著者
鎌田 一雄 西堀 義仁 阿部 義仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.288, pp.49-56, 2000-09-07
参考文献数
17

聴者の手話学習は, 第一言語として音声語(日本語)を習得した聴者が, 言語の特性が異なる身体動作/視覚言語である手話の第二言語学習となる.手話学習は, 手話が音声言語とは異なる感覚器官などをことばの表出・受容に利用しているために, 聴者にとっては音声語の場合と学習形態が異なるところがある.ここでは、手話学習者(聴者)の手話単語の訳し分け(日本語訳)特性の理解を支援する小規模なコンピュータシステム(コンピュータ教材)を構築し、手話教室の講師経験などがあるろう者、聴者からの意見をまとめて述べる.これらの意見から明らかとなっか学習支援システム構築の課題も述べる.
著者
小森 将登 堀 良彰 平山 善一 藤村 直美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.36, pp.13-18, 2004-05-07
参考文献数
3

九州芸術工科大学と九州大学は2003年10月1日に統合した.これに伴ってネットワークも統合し,九州大学のネットワークの一部となった.これを契機に大橋キャンパス(旧九州芸術工科大学)におけるIPアドレスの管理方法を全固定IPアドレスからDHCPを中心とする体制に変更した.センターの事務職員も減ったことから,端末設置業務を可能な限り自動化することを目的として,利用者による申請手続きからDHCPやDNSの設定ファイル変更までを含めて全ての処理を自動化する支援システムを構築したので報告する.
著者
楊 〓叡 堀田 明裕
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.29-36, 2005-11-30
参考文献数
21

報知機能に関するサイン音の意味を調べるため, 音要素(高さ, 長さ, 大きさ)が生起する印象について評価実験を行った。被験者22人に41の実験音を提示し, 5つの報知機能(位置, 誘導, 通報, 案内, 規制)を想定した25の評価語対によって, 7段階の印象評価を行った。評点平均値の結果から音の高さが位置の高低と関わりのあることがわかった。また, 音が短ければ, 緊張感が強くなる傾向がみられ, 音が大きければ, 威圧感が強いという効果があった。因子分析では, 1強制, 2判別, 3緊張, 4象徴, 5持続, 6確認, 7方向の7因子が抽出された。規制機能に第1因子, 位置機能には第2因子, 通報機能には第3, 6因子, 案内機能には第4, 5因子, 誘導機能には第5, 7因子が含まれていた。実験音と評価語から抽出した印象と音の物理的特性, 因子の対応関係は, 新たなサイン音をデザインする時に有効と考えられた。
著者
堀江 稔
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.459-464, 2003-06-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
16

ブルガダ(Burugada)症候群は,1992年,Brugada兄弟により報告された8例の右側前胸部誘導(V1-V3)の特異的なST上昇と右脚ブロックを示す特発性心室細動の臨床像から,広く知られるようになった.その後の多くの臨床研究から,発症は男性が多いこと,約20%に失神や突然死などの家族歴を有すること,NaチャネルブロッカーによりST上昇のパターンや程度が変化すること,対症療法ではあるが植え込み型除細動器が奏功すること(逆に言うと多くの薬物療法が悲観的である)などが,明らかとされてきた.さて,1998年になって,Naチャネルのαサブユニットをコードする遺伝子(SCN5A)の塩基レベルの変化(変異)がブルガダ患者に発見され,その変異チャネル蛋白の機能解析から,本症候群が,いわゆるイオンチャネル病である可能性を報告された.このNature誌での発表のあと,多くの施設で,本症疾患のSCN5A遺伝子検索が精力的に行われ,現在,20個以上の変異が発見されている.しかしながら,この検出率はPrioriらの報告でも,20%にみたない.本研究会では,まず本症候群の臨床像を紹介し,その一部に認めるSCN5A変異における機能解析との関連を検討する.
著者
堀井 俊宏 ARMAH George KRUNGKRAI Je BZIK David INSELBURG Jo 田井 久美子 三田村 俊秀 森松 克実 GEORGE Armah JERAPAN Krungkrai DAVID Bzik JOSEPH Inselburg 杉山 智彦 JERAPAN Krun BZIK David J ARMAH Geroge INSELBURG J
出版者
大阪大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

ハマダラカによって媒介されるマラリアは年間2億7000万人が感染し200万人が死亡するという最も大きな被害を人類に及ぼしている原虫感染症である。クロロキン、DDTなどの特効薬や殺虫剤により一時は撲滅が可能かに見えたマラリアは、薬剤耐性マラリア原虫株や殺虫剤に耐性の媒介蚊の出現によりその治療と制圧は現在困難な状況に陥っている。一方、マラリア原虫の細胞より十分な量の蛋白質を精製する事が極めて難しいため、マラリア原虫に関する生化学的な解析にも乏しい。さらに、マラリア原虫のcDNAは大腸菌において一般にうまく発現せず、レコンビナント蛋白質として調製することも容易ではないことも解析を遅らせている。マラリアワクチンの開発は人類の夢の一つであるが、マラリア感染に対する宿主(ヒト)の免疫応答が理解されていないことに加えて、マラリア原虫はその主要抗原のアミノ酸配列を高頻度で変換するための機構を複数有していると考えられる。マラリアワクチンの開発をめざす本研究課題においては、まず、ワクチン候補抗原蛋白質を安定して供給できるシステムの構築を行なった。抗原遺伝子は以下で述べるSERAであるが、本抗原遺伝子はマラリヤ原虫株のなかでもよく保存されていると考えられているが、このSERA遺伝子の抗原変異の頻度について解析をすすめた。(1)熱帯熱マラリア原虫の培養細胞に対して増殖阻害的に働くマウスのモノクローナル抗体を用いて単離したSERA(Serine Repeat Antigen,113kD)は、赤血球期マラリアのトロフォゾイト、シャイゾント期に大量に発現される蛋白質であり、感染赤血球が壊裂する直前に、47kD、50kD、18kDの三つの断片となる。このSERA抗原はマラリアワクチンの候補抗原として重要と考えられているが、一方、SERA遺伝子のcDNAを大腸菌の発現ベクターに組み込んでも、レコンビナント蛋白質の発現は容易ではなかった。我々は、極端にAT含量の高いマラリア遺伝子とGC含量が高い大腸菌の間におけるコドン使用頻度の違いがレコンビナント蛋白質の発現量を低下させていると考え、熱帯熱マラリアのコドン使用頻度を大腸菌型に変えた、これら三つの断片をコードする人工合成遺伝子を構築し、大腸菌において3種類のSERA蛋白質を大量に発現させた。精製した後、マウス及びラットを免疫し、得られた抗血清を用いてマ
著者
友田 努 堀田 和夫 森岡 泰三
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.1039-1045, 2006 (Released:2006-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
3 2

ハタハタ人工種苗の生態を把握するため,2000 年 4 月に計 2 群 6,966 尾(平均全長 10.4 cm)を七尾湾と富山湾で標識放流した。2005 年 1 月までに計 123 尾(1.8%)が再捕され,再捕の 9 割強が産卵群と考えられる 2 歳以上の親魚であった。両放流群とも,過半数が富山湾内で再捕され,その他の多くが新潟,山形および秋田県沖で再捕された。本結果は,七尾湾,富山湾に放流した人工種苗が主に富山湾内に滞留し成育,産卵するものの,一部は北上し日本海北部系群や新潟周辺の地域群と交流していることを示すものである。
著者
新堀 雄一 千田 太詩
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、地層処分システムのコンパクト化を目的として、マイクロフローセルや充填層を用い、また、セメントの溶出による高アルカリ地下水の存在をも想定し、再冠水過程の特徴を整理した。その結果、再冠水過程は、液相への気相の物質移動速度ではなく、液相側に溶け込むガス成分の拡散や地下水流による液相自体の置換に大きく依存することが明らかになった。また、残留している気相を考慮した地下水流速の分布を設定し、地層処分のガラス固化体1本当たりの必要面積を数値解析により求め、地層処分の占有面積が従来の設定されている面積より1割程度小さくなる場合を示すとともに、今後の課題を整理した。
著者
野堀 潔
出版者
秋田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

Double transgenic mice crossed GFP-LC3 transgenic mice with alphaMyHC-mCherry-LC3 transgenic mice are a new and useful tool to examine the role of autophagy in the heart. Terada M, Nobori K, et al. Circ J. 2010 Jan;74(1):203-6.上記論文にて報告した我々が作製したalphaMyHC-mCherry-LC3トランスジェニックマウスを、理化学研究所・バイオリソースセンターに寄託した。C57BL/6-Tg(Myh6-mCherry/LC3)1Acvmという名称で登録となり、2011年5月のRIKEN BioResource Center Mouse Mail Newsにて、Mouse of the Monthとして取り上げられた。alphaMHC-mCherry-LC3トランスジェニックマウスとGFP-LC3トランスジェニックマウスとのダブルトランスジェニックマウスを利用した上記論文に記載したオートファジー解析方法により、心不全を発症するデスミン心筋症モデルマウスα-β-crystallin R120Gにて、オートファゴゾームとライソゾームとの融合障害が起きているかについて検討した。
著者
宇井 恭一 峯杉 賢治 寺島 啓太 堤 誠司 石井 達哉 岸 光一 西尾 誠司 堀江 洋一
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.8-14, 2012-01-05
参考文献数
4

イプシロンロケットは,段階的な開発を実施する計画であり,第1ステップではM-VロケットおよびH-IIAロケットで培った技術を最大限に活用し,平成25年度に打ち上げる.この方針に従い,構造系開発も第1ステップでは短期間で確実な開発(効率的開発)のため,多くの既開発コンポーネントを流用または改修流用する.本稿では,まず第1ステップ構造系全体の概要を述べ,次に新規開発コンポーネントである第2,3段固体モータケース(軽量・低コスト化),衛星分離部(衛星振動環境緩和),第3段機器搭載構造,フェアリング(水没機能付加)について説明する.衛星機械環境としては,乗り心地向上のため音響環境を世界標準レベル(OASPL 140dB程度)まで緩和することを目的とした射座煙道の設計解析と地上燃焼試験の概要を示す.最後に,第2ステップに向けた構造系抜本的低コスト化研究の概要について述べる.
著者
堀内かおる
出版者
国際基督教大学
雑誌
Gender and sexuality : journal of Center for Gender Studies, ICU (ISSN:18804764)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.79-91, 2011-03-31

This study examines how picture books provide children with an opportunity to be aware of issues of gender and sexuality by focusing on foreign picture books dealt with a homosexual couple and their children. It explores the possibilities and limits of the works' messages concerning "the diversity of family" through analysis of images of "family" in picture books. Published in 2009, Patricia Polacco's In Our Mothers' House has gained reputation as an important work itself without being subjected to homosexual bashing. Although this reflects current changes in the public's social background and awareness, this research note demonstrates that the couple in this work is depicted in a relationship with stereotypical concepts of the family, following the conventional family norm, even though it deals with homosexual couples. The study also suggests that picture books are a medium that provides children encounters with new knowledge that can enforce the traditional norm of family.
著者
長堀 金造
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
no.31, pp.45-51, 1968-03

水田からの浸透水は反復利用されるもので局地的な減水深とかんがい面積から算定した水量をもって広域の用水量とすることは,過剰に用水量をみこむことになるので,水資源の有効利用の観点からいっても好ましくない. ゆえに広地域を対象にしたかんがい計画を樹立する際には水収支によって用水量を決定することが合理的な方法といえる. 以上の観点から,低平地水田地帯の水収支による用水量の実態調査を行なった結果,次の諸点が明らかとなった. 1)まず,水収支式は (Q2-Q1)+(G2-G1)+en,+⊿S=0 上式中,(G2-G1)+en,tn+⊿Sが広域水田の消費水量となる. 一般に低平地では(G2-G1)≒0 水量の安定した期間であれば⊿S≒0とみなせるから,本地域のような所では消費水量はen,tnと考えられる. 2)一方,モデル地区内の流量実測データより水収支計算によって求めた消費水量は,Iの期間(7月18日~22日)では水深になおして,11.8mmday,Iの期間(8月10日~14日)では11.0mm/day,Ⅲの期間(9月7日~11日)では7.1mm/dayの値となった. 3)他方,蒸発計蒸発量を基にして求めた蒸発散量 en,tn の結果はI期間が12.04mm/day,Ⅱ期間が11.62mm/day,Ⅲ期間が8.42mm/day,の結果となり,計器蒸発量を基にして算定した方が,3期問とも若干,en,tnが実測水収支の結果より値が大きい. しかし,それらの差は極めて小さい. 4)従って,本地域のように低平地水田地帯の消費水量はen,tnによるものであり,従ってG2-G1≒0⊿S≒0とみなせるものと考えられる. 5)以上から,本地域における消費水量は,en,tn程度のものでありながら,かんがい水量と排水量の両者が極めて多いことは注目すべきで,かんがい排水量を一適正化することが望まれる. 6)次に本地域の用水の反復利用量を検討してみたところ,平均的にみて,およそ5~6mm/dayの水量が反復利用されていることが明らかとなった. おわりに,本論文は昭和37年,著者が京大在職中に行なった巨椋池干拓地,かんがい排水の実態調査研究の一部であることを付記し,御援助いただいた巨椋池土地改良区の関係各位に謝意を表する次第である。
著者
堀口 賞一 藤本 拓
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

昨年6月Appleが提唱したEyes Freeに注目が集まる中、NTTドコモは、ユーザの自然な発話によりカーナビを操作する「ドコモドライブネット(DDN)」サービスを逸早く2012年12月より提供開始した。当サービスは、当社「しゃべってコンシェル」のカーナビへの適用例である。本稿では、DDNにおける音声対話の中核をなす意図解釈機能を中心に述べると共に、更に、今後進むべき対話技術について述べる。
著者
堀 哲夫
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.64-71, 2009

近年,大学における授業改善に対する関心は高まりつつあるが,具体的にどのような方法で行ったらよいのか,明確な提案がない.本研究では,大学の講義の中で,毎時間学習した最重要事項を学生に書かせ,自分自身の学習履歴をふり返らせ学ぶ意味を伝えるというOPPA(One Page Portfolio Assessment:一枚ポートフォリオ評価)を採用し,実践を行ってみた。OPPA の内容を確認することにより,教師自身は,自らの授業が適切であったのか否かを判断できる。その結果,学生は授業内容の最重要事項は何かを考えながら受講するようになる,受講内容の意味を明確にすることができる,授業評価が可能になるなどの効果を確認できた。しかし,講義時間が長い場合には最も重要なことが不明確になるなどの課題も明らかになった。