著者
太田 岳 任 書晃 日比野 浩
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.992-995, 2017-11-05 (Released:2017-11-05)
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
太田 聡 太田 真理 Satoshi OHTA Shinri OHTA
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.10, pp.179-191, 2016-01

連濁はもっとも広く知られた日本語の音韻現象の1つである。先行研究では,日本語の複合語は連濁の生起率の違いに基づいて,いくつかのグループに分類されることが提案されている。しかしながら先行研究では,連濁生起率の分類基準が恣意的であった点,またグループの数をあらかじめ仮定していた点に問題があった。そこで本研究では,混合正規分布モデルに基づくクラスター分析と連濁データベース(Irwin and Miyashita 2015)を用いて,日本語複合語を分類する際の最適な分類基準とクラスター数を検討した。複合名詞と複合動詞のどちらも,2つのクラスターを仮定したモデルが最適であり,クラスター同士の分類基準は,複合名詞では連濁生起率が90%,複合動詞では40%であった。これらの結果は先行研究のクラスター数や分類基準とは異なるものであった。我々の結果は,モデルに基づくクラスター分析が言語データに対する最適な分類を行う上で非常に有効であることを示すものである。Rendaku is one of the most well-known phonological phenomena in Japanese, which voices the initial obstruent of the second element of a compound. Previous studies have proposed that Japanese compound words can be classified on the basis of the frequency of rendaku (rendaku rate). However, since these studies used arbitrary criteria to determine clusters, such as 33% and 66%, as well as arbitrary numbers of clusters, it is crucial to examine the plausibility of such criteria. In this study, we examined the optimal boundary criteria as well as the optimal number of clusters using a clustering analysis based on Gaussian mixture modeling and the Rendaku Database (Irwin and Miyashita 2015). The cluster analyses clarified that the two-cluster model was optimal for classifying both compound nouns and compound verbs. The boundary values of the rendaku rate for these clusters were approximately 90% and 40% for the compound nouns and compound verbs, respectively. These results were inconsistent with the findings of previous studies. Our findings demonstrate that model-based clustering analysis is an effective method of determining optimal classification of linguistic data.
著者
近藤 克則 太田 正
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.129-133, 1997-02-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
18
被引用文献数
14 4

発症後第14病日以内(中央値第1.5病日)に入院した初発脳卒中患者20人の下肢筋断面積をCTを用いて経時的に計測した.(1)「全介助群」で入院2週後の両側大腿,下腿筋断面積は,入院時の79~86%(両側大腿,下腿各々の平均80%,84%)と有意に減少し,4週時に69~79%,8週時に62~72%まで萎縮した.(2)「早期歩行自立群」では,2週時で96~100%と断面積を維持していた.(3)両群の「中間群」では,2週時に89~95%と有意に減少したが,8週時には入院時の94~99%(入院時と有意差なし)まで回復した.早期リハビリテーション患者でも廃用性筋萎縮は見られ,麻痺側でも十分な訓練により筋肥大をきたすが,回復には歩行訓練開始までの期間の3倍以上の長期間かかることが示唆された.
著者
太田 恵 池添 冬芽 金岡 恒治 佐久間 香 長谷川 洋介 藤田 千早 沼澤 拓也 舞弓 正吾 市橋 則明
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.CcOF1065, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】老化に伴う退行性変化として骨格筋の萎縮が起きることは周知の事実であり,リハビリテーションの分野では高齢者における筋の機能の維持および向上が重要な課題のひとつとなっている.この筋萎縮の評価法のひとつとして,近年,超音波画像診断装置による筋厚測定がよく用いられている.超音波画像診断装置は,MRIやCTと比較して,安価で簡便であり,信頼性と妥当性も高いことから,超音波画像診断装置を使用した研究が多くなされている.しかしながら,超音波法を用いて筋厚の加齢変化を調べた先行研究の多くは四肢の筋を対象としており,体幹筋,特に腹筋群について言及した研究は少ない.また,筋萎縮に関する横断研究の場合は,加齢による影響だけでなく,身長や体重,BMIといった体格の差異による影響も考慮する必要がある.しかしながら,腹筋群の筋厚にはどのような体格要因が関連するのかについては明らかではない。そこで本研究では,超音波画像診断装置を使用して腹筋群の筋厚を測定し,年齢や体格との関連について明らかにすることを目的とした.【方法】被験者は,健常成人120名(男性60名,女性60名)とした.男性被験者の年齢は33.1±18.1歳(20~84歳)であり,身長は170.5±6.8cm,体重は67.2±11.8kg,BMIは23.0±3.1であった.女性被験者の年齢は57.2±19.2歳(20~83歳)であり,身長は154.2±7.1m,体重は52.0±9.0kg,BMIは21.9±3.4であった.いずれも独歩または歩行補助具を使用し自立歩行が可能な者とした.筋厚の測定には超音波診断装置を使用した.対象筋は,腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋とした.測定肢位は安静背臥位で,いずれも安静呼気時に測定した.測定部位は腹直筋が臍から外側4cmの部位,外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋は臍高位の腋窩線から内側2.5cmの部位とし,いずれも右側を測定した.腹筋群の筋厚と年齢,身長,体重,BMIとの関係について,各筋厚を目的変数とし,年齢,身長,体重, BMIを説明変数として,男女別にそれぞれ重回帰分析を用いて検討した.いずれも有意水準は5%未満とした.【説明と同意】本研究の目的と方法について,すべての被験者に対し口頭および文書にして十分に説明し,同意を得た.【結果】腹直筋の筋厚の平均値は男性12.8±3.3mm,女性8.3±2.4mmであった.重回帰分析の結果,男女ともに年齢のみ筋厚に影響を与える有意な因子として抽出され(標準偏回帰係数:男性-0.58,女性-0.71),自由度調整済決定係数は男性0.59,女性0.59であった.外腹斜筋の筋厚の平均値は男性8.6±2.9mm,女性5.4±1.9mmであった.重回帰分析の結果,男女ともに年齢のみ有意な因子として抽出され(標準偏回帰係数:男性-0.56,女性-0.61),自由度調整済決定係数は男性0.48,女性0.43であった.内腹斜筋の筋厚の平均値は男性12.2±3.9mm,女性8.1±2.5mmであった.重回帰分析の結果,男女ともに年齢のみ有意な因子として抽出され(標準偏回帰係数:男性-0.66,女性-0.43),自由度調整済決定係数は男性0.44,女性0.23であった.腹横筋の筋厚は男性4.4±1.2mm,女性3.3±0.9mmであった.重回帰分析の結果,男女ともにいずれの説明変数も筋厚に影響を与える因子として抽出されなかった. 【考察】本研究では,腹筋群における筋厚と年齢,身長,体重,BMIとの関連を明確にするため,若年者から高齢者までの男女の筋厚を測定し,重回帰分析を用いて検討した.その結果,腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋の筋厚については,年齢が影響を及ぼす因子として抽出されたが,腹横筋の筋厚では年齢は抽出されなかった。このことから,腹筋群のなかでも腹横筋の筋厚は加齢変化が少ないことが示唆された.また,身長,体重, BMIといった体格はすべての腹筋群の筋厚において影響を及ぼす因子として抽出されなかった.骨格筋の筋萎縮の程度を横断的に比較検討する際,四肢筋の筋厚については体格の差異を考慮し,体格要因で補正した筋厚が用いられることがある.本研究の結果,腹筋群の筋厚については体格による違いを考慮する必要性は少ないと考えられた.【理学療法学研究としての意義】本研究により,腹直筋,外腹斜筋,内腹斜筋の筋厚は,加齢に伴って減少するが,腹横筋の筋厚は加齢変化が少ないことが示された.また,腹筋群の筋厚は体格要因による影響は少ないことが示唆された.本研究の結果は腹筋群の筋萎縮の程度を評価する上で考慮すべき重要な知見であると考える.
著者
太田 隆文 倉持 剛 柳浦 麻未 上村 直樹 金澤 幸江 杉浦 邦夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.47-53, 2014-01-10 (Released:2015-01-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1 5

Polystyrene sulfonate drugs (PSS) are likely to adsorb coadministered drugs through ionic and hydrophobic interactions because of their chemical structures. Nine drugs frequently dispensed at our 3 pharmacies to administer with PSS concurrently were selected and examined for their adsorption in vitro to Kalimate® powder in pH 6.8.Cationic drugs in the solution, amlodipine besylate and dilazep hydrochloride hydrate were adsorbed almost totally, while anionic drugs, aspirin, furosemide and losartan potassium were only adsorbed in 0-15%. Non-ionic drugs, allopurinol, nifedipine and prednisolone were adsorbed to different extents, 9, 59 and 84%, respectively in proportion to their hydrophobicity (XLogP3). These data clearly indicate that cationic drugs and highly hydrophobic non-ionic drugs are susceptible to be adsorbed by PSS.The dissolution test of Adalat® L at pH 6.8, pH 4.5 and pH 1.2 in the presence of Argamate® Jelly showed that release of nifedipine was apparently depressed markedly at any pH.We propose that a description directing attention to the interaction with a wide range of drugs is added in the package inserts of PSS to avoid the occurrence of drug interactions.
著者
杉原 辰哉 萩原 文香 門永 陽子 鳥谷 悟 松浦 佑哉 井原 伸弥 黒崎 智之 森山 修治 上田 正樹 森脇 陽子 広江 貴美子 古志野 海人 山口 直人 大嶋 丈史 岡田 清治 太田 哲郎
出版者
松江市立病院
雑誌
松江市立病院医学雑誌 (ISSN:13430866)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.53-56, 2019 (Released:2019-07-01)
参考文献数
10

【目的】心肺運動負荷試験(CPX)のAT レベルの心拍数(THRAT)での運動処方が困難な場合はKarvonen の式から得られる心拍数(THRkarvonen)を参考に実施するが, 心不全やβ遮断薬投与例では必ずしも適切な決定ができない.本研究はβ遮断薬投与中の急性心筋梗塞患者を対象にATHRとKarvonen 式の関係を検討し,適切な心拍数を求めることを目的とした.【方法】対象はβ遮断薬投与中の急性心筋梗塞患者20 例,年齢62.7±8.2 歳.a(220-年齢)を最大HR とし,係数a は実際にCPX で得られた実測最大HR からa =実測最大HR/(220-年齢)を求め,また,Karvonen の式から運動強度の係数k =(THRAT-安静時HR)/(最大HR-安静時HR)として求め,係数k と臨床的指標の関係について検討した.【結果】CPX から求めた係数a は0.72±0.09,係数k は0.42±0.13,THRmodified Karvonen = 0.42[0.72(220-年齢)-安静時HR]+安静時HR で,THRAT とTHRmodifiedKarvonen の相関関係はr=0.84(p < 0.01)であった.係数k と臨床的指標の関係は心リハ開始日数とLVEF に関連性が認められTHRclinical =(0.005×LVEF-0.015×心リハ開始まで+0.312)[0.72(220-年齢)-安静時HR]+安静時HR とすると,THRAT との相関関係はr=0.88(p < 0.01)であった.【結語】β遮断薬投与中の急性心筋梗塞患者はTHRmodified Karvonen = 0.42[0.72(220-年齢)-安静時HR]+安静時HR で求められ,係数k はLVEF と心リハ開始日数と関連して変化する可能性が示された.
著者
太田 龍朗
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.118-126, 1999-03-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1
著者
太田 俊也 塚谷 秀範 根津 定満 柏尾 栄 近藤 正 山田 泰博 田中 郁夫 今林 泰
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.17, no.35, pp.171-176, 2011-02-20 (Released:2011-02-18)
参考文献数
2

For the central stations in big cities that serve regional area, it is impossible to discontinue the railway operations and difficult to transfer the railway tracks. The passengers’ safety and convenience need to be secured at first in order to start the development of the stations. This paper describes the case of JR Hakata Station project which solved such issues in the large central station development which were restricted by urban conditions, using various structural methods and techniques.
著者
石井 政憲 城戸 滉太 太田 力 柴田 寛之 山田 健太郎 鈴木 孝治 チッテリオ ダニエル
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.94-105, 2016-02-10 (Released:2016-02-13)
参考文献数
29

患者のすぐそばで行える医療診断 (その場診断) が重要であるという考えが,臨床現場において普及しつつある.近年,マイクロ流路を紙の上に設けることで,コストやユーザーの負担を抑えながら,実用に即した分析ができる検査チップを開発する研究が世界的に盛んである.2007年,Whitesidesらにより提唱されて以来注目を集め,現在ではmicrofluidic paper-based analytical devices (μPADs) の呼称が定着している.マイクロ流路と身近な素材である紙の組み合わせにより,複雑な操作を伴う分析や多重項目測定を,比色法や蛍光法,電気化学的手法などを用いて,低コストかつ簡便に行えるμPADsが数多く開発されている.μPADsは基材が紙であることから,主に印刷による作製技術が進歩を見せている.中でも,様々なデバイス生産で工業的にも活躍しているインクジェット技術が,μPADsの大量生産や機能性付与が可能なアプローチとして着目されている.本稿では,将来の実用化に期待の集まるμPADsの製作技術や応用例の現状について,特に汎用性の高いインクジェット技術に焦点を当てながら解説する.
著者
太田 草子
雑誌
日本文學 (ISSN:03863336)
巻号頁・発行日
vol.114, pp.103-123, 2018-03-15
著者
枳穀 豊 福原 公昭 斉藤 勲 太田 英明
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.118-123, 1995-02-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
10
被引用文献数
3 6

ジャム用の加工原料として利用されている6種類のイチゴ果実(Fragaria×ananassa Duch.)すなわち'アメリカ''千代田''宝交早生''とよのか''タイオーガ''チャンドラー'種のアントシアニン色素を薄層クロマトグラフィで分離し,Rf値および分光学的特性を比較することで同定するとともに,逆相カラム(C-18)を用いる高速液体クロマトグラフィーによって各アントシアニン色素含量を定量した.(1) イチゴに含量されるアントシアニン色素の種類はイチゴ品種により差は認められず,シアニジン-3-モノグルコシド(Cy-3G),ペラルゴニジン-3-モノガラクトシド(Pl-3Ga),ペラルゴニジン-3-モノグルコシド(Pl-3G),シアニジン,ペラルゴニジンの5種類であった.(2) アントシアニン含有量については,調査した6品種の中で'チャンドラー'種が最も多く,これに対して,'アメリカ'種で最も少なかった.(3) 構成アントシアニンの比率は,供試品種でPl-3Gaが最も多く86%以上を占めていた.'アメリカ'種ではCy-3Gが12%と高く,'チャンドラー'種ではPl-3Gが9%を占めた.また,'千代田''宝交早生''とよのか'の各品種はアントシアニン含量および組成が比較的類似していた.