著者
太田積之助 著
出版者
永井幸治
巻号頁・発行日
1908
著者
太田 有子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.16-31, 2014 (Released:2015-07-04)
参考文献数
37

本稿は, 工業化の政治社会的背景を明らかにするため, 陶磁器の生産・流通に関わる資源をめぐる制度形成の過程に関して地域間の比較分析を通じて検証するものである. 「資源ガバナンス」という概念を導入し, 資源のあり方が制度化される過程を明らかにすることを試みた. 陶磁器の生産流通制度成立の経緯や内容に関して分析を行った結果, 陶磁器業に関わる諸資源のあり方は, 各地域の行政権力と様々な社会集団との関係によって規定されていたことが示された. 行政権力による資源への厳戒な統制のもとで諸制度が実施された事例がある一方で, 行政権力と同業者組合の協調による制度形成や, 生産・流通に関わる資源を獲得した卸売業者による制度構築の事例など, 地域間の相違が見られた. 資源ガバナンスの多様な様態の背景として地域の行政権力による支配のあり方が, 陶磁器業をめぐる諸資源のあり方, 陶磁器業従事者の活動や関係に作用し, 陶磁器業の生産・流通に影響していた. 行政権力と社会集団の関係によって, 陶磁器業の発展のあり方は異なっており, 行政権力による保護管理の下で発展した地域がある一方で, 行政機構と商工業者の連携や, 商工業者による民間資本を中心に発展した地域もあり, 工業化の多様な経路とその政治社会的背景が明らかになった.
著者
太田 光明 江口 祐輔 大木 茂
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.110-123, 2007

宏観異常現象というのは,「特別な機器を利用せずに観察できる異常現象」である。この言葉は地震前の前兆として起こる様々な異常現象に対して使われ,古今東西を問わず,様々な形で世の中に知れ渡っている現象である。兵庫県南部地震以降,この異常現象は注目され様々な形で取り上げられている。特に,動物の行動異常に関する情報は多く,この異常現象の情報をうまく収集することができれば,短期予測が可能なのではないか,と考えられる。そのことから,麻布大学動物人間関係学研究室(現:介在動物学研究室)では,NTTドコモの第三次携帯端末FOMAを利用して,イヌとネコの飼い主から普段見受けられない異常行動を発現したときにその行動を写した動画を同研究室に送信し,その行動は地震前兆前の異常なのかどうかを客観的に分析し,異常行動を起こすメカニズムや異常行動に関するデータを収集する,というシステムを始動している。この研究は,このFOMAを利用したモニターの説明を受けた人々が,宏観異常現象(特に動物の異常行動)や,このようなシステムに関してどのように受け止めたのかなどを,アンケート形式で答えていただいて,システムや地震,宏観異常現象の研究についてどのように考えているのかを分析していくものである。アンケートの結果から,ほとんどの人が大学の研究内容について知る機会がないとの回答であった。また,アンケートに回答していただいた方のうち,動物を飼っている人が過半数であるにもかかわらず,モニター参加をしてもよいと答えていただいた人は17%ほどしかいなかった。自由回答の欄では宏観現象について興味があると答えていた人でも実際には自ら「モニターになりたい」と答えていた人はほとんどいなかった。臨震情報を作り上げる上で,動物の異常行動の小さな情報を積み上げていくことは,とても重要なことである。臨震情報によって,多くの命を救うことができることが,被害想定でもしっかりと予測されている。地震の被害を最小におさえるために,各専門家や企業,個人が自分には何ができるのかをしっかりと考えて行動し,「差し迫る危険」に対してどう対処すべきなのかをじっくり考える機会を待つべきである。このシステムに参加することにより,日ごろから地震に対する防災意識が芽生えるとともに,ペットとのよりよい関係を築くことができれば,よりよいペットとの住空間を作り上げることができると考える。
著者
川口 恵子 伊東 田恵 太田 理津子
出版者
芝浦工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

著者を指す第1人称代名詞(Iやwe等)が英語教育・工学という2つの異なる分野でどのように使用されているかを出版年代の観点も含め学術誌論文を分析した。各分野の主要学術誌2誌ずつより選んだ約250編が分析対象である。その結果、第1人称代名詞は工学系論文で最もよく使われており、英語教育分野では、日本人研究者の第1人称代名詞の使用頻度は英語母語話者研究者に比べ低いことがわかった。また、工学系論文では20年前と最近の論文での代名詞の使用頻度に差がなかったが、英語教育系論文では年代による差が見られた。大学英語教員に実施したアンケートより、第1人称代名詞の使用は様々な考えに基づいていることがわかった。
著者
山田 直史 太田 晴子 岡本 紗季 小橋 華子 榊原 紗稀 秋山 史圭 植田 絵莉奈 郷田 真佑 正 千尋 妹尾 莉沙 中村 宜督
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成25年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.147, 2013 (Released:2013-08-23)

【目的】食品に含まれる抗酸化活性が注目される中、食品の相互作用による抗酸化活性の変化について研究を進めてきた。本研究では、キュウリによるトマトの抗酸化活性の低下作用を、抗酸化活性、ビタミンC含有量およびポリフェノール含有量の測定から解明を試みた。また、サラダの盛りつけを意識して接触状態での影響についても検討を行った。【方法】キュウリホモジネート、トマトホモジネートを1:1で懸濁し、抗酸化活性をDPPHラジカル捕捉活性法で、ビタミンC含有量をヒドラジン法で、ポリフェノール含有量をフォーリンチオカルト法で測定した。また、輪切りにしたキュウリをトマトの断面に接触させたのちに、トマトの抗酸化活性を測定した。【結果】キュウリホモジネート、トマトホモジネートを1:1で懸濁させることで、抗酸化活性およびポリフェノール含有量が、総和から期待される値よりも小さくなった。一方で、総ビタミンC含有量はキュウリとトマトの総和から期待される値とほぼ等しくなったが、酸化型ビタミンCの割合が大幅に増加していた。この結果から、キュウリに含まれるアスコルビン酸オキシダーゼがトマトの抗酸化活性の低下に大きく関与すると考えられた。また、トマトとキュウリを5分間の接触によって、トマトの抗酸化活性はわずかながら低下した。これらの結果から、キュウリにってトマトのアスコルビン酸の酸化が敏速に起こることが示唆された。
著者
矢萩 智裕 宮川 康平 川元 智司 大島 健一 山口 和典 村松 弘規 太田 雄策 出町 知嗣 三浦 哲 日野 亮太 齊田 優一 道家 友紀
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2014年大会
巻号頁・発行日
2014-04-07

国土地理院では全国に約1,300点のGNSS連続観測施設(電子基準点)を設置し,1HzサンプリングのGNSS連続観測を実施している.データ取得及び解析系まで含めた一連のシステムはGEONET(GNSS連続観測システム)と呼ばれ,GEONETで得られた観測データや解析結果等は,我が国の位置の基準を定める測量や地殻変動監視,高精度測位サービス等の幅広い分野で利用されており,現代社会を支えるインフラの一つとしての役割を担っている.防災面においても,これまでGEONETは地震や火山活動に伴う地殻変動の検出等で大きな貢献を果たしており,平成23年東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)後には,短周期地震計等により推定された地震発生直後の地震規模が過小評価だったことを踏まえ,より信頼度の高い津波警報初期値への利用を視野に,GEONETのリアルタイムデータを用いた地殻変動結果による地震規模の即時推定技術について大きな期待が寄せられているところである.このような背景を踏まえ,国土地理院では,平成23年度から東北大学との協同研究の下,新たなGEONETのリアルタイム解析システム(REGARD:Real-time GEONET Analysis system for Rapid Deformation Monitoring)の開発を進めてきた.REGARDでは,GEONETで収集されたデータをRTKLIB 2.4.1(Takasu, 2011)をベースとした解析エンジンで処理し,RAPiDアルゴリズム(Ohta et al., 2012)又は緊急地震速報(Kamigaichi et al., 2009)を用いて検知された地震発生に伴う各電子基準点の変位量を入力値として矩形断層モデルの即時自動計算(西村, 2010)を実行することで,地震規模が推定される.平成24年度からは東北地方を中心とした143観測点によるプロトタイプ版を開発して連続稼動の試験運用を実施するとともに,GEONET運用後に発生した過去の大規模地震時の観測データ等を利用したシステムの能力評価を行ってきた.一例として,平成23年東北地方太平洋沖地震のケースでは,推定される矩形断層モデルとCMTとの比較では位置及びメカニズムに若干の差異はあるものの,地震発生から約3分でMw8.9を推定可能であること,Mw7.5を下回る規模の地震の場合にはS/N比が低くなり推定精度が落ちること等が明らかとなった.平成25年度には,プロトタイプシステムをベースに,解析範囲を全国の電子基準点に拡大するとともに,解析システムをGEONET中央局内で二重化すること等により冗長性を高めた新たな全国対応システムを構築した.また,解析設定ファイル作成や結果ファイル閲覧等の支援機能についても追加で実装している.同システムについて平成26年4月から本格的な運用に向けた試験を開始している.本講演では,過去の観測データから得られた検証結果及び全国対応システムの概要を報告するとともに,将来的な津波警報への活用に向けた取り組みや課題について報告する.
著者
竹岡 志朗 太田 雅晴
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.52-63, 2009-08-17
被引用文献数
2

Market environment surrounding enterprises and various organizations is globalized ever faster and very fluid. Establishment of sustainable competitive advantage is sought for every organization to develop, survive and adapt in such managerial circumstances. Innovation is one of useful managerial principle. In this paper, the applicability of Actor-Network Theory (ANT) as an analytical viewpoint to innovation studies was discussed. ANT is a prime example of the Socio-Technical approach. First, precedent innovation studies were surveyed and current streams of the studies were confirmed. Then, precedent innovation studies applied ANT were surveyed and the differences between them were clarified. From these differences, the usefulness and applicability of ANT as an analytical viewpoint to innovation studies were concluded. One of reasons is, ANT analyzes innovation from not the viewpoint of reductionism but the viewpoint of relationship. Furthermore, the viewpoint of ANT has an affinity for the viewpoint of innovation studies in general management studies, especially the viewpoint that focuses on process and network. Starting on the study of innovation using ANT, it will have the complexity that all things are treated as variables without the assumption that something is constant tacitly. However it has the possibility to discuss the innovation topic from the difference views and to derive some unique results. Lastly, two issues for innovation studies using ANT were brought.

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著者
太田時男 著
出版者
推古書院
巻号頁・発行日
1949
著者
太田 豊彦 福島 幸夫 上條 謙二郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.46, no.539, pp.705-711, 1998-12-05 (Released:2010-12-16)
参考文献数
4
被引用文献数
2

National Space Development Agency of Japan (NASDA) started to develop H-II launch vehicle in 1983 and succeeded in the 1st flight on February in 1994. Meanwhile, several troubles were experienced in the development of LE-7 which is the 1st stage engine of H-II. The LE-7 is a staged combustion cycle engine with high pressure and high Isp like SSME. Therefore, high delivery pressure and high performance were required for LH2 turbopump, which is the main key component, and caused several troubles in the development. This paper describes the development of LH2 turbopump containing the design description, the contents of some troubles and their counterplans. In addition, some activities to solve turbopump life and endurance will be introduced.
著者
小林功介 辻本拓也 安本匡佑 羽田久一 太田高志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.207-209, 2013-03-06

2012年10月の就職内定率が6割を切り、就職難と叫ばれて久しい。多くの就職活動生(以下就活生)は、いくつもの企業の選考を受けてもなお内定を獲得することができず、その代わりに数多の「不採用通知メール(通称 お祈りメール)」を受け取っている。 本研究では、お祈りメールが就活生に与える虚しさに着目し、これを題材にしたインタラクティブコンテンツを開発することで、就職難という昨今の世相の皮肉的な表現を試みている。神社の参拝を模したお祈りのジェスチャーに反応して、映像と音楽に併せて加工したお祈りメールの文面を提示する作品である。 なお、このコンテンツは今年10月30日から1週間に渡って開催された東京デザイナーズウィーク2012に出展され、閲覧者の好意的な反応を多数得た。
著者
倉爪 亮 米田 完 田中 俊太郎 玉木 達也 太田 祐介 長谷川 勉
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.811-818, 2003-10-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

From 1970's, legged robots have attracted much attention of many researchers. In spite of this, it has been regarded that dynamically stable walking is very difficult to be tackled for any types of legged robots. For a trot gait for quadruped walking robots, we have proposed “the sway compensation trajectory”. This method utilizes a lateral, longitudinal, and vertical motion of a robot body to keep a zero moment point (ZMP) on a diagonal line between support legs. In this paper, we develop the sway compensation trajectory for a biped robot, and show that dynamically stable walking is realized. This method makes it quite easy to design stable ZMP and COG (center of gravity) trajectories, which have been regarded as a very complicated and delicate problem. The effectiveness of the proposed method is verified through computer simulations and walking experiments by a humanoid robot HOAP-1, and YANBO-3.