎ウイルス(HEV)はE型肝炎の原因ウイルスであり,本邦では遺伝子型3型と4型が検出されている。北海道では高病原性である4型が他地域よりも高率に検出されるため,われわれは3型と4型を迅速に鑑別可能なマルチプレックスreal-time RT-PCR法(鑑別PCR)を開発した。今回,遺伝子型およびHEV RNA濃度既知の献血者由来検体を対象に,リアルタイムPCR試薬であるQuantiTect Probe RT-PCR Kit(従来試薬)およびReliance One-step Multiplex RT-qPCR Supermix(BIO-RAD,A試薬)を用いて,鑑別PCRにおいて感度などに変化があるかを検討した。各遺伝子型のリニアダイナミックレンジは,3型に対しては同等で,4型に対してはA試薬が従来試薬よりも線形区間が10倍広範囲であった。PCR効率は,3型で109.9% vs. 108.3%,4型で89.7% vs. 97.1%であり,血漿1,000 μL使用時の検出感度は,3型で20 IU/mL vs. 19 IU/mL,4型で66 IU/mL vs. 16 IU/mLであった(いずれも従来試薬vs. A試薬)。A試薬により4型に対するPCR効率および検出感度は向上し,高病原性である4型の感染者において遺伝子型情報をより早期に提供可能であり,その後の治療に有用と考えられた。
著者
李 家華 周 紅傑 清水 圭一 坂田 祐介 橋本 文雄
出版者
農業生産技術管理学会
雑誌
農業生産技術管理学会誌 (ISSN:13410156)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.73-79, 2008
参考文献数
18
被引用文献数
2

製造発酵過程における雲南プーアル茶のポリフェノールとカフェイン含量について,発酵期間を設定するため,雲南省鎮康県,双江県および景谷県の3地域で収集した日干しした緑茶(晒青緑茶)を発酵処理開始後10日毎に茶葉サンプルを採取し,分析を行った.(-)-エピガロカテキン3-ガレート(EGCG),(-)-エピカテキン3-ガレート(ECG),テオガリン(TG),ストリクティニン(STR),1,4,6-トリ-O-ガロイル-β-D-グルコース(1,4,6-tri-O-G-β-D-G)の5種の含量は発酵に伴って有意(1%レベル)に減少したが,40日以降のそれらの含量の減少の程度は小さくなった.また,(-)-エピカテキン(EC)と(-)-エピガロカテキン(EGC)含量は発酵開始後10日目までに増加し,その後急激に減少に転じた.これに対して,没食子酸(GA)含量は発酵40日目まで有意(1%レベル)に増加し,その後有意(1%レベル)に減少した.この結果,従来から報告されている,発酵中に微生物の産生するエステラーゼによってエステル類が加水分解を受けてGAが生成することを追認し,併せて加水分解型タンニンの加水分解もGA含量の増加に関係していることを初めて明らかにした.一方,紅茶の紅色色素であるテアフラビン類は検出されなかったことから,発酵によりプーアル茶に生成している色素類は紅茶のものとは異質のものであることが明らかとなった.カフェイン含量は発酵に伴い徐々に増加し,発酵開始後60日目には最高値となった.以上の結果から,プーアル茶製造における発酵期間は40日間で十分であると結論づけられた.
著者
坂田 将
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.3, pp.1-13, 2021 (Released:2022-03-09)
参考文献数
57

深部地下環境におけるメタン生成プロセスの詳細、すなわち反応経路と関与微生物は不明である。この問題への効果的対応は、メタン生成ポテンシャルの高い地下水/堆積物試料を用いた培養実験と、そこで獲得される集積培養系へのメタゲノム、メタトランスクリプトーム、メタボローム解析、および安定同位体トレーサー実験の適用によって可能となる。メタン生成プロセスの解明は、枯渇油田に残留する原油の天然ガス変換・エネルギー増進回収等の革新的資源技術の開発に必要な基盤的情報を提供する。
著者
巣山 隆之 坂田 忠 内田 芳明 大久 文一 吉田 壮大郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.9, pp.1204-1208, 1991-09-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
3
被引用文献数
1

3-シアノ-2-エチルイソ尿素を水酸化カリウム存在下で二硫化炭素と反応させ,ついでメチル化してdimethyl N-[(cyanoimino)ethoxymethy1]carbonimidodithioate3を合成した。3は活性であり,第二級アミンとの反応では3-cyano-1-[(disubstitutedamino)methylthiomethylene]-2-ethylisourea8を,また第一級アミンとの反応では1-substituted4-ethoxy-6-methylthio-1,3,5-triazin-2(1H)-imine9を生成した。9はアミン塩酸塩と室温で反応して,立体障害の小さい場合,1-substituted6-(substitutedimino)-4-ethoxy-3,6-dihydro-1,3,5-triazin-2(1H)-imine10塩酸塩を,また立体障害の大きい場合は,1-substituted4-(substitutedimino)-6-methylthio-3,4-dihydro-1,3,5-triazin-2(1H)-imine11塩酸塩を主に生成した。さらに3,9または10塩酸塩とアミン塩酸塩またはアミンとの反応により1-substituted4,6-bis(substitutedimino)-3,4,5,6-tetrahydro-1,3,5-triazin-2(1H)-iminehydrochloride(前報と同じように便宜的に1,2,4-三置換イソメラミンと呼ぶことにする)12塩酸塩を合成した。
著者
坂田 晃一
雑誌
尚美学園大学芸術情報学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Informatics for Arts, Shobi University (ISSN:13471023)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.63-70, 2004-12-31

日本のテレビ・ドラマのテーマ音楽は、近年、そのあり方の諸相に於いて変化を見せている。それらの変化の原因を探り、その結果としてのテーマ音楽の現状について検証する。更に、その現状が抱える問題点と弊害を明らかにし、そうした現状から脱却するための方策を提案する。
著者
坂田 敦志
出版者
くにたち人類学会
雑誌
くにたち人類学研究 (ISSN:18809375)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-23, 2015

2014年2月のロシアによるクリミア半島制圧およびその後のウクライナ東部の一連の情勢に見られるように、1989年の「冷戦」終結以降、旧社会主義圏は一段と混迷を深めている。本稿では、ネーションをめぐる諸力が国家の枠組みを超えて錯綜するこの圏域にいかにアプローチするかという問題意識の下、「ポスト社会主義の優等生」と目され、西側諸国が先導するネオリベラリズム路線を着実に歩んでいるかに見えるチェコ共和国において、「ポスト社会主義」と括られる新しい時間・空間が実際にはどのように生成され、生きられているのか、その一端に迫る。具体的には、1989年の体制転換から二十余年が経過した2010年5月8日にプラハ郊外ヴィートコフの丘で催された第二次世界大戦戦勝65周年を祝う国家式典において、相反する二つの「時代」を背負った無名戦士の遺灰がヤン・ジシュカの騎馬像下部の霊廟内に並置された出来事を題材に、この出来事に、葬り去ったはずの「歴史」の痕跡を見出すことで、チェコ史における様々な「時代」、様々な文脈、様々な対立軸を組み直しながら進展する「歴史」をめぐる闘争が、二つの遺灰を基点に焦点化され、組織化されるさまを素描する。
著者
谷 順彦 坂田 和男
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-11, 1977

日本産フナの有効な分類基準を得るため, それらの筋漿蛋白像をデンプンゲル電気泳動法により分析した。デンプンゲル泳動像はデンプンの質, ゲルのデンプン濃度, ゲルと電極槽の緩衝液のpHなどの要因の影響を受け, 若干変化した。そこで種内および種間変異を最も明瞭に示す実験条件下で, 分類学上重要ないくつかの地点から採集したフナ類の筋漿蛋白像を比較したところ, それらは基本的4型に類別された。第1型はCarassius buergeriの4亜種;キンタロウブナ, キンブナ, ニゴロブナ, ナガブナを含む。第1型は1遺伝子座の2対立遺伝子に支配される3変異型, 1-A, 1-AB, 1-B型に細分される。キンブナ類のA遺伝子頻度は地域によって異なり, 0~1.00の範囲で変動した。<BR>第II型にはギンブナが含まれる。第II型もまた4変異型に細分されるが, バンドの数とそれらの濃度などから判断して, これらの変異が単に有性生殖集団内における共通の座の対立遺伝子による変異とは考え難い.これら4変異型のうちII-1およびII-3型は霞ヶ浦に多く, II-2型は西日本に多く, II-4型は霞ヶ浦でわずかに認められた.ゲンゴロウブナは例外なく第III型に含まれた.ヨーロッパブナは目本産フナのどの泳動像にもあてはまらないが, キンブナの像にいくぶん似たところが認められた。
著者
坂田 利力
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
no.12, pp.369-377, 1992

熊谷市は、第二次世界大戦によって市 (当時) の約74%を焼失し、一面の焼野原と化した。復興を機会に熊谷市を埼玉県北部の政治・文化・経済の中心都市とするため、壮大な将来計画を盛り込んだ計画をたて、165.7haの区域を戦災復興都市計画土地区画整理事業として着手した。<BR>しかし、その後の政治・経済情勢の変化、他事業との調整の結果、一部区域を除外し、なお、区域を三工区に分割し、第一工区約144.4ha、第二工区約12.5ha、第三工区約5haについて事業を施行した。<BR>事業着手以来、街路の整備、街区の整備、公園の整備、下水道整備を進め今日の埼玉県の中核都市である熊谷市の発展に大きく貢献して来た。<BR>この事業は、昭和21年9月4日の戦災復興院の告示、9月10日の内閣認可以後、埼玉県知事施行により開始され、昭和30年4月1日熊谷市長に引き継がれ、昭和48年6月30日の換地処分完了まで実に27年間の長い事業であった。
著者
青山 秀紀 山岡 勝 坂田 毅 大嶋 光昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.248, pp.49-52, 2013-10-17

本稿では,スマートフォンとクラウドサーバを利用した新しい形式の家電システムである「スマート家電」を紹介する.スマート家電は,家電機能の外部化と利用ログの収集機能により,従来の家電の持っていた物理構造的制約,時間的制約,顧客接点の制約を解決する.我々は,スマート家電の実装方法として,スマートフォンの NFC と通信回線を利用して家電{スマートフォン{クラウドサーバを繋ぐ NFC 接続方式と,無線で家電とスマートフォンやクラウドサーバを接続する無線接続方式の二つの方式を開発・実用化し,スマート家電の特徴を活かした新しいユーザ価値を実現した.