著者
堀 由美子 村社 知美 福村 基徳 鳥居塚 和生 伊田 喜光
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.3-11, 2008 (Released:2009-02-28)
参考文献数
21
被引用文献数
7 16

水腫, 脚気, 解毒の改善に用いられるアズキ (生薬名: 赤小豆, セキショウズ) 煮汁の成分を明らかにする目的でアズキ熱水抽出物の成分研究を行った。その結果, フラボノイドならびにその配糖体13種を単離し, 構造を明らかにした。次いでアズキ熱水抽出物およびこれから得られたフラボノイド誘導体についてDPPH法によるラジカル消去活性を測定した。その結果, いずれも代表的な抗酸化物質であるBHAに匹敵する強い抗酸化作用を示した。
著者
佐藤 雅明 石田 剛朗 堀口 良太 清水 克正 春田 仁 和田 光示 植原 啓介 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.253-264, 2008-01-15
参考文献数
11
被引用文献数
3

センタレスプローブ情報システムは,車車間通信と車両自体の移動によってプローブ情報の生成と伝達を行う.車両の存在する周辺の道路交通情報や,安全に関する情報等の即時性が求められる情報等に有効であると考えられている.本論文では,センタレスプローブ情報システムの有用性を活用する手法として,センタレスプローブ通信基盤を利用する渋滞に関する道路交通情報生成アルゴリズムの提案を行った.また,提案した道路交通情報生成アルゴリズムとセンタレスプローブ通信基盤を,実車両で動作する車載システムとして設計と実装を行い,テストコース内で5 台の車両を用いた実証実験を行った.この実験で,実装した車載システムによるプローブ情報の生成と統合が可能であることが分かった.さらに,実車環境においてセンタレスプローブ情報システムが有効に動作することが確認された.Decentralized Probe Vehicle System transmits information by the communication between vehicles, and movement of vehicles. Decentralized Probe Vehicle System is effective in the sensor data depending on a geography position, and the sensor data contributed safely which needs a real-time processing. In this paper, road traffic information generation algorithm was proposed. The design and implementation about algorithm and communication platform for Decentralized Probe Vehicle System was performed. Then, field test was conducted by five vehicles in the test course. As a result, it turned out that generation and integration of probe information are possible using implementation system. Further, it was checked that a system operates effectively in real vehicle environment.
著者
堀 公行 西村 和夫 光野 孝雄
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.11, no.8, pp.636-642, 1978-08-01

脳疾患時,とくに脳外科手術後に生ずる出血性ストレス潰瘍例は,ほとんど意識障害を有し,その原病の重篤さとともに止血対策に苦慮することが多い.私どもは過去に経験した19例につき,開腹手術への適応時期を検討し,さらにその胃手術法につき述べる.開腹手術の適応として,潰瘍出血による脳病変の悪化を防ぐことに重点をおき,そのため意識障害を指標として,たとえ輸血量が1000ml/日以下でも,出血によって意識障害が遅くとも半昏睡に陥いる前に開腹手術を行うべきである.この際手術法として潰瘍病変の広がりと,胃切後もまだなおつづくとみられるストレスによる残胃十二指腸の再出血を抑制することなどから,小弯を多く切除する亜全摘に近い広範胃切除術に幹迷切術を併施することが最良であると強調した.
著者
堀 美代 村上 和雄 坂本 成子 大西 英理子 大西 淳之 一谷 幸男 山田 一夫
出版者
公益財団法人国際科学振興財団
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

幼若期の社会的隔離によって引き起こされるストレス脆弱性に対する快情動の効果を検証した。仔ラットどうしの遊び(rough and tumble play)をモデルにしたtickling刺激は、50kHz音声の表出と側坐核のドパミン分泌を促し、恐怖条件づけの恐怖反応や自律神経系のストレス応答を軽減させた。これらのことは、幼若期において他個体との相互作用を伴う遊び行動が、快情動形成およびストレス応答性の獲得に影響を及ぼす可能性を示唆する。
著者
高橋 修平 佐々木 正史 大橋 鉄也 川村 彰 榎本 浩之 鈴木 聡一郎 高橋 清 亀田 貴雄 菅原 宣義 堀 彰 舘山 一孝 中山 恵介
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

研究課題について次のような成果を得た。(1)知床半島は海氷の流れに対して「せき止め効果」を持ち、北海道で最も長く海氷が接岸する。(2)知床峠の山間部では吹き払いによる無雪区間と5m以上の吹きだまり区間と地形に依存する積雪特性が得られた。(3)知床半島で陸生動物も入った栄養塩循環が確認された。(4)送電線がいしに海塩汚損と着氷による電力障害を観測し、低温実験室内でも再現できた。(5)雪氷環境と人間社会に関する様々な課題が研究された。
著者
堀 憲太郎 大石 哲也 峯 恒憲 長谷川 隆三 藤田 博 越村 三幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.56, pp.81-88, 2008-06-12

本稿では,ユーザのクエリから,その意図に沿った拡張クエリを作成する際に,Web 上で最大の百科事典である Wikipedia を用いるシステムを提案する.Wikipedia からの拡張クエリの抽出には,関連単語提案アルゴリズム[1]を用いる.関連単語提案アルゴリズムとは,あるキーワードとそれに関連するテキストが与えられた時,テキスト内で出現する単語間の距離に着目して,与えられたキーワードに関連し尚且つ重要と思われる単語を抽出するアルゴリズムである.このシステムを Web 検索時に用いることにより,クエリ拡張し,ユーザの目的とする文書を見つけるための支援技術とすることを目的としている.In this paper, we propose a method to extend the original query by applying a related word extraction algorithm to Wikipedia that is an encyclopedia. The algorithm extracts words related to given key words from any text and calculates a score for each extracted word according to distance between words in the text. The method helps users to obtain their desired documents in web search by extending a query with highly scored words.
著者
船隠 恵子 堀田 修次 濱岡 照隆 田阪 武志 立花 広志 村上 敬子 豊川 達也 佐藤 英治 友田 純
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.29-33, 2013-04-01 (Released:2013-05-01)
参考文献数
10

Ulcerative proctitis (UP) is a prevalent condition associated with increased morbidity, and topical mesalazine (5-aminosalicylic acid [5-ASA]) is known to inhibit the inflammatory processes in UP. We successfully devised mesalazine suppositories, in which 250mg mesalazine was equally distributed and remained stable for at least 2 weeks. We evaluated the effect of using mesalazine suppositories twice a day (BID) on two UP patients. The results demonstrated that mesalazine suppositories were efficacious, well tolerated and safe for the long-term maintenance of UP remission.
著者
丹野 智博 堀江 和正 小林 高彰 森田 昌彦
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.25, pp.1-5, 2013-06-20

層状ニューラルネットにおいて,入力するアナログ値を多次元の 2 値パターンに変換すると,多変数関数近似器としての性能が大きく向上することが報告されている.本研究では,このパターンコーディングをパターン分類問題に適用した場合の有効性について検討する.2 次元 2 クラス分類問題を対象として数値実験を行った結果,単純パーセプトロンに適用してもあまり効果はないが,さらに多層化する (多層パーセプトロンに適用する) か,選択的不感化を行うことによって,非常に複雑な決定境界を容易に学習できるようになることがわかった.また,境界の複雑さを表す指標を提案し,それが分類誤差と高い相関をもつことを示した.この指標は,パターンコーディングを適用すべきか,どの分類器を用いるべきかを判断するのに有用だと考えられる.
著者
山森 一人 阿部 亨 堀口 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.350-353, 1997-01-25
被引用文献数
4

ニューラルネットワークにより実用規模の問題を解くためには, 並列学習法による高速化が必要である. 本報告では, 超並列計算機上に3種類の並列学習アルゴリズムを実装し, その性能について議論する.
著者
山森 一人 堀口 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.370-377, 1998-02-25
被引用文献数
8

ニューラルネットワークを用いた情報処理は制御やパターン認識などの分野で広く応用されている.しかし, 問題が大規模化するに従ってニューラルネットワークの学習に必要な時間が膨大になる.近年, 大規模ニューラルネットワークの学習を並列計算機を用いて高速化する研究が盛んに行われるようになった.しかしながら, これらの並列化手法は並列計算機のアーキテクチャに強く依存している場合が多く, 誤差逆伝搬学習法の並列化性能については十分に検討されていない.本論文では, 誤差逆伝搬法がもつ3種類の並列性を利用した並列学習モデルを解析し, その並列学習速度について詳しく検討する.これらの並列学習に関する解析結果を用いて実際の並列計算機上へ各モデルを実装して並列学習法の性能評価を行う.
著者
堀口 祐樹 小島 一晃 松居 辰則
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.10, 2008 (Released:2009-07-31)

e-learnignには教師が学習者の様子を観察できないという弱点がある。本e-learningシステムは、マウスの移動速度情報などを用いて学習者の集中の度合いなどをリアルタイムに評価するものである。
著者
鈴木 康司 堀口 利之 土田 みね子
出版者
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.486-494, 1998-12-10 (Released:2010-10-20)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

We conducted experiments to determine the changes in swallowing attributable to differences in the property of the materials to be swallowed. The maximum swallowing capacity for water and 2% Throughsoft STM (an aqueous solution containing a starch power) was always larger by about by 20 ml for water than for 2% Throughsoft STM, though the absolute amount swallowed varied with each individual. On the other hand, the concept of ease in swallowing, presumably involving a light load was advanced in this study. Bolus volume of each swallow during continuous swallowing was close to that of easy swallowing. The volume did not apparently differ from that of water nor that of 2% Throughsoft STM. These results seem to suggest that the root of the tongue judges the property of the material to be swallowed before the completion of the stage II of swallowing, at latest, and actively determines the appropriate amount of material to be swallowed.
著者
岩堀 信子 仲根 孝 小池 和彦 井上 政久 伊原 信一郎 本間 龍雄
出版者
青山学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

古典型リ-群の表現論とその表現空間上の多頃式環の不変式について、次のような結果を示した。有限型及びtame型zuivers(有向グラフで各失印の重複変は1)がA,D,E型及びA^^〜,D^^〜,E^^〜型のコクセタ-図形(但し矢印の向きは任意)と対応していることはよく知られており、有限表現型の代数の分類、及び単純成分が有限個の代数の分類に用いられている。quiverFの表現(各頂点iに対して,線型空間Vi(i←I,Iは頂点集合)を置き,矢印にその向きの線形写像をおく。)に対して、直積群G=TT GL(Vi)が、線形空間V=+Hom(Vi,Vj)(但し,i→j inF)に自然に作用する。よってGはV上の多項式環S(V)に自然に作用するが,その相対不変式の全体,及び絶対不等式環をquiversの型がA,D,A^^〜型のとき,(矢向の向きは任意)具体的生成元を与えることにより記述しその生成元が代表的に独立なことを示した。証明はリトルウッド・リチャ-ドソン規則,標準盤(ヤング図形の)の理論を用いた組合せ論的なものである。また球関数の変形であるジャック対称関数について、その具体形と特別な場合にシュ-ア関数の和として表わすスタンレ-の一つの予想を解いた。証明は、ウェイトの重複変と表わす。コストカ数の計算と,2頃係数の和のある種の変形(超式何級数 _4φ_3のうまいウェイトの場合に丁変対応する)に基づくものである。また、特にA^^〜型quiversで矢向の向きが一方通行のとき(このときのみ定数でない絶対不等式が現われる)絶対不変式環は多頃式になり、これは古典的によく知られた正方行列の絶対不等式環が固有多頃式の係数を生成元とする多頃式環になることの一般化である。
著者
金子 慶太 伊藤 孝紀 堀越 哲美
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.11-20, 2011-11-30
参考文献数
11

本研究では、市民主体イベントの特徴と、市民主体イベント後の継続活動の継続要因とまちづくりとの関わりを把握することを目的とする。市民団体である大ナゴヤ大学が企画、実施した38の市民主体イベントとしての授業を調査対象とし、授業の企画者、参加者双方の視点からの調査と、授業後の継続活動に対して追跡調査をおこなった。38サンプルの授業に対して、多変量解析手法の数量化III類を用い、企画による3分類軸を抽出した。さらにこれらの3分類軸に基づくクラスター分析による類型化では3タイプの類型が得られ、各類型の特徴を把握した。そのなかのひとつでは授業後の継続活動を確認することができた。授業後の継続活動としての長者町ゼミを対象として追跡調査をおこなった結果、継続活動を4段階に分類して考察することができた。各段階の継続要因とまちづくりとの関わりを把握した結果、市民主体イベントを起点とした継続活動がまちづくり活動へと展開することを確認できた。
著者
内田 学 平田 博紀 堀井 希依子
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.93-106, 2013-03-31

現在、家電量販業界では、熾烈な戦いが繰り広げられている。本稿ではその中でマーケットリーダーのヤマダ電機と人材教育に定評があるヨドバシカメラを採りあげる。ヤマダ電機とヨドバシカメラの戦略はマイケル・E・ポーターの3 つの基本戦略に照らし合せると、現在のところ、それぞれコストリーダーシップ戦略、差別化戦略を採って成功している。本論文では、両社のそれぞれの戦略について詳述し、さらに今後の激変する環境の中で両社が採っている戦略をどのような変化させていくのかを検討する。
著者
堀井 洋 中野 節子 林 正治 宮下 和幸 沢田 史子
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、近世加賀藩家臣団の網羅的な記録である「先祖由緒并一類附帳」(金沢市立玉川図書館近世史料館所蔵、以下「由緒帳」)を対象として、藩制組織の統計的かつ客観的な全容解明を目的とする。これまでに、以下の2点についてデータベース化と公開にむけた実装を行った。第一に、「由緒帳」作成者に着目した構成家臣の分析であり,その主たる目的は、加賀藩士については、身分・階層を明らかにすることである。第二には、「由緒帳」中の上級家臣(人持組)部分について、画像テータの撮影と記述内容の解読を実施した。
著者
加藤 尚吾 古屋 雅康 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1-14, 2004
参考文献数
25
被引用文献数
8

不登校児童生徒11名を対象に,電子メールカウンセリングを実施し,実施前と後で不登校状態を比較したところ,ほぼすべての児童生徒に改善がみられた.そこで,電子メールカウンセリングが不登校状態の改善に果たした役割を検討した.児童生徒が送信した電子メール文の内容分析の結果,改善の大きかった児童生徒の電子メール文中の「学校・学習関連」,「友達関連」語が,改善の小さかった児童生徒よりも多かった.また,それらは前半に送信した電子メールに比べ,後半に送信した電子メール文中により多かった.保護者へのアンケート及びカウンセラーヘのインタビューから,電子メールカウンセリングのための家庭へのパソコンの導入が家族の共通の話題を生み,家庭内のコミュニケーションが増加したことが分かった.また,インターネットを使って興味の対象を深く調べたり,パソコンを使って自己表現をしたりと,児童生徒の活動方法が広かったことが分かった.